個別指導塾、学習塾のヒーローズ。植田(名古屋市天白区)の口コミで評判!成績が上がる勉強方法が身につく!振替、自習も便利!
// 条件1に該当しない場合の処理

マナビバ

【天体観測】秋の夜空 2026 ギリシャ神話も

こんにちは、塾長です。

彼岸花の季節が終わり、台風も過ぎて、暑さが和らぎました。
夜になるとコオロギや鈴虫の鳴き声が聞こえるようになりました。

10月の星空とハロウィンの幽霊

秋が始まるこの季節の星空を調べましょう。
ハロウィンの季節ということで宇宙に浮かぶ幽霊も観察します。

いくつかの天体を紹介しながら、カシオペア座とケフェウス座に潜む幽霊たちの姿も暴いていきましょう。

ところで、毎月の星空を調べるなら国立天文台のホームページが便利です。下に2026年10月の星空を引用しました。

国立天文台 2026年10月中旬21時頃東京の星空より

夏の大三角が西へ傾いています。それでも、こと座の1等星「ベガ」の明るさが目立ちます。
天頂にはペルセウス座の四角形が見えるでしょう。そこから少し南には土星があり、これも明るいです。
北の空を見れば、北極星の右上にカシオペア座があります。
北東の低い位置にある明るい星は、ぎょしゃの1等星「カペラ」です。

西のベガ、南の土星、北東のカペラ。この3つの星はとても明るいので街中でも見えるでしょう。

秋の天の川

夏の天の川は色濃く見えることで有名でした。秋はどうでしょう?

秋も天の川が見えます。
西に残っている夏の大三角のあたりから、北のカシオペア座の方へ、うっすらと流れています。
もちろん、条件の良い山間部などへ行く必要があります。

次の写真は8月15日の深夜に撮影しました。10月なら22時くらいに相当します。

撮影した領域は、たいたい下の図の範囲です。

いろいろ写っています。解説を重ねると・・・

写真の中央からやや右上に見えるM31という天体は、アンドロメダ大星雲です。私たちの銀河系のお隣の銀河です。
その下、カシオペア座の右に見える星の集まりが、二重星団 h-χ (エイチ – カイ)です。ここから右側がペルセウス座です。
お盆のころには、ペルセウス座流星群が見えることで有名です。

他にもいろいろ写っています。

この秋に撮影できた天体

今年は8月15日と10月10日に撮影してきました。
仕事の都合や天候不順はもちろん、集中豪雨や台風などが連続して、9月はまったく観測できませんでした。

さて、撮影してきた天体を上の星図に書き込んでまとめました。
これを目次として説明していきましょう。

西から順に、M15(ペガスス座の球状星団)、NGC7331(超新星があった遠方の銀河)、NGC7023(アイリス星雲)、SH2-136(幽霊星雲)、M31(アンドロメダ大星雲)、IC63(幽霊星雲)、IC342(隠れ銀河)、Kemble’s Cascade(ケンブルの滝)、SH2-240(スパゲッティ星雲)、の主に9天体です。

順に紹介していきましょう。

ペガスス座の球状星団 M15

ペガスス座とは天馬のことで、架空の動物の姿をしています。
その口元には球状星団 M15 があります。それを望遠鏡で撮影したのが以下です。

双眼鏡で観察すると、ぼんやりした丸く小さな雲のように見えます。
中型の望遠鏡で見ると、その雲の周りに星が見え始め、大きな望遠鏡では星の大集団であることが分かります。

M15 の直径は150光年と大きいですが、距離が約33,000光年と遠く、私たちの銀河系の外縁に存在します。
この星団は超高齢化社会で、年老いた星の割合が高く、中には 120億歳の星もあるそうです。

球状星団とは

球状星団とは、数十万個の恒星が集まっている天体です。
その名の通り、全体が球または球に近い楕円の形をしていて、渦巻のような複雑な構造がありません。

銀河系の周辺に分布していて、地球からの距離は数万光年などと遠いです。
銀河系以外の遠くの銀河でも同様で、一般に球状星団は銀河の周りに分布しているようです。

球状星団の大きさは、だいたい100光年くらいと言われれています。
仮に恒星間の距離が1光年とすると、100×100×100=100万個の恒星を含む計算になりますから、それよりは密度が低いようですね。
とはいえ、とても密集した星の大集団です。

球状星団を構成する星は、ほとんど年老いています。

どうやら、球状星団は120憶年よりも前、つまり宇宙誕生の初期段階に、大量の星が一気に集団で生まれて形成されたようです。
星は巨大であるほど寿命が短いため、その長い長い歴史の中で、大きな星はすべて先に寿命を迎えていなくなりました。

ちなみに太陽サイズの星の寿命は 100億年くらいです。
そう考えると、球状星団に残っている星は、太陽よりも小さな星ばかり、ということになります。

また球状星団の中には、星の材料となる星雲がほとんど含まれないようです。
そのため、新しい星が誕生せず、高齢化が進む一方です。

ペガスス座の銀河 NGC7331 に現れた超新星

ペガスス座の足元に NGC7331 という渦巻銀河があります。約4,000万光年の彼方にあって観察には大きい望遠鏡が必要です。
2026年9月1日、この銀河で超新星が発見されました。つまり NGC7331 の星の1つが大爆発を起こしたのです。
発見当時は 15.7等の明るさで、その後9月中旬には11等まで明るくなりました。10月に入ってもまだまだ観測できる明るさを保っているとのこと。

さっそく撮影してきました。

写真の右上と左下に、いくつかの銀河が写っています。
右上の小さな銀河の集まりは「スレファンの五つ子」と呼ばれる小さな銀河の集まりです。詳細は昨年のブログ「【天体観測】望遠鏡を動かす装置「赤道儀」を作ったよ」をご覧ください。

そして注目の NGC7331 は左下の大きい方です。拡大したのが以下です。

上の写真で、2本の黄色い線が交わるあたりに移っている星が超新星です。
ネットで調べると、この時点の明るさは 13.5等くらいとのこと。この明るさを肉眼で観察するには、口径15cm 以上の望遠鏡が必要になるでしょう。

爆発の仕組み

この超新星は Ia 型とのことです。
Ia 型とは、燃え尽きたはずの白色矮星で、核融合の暴走が発生して爆発するタイプの超新星です。
2つの恒星がたがいの周りを回る連星で起こります。

恒星は主に水素の核融合で光っていますが、その水素が燃え尽きると、燃えカスの中心部が重力で潰れ、白色矮星という小さな天体が残ります。
小さいといっても元は恒星なので、超重い天体であり、その重力も太陽なみに半端ないです。
その重力が小さい範囲から発生してるため、その天体に近づくと急に重力が強くなります。
つまり白色矮星は、ダイソンの掃除機のような吸引力を持ちます。

さて、連星のうち、一方が先に寿命を迎えて白色矮星になり、もう一方はまだ現役の恒星だとします。
もしも両者の距離が近ければ、白色矮星が恒星の水素ガスを吸い込んでいきます。
すると白色矮星の表面に水素がどんどん蓄積していきます。

やがて臨界点を迎えると、ため込んだ水素が一気に核融合を起こし、星ごと吹き飛ばしてしまいます。
これが Ia 型の超新星爆発です。

昨年も超新星が発生

実は、この NGC7331 には昨年も超新星が発見されまています。

昨年は、2025年7月14日に発見されました。
塾長が 2025年8月30日に撮影したのが下の写真です。

昨年は銀河の中心の近くで発生しましたが、
今年は銀河の反対側で、中心から少し離れた場所で発生したようです。

超新星は超珍しい?

つまり、同じ銀河から2年連続で超新星が出現したということで、これはとても珍しい現象です。

もしも私たちの銀河系で超新星爆発が起これば、昼間でも見えるような明るさになります。
そういうことが2年連続で起こったら大騒ぎでしょう。
もちろん歴史上そのような記録はありません。

ちなみに、オリオン座のベテルギウスが、もうすぐ超新星爆発を起こすと言われています。
ただし、その「もうすぐ」は 10万年単位の話です。
私たちが生きている間に見れることは無いかもしれません。

超新星とは、それくらい珍しい現象です。

ところが宇宙には無数の銀河があるため、毎年どこかしらの銀河で超新星が発生します。
望遠鏡で何千万光年、何億光年という範囲を観測すれば、頻繁に観測できるというわけです。
宇宙はそれくらい広いということですね。

秋の星座の配置について

星座の多くがギリシャ神話から来ていることは有名です。
そして秋の夜空を代表する、カシオペア座、ケフェウス座、アンドロメダ座、ペルセウス座、ペガスス座、くじら座は、すべてギリシャ神話の一連の話でつながっています。
ちょっと説明しておきます。

かつて「ペルセウス」という勇者と、その母ダナエがいました。
2人は国を追い出されてしまい、地中海に浮かぶセリフォス島に漂着しました。
しかし、そこにはポリュデクテスという悪い王様がいました。

ギリシャ神話で王ボリュデクテスがダナエからペルセウスを遠ざけようとする場面 AI Gemini 作

ポリュデクテスはダナエの美しさに惚れ込み、息子のペルセウスを邪魔に思うようになりました。
しかしペルセウスは強いので排除できません。
そこで悪だくみをし「悪魔メデューサを退治せよ」という無茶な命令を出しました。

ペルセウスは準備を整えました。
ヘルメスという神から空が飛べる靴をゲットしたり、冒険して魔物退治に必要なアイテムをゲットしたりしました。
そしてメデューサという怪物を倒し、メデューサの首と「ペガスス」をゲットしました。

メデューサの首は、生き物を石にしてしまうアイテムです。
それでポリュデクテスを石に変えてしまい、ダナエを救い出しました。
悪い王様が退治されて、島は平和になりました。

一方、地中海を渡ったアフリカ大陸では、古代エチオピアが栄えていました。
エチオピアの王の名は「ケフェウス」で、妃の名は「カシオペア」。その2人の娘である姫の名は「アンドロメダ」です。

ギリシャ神話ケフェウス王カシオペア王妃アンドロメダ姫が王城で幸せそうに話している場面 AI Gemini 作

あるとき、カシオペアが娘のアンドロメダの美しさを自慢していると、神々の怒りを買ってしまいました。
海の神ポセイドンは、海の怪物である化けクジラを送り込んで、エチオピアの町を破壊しました。
困った王ケフェウスは神託を求め、アンドロメダを生贄として捧げることになりました。

こうして、アンドロメダは祭壇の岩に鎖でつながれてしまいました。
しばらくすると、化けクジラがアンドロメダの存在に気付きました。
そして彼女を食べるようと、だんだん近づいてきました。

ギリシャ神話でペルセウスがアンドロメダを助ける場面 AI Gemini 作

そのとき、空を飛んでいたペルセウスがその様子に気付きました。
空から舞い降りてはせ参じると、メデューサの首で化けクジラを石に変え、退治に成功しました。
そしてアンドロメダを救い出し、2人は結婚して幸せに暮らしましたとさ。

・・・というお話で、これらの星座は繋がっています。

そのため、これらの星座は近くに描かれています。

アンドロメダ座の銀河

さて、ペガスス座の東がアンドロメダ座です。
アンドロメダ座には、昔から「アンドロメダ星雲」と呼ばれる有名な天体があります。
正式には M31 という番号の銀河です。

月の6倍もある大きな天体です。
望遠鏡では大きすぎるため、望遠レンズで撮影しました。

天の川が見えるような空であれば、肉眼で存在を確認できます。
双眼鏡や小さな望遠鏡で観察すると、淡い雲のように見え、まるで星雲のようです。

アンドロメダ座に見える星雲ということで、昔は「アンドロメダ星雲」などと呼ばれていました。

やがて大きな天文台ができると、星雲などではなく、実は星の大集団であることが分かりました。
また天体までの距離を測る技術が発達すると、数百万光年という、とんでもなく遠い距離だと分かりました。

私たちの銀河系の直径が7万光年とも10万光年とも言われていますから、その遥か外側の天体です。
つまりアンドロメダ星雲は、私たちの銀河系を遠くから眺めたような姿であって、星雲ではなく銀河だったのだと分かりました。

今では正しく「アンドロメダ銀河」と教科書に書かれていますが、古い呼び名の「アンドロメダ星雲」も有名です。
塾長が子供の頃は、まだ多くの書籍で「アンドロメダ星雲」と書かれていました。

カシオペア座の幽霊

カシオペア座はMの字の形をしています。北極星の見つけ方でお馴染みですね。
そのMの字の真ん中の星のすぐ近くに、幽霊星雲と呼ばれる星雲があります。
望遠鏡で撮影してきました。

右上で強烈に輝いている星が、カシオペア座のMの真ん中の星です。
この星はカシオペア座のγ星(ガンマせい)という2等星で、「ナビ」という固有の名前もあります。

このような明るい星を望遠鏡で撮影すると、星の周りに光の筋が発生します。
この筋は望遠鏡の構造が原因で発生するため、本当の星の姿とは違います。また望遠鏡の種類によって形が変わります。

さて、ガンマ星を囲むように見えている赤くて淡い星雲が幽霊星雲です。
左の薄い方が IC59 で、下の濃い方が IC63 です。

IC59 と IC63 は、宇宙空間に漂うガスが、γ星の光を受けて輝いている反射星雲です。
γ星から噴き出すプラズマの勢いで、ガスがたなびいています。

とくに IC63 の方は、いかにも幽霊という姿に見えませんか?

試しに Chat GPT に幽霊の絵を描いてもらいました。どうでしょう?

ケフェウス座の幽霊

ケフェウス座にも幽霊星雲があります。
SH2-136 という、とても淡くて薄い星雲です。

本当に薄くて淡い星雲であるため、その姿を浮かび上がらせるだけでも苦労します。
上の写真は2時間ちかく露光して撮影したのですが、それでも全く姿がはっきり見えてきません。

補足するとこんな感じです。本当はこんな姿の星雲があるはず・・・

あと3倍くらい露出時間をかければ、上のような姿が見えるはずです。
画面中央より上の部分で、2人の人がバンザイしている姿がはるはずなのですが・・・

この姿を幽霊と呼ぶべきか、バンザイをしている人と呼ぶべきかは、見た人の好みにお任せしましょう。
塾長は個人的に「バンザイ星雲」とは呼んでいます。

この星雲にはもう1つ重要なところがあります。画面中央より下の部分です。
これも薄すぎて姿がはっきりしませんが、補足の絵にあるように、左右にジェットが噴き出ています。

このジェットは、星が新しく生まれている現場です。
星雲が渦を巻きながら1か所に集まると、やがて星が誕生します。
すると渦の中心から回転軸の方向へジェットが発生するのです。

その様子を撮影したかったのですが、まだまだ露出時間が足りませんでした。
今回使ったフィルターも相性が良くありませんでした。
また後でリベンジしたい撮影対象です。

ケフェウス座の花「アイリス」

幽霊ばかりではありません。ケフェウス座には王家に相応しい花もあります。
NGC7023 という星雲で「アイリス星雲」や「イリス星雲」などと呼ばれています。
150mm望遠レンズで撮影したのが下の写真ですが、どこに星雲があるか分かりますか?

写真の中央より左手にある、青くて小さな星雲がアイリス星雲です。ちなみに右下に光る青い星はケフェウス座β星です。
さて、アイリス星雲の部分を少し拡大しましょう。

この青白く輝く様子が、アイリスという青い花に似ていることから、そう呼ばれています。
青いガスと黒いガスが複雑な形を作っています。

星雲の中心の明るい部分は、実はいくつかの星の集まりで、NGC7023 はその星団を指します。
その星団をとりまくガスが星の光に照らされて星雲として見えています。
なお、星雲の部分は SBN487 というカタログ番号で呼ばれています。

他にも、いろいろな星雲が写っています。

画面の中央にある小さな星雲が、先ほど見た幽霊星雲 SH2-136 です。
アイリス星雲の隣にありますが、とても暗いため、ほとんど気付かれません。

ちなみに、右上の NGC7129は「バラのつぼみ星雲」と呼ばれていて、これまた花のようにきれいな星雲です。

どの星雲もまた機会があれば望遠鏡で大きく拡大して、じっくりと撮影してみたいですね。
ケフェウス座には宿題が多く残った気がします。

さて、古代エチオピア王の家族にまつわる星座については、これで終わりです。

ここからはさらに東の星座。
きりん座とぎょしゃざ座のあたりについて紹介します。

きりん座の滝

きりん座という星座を知っていますか?
カシオペア座やペルセウス座ほど有名ではありません。聞いたことない、という人もあるでしょう。

きりん座は4等星や5等星からなる暗い星座です。暗くて都会の夜空では見ることができません。

条件の良い空であれば下の写真のような位置に見えます。
大きな二等辺三角形が特徴で、そこがキリンの胴です。そこから北極星の方へ首が伸びています。

上の写真は10月11日の明け方に撮影した北西の空です。
しかし、きりん座を望遠レンズや望遠鏡で撮影したのはもっと早い時間で、こんな向きでした。

きりん座で有名な天体は、二等辺三角形の部分にあります。
赤い枠のあたりを 150㎜望遠レンズで撮影したのが次の写真です。

天の川に近い領域ですから、とにかく星がたくさんあります。
注目すべきは、画面の右上の星の並びと、やや左下のぼんやりした天体の2か所です。

右上が「ケンブルの滝」と呼ばれる、星の並びです。双眼鏡で観察すると、きれいに星が並んでいるのが分かります。
知る人ぞ知る見どころポイントです。
偶然にしては、並び過ぎている気がしますが、果たして天文学的な意味があるのか否か分かりません。

左下が IC342 というカタログ番号の銀河です。望遠鏡での写真撮影は、こちらの方が主役となります。
これも面白い天体なので、ちょっと説明します。

隠された銀河 IC342

下の写真は望遠鏡で IC342 を撮影したものです。
画面いっぱいに写るほど大きな銀河ですが、実際の大きさは、ちょうど私たちの銀河系と同じくらいです。
もしも私たちの銀河系を上から見たら、きっとこのような姿なのでしょう。

ウィキペディアによると、超新星が発生した銀河 NGC7331 は、直径約12~14万光年、距離約4,000万光年でした。
一方この IC342 は、直径約7.5万光年、距離約1000万光年です。
1000万光年とは気の遠くなるような距離ですが、銀河の中ではむしろ近い方で、IC342 は私たちのご近所の銀河です。

トップ5の大きさ

近いだけあって、このように画面いっぱいに写ります。
満月より一回り小さい大きさで、銀河の中ではトップ5にランクイン。
日本から見える銀河の中では、M31、M33 に次いで3番目の大きさを誇ります。

この大きさだけで言えば、肉眼で見えてもおかしくない銀河です。
しかし全く見えません。
なぜか、とっても暗いのです。

なぜ暗いのか

IC342 は双眼鏡でも見えません。
普通サイズの望遠鏡を使っても、肉眼ではほとんど見えません。

上の写真は120分間もかけて撮影しましたが、それでもまだまだ露出が不足しています。

どうしてこんなに暗いのでしょうか?

実は、私たちの地球と IC342 の間に、チリやガスがたくさんあって、光の多くが遮られているからです。
つまり IC342 は霧の向こうに霞んで見えているような状態なのです。

IC342 の方向は、私たちの銀河系で星が多い場所なんです。
この記事の最初に秋の天の川について説明しましたが、その天の川にちかい場所なんですね。
だから、天の川のチリやガス、つまり私たちの銀河系に含まれるチリやガスが、IC342 の姿を隠しているわけです。

そのため IC342 は「隠された銀河」と呼ばれています。

これもある意味で幽霊みたいなものですね。

隠れされ過ぎです

一般に、小さな望遠鏡でも発見できるような天体には、M1, M2 のような M* という番号が付けられています。
M* は、シャルル・メシエという人が小さな望遠鏡を使って見つけた天体のカタログに付けられた番号で、M1~M110まであります。

次に有名な天体には、NGC7331 のようにたいてい NGC* という番号が付けられています。
NGC* は、New General Catalogue のことで、より大きな望遠鏡で探索して作られた天体のカタログで、7840個の天体が載っています。
この 7840個の中にはM*の天体も含まれます。

そして IC342 は IC* というカタログ番号です。
これはNGCカタログの完成後に、さらに追加で作られたカタログの番号です。

IC342 ということは、7840+342=8182 番目に、やっとカタログに載せてもらえた、という順番になります。

つまり、ベスト5の大きさなのに、
8000個以上の天体が次々に見つかっていく間ず~っと見つけてもらえなかった・・・。

存在感がないにもほどがあります。

現代は観測技術が向上し、好感度のデジタルカメラがあります。
塾長のようなアマチュアでもその姿を観測できるようになりました。

超新星爆発の成れの果て

ペガスス座の銀河 NGC7331 に発生した超新星爆発。
爆発した星は、そのあとどうなってしまうのでしょうか?

その40000年後の姿が、おうし座とぎょしゃ座の間にあります。

それが SH2-240 という星雲です。スパゲッティ星雲とも呼ばれています。
その直径は満月の約6倍、アンドロメダ銀河 M31 と同じくらいです。

この星雲は IC342 よりも、もっと淡くて薄いです。
シャボン玉のように丸い形をしているはずですが、分かりますか?

こんな感じです。141分間も露出したんですけどね、まだまだ淡いです。

SH2-240 は超新星爆発の残骸です。
およそ40000年前、その中心で超新星爆発が発生しました。
吹き飛ばされた星のガスやかけらが、このような星雲になっています。

実際の大きさは直径約150光年。地球からの距離は約3000光年と言われています。

つまり、この超新星爆発が地球で観測されたとすれば、それは約43000年前ということになります。
アフリカで誕生した人類が、ちょうど世界中に広まったころです。
昼間でも見えるような星が突然あらわれて、さぞ驚いたことでしょう。

中心には中性子星が見つかっていて、電波望遠鏡で観測すると周期的な電波が発生しています。
太陽の数10倍の質量を持つ巨大な星が超新星爆発を起こすと、その中心に誕生します。

中性子星とは、ブラックホールになりそこねた星です。
自分の重力があまりにも強すぎて、原子核の陽子と電子すら押しつぶされてくっつき、中性子にされてしまいます。
そして中性子だけの巨大な塊になった、という凄まじい星です。

撮影データ

撮影地は愛知県の茶臼山高原面の木園地です。

赤道儀:
・Vixen R200SS: Zero (自作の赤道儀)
・150mm F2.8: Sky-Watcher Star Adventurer GTi
・15mm F2.8: Sky-Watcher Star Adventurer GTi

秋の天の川

はくちょう座からペルセウス座まで

2026/08/15(Sun) 01:49 – 01:59
露出10分 (299sec * 2)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放 フードによるケラレあり

 M15 球状星団

ペガスス座 距離約33,000光年 直径約150光年

2026/08/14(Sat) 23:42 – 24:26
露出30分 (30sec * 60)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

NGC7331 と超新星 銀河

ペガスス座 距離約4,000万光年 直径約12~14万光年

2026/10/10(Sat) 20:25 – 22:55
露出70分 (60sec * 70)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

M31 アンドロメダ銀河

アンドロメダ座 距離約250光年 直径約22万光年

2026/08/15(Sun) 00:33 – 01:38
露出60分 (299sec * 12)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放

 IC59 と IC63 反射星雲 カシオペア座の幽霊

カシオペア座 距離約550光年 直径約8光年(カシオペア座γ星から数光年の距離)

2026/08/15(Sun) 00:58 – 01:40
露出30分 (30sec * 60)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
180sec * 23 = 69m

SH2-136 反射星雲 ケフェウス座の幽霊

ケフェウス座 距離約1,200光年 直径約2光年

2026/10/10(Sat) 22:59 – 25:40
露出116分 (60sec * 116)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

NGC7023 アイリス星雲

ケフェウス座 距離約1,300光年 直径約6光年

2026/10/10(Sat) 20:45 – 23:24
露出90分 (180sec * 30)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放

ペルセウス座、カシオペア座、きりん座の付近

2026/10/11(Sun) 04:55 – 04:58
露出3分 (180sec * 1)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 15mm F2.8→F4.0 フードによるケラレあり

IC342 とケンブルの滝

きりん座

2026/10/10(Sat) 23:49 – 24:51
露出60分 (180sec * 20)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放

IC342 隠れ銀河

きりん座 距離約1,000光年 直径約7.5万光年

2026/10/11(Sun) 01:44 – 04:21
露出120分 (60sec * 120)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

おうし座とぎょしゃ座の付近

2026/10/11(Sun) 03:58 – 04:13
露出15分 (180sec * 5)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 15mm F2.8→F4.0 フードによるケラレあり

IC342 スパゲッティ星雲 (超新星爆発の残骸)

おうし座とぎょしゃ座 距離約3,000光年 直径約150光年

2026/10/11(Sun) 01:03 – 03:43
露出141分 (180sec * 47)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放

あとがき

今回は幽霊と呼ばれる星雲、幽霊のように淡い銀河や超新星爆発の残骸について紹介してきました。
もっともっと時間をかけて撮影しなければ、なかなかハッキリした姿をとらえることができません。
天体写真の中でも、とくに撮影には根気の要る対象ばかりでしたが、まだまだ露出不足でした。

それにしても、この季節は天気が晴れること自体が難しいですね。
今年も夏から秋にかけて、ずっと大気中の水分が多いです。昨年もそうでしたっけ。
晴れたとしても、なかなか空気が透明になりません。

8月15日に観測へ出かけた時は、真夜中でも暑くてカメラの冷却が追い付きませんでした。
そしてすごい湿気。少しでも風向きが変わるとすぐに雲ができるような感じでした。

9月は集中豪雨や台風で雨ばかりでした。
晴れないどころか、雨の降り方が異常でした。

9月8日の集中豪雨はほんとうに大変でした。恐怖を感じるほどの雨。
9月9日は名古屋市立の全学校が休校となりました。
ヒーローズ植田一本松校は安全を優先して8日と9日の2日間を休校としました。
その後も何度か台風の影響が続きました。

10月に入ってようやく暑さが和らぎはじめ、晴れ間も出てきました。
とはいえ、10月10日に観測へ出かける前は、台風28号や29号が来やしないかと焦りました。
幸い台風は日本から逸れて晴れてくれました。

そしてまた、どうやら台風30号が北上しているらしいです。
30号まで発生したのは13年ぶりらしく、今年は台風が多いです。

安全に星空を眺めることができる
安全に勉強することができる

とても幸せなことです。

 


進学実績

卒塾生が入学した学校の一覧です(※)。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

※ ここで卒業生とは、進路が確定するまで在籍していた生徒のことです。進路実績とは、その中でもさらに進路調査表を提出またはそれに準じた進路報告をした生徒分の進学先です。併願校は含みません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


名古屋市天白区の植田で塾を探すなら個別指導のヒーローズ!!

★ 直接のお問い合わせ ★
――――――――――――――――――――――
個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

【天体観測】春の銀河まつり 2026

塾長です。

宇宙が大好きな人たちにとって春は特別。
多くの銀河を観測することができるからです。

銀河とは

銀河は、中3理科で初めて習います。
太陽のような星が数千億個ほど集まった天体のこと。宇宙にはこれが無数に存在しています。

教科書にはおよそ次のようなことが書かれています。

  • 私たちの太陽系も1つの銀河の中にある
  • 私たちのいる銀河を特別に「銀河系」または「天の川銀河」などと呼ぶ
  • 天の川は銀河系を内側から見た姿
  • 銀河系の直径は7万5千光年くらい

銀河系はとても大きいです。
2万光年進んでも、3万光年進んでも、まだ銀河系の中。
つまり、私たちが肉眼や双眼鏡などで見る星は、ほとんどすべてが天の川銀河の内部の星ということになります。

春の銀河まつり

多くの天文ファンたちが、こぞって夜の山中へ出かけます。
特に春は、宇宙のはるか遠くにある銀河を、望遠鏡で観察したり、写真に撮ったりする人が多くなります。
その様子を「春の銀河まつり」と呼ぶのだそうです。

塾長もそういう天文ファンの1人です。

昨年は天の川を撮影しに三重県へ出かけました。
その様子はブログ「【天体観測】天の川の写真を撮って来たよ」をご覧ください。

今年は愛知県の山奥へ出かけてきました。
茶臼山高原道路のあたりです。もうすぐ芝桜が見られますが、秋は紅葉、冬はスキーで賑わいます。

そこで色々な写真を撮ってきました。
距離の近い天体から順にご紹介しましょう。

かに星雲(M1) 約7000光年

夕方はおうし座が見えています。
おうし座は冬の星座ですから、夜になればすぐ西の空へ沈んでいきます。

おうし座の角のあたりに「かに星雲」があります。カタログ名はM1(メシエ ワン)です。
かに星雲は平安時代に発生した超新星爆発の残骸です。

この星雲の中に赤や緑の筋が見えます。
緑は主に酸素(OⅢ)と水素(Hβ)、赤は主に水素(Hα)と窒素(NⅡ)の色でしょう。

爆発が観測されたのは平安時代ですが、この星雲までの本当の距離は7000光年です。
つまり実際に爆発したのは平安時代からさらに7000年前。今から8000年前ということになります。
そのころ、地球では最後の氷河期が終わり、海面が上昇し、日本では縄文土器がつくられていました。

かに星雲(M1)の詳細

地球からの距離は6500光年とも7000光年とも言われます。直径は約5.5光年。

1054年に当時の人々を驚かせた超新星爆発の残骸です。平安時代の空に昼間でも見えたでしょう。

ところで、日本には超新星の記録が代々残されています。
鎌倉時代の1230年のある日、また別の超新星が現われました。
きっと当時の人々は驚き、ある人はこれから良いことが起こると言い、また別の人は悪いことが起こると騒いだことでしょう。
そこで藤原定家は、その吉兆を問うため、陰陽師の阿部氏に相談し、彼と共に過去の記録を調べました。
過去に同じような現象が無かったか、あったとしたら、その後でどんなことが起こったのか、ということを調べたていったのです。

そうした調査の中で、1054年5月から6月にかけて、おうし座の角のあたりに木星のように明るい星が現われたという記録も発見されました。
そして、こうした一連の調査の様子について、藤原定家は個人の日記「明月記」の中にも記載していました。

後冷泉院 天喜二年 四月中旬以降 丑時 客星觜参度 見東方 孛天関星 大如歳星

これが日本に残る「かに星雲」の元となった超新星爆発の公式な記録です。
それを後世の天文学者が超新星爆発の記録として再発見しました。

天文学と考古学が結びついた瞬間です。

一見すると何の関係もない学問も、実は関係があって、総合的に調べてはじめて発見できることがあります。

いろいろな分野を横断して調べる研究を「博物学」と呼ぶそうです。
人間の小さな脳と短い一生では、博物学の研究で成果を出すのは至難の業で、運も大きいでしょう。
しかし今はAIを活用できます。こうした研究がさらに発展することでしょう。

それにしても、情報の大元は陰陽師が代々伝えてきた記録だったわけですが、それも気になりますね。
その陰陽師の記録を探せば他にも発見が・・・と思って研究されている方もいらっしゃるでしょう。
一方で、陰陽師の記録は全ては残されていないようです。
明治初期の「天社神道廃止令」で一部の活動が禁止されたり、戦争で焼失したりするなど、歴史の中で葬り去られた記録も多いでしょう。

さて、かに星雲の話の戻ります。
1054年に爆発した星の残骸は、そのあと高速に広がり続け、次第に星雲になっていくわけです。
その星雲の姿が初めて望遠鏡で捉えられたのは1731年のこと。イギリスのアマチュア天文家によって発見されたとされています。
ただし、それが1054年の超新星爆発の残骸であると判明したのは1930年代後半になってから。
アメリカの天文学者が中国の文献と日本の明月記を調べて同定しました。
調査当時、この超新星の記録が文献として残されていたのは日本と中国だけだったと言われています。

(ウィキペディアとか色々な参考資料より)

 

昇ってきた夏の天の川 数万光年

次の写真は明け方に撮影しました。
3月は夜明け前に夏の天の川が昇って来ますが、その様子です。

夏の天の川は見事です。
宮沢賢治の小説「銀河鉄道の夜」にも出てきます。

写真では色がついて見えますが、実際には薄く微かな白い帯のように見えます。
茶臼山高原であれば、その帯のなかに濃淡があるのが分かります。
天の川が東の地平線の近くにあるときは、低空の雲かと見間違えるほど、存在感があります。

その天の川は、銀河系を内部から見た姿です。

銀河系を内部から見ているとはいえ、銀河系があまりにも巨大であるため、ほとんどの星は遠すぎてはっきり見えません。
例えば太陽が100光年先にあったとしたら、もう暗すぎて肉眼では見えません。
銀河系内のほとんどの星々は数千光年から数万光年の彼方。肉眼では点にすら見えないかすかな光です。
そのような無数の星々のかすかな光が重なって、全体としてぼんやりと雲のように見えています。

写真の中央あたりが最も天の川が濃く見えます。
そのあたりが私たちの銀河系の中心部。
地球からの距離は27000光年くらい。巨大なブラックホールがあるらしいですよ。

その銀河の中心の姿は約27000年前の姿。
その頃の日本は、人類が住みはじめたばかり、旧石器時代のころです。

 

ボーデの銀河と葉巻銀河(M81とM82) 1200万光年

夜半過ぎになると北東に北斗七星が昇ってきます。おおぐま座です。
北斗七星の周りには、多くの銀河があります。
最初に昇って来るのが、ボーデの銀河(M81)と葉巻銀河(M82)です。

写真の右上に見えるのがボーデの銀河(M81)です。とてもきれいな渦巻銀河です。
左下には葉巻銀河(M82)が見えています。こちらは構造がぐちゃぐちゃです。

別の日に撮影した写真も載せておきます。こちらの方が渦巻の構造や銀河の広がりがよく分かります。

これら2つの銀河は、数千万年前に接近しました。
そのとき小さい方の葉巻銀河は壊されてしまい、このようなぐちゃぐちゃな構造になってしまいました。
葉巻銀河の中心部が爆発し、左右に赤いガスが噴き出しています。

これら2つの銀河までの距離は1200万光年。
つまり1200万年前の姿。
地球では新第三期。哺乳類の進化が進んで大型化していた時代です。

 

回転花火銀河(M101) 2200万光年

北斗七星の柄の部分にも、きれいな渦巻き銀河があります。
回転花火銀河(M101)。これも、おおぐま座です。

望遠鏡ではとても大きく見える銀河です。さらに写真では内部の細かい構造まで観察できます。
内側から外側へぐるりと回転するような腕が何本か確認できます。

そうした腕に沿うように赤い斑点がいくつも分布しているのが分かります。
この赤い斑点は巨大な星雲で、その中で新しい星が次々に誕生しています。

この姿は2200万年前の姿。
地球では新第三紀のはじめ。哺乳類の進化が本格的にスタートした頃です。恐竜はもういません。

そういえば昨年もこの銀河を撮影していました。
あの時は 150㎜の望遠レンズを使い、下の写真を撮りました(昨年のブログ「【天体観測】天の川の写真を撮って来たよ」から引用)。

このように150㎜望遠レンズでは小さくポツンと写る程度です。
これでも「やった、写った!」と感動していたのですが、やはり望遠鏡の迫力にはかないません。

この銀河は内部の構造にもカタログ番号が細かく与えられています。

 

子持ち銀河(M51) 2300万光年

おなじく北斗七星の柄の部分に、もう1つ面白い銀河があります。
子持ち銀河(M51)です。こちらは、りょうけん座に属します。

文字通り、大きな渦巻銀河の左に小さな銀河が子供のようにくっついています。
手をつないでいるようにも見えます。

2つの銀河が衝突している、まさにその最中と言われます。
数億年前につながりはじめ、このまま互いに引きあって、数十億年後には1つに合体するそうです。

実は左手の小さく見える銀河の中心には巨大なブラックホールがあり、大きい方の銀河の腕を引っ張り込んでいるそうですよ。

 

おとめ座の銀河団(Markarian’s chain) 6000万光年

北斗七星に続いて、かみのけ座とおとめ座が昇ってきます。
どちらにも銀河の集まりである「銀河団」があります。

まずは地球に近い方の「おとめ座銀河団」から撮影しました。といっても6000万光年の彼方です。
この写真は 150㎜望遠レンズで撮影しました。

画面いっぱいに小さな銀河が多く写り込んでいるのが分かるでしょうか。
この領域の銀河の集まりがおとめ座銀河団です。
中央付近にいくつか目立つ銀河がありますが、ハッキリとした渦の構造が見えません。楕円銀河というタイプの銀河で、ぼんやりした楕円形に見えます。よく見ると変形した銀河もありますし、周辺には渦巻銀河も見られます。

画面中央から左下へJの字に銀河が連なっています。この連なりは「マルカリアンの鎖(Markarian’s Chain)」という名前が付いています。
その部分を少し拡大してみましょう。

距離が6000万光年ですから、これらの姿は6000万年前の姿です。
6000万年前といえば、地球に小惑星が衝突して多くの生物が絶滅し、恐竜が姿を消した後の時代です。
辛くも生き延びることができた生物たちが、ようやく地球上に繁栄していたころでしょう。

6600万年前に直径10Kmの小惑星が地球に衝突し、恐竜を始めとした多くの生物を絶滅させました。
これにより白亜紀は終わり、次の第三紀が始まりました(K-T境界)。

その衝突のクレーターは今も残っています。
メキシコのユカタン半島の北部からメキシコ湾西部がそれです。地図では分かりにくいですが地層や重力異常から特定されました。

レアアースの1つにイリジウムという元素があります。
地球の地殻には存在しない元素のはずですが、この元素を多く含む薄い地層が世界各地に分布しています。しかも、どれも同じ年代です。
実はこのとき衝突した小惑星がイリジウムをもたらし、衝突で世界中に飛び散った塵や破片がこうした地層をつくりました。

さて、この写真の中から、おとめ座銀河団にある銀河をAIに見つけてもらいましょう。
NGCカタログ、ICカタログ、Mカタログの範囲に絞って見つけてもらいましたが、それでもこれだけ見つかりました。

 

かみのけ座の銀河団 (Abell1656) 3億2千万光年

最後に紹介するのが、かみのけ座銀河団です。その距離はなんと3億2千万光年!
かみのけ座はおとめ座のとなりです。
見かけの方向は、おとめ座銀河団の近くに見えるのですが、遠近の差がスゴイです。

望遠レンズで撮影(150mmF2.8)

まずは望遠レンズで。
中央付近にぼんやりと2つの小さな塊が見えるでしょう。
それがかみのけ座銀河団です。
とても遠いので、ちいさくまとまっています。

150㎜の望遠レンズの倍率は、およそ3~4倍くらいです。その程度の倍率では、まだまだ小さいですね。
この写真の中央部を拡大してみましょう。

中央には、ぼんやりした楕円銀河が縦に2つ並んでいるのが分かります。
その周辺に小さな銀河が多く群がっているはずなのですが・・・この写真では倍率が低すぎて、そこまで分かりません。

やはり望遠鏡を使うしかないでしょう。

塾長の持っている望遠鏡では、上の写真の緑の枠線の領域を拡大して撮影することができます。

望遠鏡で撮影(760mmF3.8)

はい、これが、かみのけ座銀河団の本当の姿です!

中央とその少し下に、やはり2つの大きな楕円銀河が縦に並んでいます。
それらの周囲に小さな楕円銀河が多く群がっているのが分かるでしょう。
ピンボケした星のように見えるものは全て銀河です。

なお、はっきりした点状の天体は、私たちの銀河系にある星々です。銀河より手前に重なって見えています。

中央の2つの楕円銀河は、実際のサイズがとても巨大です。直径30万光年~40万光年もあります。
私たちの銀河系の直径が7.5万光年ですから、その4~5倍もあります。つまり体積なら100倍規模です。

実は周囲の銀河が小さいのではなく、中央の2つの銀河がとても巨大だったのです。

その巨大な銀河ですら拡大してもこのサイズ。3億2千万光年は遠いです。
そしてこれらの銀河の姿は3億2千万年前の姿。今ごろ現地はどうなっているのでしょうか?

3億2千万年前といえば、地球では三畳紀のころ。恐竜が出現した頃です。

かみのけ座銀河団から光が出発したころに恐竜が誕生し、
おとめ座銀河団から光が出発したころに恐竜が絶滅しました。

さて、この写真の中に銀河がいくつあるのか、AIに見つけてもらいましょう。

NGCカタログ、ICカタログ、Mカタログに掲載されている天体の範囲で見つけてもらいました。
しかし名前を特定できなかった銀河が、まだ多く残っています。
遠くの小さい銀河は、もっと別のカタログに掲載されているのでしょう。

観測機器やデジタルの進化で、塾長のようなアマチュア天文ファンが撮影する写真にも、マイナーな天体が多く映るようになったということ。
今後は天文台が使うような超詳細なカタログも時には必要になるでしょう。

観測風景

今回は主に茶臼山高原で観測、撮影しました。
1つの天体を撮影するのに1時間~3時間くらいかかるので、何日かに分けて遠征しています。

最後に撮影したのが3月21日(土)~22日(日)でした。
21日はいつもより少し塾が早く終わったので、そのあと急いで望遠鏡を車に積んで山に向かいました。
晴れたのは嬉しいですが、気温は氷点下3℃!
寒かったです。

画像処理

天体写真は画像処理をしないと映像が現われてきません。
真っ暗な宇宙空間と明るい星の間で明暗の差があり過ぎるので、それらの格差を圧縮する必要があるためです。

またデジタルカメラは人間の目には見えない光も記録します。
さらに街の明かりの影響で星が見えなくなってしまうので、撮影には街の明かりの光をカットするフィルターなども使います。
これらの影響でカラーバランスが崩れるため、色合いの調整も必要となります。

こうした処理の過程で、調整の加減を少し変えると見た目も変わります。
ただ、すでに人間の目には見えない姿や色まで写し出していて、本来の色が何かは分からないため、ある程度は個人の好みが許されます。

上の写真は画像処理の違いを比較しました。
同じ写真でも処理の違いで赤っぽくなったり青っぽくなったりします。
今回はこれらの中間の色合いで調整しました。

 

撮影データ

以下、今回撮影した写真のデータです。

なお、昨年の写真(150㎜望遠レンズで撮影したM101)のデータについては、昨年のブログ「【天体観測】天の川の写真を撮って来たよ」に掲載してあります。

また以下で DIY Zero(OnStepX mount) とあるのは、自作した赤道儀のことです。
この赤道儀については別のブログ「【天体観測】望遠鏡を動かす装置「赤道儀」を作ったよ」で詳細に紹介してあります。

 

かに星雲(M1)

2026/02/15 20:37-21:05
exposure: 24m (8x180s), Gain200, -10℃
ASI585 MC Pro, Antlia Quad Band AP Filter
Vixen R200SS Corrector-PH (760mmF3.8)
DIY Zero(OnStepX mount) + ZWO ASIAIR mini
Seiji Matsushita
備考: 突風有

 

昇ってきた夏の天の川

2026/03/22 03:38-03:39
exposure: 69s, ISO2000
Canon EOS-60Da, LPS-P2 filter
SIGMA 15mm F2.8
Sky-Watcher Star Adventurer GTi
Seiji Matsushita

 

ボーデの銀河と葉巻銀河(M81とM82)

2025/11/15 01:39-05:08
exposure: 147m (147x60s), Gain200, -10℃
ASI585 MC Pro, Antlia Quad Band AP Filter
Vixen R200SS Corrector-PH (760mmF3.8)
DIY Zero(OnStepX mount) + ZWO ASIAIR mini
Seiji Matsushita

 

回転花火銀河(M101)

2026/03/21 23:10-01:23
2026/03/22 04:01-04:46
exposure: 156m (52x180s), Gain252, -10℃
ASI585 MC Pro, Antlia Quad Band AP Filter
Vixen R200SS Corrector-PH (760mmF3.8)
DIY Zero(OnStepX mount) + ZWO ASIAIR mini
Seiji Matsushita

 

子持ち銀河(M51)

2026/02/16 00:03-04:13
exposure: 165m (55x180s), Gain200, -10℃
ASI585 MC Pro, Antlia Quad Band AP Filter
Vixen R200SS Corrector-PH (760mmF3.8)
DIY Zero(OnStepX mount) + ZWO ASIAIR mini
Seiji Matsushita
備考: 風強し、ガイド精度は5~9秒
撮影した枚数のうち3分の1はガイドエラーで捨て残り55枚をスタック

 

おとめ座の銀河団(Markarian’s chain)

2026/03/21 22:23-01:51
exposure: 150m (30x300s), ISO2000
Canon EOS-60Da, LPS-P2 filter
SIGMA 150mm F2.8
Sky-Watcher Star Adventurer GTi
Seiji Matsushita

 

かみのけ座の銀河団 望遠レンズ(Abell1656, 150mmF2.8)

2026/03/22 01:42-03:24
exposure: 120m (20x300s), ISO2000
Canon EOS-60Da, LPS-P2 filter
SIGMA 150mm F2.8
Sky-Watcher Star Adventurer GTi
Seiji Matsushita

 

かみのけ座の銀河団 望遠鏡(Abell1656, 760mmF3.8)

2026/03/22 01:53-02:58
exposure: 120m (40x180s), Gain252, -10℃
ASI585 MC Pro, Antlia Quad Band AP Filter
Vixen R200SS Corrector-PH (760mmF3.8)
DIY Zero(OnStepX mount) + ZWO ASIAIR mini
Seiji Matsushita

 

観測風景

2026/03/22 03:36-03:37
exposure: 63s, ISO2000
Canon EOS-60Da, LPS-P2 filter
SIGMA 15mm F2.8
Sky-Watcher Star Adventurer GTi
Seiji Matsushita

 

以上です。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


名古屋市天白区の植田で塾を探すなら個別指導のヒーローズ!!

★ 直接のお問い合わせ ★
――――――――――――――――――――――
個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

2つのアトラス彗星を撮影して来たよ

塾長です。

10月はレモン彗星とスワン彗星を追いかけてきました。
それで今年の彗星祭りは終わりかと思っていたのですが・・・

なんと、11月も2つの彗星が注目されていることが分かりました。
しかも1つは太陽系の外から飛来しているとか。
なんでもエイリアンの宇宙船だと疑う人がいるなど、世間を騒がせているそうですよ。

さっそく観測しきました。

2つのアトラス彗星

11月中旬の深夜に日本から見える彗星は2つ。

  • C/2025 K1 (ATLAS) 彗星
  • 3I/ATLAS 彗星 (太陽系の外からやって来た恒星間彗星。恒星間彗星は史上3番目の発見)

2025年11月15日AM4時ころの位置は、下図の通りです。
どちらも望遠鏡でやっと見えるか見えないか、というくらい暗くて小さいです。

なお図はフリーソフト「ステラリウム」の画面を使って作成しました。

下の写真は当日の明け方、北東の夜空です(観測の終わりごろに撮影)。
2つの彗星がある方面をスマホで撮影したのですが、街が明るいので小さい星は写ってくれません。
上の星図と見比べて、およその彗星の位置を水色でマークしてみました。

写真のとおり名古屋市郊外なので星はそれほど見えません。
周囲の街明かりで空が照らされ、暗い星はかき消されてしまいます。

写真を撮るときには、「街の明かりをカットし、星の光だけをよく通す」という特殊なフィルターを使って撮影します。

ところで、2つの彗星の名前には、どちらもATLAS(アトラス)が含まれています。
昨年の「紫金山・アトラス彗星」にも「アトラス」がついていました。

アトラスとは、NASAとハワイ大学が運用している小惑星地球衝突最終警報システム(Asteroid Terrestrial-impact Last-alert System) のことです。
地球に衝突しそうな隕石がないかどうか、いつも監視しているため、そのついでに彗星を多く発見します。
このシステムが発見した彗星には ATLAS の名が付く、というわけです。

C/2025 K1 彗星と遠くの銀河たち

夜12時前に機材のセットをひととおり終えました。
他の天体を撮影しながら、待つこと2時間・・・
最初に昇って来たのは、C/2025 K1 (ATLAS) 彗星です。

ステラリウムには事前に彗星の軌道データを追加しておきました。
ステラリウムで望遠鏡の視野をシミュレーションすると、彗星の近くに銀河が複数があるようです。
この場所は、おおぐま座の端っこです。

これらの銀河と彗星を一緒にねらって撮影したのが下の写真です。
この1枚を撮影するのに3分間かけています(露出60秒×3枚)。

彗星の動きはとても速く、この3分の間にも動いていきます。
彗星の中心部が点ではなく、横にズレた線になっているのは、それだけ彗星が動いたからです。

よく見ると彗星の下に淡い斑点がいくつか写っています。
これは銀河でしょうか、それともボケた星やノイズでしょうか。
いったい何が写っているのかを、コンピューターに判定させたのが下の写真です。

やった、銀河でした!

コンピューターが判定した上の画像について、少し説明します。

いくつかの星が赤く色づけされています。
これはコンピューターが星の配置パターンを認識するために使った星たちです。
星の配置パターンをデーターベースと照合し、望遠鏡の向きや視野の角度などを自動的に判定しています。

緑色の円で囲まれているのが遠くの銀河です。
7つの銀河が検出されたようですね。緑の字で銀河名も表示されています。
これら7つは Abell 1185 という銀河団です。

何兆倍という距離の差!

もっとも大きく写っていた銀河が NGC3550 です。
距離は4億光年~4億9千万光年。

つまり4億年以上前の姿を見ているわけです。

4億年前の地球といえば、植物が陸上に進出し始めたころ。
動物はまだ海の中で暮らしていました。

C/2025 K1 (ATLAS) 彗星までの距離は、約4光分(光の速さで4分弱、約6800万キロメートル)。
一緒に写っている銀河群までの距離は、約4億光年以上(光の速さで4億年以上)。
50兆倍以上も距離のちがう天体が1枚の写真に収まっているのは、なんとも不思議な光景です。

別の星から来た 3Iアトラス彗星

明け方の4時を過ぎると 3I/ATLAS 彗星も昇ってきました。
おとめ座の1等星「スピカ」は、また地平線付近ですが、その上の方に彗星があるはずです。

下の図はステラリウムでシミュレーションした望遠鏡の視野です。

とくに目立つ星や天体がない領域です。
こういう場所にある天体は見つけるのが大変なんですよね。

もしも望遠鏡に自動導入の機能がなかったら、見つけることができなかったかもしれません。
昔は彗星を探しているうちに夜が明けてしまった、などという経験が何度かありました。

文明の利器で難なく導入に成功し、撮影しました。
こちらは10分露出しました(60秒×10枚)。

写真の中央に、ぼうっとした天体があります。
それが 3I/ATLAS 彗星です。

この彗星までの距離は約3億Km。
地球と太陽の距離が1億5000万Kmですから、その約2倍です。
上の C/2025 K1 (ATLAS) 彗星と比べると4~5倍くらい遠いのですから、暗くて当然でしょう。

彗星らしく尾を引いている姿を期待しましたが、尾は写ってくれませんでした。
この彗星は、その姿が日々変わると言われており、尾がある日もあれば、ない日もあります。
あるいは、この日は空の透明度が悪かったため、単に暗い尾まで写せなかっただけかもしれません。

彗星の軌道がおかしい

3I/ATLAS 彗星は2025年7月1日に発見され、世界中の天文学者の注目の的となりました。
軌道が楕円ではなく双曲線だと判明するや否や、すぐにハッブル宇宙望遠鏡による追加観測が行われました。
予約でいっぱいの宇宙望遠鏡が使われたということは、それだけ重要な発見だったということです。
なぜなら、この彗星が太陽系の外からやってきた天体だと判明したからです。

NASAは 3I/ATLAS 彗星の専用サイトを設けて、観測の詳細を公開しています。
その一部を紹介しましょう・・・

ハッブル宇宙望遠鏡が7月21日に撮影した映像です(NASAのサイトのリンクを埋込表示)。
少し尾が確認できます。

At the center of the image is a comet that appears as a teardrop-shaped bluish cocoon of dust coming off the comet’s solid, icy nucleus and seen against a black background. The comet appears to be heading to the bottom left corner of the image. About a dozen short, light blue diagonal streaks are seen scattered across the image, which are from background stars that appeared to move during the exposure because the telescope was tracking the moving comet.

NASAが発表している、この彗星の軌道です(NASAのサイトのリンクを埋込表示)。

火星軌道の内側を通り抜け、地球には12月19日ころに最接近します。
そのあと木星方面へ進んでいきます。
そのまま太陽系を後にして、やがて別の星へ旅立っていくようです。

NASAによれば、この彗星は普通の彗星と比べて、スピードがとても速いそうです。
発見当時の時点で秒速58Kmという猛スピード!
太陽に最接近する10月29日には秒速68Kmに達すると見積もられました。

ちなみに地球を出発点とした脱出速度は、

  • 太陽系からの脱出速度: 秒速16.7Km
  • 銀河系からの脱出速度: 秒速300Km

らしいです。
※ 脱出速度の式 $ v=\sqrt{\frac{2GM}{R}} $ は高2物理で習います。

太陽の重力を振り切り、太陽系を抜け、また別の星まで飛んでいくでしょう。
わずか1年たらず、2026年のうちに太陽系から脱出するようです。

例えば1977年に打ち上げられた探査機「ボイジャー1号」のスピードは秒速17Km。
太陽系を脱出するのに約40年かかっています。
それに比べると3I/ATLASがどれだけ爆速であるかが想像できます。

また電波観測から、この彗星が太陽系の外で作られたことが示唆されています。
その成分から、太陽系ができるよりも前、もっとずっと昔から存在していた可能性も示唆されています。

銀河系内の恒星をいくつか訪れるたびに尾をなびかせ、質量を失い、やがて宇宙の塵になるのかもしれません。

実は、このような天体は初めてではありません。
太陽系の外から飛来してきた天体を人類が観測するのは、これで3つ目。

たった3つですから、とても珍しい天体。
天文ファンなら、これだけでご飯3杯はいけます。

なお、彗星の名前 3I/ATLAS のI は Interstellar 「恒星間」の I です。
広大な宇宙の中で、星と星の間を旅する彗星であることから、このような記号が付いています。
3I とは「3番目に発見された恒星間の天体」という意味になります。

3Iアトラス彗星は宇宙船かもしれない?

3I/ATLAS 彗星は珍しい、というだけではありません。
実は、想定外の加速をしていたことが観測されています。

彗星ですから、太陽の重力で加速するのは当然なのですが、
どうも、それだけでは説明のつかない加速をしていたようです。

彗星の表面は、太陽光で物質が蒸発してガスを噴射します。
そのガスがロケット噴射のような役割をして加速した、ということが考えられます。
しかし、その仮説で噴射されたガスの総量を計算すると、彗星自身の重さを超えてしまいました。
つまりガスの噴射では説明できません。

また、太陽系の外から飛来した彗星であれば、惑星の公転軌道面とは大きく異なる角度でやってくるのが普通です。
わざわざ太陽系の公転軌道面に沿ってやってくる確率は低く、少ない事例の中で、そういう天体に出会える確率はとても低いはず。
それなのに、たった3つ目の発見にして、もう出くわしたともなれば、本当に偶然の中の偶然でしょう。

つまり、

ロケット並みに強力な加速ができて、
ご丁寧に太陽系の公転面に合わせて侵入して来た、

ということで、そんな稀有な天体なんて、なかなか見られません。
それだけに、

きっとロケット噴射をしたに違いない!
宇宙船が太陽系を観察しにやって来たのだ!

そんな憶測が飛び交っています。

果たして真相はいかに!?

実は、このような憶測でお祭り騒ぎになるのは、今回が初めてではありません。

最初に発見された恒星間天体「オウムアムア」が 2017年に飛来した時も、謎の加速が観測されました。
さらにオウムアムアは極端に細長い形をしていたため、それこそロケットだと思われたのでした。
ちなみに、オウムアムアのNASA専用サイトもあります。

その後ほどなくして、オウムアムアの謎の加速を説明できる理論が発表されたのでした。
3I/ATLAS 彗星の加速も、いつか説明できる理論が登場するでしょう。

※NASAは11月19日に正式見解を発表し 3I/ATLASと知的生命体との関係を否定しています

北斗七星の周りには銀河がいっぱい

さて、無事に2つの彗星を写真に収めることができました。

実は、2つの彗星を待っている間とても暇でした。
この日の最低気温は6℃。そんな寒い中、ただ待っているだけというのは辛すぎます。

幸い、2つの彗星の近くには、おおぐま座の北斗七星があります。

北斗七星のまわりには、たくさんの銀河が観測できます。
特に早くから昇って来るのが M81とM82のペアです。

そこで彗星を待っている間、ひたすらM81とM82を撮影しました。
それが下の写真です。

右上の銀河がM81です。ボーデの銀河とも呼ばれ、きれいな渦巻き銀河です。
左下の銀河はM82です。葉巻銀河とも呼ばれ、構造が不規則な銀河です。

この2つの銀河については、以前こちらのブログでも紹介しました。
詳細は4月29日のブログ「【天体観測】天の川の写真を撮って来たよ」をご覧ください。

あとがき

仕事の都合がつき、なおかつ晴れる日ともなると、観測できるチャンスは本当に少ないものです。
今回は塾の仕事を終えてから観測に出かけたため、遠くまで出かけることができませんでした。
名古屋市近郊とはいえ、観測をスタートできたのは夜12時頃からでした。

秋と言えば、スッキリ晴れた天気に夕焼け、というイメージですが、今年はどうも違います。
空気中の水蒸気が多く、空気が霞んでいます。

この日も透明度が悪く、4等星がやっと見える程度でした。
秋の夜空とは思えない、スッキリしない夜空でした。

それでも話題の彗星を観測できたのは幸運でした。

街の明かりに邪魔されて、ほとんどの星は見えませんが、
特殊なフィルターを使って撮影したため、なんとか天体の姿を映し出すことができました。

とはいえ、フィルターも万能ではありません。
街の光と一緒に天体の光もカットしますから、どうしても露出が不足しがちになります。
銀河のように天の中で動かない天体であれば、露出を増やせますが、
彗星のように天の中を動いていく天体となれば、それができません。

やはり山奥のきれいな星空が恋しいです。

とはいえ、山はクマが出るし、冬は雪で閉鎖される所も多いです。
自然の変化に対して、技術だけでは全てを解決できません。
正常な自然の状態に戻って欲しいものです。

撮影データ

撮影の共通データ

写真や機材の共通データです。

  • 赤道儀 ゼロ(自作の零号機、本体重量5.2Kg ジュラルミン製、OnStepX による制御)
  • 三脚  INNOREL RT90C
  • 電源  DABBSSON 600L(半固体電池 768Wh, AC出力600W(純正弦波, 瞬間1200W, Boost 900W))
  • ガイド ZWO 30F5ミニスガイドコープ、 ZWO ASI120MM、ZWO ASI-Air mini
  • 画像処理  Siril 1.4.0-beta3 による画像処理、必要に応じてペイントによるトリミング・回転・解説記入・名入れ

 

観測風景 しし座と2つのアトラス彗星

  • 日時 11/15(土) 04:36
  • 場所 日進市内の田園地帯
  • カメラ Google Pixel 10
  • 露出 1/3秒(夜景モード)

観測風景 北斗七星と3Iアトラス彗星

  • 日時 11/15(土) 04:41
  • 場所 日進市内の田園地帯
  • カメラ Google Pixel 10
  • 露出 1/3秒(夜景モード)

C/2025 K1 彗星(素の写真と解説入りの2枚)

  • 日時 11/15(土) 02:37 – 02:40
  • 場所 日進市内の田園地帯
  • カメラ ZWO ASI585MC Pro、Gain200、-10℃、Antlia Quad Band Anti Light Polutionフィルタ
  • 望遠鏡 Vixen R200SS + コマコレクターPH
  • 露出 3分(60秒×3枚)、トリミング
  • 解説 Siril によるアノテーション(銀河の検出と名入れ処理)

3Iアトラス彗星

  • 日時 11/15(土) 05:06 – 05:15
  • 場所 日進市内の田園地帯
  • カメラ ZWO ASI585MC Pro、Gain200、-10℃、Antlia Quad Band Anti Light Polutionフィルタ
  • 望遠鏡 Vixen R200SS + コマコレクターPH
  • 露出 10分(60秒×10枚)、トリミング

M81とM82

  • 日時 11/15(土) 00:39 – 02:24, 02:53 – 04:08
  • 場所 愛知池
  • カメラ ZWO ASI585MC Pro、Gain200、-10℃、Antlia Quad Band Anti Light Polutionフィルタ
  • 望遠鏡 Vixen R200SS + コマコレクターPH
  • 露出 2時間27分(60秒×147枚)

 

以上です!

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


名古屋市天白区の植田で塾を探すなら個別指導のヒーローズ!!

★ 直接のお問い合わせ ★
――――――――――――――――――――――
個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

学習塾スマイルズさんへ訪問して来たよ

塾長です。

先週も勉強してまいりました。
今回は大治町にある「学習塾スマイルズ」さんへ行ってまいりました。

きっかけは直感とSNS

先回は9月中旬に「ヒーローズ西春校へ修理に行きました」という記事をアップしました。

その記事にも書きましたが、西春校の若山先生のパワーを感じて思ったのです。

あ、スマイルズの原先生の所に行ったら、たぶん、もっとパワーアップしそう・・・

そういう直感が走りました。

もしも原先生の教室を、やる気に満ちた若山先生に見せたら、きっと色々なことを、またやり出しそう。
なんだかおもしろそう。

というようなことをブログに書いたら、見ていただいておりました。
こんな感じで、SNSでリアルタイムに。

ということで半ば強引ですが、原先生にご快諾いただき、訪問が実現しました。

ご訪問!

9月29日の午前中に伺いました。
私は車で、若山先生はバイクで御到着!

学習塾スマイルズの原先生とは、SNSや塾の勉強会などを通じて、以前から交流させていただいております。
そのご活躍、私はいつも尊敬の眼で拝見しておりますが、今回は若山先生を連れて行くという良い口実ができました。

学習塾の先生は、けっこう横でつながっていて、こうして勉強会の機会をいただくこともあるのですよ。

地域における塾の役割

原先生といえば、地域ぐるみの活動というイメージ。
その現場を直接見に来れたのは、とても貴重な体験です。

子ども食堂で、地域の教育格差を埋める
ごみ問題や環境問題について地域ぐるみで子供たちと一緒に考える
お祭りイベントで子供たちの居場所をつくる

などなど・・・

学習塾という枠を超えた「子供たちのための活動」について、いくつもお話を伺いました。
とても勉強になりました。

そして若山先生の目には火がついていました・・・

私もまだまだやれることがあるんだなぁと、気持ちを新たにしました。

原先生、ありがとうございました。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


名古屋市天白区の植田で塾を探すなら個別指導のヒーローズ!!

★ 直接のお問い合わせ ★
――――――――――――――――――――――
個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

【天体観測】天の川の写真を撮って来たよ

週末は珍しく休みだったので天体観測に出かけました。

今回は三重県です。

三重県の天の川

先月とある用件でING進学塾の飯田先生とお話ししたのですが、その時に「三重県は天の川がよく見えるよね。」という話題で盛り上がりました。

といっても、塾長が三重県へ天体観測に行ったのは、もう、今から18年も昔のこと。
あの時は、雲かと見間違えるほど、天の川がよく見えたのでした。
懐かしくなって、また行ってみることにしました。

三重県と言っても南北に長いです。
星がよく見えるのは南側。
私の経験では、松阪市よりも南下すると星空がキレイになった記憶があります。

なぜ天の川がよく見えるのか

三重県の南は海。
その方向には街の明かりがなく、夜空にあるのは星の光だけ。
だから三重県では南の星空が特にキレイに見えます。

そして南の夜空といえば、春の深夜から夏にかけて天の川がよく見えます。
ちょうど、さそり座やいて座が見える方向です。

この写真は当日の帰り際に撮影しました。
三重県の天の川の見え味。
18年たっても健在でした。

逆に北は松阪市、津市、鈴鹿市、四日市市、そして名古屋市と街並みが続いています。
北の空は、夜空が街並みの明かりにかき消されてしまい、星がよく見えるとは言えません。

星をよく見るためには、こうした都会の光の影響から逃れる必要があります。

より良い星空を求めて

北は諦めるとして、問題は東西です。

西には奈良、その先に大阪。東には渥美半島の田原、その先に浜松。
少なくとも、これらの市街地よりも南の緯度まで南下しなければ、東西の星空が良くなりません。

とは言え、一晩で日帰りするとなれば、あまり遠くまでは行けません。

おまけに、三重県と言えばクマもいます。

検索すると、昨年からツキノワグマが頻出していて、過去最多の目撃情報とのこと。
ちょっと怖いので、山間部は避けることにしました。
逆に海沿いの港なら夜釣りの人たちもいて安全だろうと考えました。

そういえば大学生のころ、天体研究会というサークルに所属していたのですが、
そのサークルが利用していた合宿所が、かつての南島町にあったのでした(※)。
そのあたりまで南下すれば東西の星空も期待できます。

検索してみると、南伊勢町の贄浦漁港(にえうらぎょこう)が夜釣りで有名だそうです。
調べると夜間も自由に出入りできる広い駐車場があるようです(※)。
それなら観測もできそうです。

※南島町は平成17年に東隣の南勢町と合併して、今は南伊勢町になったそうです。
※夜釣りの可否や夜間の出入り可否については常に最新の情報を確認してください。

いざ、贄浦漁港へ

車のナビは地図が古くて途中のジャンクションを案内できず、道に迷ってしまいました。
いったん知らない土地で高速をおりて軌道修正。
30Kmほど遠回りしてしまいました。

なんだかんだあって伊勢市の手前までは高速で2時間強で行けました。
しかし、そこから下道で山を越えるのに、さらに1時間かかりました。

結局、到着したのは23時前でした。
夜釣りの人たちが2、3グループいらっしゃいました。
彼らの邪魔にならない所に車を停め、さぁ、撮影の準備です。

この写真は帰り際に撮りました。現場の雰囲気が伝わるでしょうか。
到着したときは、北斗七星がもっと高い位置にありました。

春は銀河の季節

今回の撮影テーマは「銀河」です。

宇宙の入れ子構造を大きい順に並べると、およそこんな感じです。

宇宙 > 無数の銀河 > 銀河系 > 太陽系 > 地球

私たちの太陽系は「銀河系」とよばれる1つの銀河の中にあります。
天の川は、その銀河系を内側から見た姿でした(中3理科)。
そのため銀河系のことを「天の川銀河」とも呼びます。

一方、夜空の小さな領域を望遠レンズで拡大して撮影すると、宇宙のはるか遠くにある小さな銀河が写り込むことがあります。
こうした、私たちの銀河系の外にある別の銀河のことを「系外銀河」と呼びます。
あまりにも遠くにあるため、望遠レンズや望遠鏡でしか見えないほど系外銀河は小さいのですが、実際には銀河系の仲間です。

つまり言葉の意味としては、

銀河 = 私たちの銀河系 + その他無数の系外銀河たち

ということが言えます。

春は「しし座」「おとめ座」「かみのけ座」などが見えますが、それらの方向はとくに系外銀河がたくさん写ることで有名です。
また北斗七星のある「おおぐま座」も系外銀河がよく見える領域です。

今回は身近な銀河系である天の川と、はるか遠方にある系外銀河。
その両方を撮影していきましょう。

撮影準備

贄浦漁港に到着したとき、天の川はまだ見えていませんでした。
いて座や天の川がよく見えるのは深夜3時ころです。
先にしし座やおおぐま座の銀河から撮影していくことにしました。

カメラに望遠レンズをセットしました。

塾長が持っている望遠レンズは 150㎜ F2.8。
双眼鏡より少し倍率が低いくらいのレンズです。

系外銀河の撮影には、もっと拡大したい所ですが、これしか持っておりません。
実は望遠鏡も持ってはいますが、今は故障中。

少し力不足ですが、
150㎜の望遠レンズで、どこまで銀河の姿をとらえられるのか?
挑戦してみましょう。

しし座のトリオ銀河

しし座には3つの銀河が仲良く並んでいる「トリオ銀河」という領域があります。

場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。

2025/4/26(土) 23:37 ~ 4/27(日) 00:17 露出 36分(6分×6枚)

中央に小さく3つの銀河が写っているのが分かりますか。それがトリオ銀河です。
もう少し拡大してみましょう。

それぞれの正式な名前は、右から時計回りに、NGC3628、M65、M66 です。
3つとも地球から約3500万光年の彼方にあるそうです。

つまり、この写真の姿は3500万年前の姿。
地球では南極大陸ができはじめたころ。
ちょうど哺乳類の中からサルに似た動物が出はじめた時代です。

ところで、NGC3628 は「ハンバーガー星雲」とも呼ばれています。
確かに、ちょっと潰れたハンバーガーみたいです。

しし座が西の空に低くなってしまいました。
本当は60分以上たっぷりと露出時間を取りたかったのですが、到着が遅かったこともあり、撮影を打ち切りました。
近くのおとめ座も系外銀河がたくさんあるのですが、その領域も諦めました。

ボーデの銀河と葉巻銀河

ここからは、おおぐま座です。北斗七星の周りを狙います。
最初は2つの大きな銀河がハの字に並んでいる有名な領域です。

場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。
北斗七星と北極星の間くらいです。

2025/4/27(日) 00:33 ~ 01:45 露出 72分(6分×12枚)

写真の中央付近に、渦を巻く銀河と、棒状の銀河が写っています。
中心部を拡大しましょう。

左の渦巻の銀河が M81 であり、別名「ボーデの銀河」と呼ばれます。発見したドイツの天文学者の名前が由来らしいです。

右の棒状の銀河は M82 で、別名「葉巻銀河」です。これは見た目の形が葉巻のようだからでしょう。
個人的には葉巻というよりはゾウリムシ。何やら中がぐちゃぐちゃしています。

M82 は中心部で激しい星の形成と爆発が繰り返されていることで有名です。
だから、ぐちゃぐちゃした構造に見えるのでしょう。
もしも赤外線で撮影すれば、爆発で生じた赤いフィラメントが銀河の外へ飛び出している様子が写るでしょう。

どちらも地球から約 1200万光年の距離にあります。
この2つの銀河はお隣同士で、互いに重力的な影響をおよぼし合っているそうです。

よく見ると、他にも小さな銀河がいくつか写っているのが分かります。
もっと高性能な望遠鏡で撮影すれば、たくさんの銀河が写り込むことでしょう。

これらの銀河から光が出発し、私たちに向かって旅を始めたのが1200万年前。
そのころ地球では、サルが人類に続くヒト亜科とオランウータン亜科に分かれたそうです。
また地球上では生物の大量絶滅が発生しました。隕石衝突などの説があるそうです。

回転花火銀河

北斗七星の柄の部分にも有名な銀河があります。
見かけのサイズは上で見てきたどの銀河よりも大きいはずですが、とても淡くて暗い銀河です。

具体的な場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。

2025/4/27(日) 02:02 ~ 03:05 露出 60分(5分×12枚)

画面の中央に、きれいな渦巻き構造の銀河が見えます。
M101 と呼ばれますが、その見た目から「回転花火銀河」あるいは「風車銀河」などとも呼ばれています。

渦から伸びる腕は、ぐるりと1周以上にわたって確認できます。
M101 までの距離は約 2100万光年くらいです。

よく見ると、周囲に小さな銀河も写り込んでいます。
この領域も多くの系外銀河が撮影できることで有名です。

系外銀河は、宇宙のあらゆる方向に無数に存在しています。
しかし実際に夜空を望遠鏡で観察すると、系外銀河が多い所と少ない所があるように見えます。
これは、私たちの銀河系の中で、方向によって遠くの光を遮るガスや塵の量が異なるからです。

系外銀河がよく見える方向というのは、光を遮るチリやガスが少ない方向、ということです。
そのため、銀河系の外からやって来た系外銀河の光が、途中で遮られることなく地球まで届く、というワケです。

夏の天の川

夜明けが近づいてきました。さそり座が西に傾いていました。
いて座の「矢」にあたる「南斗六星」が南中してきました。
そして、いて座の背景には天の川が広がっていました。

最後は天の川。私たちの銀河系の姿を狙います。
南の空にカメラを向け、広角レンズで撮影しました。

2025/4/27(日) 03:37 ~ 03:49 露出 12分(1分×12枚)

実際には人間の目では天の川の色は分かりません。
私の目には全体的に白く淡く見えました。
それでも、天の川を左右に分ける闇黒帯や、M20星雲、トレミー星団などは、肉眼でも見ることができました。

天文シミュレーターソフト「ステラリウム」で星座の位置を表示すると、こんな感じです。

写真と見比べて見ると面白いと思います。

夜明けとともに撤収

天の川は何通りかの構図で撮影したかったのですが、諦めました。
空がどんどん明るくなってきたからです。

東の空(写真の左手)が明るくなってきました。
港の向こうで船が動き出しました。
もうすぐ夜が明けます。

この日の天の川も、そろそろ見納めです。
さて、機材を片付けて帰りましょう。
帰りも長距離運転です。

天体写真の撮影は

今回はツキノワグマを避けて海沿いで撮影しました。

この日は水蒸気が多く、春霞の季節ということもあって、空の透明度はいまいちでした。
全体的に白っぽいベールがかかったような空でした。

それでもさすがは三重県、天の川はよく見えました。

今回の天体写真は、あまり出来が良くなかったです。
空の透明度が低かったので、写真がノイジーになってしまいました。

春霞の季節は、標高を稼いで空の透明度を上げた方が、撮影にとっては良いでしょう。
標高を上げるとなると山中に入ることになりますが、まぁクマ次第ですね。
安全第一です。

名古屋から3時間かかることを考えると、標高を稼げる茶臼山高原やしらびそ高原も選択肢に入ります。
何はともあれ、星がよく見える場所は、名古屋からとても遠いです。

天体写真の共通データ

撮影地: 贄浦漁港 (三重県度会郡南伊勢町)
撮影時刻:2025/4/26(土) 23:30 頃 ~ 4/27(日) 03:50 頃
カメラ本体: Canon EOS 60Da(天体写真用カメラ) ISO2000 + IDAS LPS-P2フィルタを内蔵装着
望遠レンズ: SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM(絞り開放)
広角レンズ: SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE(絞りF4.0)
赤道儀: Sky‐Watcher Star Adventurer GTi
画僧処理ソフト: Siril Ver. 1.2.4

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


名古屋市天白区の植田で塾を探すなら個別指導のヒーローズ!!

★ 直接のお問い合わせ ★
――――――――――――――――――――――
個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

【天体観測】オリオン座の写真を撮って来たよ

塾長です。

週末は趣味の天体観測に出かけました。

天体観測といえば、小学4年生は秋と冬に学び、小学6年生は夏に学びました。
中学3年生はこれから学びますね。

とはいえ、名古屋の空は夜でも明るくて星が見えません。
だから塾長が代わりに見てきて写真を撮ってきます!

冬の星座といえばオリオン座

冬の星座と言えばオリオン座ですね。理科の教科書にも載ってます。

塾長が最初に覚えた星座も、おそらくオリオン座だったと思います。

冬の夜空で南方面を仰げば、等間隔に3つ並んだ2等星が目立つでしょう。
文字通り「三ツ星」と呼ばれていて、その近くがオリオン座の星々です。

オリオン座の「オリオン」とはギリシャ神話に出てくる勇者の名前です。
オリオン座は彼の姿をしていて、三ツ星は胴体の真ん中くらい、腰またはベルトの部分に相当します。

三ツ星の左上に赤く光る1等星がベテルギウスです。オリオン自身の右肩にあたります。
三ツ星の右下に青白く光る1等星はリゲルです。オリオン自身の左足にあたります。

1つの星座の中に1等星が2つもあり、2等星が5つもある。
こんなに派手な星座は他にないでしょう。

そして実は、三ツ星の下にも、縦に小さく並んだ3つ星があります。
3等星なのですが、他の星に比べるとずっと暗く小さな星の並びに見えます。
これは「小三ツ星」と呼ばれていて、オリオンが腰に差している短剣と言われています。

この小三ツ星の真ん中の星が、実はオリオン大星雲です。
肉眼では星に見えますが、写真では赤く広がった星雲として写ります。

今回の観測ターゲットは、これらの三ツ星と小三ツ星です。
この両方が画面に入るように、撮影を計画しました。

釣り人たちの声が暖かい

オリオン座を撮影するなら、南の空が暗い場所に行く必要があります。

名古屋市内で天体の写真を撮影するのはとても難しいです。
街の明かりが空を照らすため、空そのものが明るく、暗い星の姿がかき消されてしまいます。
そして暗い星に合わせて撮影すると、空の方がすぐに露出オーバーして写真全体が真っ白になります。

だから空が暗い場所に行く必要があります。

10月に、紫金山・アトラス彗星を撮影するために南知多のとある港へ行ったのを思い出しました。
知多半島から南は海しかありません。だから南の空は暗く、星がよく見えます。
そこで、今回もそこへ行くことにしました。

21時に教室を閉めて帰宅し、急いで夕飯を食べ、荷物を車に詰め込みました。
現地に到着できたのは23時を過ぎたころです。

この港は夜釣りができるように夜間でも駐車場が空いています。
駐車場の海側のスペースは、すでに釣り人の車が何台も並んでいました。

彼らの邪魔にならないよう、私は駐車場の中央の空いているスペースを確保しました。

実は場所決めには時間を要しました。

海風が強い場所は、カメラがぶれてしまうのでよくありません。
釣り人の邪魔になってはいけません。
街灯の近くは空が明るいのでダメです。

本当に広い駐車場なので、何度も車を止めては確かめ、止めては確かめ、を繰り返し、ようやく場所を決めました。

天体観測は、暗い夜空を求めて山奥にも出かけます。
そういう時は、獣が怖いです。
動物の鳴き声をびくびく恐れながら天体観測をするので、とても心細いです。

それに比べると、今回のような場所は人がいて、遠くから話し声も少し聞こえてきます。
夜の海風は冷たいですが、風にのって聞こえてくる話し声には、むしろ人の温もりすら感じるものですよ。

自然には逆らえない

場所が決まったのは良いですが、空を見上げると、なんと雲だらけ。

狙いのオリオン座も雲の中でした。

そして反対の北側も雲だらけ。北極星が見えません。

星の写真を撮るためには、星の日周運動に合わせてカメラの向きも動かし続ける必要があります。
そういう機能を持った機械のことを「赤道儀」と呼びます。

星が北極星の方向を中心に東から西へ回転するように、赤道儀も北極星の方向を中心に東から西へカメラの向きを回転させます。
ですから、回転軸の先に北極星があるように、赤道儀の向きを調整しながら設置する必要があります。

北極星が見えなければ、それができないのです。

そんなわけで、撮影の準備すらできない状態です。
せっかく車を1時間も運転して来たのに、あまり良い状態とは言えません。

いくら雲を恨んでも、こればかりはどうにもなりません。

少しでも早く晴れて欲しいと、ただ祈るばかりです。

撮影チャンスを逃すな!

寒さから逃れるように、車の中に一時撤退。
30分ほど仮眠をとり、雲が流れ去るのを待つことにしました・・・

・・・スマホのアラームが鳴りました。

車の外に出て空の状態を確認しました。

まだ雲が多いものの、北極星は見えていました。これなら赤道儀の設定ができます。

実は、赤道儀は買ったばかり。実戦で使うのは初めてです。
スマホで操作するのですが、慣れていないため試行錯誤しましたが、何とか設定できました。

しかしオリオン座はまだ雲の中です。

それから雲が過ぎ去るまで、車の中で暖を取ったり、散歩したり、夜食のパンをかじったり・・・

とにかく待ちました。
そしてついに、オリオン座の方向に晴れ間が広がりました。
時刻はすでに02:40を過ぎていました。

望遠レンズをオリオン座に向けました。
雲が多いので露出は短めの50秒にセット。その代わり何十枚も撮影します。

途中で小さな雲が何度か通り過ぎてしまい台無しになりましたが、そんな写真の選別は後回しです。
細かいことは気にせず、とにかく晴れている間に、できるだけたくさん撮影しました。

そして03:30頃になると、ふたたび広い雲がオリオン座に迫って来ました。

03:35 の撮影を最後に、撮影を終えました。
もうこれ以上撮影しても雲しか映りません。

機材を慎重に片付けている間、平行して、やる事がありました。
レンズのふたを閉じた状態で、同じく露出50秒の写真を何枚も撮影することです。

フタをして撮影したら、真っ黒な画面しか映らず、意味がないと思われるかもしれません。
しかし、実は真っ黒な中にも少しだけカメラの持つノイズが写ります。
このノイズ情報が、あとで画像処理をするときに必要なんです。

人工衛星が多い!

途中で何度か、撮影した写真をチェックしましたが、どの写真にも必ず人工衛星が写っていました。

上の写真は画像処理前の写真の一部を明るく強調表示したものです。
マルで囲んだ中に細い筋が何本か見えます。
たった露出50秒の間に、少なくとも7個の人工衛星が写り込んでいます。

近年、スターリンク衛星をはじめ、通信や測量などに用いる人工衛星が毎年2000個以上も打ち上げられています。

特に「天の赤道」あたりは人工衛星が多く回っています。
天の赤道とは、地球の赤道面を宇宙まで延長した方向のことです。

オリオン座は天の赤道にあるため、とくにたくさんの人工衛星が写ってしまうというわけです。

技術の進歩を感じた画像処理

自宅へ帰ったのは朝5:00近くでした。
11:00まで寝てから、名古屋市長選挙の投票へ行きました。

そして帰宅してから、パソコンでひたすら画像処理しました。
撮影した写真のうち、半分は雲でボツです。46枚を選んで画像処理をしました。

天体写真が普通の写真と違う点はいくつかありますが、もっとも大きな違いは、画像処理が必要だということでしょう。

宇宙空間の黒、明るい星、かすかに写る星雲・・・明るさが全くバラバラな被写体がすべて1枚の中にあるのです。
なにも画像処理をしなければ、こんな画像になってしまいます。

普通は、暗いものに合わせると、明るいものが白く飛んでしまいます。
逆に明るいものに合わせると、暗いものが姿を消してしまいます。

そこで、全てが程よく絵に収まるように、明るさの差を圧縮する処理をします。
またカラーバランスを整えたり、何枚も重ねてノイズを取りのぞいたりもします。

画像処理をした後の写真がこれです。

宇宙の黒と星の明るさ、星雲のあわい光が全て共存できるようになったと思います。
いかにも宇宙らしい写真になったと思いませんか?

同じ写真を何枚も撮って重ねることで、ノイズに埋もれていたかすかな星雲の姿も浮かび上がりました。

上半分に斜めに並んだ3つの星が、オリオン座の三ツ星です。

その三ツ星の左の星には、上と右に星雲があります。
上の星雲は「燃える木星雲」と呼ばれています。文字通り木が燃えているような姿です。
右の星雲は「馬頭星雲」と呼ばれています。馬の頭の形をした暗黒星雲が特徴です。

写真の右下は「オリオン大星雲」です。
オリオン大星雲を「火の鳥」という人もいて、火の鳥が翼を広げて飛んでいるようにも見えます。

実はこれが小三ツ星なのです。
小三ツ星のうち、上2つが実は星雲で、3つ目だけが星なのです。
肉眼で見ると、3つの星に見えますが、高感度なカメラで撮影すると、淡い星雲の姿が浮かび上がります。

これらの星雲以外にも、薄暗い星雲が全体的に漂っていることも分かります。
この領域はガスや塵が多く、星雲の中では新しい星々が誕生しつつあります。
多くの天文学者が注目している領域です。

ところで、この写真はオリオン座のどこでしょう?

上に三ツ星がありますから、これがオリオンの腰です。
つまりオリオンの腰下の一部の領域になります。
こんな感じの領域です。

オリオン座を見るときは、そこに多くの星雲があることを想像してみてください。
肉眼では見えませんが、高感度なデジタルカメラや電波望遠鏡では存在を確かめられます。

なお、オリオン大星雲は望遠鏡でもその姿を観察できます。
ただし人間の視力では色までは分かりません。

さて、
画像処理には色々な手順があるため、人によって結果が異なります。
例えばアメリカやヨーロッパの天体写真を見ると、ハッキリした色合いが好まれるように感じます。
それなら、こんな風に処理する方法もアリでしょう。

同じ写真ですが、明るさの違いを圧縮するときに、だれに合わせて圧縮するかでさじ加減が変わります。

このような画像処理ができるソフトウェアは特殊であるため、
ひと昔前まではプログラミングで自作するか、高価なものを購入するかしか手段がありませんでした。

しかし近年はフリーソフトのものから3万円くらいで購入できるものまで、複数のものが出回っています。
何年も前に有料ソフトを購入していましたが、久しぶりに使ってみたら上手く動きません。

そこで今回は Siril というフリーソフトを使うことにしました。
特殊な画像処理ソフトの多くは Windows用であることが多いのですが、Siril は Linux や Mac OS にも対応しています。
しかも既存の有料ソフトよりも高速に画像処理ができる、という優れものです。

きっと天才プログラマーが作ったのでしょう。
世界は広いですね。

塾長が使えるパソコンで最速なのは Linux マシンです。
開発の仕事もしているのですが、その開発用のパソコンが Linux だからです。
Linux でサクサク動く Siril は正に神アプリです。

メイド・イン・ジャパンは過去の栄光なのか

一昔前まで、天体観測は何もかも日本製が最高でした。
望遠鏡も、赤道儀も、カメラも、アマチュア天文家の道具は日本製で全て揃いました。
画像処理においても、デジタル現像や比較明合成は日本人が考案したアルゴリズムです。

しかし今回使った機材で日本製だったのはカメラだけ。
赤道儀も画像処理ソフトもパソコンも外国製でした。

最近よく目にする天体写真の多くは、外国製のカメラで撮影されたものがメジャーになってきました。

とくに中国製の台頭が目覚ましいです。
性能も機能も精度も使い勝手も、全く申し分ありません。
中国は世界の工場と呼ばれて久しいですが、今や科学技術も品質も一流です。

今や望遠鏡にも高機能なコンピューターが搭載されています。
自動制御があたりまえになりました。

これらの背景にあるのは技術のオープンソース化とその進化です。

赤道儀を制御する仕組みでは ASCOM というオープンな標準仕様が登場し、多くのメーカーが採用しています。
自動導入や赤道儀を制御するソフトウェアでは、Onestep というオープンソースプログラムが公開されています。

これらを組み込んだ赤道儀や小型コンピューターが登場し、小さな望遠鏡でも天文台のような装置を装備できるようになりました。
また古い赤道儀を自動導入装置付きの最新式マシンへグレードアップできる道も開けました。

天体観測に使う処理は科学技術計算ですから、ほとんどは学術的。
つまり特許無しの世界で多くのノウハウが実現されています。
世界には多くの天才がいて、無償で多くの技術が公開されていますし、フリーソフトも提供されています。

機械の仕組みも進化しています。

動力伝達にタイミングベルトを採用してバックラッシュによるガイドエラーを最小限に抑制し、ベアリングで回転をスムースにしながら耐荷重量を増やす。
これは昔からありましたが値段が安くなっています。
動力源のモーターはDCモーターとコンピューター制御の組み合わせで安価かつ省電力になりました。
さらに遊星歯車や波動歯車を組みあわせた全く新しい設計の機構まで登場しています。

いろいろな知恵が盛りだくさんです。

そして軽く丈夫で、しかも重い機材をぶん回せて、それでいて高性能。
そんな機材が出てきています。

天体観測というニッチな世界にも、集合知による技術の加速が起こっています。
もはや1社だけで技術を磨き上げる時代ではないのでしょう。
世界の潮流はオープンソースや集合知であり、個人や1組織ではとうてい追いつけないほど技術革新がスピードアップしているのです。

もしかしたらメイド・イン・ジャパンにこだわる価値観自体が、もう古いのかもしれません。
メイド・イン・ザ・ワールド。
これが、今後のあるべき価値観なのでしょう。

あとがき

教育という立場から天体観測技術を考えてみます。

上で述べたように、天体観測という視点でみても、衰退している日本の課題が透けて見えてしまい、少しさびしさも感じます。

日本の課題は、集合知という世界の潮流の中で、いかに存在感を出せるか、だと思います。

そう考えるとき、「オール5を目指す」という日本の教育は不利だと言わざるを得ないでしょう。
知識が無ければ考えることもできませんから、義務教育が詰め込みになるのは仕方ないと思います。

そうだとしても、やはり好きでもない科目を網羅的に暗記させるのは歪んでいると思います。
内申点のために我慢して勉強するのは、いくらなんでも遠回りをし過ぎです。

かつて塾長も大学受験のために勉強に励んだ時期がありました。
そうした理由は「もっと宇宙を見たい。もっと知りたい。」という欲求からでした。
内申点や評定はほとんど気にしたことがないし、親や先生に言われたから勉強したのではありません。

それでも、塾長の時代はとくに受験戦争と呼ばれていました。
宇宙や科学や数学を学ぶために、嫌いな科目でも好きだと自己暗示を強くかけて勉強したものです。
今になってみれば、その受験勉強には多くの無理があったように感じます。

あれから何度か教育改革が行われましたが、残念ながら詰め込み教育は加速してしまいました。
一方で、少子化が加速して全入時代が到来し、受験回避の流れが加速しています。
もやは受験は勉強する理由にはなりません。

受験勉強の「空洞化」が起こり始めています。

本当に高3生や浪人生が学ばなければならないことは、受験勉強の中のおそらく5割程度でしょうか。
他のことは大学に入ってから必要を感じたら学べばよいでしょうし、長い人生の中で、もっと後でも良かったように思います。

大学側も単位取得を厳しくしたり、卒論を免除したりと、就職予備校へと劣化してきています。

オール5やGPA何点というのではなく、得意なところから延ばし、できることを持ち寄って協力し合う。
教科書や必須単位の順番ではなく、できる所から取り組み、必要になったらものから学びを深める。
全員に同じ修行を課すのではなく、集合知で問題の解決を最優先する。

そのような教育の方が、社会全体としても物事の改善が速く進むと塾長は思います。

何の理由にしても「受験のための勉強」「内申点を付けるための勉強」「GPAを稼ぐための勉強」という教育体制を見直さざるを得ない時期に来ていると思います。

天体写真の撮影データ

撮影地: 愛知県知多郡南知多町
撮影時刻:2024/11/25(日) 02:40 頃 ~ 03:36 頃
露出: 38分20秒(50秒×46枚 コンポジット)
カメラ本体: Canon EOS 60Da(天体写真用カメラ) ISO3600 + IDAS LPS-P2フィルタを内蔵装着
望遠レンズ: SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM(絞り開放)
赤道儀: Sky‐Watcher Star Adventurer GTi
画僧処理ソフト: Siril Ver. 1.2.4

撮影現場の風景はスマートフォンで撮影しました。

写真はどれも任意にトリミングしています。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


名古屋市天白区の植田で塾を探すなら個別指導のヒーローズ!!

★ 直接のお問い合わせ ★
――――――――――――――――――――――
個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

塾の先生も勉強です「塾フェス2024」に参加したよ

塾フェス2024_タイトル用画像

塾長です。

日曜日に、塾の先生が集まる勉強会に参加してきました。
塾長も生徒に負けず、勉強してきましたよ!

塾フェス2024

年に1回の全国イベント「塾フェス」。
國立先生(岩倉市の「さくら個別指導塾」代表)が主宰されていて、毎年恒例です。

今年も参加してきました。
年を経るごとに総合イベントへ発展しています。もちろん大盛況でした。

色々な公演がありました。
個人的には人工知能の活用がとても勉強になりました。
AIと人との共同作業が、もう実現されてました!

塾長はどうしても仕組みやプログラミングに興味が向きがちですが、「使い方」の方のお話が聞けました。
「ははーん、よくこんな使い方を思いつくなぁ。天才!」
なんて感動してました。

とても面白かったです。

交流を深めてきたよ

長い勉強会が終わった後は、これまた恒例の交流会。
こちらも参加してきました。

毎年お馴染みの先生と再会できました。

そして今年はさらに、AIに詳しい先生や数学専門の先生とも人脈が広がりました。

数学では、竹内先生とお話しできました。
竹内先生と言えば、有名な数学の参考書「Focus Gold 啓林館」の編集者ですね!
数学の話はもちろんですが、いただいた名刺が面白くて、つくり方も教えていただきました。
ちょうど塾長の名刺がなくなったところ。
ちょっと作ってみようと思います。

プログラミングでは、「コードアドベンチャー」の宮城嶋先生とお話しできました。
私のやっている「マイクラミング」の取り組みについて紹介し、情報交換もいたしました。
「ここ2、3年で、プログラミング教室が世の中でちゃんと認められるか否かが勝負!」
というお話は、本当にそうだなと思いました。
毎年ちょこちょこお会いして、お名前と顔はよーく知っていたのですが、なにせ毎回この人数。
もしかしたら、ちゃんと話す時間がとれたのは、今回が初めてかもしれません。
お話しできて良かったです。

人工知能は、今回くわしい先生が何人かお見えでした(※)。
「みんがく」代表の佐藤先生、「カラフル学舎(宮城県)」の加藤先生とお会いできました。
講演会で消化不良だったところを「個別指導クラーク(長崎市)」の山本先生にフォローしていただきました。
そしてなんと「セルモ日進西小学校前教室」の西尾先生は、すでに活用されてました。
実際の画面を見せていただき、驚きましたよ。
西尾先生は何に対してもアーリーアダプター。最先端ですね!

※「お見えになる」=「いらっしゃる」。名古屋弁の敬語。

最後は集合写真。
さぁ、松下を探せw

塾フェスの集合写真

(写真は國立先生のブログより。転載了承済)

あとがき

勉強会(講演会)では他に、組織的なお話も聞けました。

今後は行政と塾や習い事教室との間にも、組織的なやりとりの仕組みが整っていくようです。
これはコロナ渦のときに行政からの要請を受けて学習塾が一斉に休校したことがありましたが、それをちゃんと仕組み化しようという流れです。

最近では、犯罪歴のある人が先生にならないような仕組みの議論がありますね。
学校の先生については一足先に法整備やシステム化の議論が進んでいますが、それに学習塾も参加させてほしい、という流れです。

子供たちの放課後の活動の場が、部活動だけでなく民間の習い事や学習塾にも広がっています。
それにともなって、行政の仕組みが学校だけでなく民間も巻き込んだ形で準備されていくようです。

よいことですね。
子供たちの成長は社会全体で支えるべきですから。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


名古屋市天白区の植田で塾を探すなら個別指導のヒーローズ!!

★ 直接のお問い合わせ ★
――――――――――――――――――――――
個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

卒業生へ贈る言葉「学ぶためには自由が必須」

塾長です。

卒業の季節ですね。今年も卒業生に宛て、何かしら書いてみます。

世の中だいたい何とかなるけれど・・・

最近は変な形で絶望している子供たちが多いです。
大卒でなければ就職できないとか、資格がないと仕事ができないとか。

何やらレッテルに縛られているようですが、そこまで世の中は単純ではありません。

卒業して、嬉しさと同時に不安もあるでしょう。
もしも、その不安が上のようなものであるならば、本当のことを言ってやりたくなります。

「いやいや、だいたい何とかなるよ」

現実の世界はもっと複雑で、そんなに捨てたもんじゃありません。
あまり臆することなく、自由に学んで欲しいと思います。

まぁ、これが言いたいことなのですが、もう少し書きます。
こんな調子で、今年も皆さんに贈る言葉を書いてみます。

自由に学ぶためのスキル

これから卒業生は高校や大学へ進学していくわけですが、そこは「義務」教育ではありません。
何をどれだけ学ぶのかは皆さんの「自由」です。

もちろん最低限の義務はありますよ。
その点はどこの世界でも同じです。

例えば、出席数や定期考査の点数にはクリア条件があるでしょう。
単位を落としたら留年してしまいます。

このような最低限の義務を果たしながら、できるだけ「自由」に学ぶ、というワケです。

そういう意味では、今までも少しは自由な部分があったかもしれません。
しかし、進学すれば、さらに自由の幅が広がります。

さて、自由に学ぶということは、
裏を返せば、不自由なモノを切り捨てる、ということです。

つまり「選択」が必要になります。
不要なものをスルーすることが大切です。

義務と選択とスルー

1日は24時間しかありませんし、体力も精神力にも限りがあります。

時間の使い方、お金の使い方、体力の使い方。
もっと言えば、自分の命の使い方。

若いうちは意識しないかもしれませんが、これらは常に制限があります。
人間は万能ではありませんから、全てをこなすことなんて無理です。
ですから、必ず制限があります。

そこで、あえて次のような行動をしましょう。

  • 義務は最小限に抑える
  • 他は自分の意思で選択する
  • 選択しなかったものはスルーする

中でも「義務は最小限に抑える」がもっとも難しいでしょう。

例えば、テストの点数や通知表の目標設定があります。
推薦で進学を狙うなら、高い目標設定が必要です。
しかし一般入試で進学するなら、卒業できるギリギリの成績まで目標を下げられます。
それなら「学校の成績や内申で悩まない」という選択もアリです。

え、そんなことして良いんですか?

良いのです!

何度も言いますが、そもそも義務教育ではありません。
誰もが高得点を目指すべき、というのは、単なる思い込みでしかありません。

思い込みから解放されて自由に学ぶためには、
上の3つのような行動が必ず必要になります。

ただし、上の3つは互いに依存しています。
どれか1つだけ実行すれば良いというワケにはいきません。
3つのバランスが大切です。

このバランス感覚を、ぜひ鍛えて欲しいと思います。
自分の人生を自分の意思で切り開くためには、この訓練がとても重要だからです。

スルーしたものにも価値がある!

もう1つ。大切なポイントがあります。

自分が選択しなかったこと、自分がスルーしたことも、
他の誰かにとっては、大切だったり、頑張っていたりすることかもしれません。

きっと何事にも何かしらの価値があるのでしょう。

その価値に気が付けるのか、気が付けないのか。
優先的に取り組めるのか、取り組めないのか。
それもまた出会いや運命のめぐりあわせです。

たまたま今の自分は、やろうと思わなかった。
もしかしたら将来どこかで選ぶかもしれない。

そのくらい軽い気持ちで考えておきましょう。
成長していれば、価値観なんてコロコロ変わります。
変わって当然です。

自分の選択に後悔したり、選択しなかったことを悔やんでも仕方ありません。
そういう後悔にとらわれてしまうと、心が不自由になります。
自由に学ぶためには、軽い気持ちで選択することだと思います。

今の自分の気持ちが向いている方向や、手にしているチャンス。
今の自分が使える時間や体力。
今の自分が理解できるものごとや見えている世界。

今ある範囲でこれら使いこなし、今の自分に導き出せる「最適解」で行動するしかありません。
やってみて、多少の失敗は経験するでしょう。
そして色々なことに気が付けば、次はさらに良い最適解を得られるでしょう。

こうした行動パターンは、プログラミング教室でやってきたことと同じです。

答えが1つなんて思わないでください。
答えが1つでないから、面白いし自由なのです。

集合知という価値観

インターネットで世界中がつながり、人工知能を始めとしたコンピューターの進化につれて、
ものすごいスピードで私たちの価値観が変わってきています。

たとえば、次のような考え方の変化が起きています(人や立場によって見方は様々です)。

  • 模範解答 → 最適解と改善
  • 年功序列 → 成果主義
  • ピラミッド型組織 → ネットワーク型組織
  • 会社に就職 → プロジェクトに参画
  • フレックスタイム → 出社不要
  • 先輩と後輩 → できる人から学ぶ
  • 学歴 → 学習歴、生涯学習、リラーン、リスキリング
  • 偏差値の向上 → キャリアの向上
  • モノが欲しい → 良い経験がしたい
  • ものづくり → ことづくり
  • クラス分け → 個別最適
  • 天才が世界を変える → みんなで世界を変える
  • 機密と競争 → オープンソースと共生
  • 構造化 → オブジェクト指向 → マルチパラダイム
  • 暗記する → ググる、タブる → AIと対話する

上のような価値観の変化の背景や共通点は何でしょうか?

ぜひ考えてみてください。

私は、人間とコンピューターの役割分担が進んだことだと思っています。

古い価値観は、おおよそ次のようなものだったと思います。

古い考え方:

「何年もかけて必要な全てのことを学び、優秀になってから仕事やプロジェクトに参加する。」

しかし今は違います。
コンピューターを活用すれば必ずしもすべてを準備する必要はありません。
能力のある人とコレボすればよいし、それができるツールが揃っています。

今の考え方:

「解決したい目的に向け、まず行動する。自分にできる事を互いに出し合う。」

1つの目的に、いろいろな能力や価値観の人が参加し、いちはやく解決に取り組む。
そのような行動が当たり前に変わってきています。

世界は広く、そしてみんなつながっています。
それが実感できる現代においては、

狭い地域や価値観の中で全ての人から理解されようとするのではなく、
世界中の何百人かの人たちから理解されればよい!

という考え方がどんどん広がっています。
こうした考え方や価値観が、これから皆さんの世代で当たり前に親しんでいく「集合知」や「多様性」だと思います。

大切なのは、身の回りや社会の問題を解決することであり、自分の能力をひけらかすことではありません。
だいいち価値観が多様化しているのですから、何かを自慢したところで必ずしも相手には通じません。

逆に、このような価値観の中であれば、皆さんが熱中していることや得意としていることが、必ず誰かしらの役に立つことでしょう。

本当は今も昔もそうだったのですが、今はもっとそうなっています。
だから今の方がもっと夢を実現しやすくなっていると思いますよ。

ぜひ、自由に学び、そして夢を持って生きて欲しいと思います。

卒業おめでとう!

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


名古屋市天白区の植田で塾を探すなら個別指導のヒーローズ!!

★ 直接のお問い合わせ ★
――――――――――――――――――――――
個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

2023年8月の予定とお盆休みについて

塾長からお知らせです。

お盆休みの予定および8月の予定は以下のとおりです。
年間カレンダーのとおりで、変更はありません。

詳細は以下の別紙もご確認くださいませ(入会時または2月頃に配付)。

「年間カレンダー 2023年度版」

 

お盆の休講

  • 期間: 2023年8月13日(日)~ 8月20日(日)
  • 注意: 連休中は教室に入れません。
  • 連絡: ご連絡はコミルでお願いします。お返事は8月21日以降になります。

(※)この予定は本ブログのほか、「年間カレンダー」、「夏期講習の日程表」、「コミルのお知らせ」の計4通りで分かるようになっております。お持ちの情報であらためてご確認くださいませ。
(※)8月27日は、中学3年生のみ模試の会場受験があります。

 

教室見学や体験会のお申し込み

8月21日以降でお問い合わせください。
資料請求は本サイトのこちらからご請求してくださいませ。

 

第3回愛知全県模試について

  • 日時 : 8月27日(日)12:10~16:55
  • 場所 : 受験票に記載の会場(※)
  • 対象 : 中学3年生
  • 申込 : すでに締め切りました
  • 受験票: 8/22(火)~8/24(木) に教室で手渡し

(※)会場は愛知高校、名経市邨高校、名経高蔵高校、愛知学院大学のいずれかになります

 

連休中の宿題

学校から指定された宿題を優先して終わらせておきましょう。
夏期講習で選択しなかった章は自分で進めておきましょう。

中学3年生は宿題が少ないと思いますが、それは受験勉強をしなさいと言う意味です。
マイペースまたは新研究を22番まで2周しましょう。

ただし、やっつけ仕事ではダメです。
そして、真面目に取り組めば必ず質問が出ます。

分からない所は付箋を貼るなどして印をつけておきましょう。
そして連休明けに質問してください。

以上です

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


名古屋市天白区の植田で塾を探すなら個別指導のヒーローズ!!

★ 直接のお問い合わせ ★
――――――――――――――――――――――
個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

偏差値でも学歴でもなく、どこでも楽しめる力

塾長です。

気が付いたら何か月もブログを書いていませんでした。

ちょっと遅れましたが・・・

いやー忙しかった~

受験も、学年末テストも、新学期の準備も、全てひと段落しました。

今週から新しい指導システムを導入しましたが、その準備もひと段落しました。
合わせて、教室では一足早く新学年をスタートいたしました。

ご協力いただきました保護者様、生徒の皆様、講師の皆さん、ありがとうございます!

そんなわけで、ずっと内部の充実を優先して作業をしてきました。
おかげで新しい生徒の募集は全くしてませんでした。

やっと少し余裕が出て来ましたので、もしもお問い合わせはがあれば、ヒーローズ本部経由でお知らせくださいませ。

さて、少し遅れてましたが、卒業生の皆さんに言葉を贈りたいと思います。

卒業生へ贈る言葉 2023

ご卒業おめでとうございます。

あまり偉そうなことは言えませんが、塾長の少ない経験と知識から分かる限りの言葉を贈りたいと思います。
そこで今日のブログのタイトルの通り、

「偏差値でも学歴でもなく、どこでも楽しめる力」

ということを書きたいと思います。

人工知能は敵か味方か?

少し前、みなさんが志望校の校舎で、希望と緊張感をもって試験問題に挑んでいたころ、
世間ではChatGPTと呼ばれる人工知能が話題になっていました。

↓↓↓ これです ↓↓↓
Introducing ChatGPT

一言でいえば「何でも博士」です。質問すると何でも答えてくれます。
そんな人工知能の無料サービスです。

きっとご存じの方も多いでしょう。
色々なYouTuberたちが、ChatGPTの解説動画を上げていますので、細かい説明はそちらに譲ります。

ChatGPTが、なぜ大きな話題になったのでしょうか?

それは、人工知能の能力が、多くの人の予想をはるかに超えて優秀だったからです。

ある人はチャンスを感じましたし、またある人は不安を感じました。

みなさんも、ぜひ使ってみてください。
多かれ少なかれ、きっと価値観が変わることでしょう。

どんなものなのか、ちょっとお見せしますね。

ChatGPTの利用例

まず手始めに中学2年生の理科の単元「植物の体のつくりとはたらき」について質問してみました。
今年の愛知県校公立高校入試でも、大問2で出題されましたね。

上のように、すぐに答えが返ってきました。とても便利です。
(人工知能の答えが正しいとは限りません。そのつど確認が必要です。)

せっかくですから、新学期に関係することも聞いてみましょう。

例えば、文化祭の企画について相談してみたらどうでしょうか。
今週からマスク規制が緩んだことだし、こんな質問をしてみましょう。

体育祭の企画も混じっちゃいましたが、参考になりますね。

さて、これをヒントにクラスで話し合いを進めた結果、上の1や4から着想を得て、演劇をすることになったとしましょう。
他のクラスと被らないよう、できればストーリー展開は完全オリジナルにしたいところです。
すると誰かが物語を作る必要があります。

「だれか物語を作れませんか?」

しかし誰も手を挙げません。どうしましょう?

まぁ、それも人工知能に考えてもらったらどうでしょう。

おお!
10秒も経たないうちに、演劇用の物語が作られてしまいました。

こちらからの質問の内容が、物語のメタ情報として混ざってしまったのは予想外。
でも、オチが無難だし、これはこれで良い演劇ができそうですね。

ということで、ChatGPT、すごくないですか?

ちなみに、数学の質問も答えてくれるし、簡単なプログラムなら作ってくれますよ。

ネット検索の上位互換なんてもんじゃありません。
まったく新しいコンピューターの使い方が登場してしまった、というのがお分かりいただけるでしょう。

みなさんなら、どんな使い方をしますか?

なぜ勉強するのか?

このような便利な人工知能が、これからどんどん出てきます。
しかも多くは無料で使えます。
すでに検索やLINEなど、いくつかのアプリの裏で人工知能が動いています。

きっと、みなさんが大人になる頃には、人工知能を抜きにして生活する方が難しいでしょう。

さて、人工知能が何でも答えてくれるなら、もう私たちは勉強しなくても良いのでしょうか?

作文の宿題は人工知能に作らせればよいのでしょうか?
そもそも宿題を出すことに意味があるのでしょうか?

みなさん、ここは真剣に考えてみるところだと思います。
ぜひ考えてみてください。

皆さんが学ぶ意味とは何でしょうか?

わざわざ努力して能力を身に着けるのは、何のためでしょうか?

高校や大学に進学してから、そこで何をどう学びますか?

こういうことを考えざるを得ない時代になってしまいました。

人工知能に負けない能力?

昔からコンピューターは大量の「データ」を処理するのが得意でした。
しかし一方で、「情報」は処理できないだろうと思われてきました。

数字の1つ1つが「データ」だとすれば、それらの意味もセットにした文脈が「情報」と言えるでしょう。
コンピューターは基本的に計算器ですから、数値を処理できても、それらの意味は理解できません。

つまり、コンピューターが処理できるのは「データ」までで、それを「情報」として処理するのは人間にしかできないだろう、ということです。
だから、

人間は情報の扱い方を鍛えればコンピューターに負けないはずだ!

ほんの10年くらい前までは、そんな風に言われてきました。

ところがここ数年で、どうやら「情報」も処理できるようになってしまったようです。

正確に言えば、今でも相変わらずコンピューターが何かの意味を理解することはないのでしょう。
けれども、あたかも理解して答えたかのような結果を生み出せるようになってしまいました。

少なくともコンピューターが意味の通る文章をすばやく作り出せる事実を、ChatGPTによって誰もが体験できます。
しかもその作文力は、その辺の大学1年生よりも優れたレベルと言えます。

だから人間がコンピューターよりも優秀だと言えることが、それだけ失われてしまったと言えます。

人工知能に職を奪われる・・・

という危機感をあおる人たちが増えて来ましたが、そう考えるのも自然でしょう。
人工知能が「情報を処理できない」という壁を突破してきました。
コンピューターができるのであれば、人間にとって、

知識の詰め込み教育なんて意味がない!

という流れになってきました。

教科書の裏側

実は、皆さんが学校で学んできた教科書にも「人工知能に負けない」という方針が反映されています。
学校の先生は、それらを意識して皆さんに授業を提供しています。

例えば、

  • 人工知能は想像力がないから、人間は想像力を鍛えるべきだ。
  • 人工知能は自発的に行動できないから、人間は主体性を強化すべきだ。
  • 人工知能は図や表などの理解が苦手だから、人間は資料を読み解く能力を鍛えるべきだ。

といったような教育方針です。
これは分かりやすいし、納得しやすいでしょう。

皆さんが経験した高校受験や大学受験の出題傾向が、どんどん変わっているのはそのためです。

  • 問題文の文章が長くなってきた
  • 問題文の中でやたらと図表が増えてきた

という出題傾向の変化は、

「人工知能に負けない」

という方針が色濃く反映されているからです。

長文や図表の中から必要な情報を持ってきて編集し、回答としてまとめる・・・
そのような情報処理はコンピューターが苦手であるからこそ、人間の能力として伸ばすべきだ。
そして入試としてそのような出題をすれば、学校の教育も変わるはずだ。

そういう方針が色濃く出ています。

しかし、ChatGPTの能力が予想以上に高かったのがショックでした。

人工知能が苦手なものなんて、そのうちに無くなってしまうのではないか?

そのようなショックです。

無謀な挑戦

追い打ちをかけるようですが、ChatGPT はほんの1例にすぎません。
文章だけにとどまらず、音楽、映像、動画など、色々な分野で人工知能が瞬時にコンテンツをつくってくれるサービスがどんどん出てきています。

さらに泣きっ面にハチですが、3月にChatGPTがバージョンアップしました。
文章だけでなく、画像も扱えるようになりました。
最初のリリースからたったの3か月、日本でニュースになってから、たったの2か月で、もう次のリリースです。
進化のスピードに人間が(報道が)ついていけません。

一方、教科書の改訂は4年ごとです。
教育方針を大きく変えるような教育改革は10年くらいの歳月を費やしています。

そして残念ながら、その10年前に国が想定した「人工知能に負けない」という教育方針は、いきなり音を立てて崩れつつあります。

どんな教科書を使って能力を鍛えたところで、いつかは必ず人工知能に追い超されるからです。
そういう事実を突きつけられてしまったのです。

ここから次のようなことを学ぶ必要があります。

次の教育改革や教科書の改訂を待っても無意味。
誰かが方針を決めてくれるのを待っているのも無意味。
私たちは自らの頭で考えて、刻一刻と変化に対応しなければならない。

断っておきますが、この話は、あくまでも「プロダクトやコンテンツを生み出す能力」つまり「既存の産業において生産性を高める能力」の話です。
人工知能に職を奪われないために、どんな能力を身に着けるべきか、コンピューターが苦手なことを身に着けるべきだ、という文脈での話です。

もちろん、人工知能が感情や感性を獲得することに関しては、あいかわらず不可能だろうと、多くの人が考えています。
塾長もそう思います。
人間の成長を促し、暖かく見守るという学校教育が無くなることは今後もないでしょう。

話を戻しますが、

「プロダクトを生み出す能力」という意味では、もはや人間が人工知能に1つも勝てなくなる日が来るのは時間の問題と言えます。

そういう意味で「人工知能に負けない」という目的で勉強しても、それは理由にはならないでしょう。

人工知能に挑戦するために勉強するのはやめた方が良いと思います。

シンギュラリティ

このまま人工知能が賢くなっていって、ある日、とうとう人間の脳と同等の能力を手に入れてしまう日が来たとしましょう。

そのような日のことを「シンギュラリティ」と呼ぶそうです。
「技術的臨界点」とも呼ぶそうです。

要するに、シンギュラリティが人工知能の本当の誕生日というわけです。

ちなみに、人工知能が「感性」をも手に入れてしまうのは、さすがに無理だろうと思います。
というわけで、最初から感性を抜きにしてシンギュラリティの話をしています。

はた織り機の登場で、はた織り職人が仕事を失いました。
エクセルの登場で、暗算名人やそろばん名人を雇う必要がなくなりました。
こうして、職場から職人や事務員の仕事を、人工知能が次々に奪っていきました。
そしてある日、ついに人間は何1つコンピューターに勝てなくなりました。

あくまでもこのような文脈で「シンギュラリティ」が来るのは何年後でしょうか?

1年ほど前までは、2045年ころに訪れるだろうと予想されていました。

ところがここ半年の間に、その予想が更新されてしまったわけです。

今ではシンギュラリティの到来は2025年頃だろうと予想されています。

つまり、たったのあと数年です。
一気に20年も早まってしまいました。

競争以外で目的を見つけよう

ということで、何が言いたいかと言えば、

人工知能と競争しても、そんなの不毛なので止めましょう!

ということです。

コンピューターが便利になることは良いことです。
コンピューターに負けないとか、人工知能に負けないとか、そういう視野の狭いことを言っていても仕方がありません。

世の中をもっと便利にするために
世の中もっと良くするために

そういう前向きな目的を考えて、
そのために人工知能をどうやって活用するかを考えるべきでしょう。

やれ有休が欲しいだの、やれ残業が多いだの言っておきながら、
人工知能が仕事を代わりにやってくれるのを嘆くのはおかしなことです。

ちょっと冷静になった方が良いかなぁと塾長は思います。

世の中、いろいろなものが加速的に変化していますが、人工知能の話は、あくまでも1例にすぎません。
その1例に過ぎないものに、勝負を挑んで消耗してしまうのは時間の無駄です。

コンピューターは使うもの

人工知能も含めて、コンピューターは道具です。

正しい使い方を学ぶ。

それでよいのではないでしょうか。
大切なのは、コンピューターに追われたり、コンピューターに使われたりしないようにすることです。

これはお金に似ています。

お金の正しい使い方を学ぶことが大切です。
お金に追われたり、お金に使われたりしないことが大切です。

勉強も競争以外を目的にしましょう

人工知能との競争を止めるついでに、勉強で人と競争することも、止めてみたらよいと思います。

自分の点数を、友達と比較したり、親や兄弟と比較したりして、
優越感を覚えたり、劣等感を覚えたりすることがあります。

そういう気持ちの浮き沈みは、はっきり言ってしまうと、時間の無駄です。

気持ちが浮き沈みして落ち着いて勉強できなくなるくらいなら、
嫌な気持になったり、優越感で人の悪口を言うような性格になってしまうくらいなら、
最初から他人と比較しなければよいです。

そもそも偏差値は、他人との比較を抽象化するための数字です。
周りの人間と比較しなくても済むように、偏差値だけ見れば自分の実力の程度が客観的に理解できる、それでよいのです。

それを、わざわざ再びランキングに使ったり、他人と比較してしまったりしたら、話が循環するだけで前に進みません。
それで気持ちが浮き沈みするなんて、本当に意味がなくて、不毛な行為ですね。

しかも少子化で、間もなく高校も大学も、受験競争というものが無くなりますよ。

今年の愛知県の現状として、公立高校で4割、私立高校で6~7割が推薦で入学するようになっています。
おそらく今後も増えるでしょう。

もっといえば、公立高校の定員割れが止まりません。
愛知県の公立高校の定員割れは合計2000人以上で、もう毎年恒例です。

つまり、選ばなければ、もう名前を書くだけで合格します。
大学も同じ状況です。

さらに、勉強が苦手だとしても、コンピューターや人工知能を使えれば、何の問題もありません。
自分の弱点を克服できる手段や方法もまた、たくさんあるのです。

競争とは、数字を計算するルールを作り、その数字で優劣を決めるということです。
そして、数字を計算するルールを決めるときに、数字にならない多くのことを切り捨てます。

要するに、ルールを決められる程度に単純なものほど競争になる、ということです。
そして、そういった数字になりやすい競争ほど、だいたい人工知能に負ける運命にあるのです。

人間同士で競っていても、そんなのは視野が狭いというもの。
もっと大きな変化に飲み込まれる運命にあるのだということを、ちゃんと知っておくことが大切です。

逆に、受験で高揚しても後悔しても、それはごくごく狭い範囲での勝敗にすぎません。
すこし視野を広げれば、勝者もまた、人工知能に負ける運命にあります。

1回や2回の受験で幸先が明るくなるほど、世の中は甘くはないですし、また絶望なんてことも無いですよ。

幸せになったもん勝ち

このように、これから世の中がどんどん変化します。
それは個人の努力で止めることはできません。

ですから、変化を受け入れて、変化にうまく対応していくことが大切です。
その刻、一刻の対応の方が、実は受験よりもはるかに大切です。

競争の時代が終わり、人間が理解できない速さで環境が変化する世界になろうとしています。
競争するルールを決めても、もう次の瞬間には、そのルールが通用しなくなっている、そういう世界になります。

そんな世界の中で生きていくとき、いったい、何を目的にするのでしょうか?

他人と比較するのが無意味なのであれば、結局のところ、

自分にとっての幸せとは何か?

に行きつくのでしょう。
競争をした後で何とかするのではなく、競争の先にある目的を、最初から取りに行った方が早いです。

それは人それぞれに違います。

都会で精神を擦り減らせながら働いている人が、田舎の暮らしに憧れれたり、キャンプ場で不便な生活を楽しむことがあるように、
他人から見て、そんな生活は嫌だと思うような状態でも、また別の人から見たら、羨むような生活だと思われるのです。

親の世代が都会に移り住んできた時代には、田舎暮らしなんて嫌だと言って、みな都会に出て来たのでした。

何を良いと思うのかを判断する基準も価値観も、人それぞれに違います。

ちょっと昔までは、

「合格してから好きなことをやれ。それまでは我慢して勉強だけをやれ。」
「出世してから会社を変えろ。それまでは我慢して言うことを聞け。」
「定年退職後に好きなことをやるから、それまでは我慢して社畜で頑張れ。」

という人が多かったのですが、もうそんな前提はいっさい通用しません。

競争の結果を待つ必要なんてありません。
最初から幸せになるための目的を直接取りに行ってください。

母校を愛しなさい!

めでたく第一志望に合格した人
惜しくも第二志望へ進学した人
志望校を決める過程で、周りから妥協だの、背伸びだの言われた人
ものすごく勉強を頑張って満足した人
あまり努力しなくて、ちょっと後悔している人

人それぞれ、受験には色々な思いや事情や物語があっただろうと思います。

とにかく、そういう色々な過程を乗り越えて、みなさんは4月から進学します。
つまり、進学していく学校には、それだけ皆さんにご縁があったということです。

あとは、入学してから、みなさんが何をするかです。

どこへ進学したかではなく、進学先で何を成したのか。
第何志望に進学したかではなく、これからの生活をどれだけ楽しめるか。

みなさんの新生活の価値は、それで決まります。

良い成績を収めるかもしれませんし、そうでないかもしれません。
しかし、学校の成績は人生において、それほど価値はありません。
仕事をするようになってから学校の成績が問題になる確率は0%です。

ルールの範囲で学生の役割を果たすことは大切ですが、
それさえ守れば、あとは楽しんだもん勝ちだと思います。

人生と同じで、学校生活も、幸せを感じたもん勝ちです。

3年、4年も経てば、進学先の高校や大学を、また卒業することになります。
その時、自分の母校を誇れるかどうかは、みなさんが何をしたかで決まるのです。

だから、これから進学する学校のことを大好きになってください。
すてきな学生生活を、ぜひエンジョイして欲しいと思います。

卒業おめでとう。
みなさんの未来が幸せであることを切に願っております。

サムネイルの画像もAIが作成

今日のブログのサムネイル画像は、人工知能サービスの Stable Diffusion 2 で作成しました。
作成に使ったキーワードは下の7語で、作成時間は20秒ほどでした。

graduation high school happiness hope Japan anime

このブログだけのテーマソングも作ろうとしたのですが、私の知っていた作曲AIが有料化されてしまいました。
また無料の作曲AIが登場したら、作ってみようと思います。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


名古屋市天白区の植田で塾を探すなら個別指導のヒーローズ!!

★ 直接のお問い合わせ ★
――――――――――――――――――――――
個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL