先日、卒業生のAさんが遊びに来てくれました。
難関の高校へ見事合格し、3月にヒーローズ植田一本松校を卒業、
今や充実した高校生です。
植田中学は定期テスト週間です。
受験生になった後輩のために、Aさんは自分が使っていた教材を持って来てくれたのです。
そのAさんに対して、私は1つ心残りがありました・・・
「先生、合格したよ、めっちゃうれしー」
3月のこと、同じ塾の同級生と2人で、手土産を持って合格の報告に来てくれましたっけ。
しかし、ちょうどその時、私は新規に入塾されるご家族と面談をしていました。
結局、Aさんとは十分に会話ができませんでした。
「じゃ、先生、またね。」
とだけ言って、Aさんは帰宅してしまいました。
もっと努力を褒めてあげたかった。
もっと喜びを共感してあげたかった。
もっと色々とお話ししたかった。
そんな風に、今まで、ずーっと気にかかっていました。
ところが先日、Aさんの後輩だった塾生の一人が、
「先生、Aさんが今からヒーローズに来るってさ。」
と言ってきたのです。
なんでも、Aさんが使っていた教材を譲り受けたいと相談したら、わざわざ塾に届けてくれることになったのだとか。
しばらくすると、
「先生、こんばんわー。」
あまりにも普通に入ってきて、普通に着席するものだから、思わず笑ってしまいました。
あー、そうだった、そうだった。
そういう感じの生徒だったなぁ。
ほんの数か月前まで、毎日毎日、いま座っている、その席のあたりで、本当に一生懸命に勉強していましたっけ。
隣の席に、後輩に渡す教材が、ポンと置いてありました。
それを手に取ってパラパラめくると、思わず、
「○○ちゃんの頑張りが、懐かしいね。」
と口から言葉が出ていました。
「え、それって私にも、そのくらい一生懸命やれって言うこと!?」
「お、そうそう、もちろん。ほら見てごらん。こんなに繰り返してやってある。先輩に見習って頑張ろうね。」
「えーむりむり、むり(笑)」
チャイムが鳴って、何となく話にオチもついた感じだったので、私は授業に戻りました。
しばらくすると、
「じゃ、先生、また来ます。」
とだけ言って、また普通に帰っていきました。
授業が終わった後、席で自習していた後輩の生徒に、
「今日は楽しかった。ありがとう。」
と言いました。