この週末は最後の「センター試験」でした。来年からは「大学入学共通テスト」に変わります。
新聞で問題と正答が公開されたので、今年もさっそく解いてみました。
レベル感、勉強法、大学入学共通テストへの展望などについてまとめました。
この週末は最後の「センター試験」でした。来年からは「大学入学共通テスト」に変わります。
新聞で問題と正答が公開されたので、今年もさっそく解いてみました。
レベル感、勉強法、大学入学共通テストへの展望などについてまとめました。
塾長です。
今日は「社会が苦手な人」に向けた記事を書きます。
塾長は中学生のとき、社会がもっとも苦手でした。いま思えば、色々な勘違いがあったからです。
正直に言って社会が好きではなかったです。テスト前になると、
「とにかく覚えることを最低限に絞りたい!」
という思いから「まとめノート」を作ったり「これだけ覚えれば」的な参考書を買ったりして、それだけを覚えるようにしていました。しかし全く頭に入らなかったです。
高校受験生になると、苦手などと言ってはいられません。自分なりに暗記を頑張りました。それでも5には届きませんでした。最高値が5×(ゴバツ)でした。4.5くらいの価値なんですかね。社会は高得点者が多かったので5が取りにくかったです。美術、音楽、技術は5が取れたのに、社会は最後まで取れなかったです。
塾長が社会を克服できたのは、大学受験の後半になってからでした。色々な遠回りをしたもんです。
(多くの人は、年齢とともに社会は頭に入りやすくなるようです。きっと知識が増えたり、視野が広がって興味を持てるようになるからでしょう。)
ちょっと前に、ヒーローズの勉強会がありました。その帰りに、小出先生を車で駅まで送ることになりました。小出先生はヒーローズ西春校の塾長です。なんと早稲田大学の文系学部ご出身。
早稲田大学の文系ともなれば、社会の偏差値70後半~80台という世界です。きっと社会なんて最初から得意だったに違いありません。
そして、ふと、知りたくなりました。
いったい何をどのように勉強していたのだろうか?
そもそも私とは頭のつくりが違うのだろうか?
こりゃもう、聞くしかない!
そう思って、助手席の方へ質問をぶつけていったわけです。
私: 小出先生は、社会が得意でしたか?
小: ええ、まぁ、文系でしたから。
私: 社会の勉強の仕方って、どうしたらよいですか?
小: まぁ、そうですねぇ。
実は、よく聞かれるんですけど、何て答えたらよいか困ってしまうんですよね。私: え、なんで困るんですか?
小: これと言って特別な何かを答えられるわけでもないですから。
どこを覚えればよいかとか、何が重要かとか、ポイントは何かとか聞かれても、
「全部」
としか答えようがないんです。
問題集や模試の問題を解いてみて、出題されたところをチェックしていくじゃないですか。そうすると結局のところ、教科書のどこからでも出題されているんですよ。だから何をどうに勉強したとしても、結局は
「教科書のすべてが大切」
という話になっちゃうんですよ。それなら最初から「全部が大切」って言ってもらった方が解りやすいと僕は思うんです。私: な、なるほどぉ・・・。
確かに、理系に置き換えたら、それ、分かる気がします。
数学でも化学でも物理でも、結局のところ、
「自分で教科書や参考書を執筆できる!」
くらいに身に着いてないと、勉強したとは言えないですもんね。小: 英文法とかでもそうですよね。
私: そうですね。
小: 社会だからと言って、何か特別な勉強があるという感覚は、僕にはあまりないです。
他の教科と同じで、教科書を隅々まで全て頭に入れれば良いというか。
逆に、教科書の中で知らないことが1つでもあると不安になりますよね。
それで、もっと細かく読み込むとか、そのベージに関連した問題を解いてみるとか。
何を勉強するかなんて、そうやって自然にやることが決まってくるじゃないですか。私: 確かに。
そう言われると、アニメやポケモンの好きな生徒と同じかも。
めちゃくちゃキャラ設定が詳しいんですよね。
そして知らないことがあると友達から聞いたり、自分で調べたりして、まめにチェック。
それって勉強法と同じですよね。小: ホントですよね。
本当は生徒だって、勉強の仕方が分かってるんじゃないかと思うんです。私: 確かに!
どのような教科であろうと、いさぎよく最初から
「教科書のすべてが大切」
と受け入れてしまえば、自然に勉強の方法が決まってくるってことですね。
なるほど、なるほど。
確かに、言われてみればそうですね。
ということで、社会の勉強方法はいたってシンプルでした。
「教科書のすべてを頭に入れると決める!」
そのように決めて徹底すれば、勉強の仕方は自動的に決まります。そのように自動的に決まってくる勉強法こそが、正しい勉強法というわけです。
極めた人の答えはシンプルですね。ズバッと一刀両断されたような凄さでした。
現場からは以上です。
塾長は大学受験でも社会にてこずりました。理系の国公立大学を受験していたので、社会はセンター試験だけ必要でした。社会はできるだけ勉強したくないと思っていました。
現役の高校3年生では日本史を選択しました。
「日本史なら中学でやったし、センターはマーク試験だし、ある程度はカンでも行けるっしょ。」
みたいな甘い考えでした。日本史を選択した動機からして安直というか不純でした。
それで日本史の「一問一答」という問題集の1冊だけをやり込もうと決めたのですが、そもそも姿勢が後ろ向きだったせいか、いくらやっても頭に入らなかったです。
そしてセンター本番では全く点数が取れませんでした。
浪人してからは「倫理、政治・経済」に変更しました。
「公民ならば、文脈や理屈で内容を理解できそうだし、まだ理屈で覚えることが可能だろう」
と思ったからです。
一問一答のような丸暗記だけではダメだという反省から、少しは進化しました。
倫理、政治・経済を勉強してみると、日本史よりは興味を持つことができました。ちゃんと教科書を読むようになりました。(教科の好き嫌いにムラが出てくるのは仕方がないですね。)
そして良かったのは、ちゃんと深く理解しながら勉強する姿勢に変わったことでした。用語解説の厚い参考書(駿台の「倫理,政治・経済用語資料集」だったかな)を買ってきて、調べながら、納得しながら勉強するようになりました。
もちろん社会の勉強時間も読み込む参考書のページ数も大幅に増えてしまったのですが、むしろ、その方が楽に頭に入りました。
そしてセンター本番では目標点を取る事ができました。
結局のところ「これだけ」みたいな勉強はダメだということです。「全部」とか「深く」とかいう姿勢の勉強にしたほうが、むしろ楽に頭に入っていくものです。
この先、教育の方針がどんどん変わって、例えば、社会の試験が「教科書の持込可能」というような制度に変わったとしても、「全部」・「深く」という姿勢で勉強しておけば、対応できるのではないでしょうか。
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塾長です。
中学3年生の学年末テストの対策も大詰めです。テスト週間になると「時事用語の解説」を配っています。定期テストで時事問題を出す学校があるからです。ただ今回は配るのがちょっと早かったので、ニュースに少しだけ差分が出てきました。そこで今回は2つほど差分の話題をピックアップしておきます。天文ネタと国際ネタです。
ちなみに学校の先生は、なぜか科学ニュースや国際ニュースについて時事問題をあまり出題しません。だから今回は印刷し直すほどではないと考え、このブログに載せるにとどめます。なお、天文ニュースは塾長の趣味で肉厚の解説です。
※新聞を読むうえで理解しておくべきキーワードを赤表示にしてあります
やっぱり宇宙ネタから話すとテンション上がります。
いま、オリオン座にある1等星「ベテルギウス」が変です。2019年10月頃から暗くなり始め、1月の時点で明るさが2.5分の1にまで減少してしまいました。つまり、明るさが1等級もダウンして、ほとんど2等星の明るさになっています。パッと見るとオリオン座の形が変わったのかと思うほど、変な違和感を感じます。
冬の星座と言えばオリオン座ですよね。具体的には、いつ頃、どこに見えるのでしょうか。
小学4年生と中学3年生の理科で習います。国立天文台のホームページで1月の星空を見てみましょう。オリオン座を見つけてみてください。
出典: 2020年1月中旬 20時頃の東京 国立天文台(NAOJ)より
オリオン座には2つの1等星があります。赤いベテルギウスと、青白いリゲルです。オリオン座が南に見える時、三ツ星の左上にある方がベテルギウスです。赤いので色ですぐに解ります。
そしてオリオン座の左には「冬の大三角」が見えます。1等星でできた逆さの正三角形です。オリオン座のベテルギウス、小犬座のプロキオン、そしておおいぬ座のシリウスです。
このように、ベテルギウスは冬の星空を形どる重要な星なんです。
その重要な星が暗くなったので、今見ると妙なアンバランスを感じます。ベテルギウスの存在感が無さすぎて、見慣れた形が崩れています。
まず、オリオンの右肩(左側)がスカスカです。勇ましく棍棒を振り上げているはずの肩が弱弱しいです。脱臼でもしたのでしょうか。ギリシャ神話では、オリオン座は夏のサソリ座から逃げ回っている設定ですが、そんなことでは、さそり座に追いつかれてしまいますよ。もっとも、地球温暖化で、冬は夏に追いつかれるのかもしれませんが。
そして、冬の大三角が見つかりません。「え、どこ?」という印象です。リゲルの方が目立つので、ベテルギウスをすっ飛ばしてリゲルへ視線が行ってしまい、キレイな三角形が結べません。
ベテルギウスが暗くなる周期は、なんでも5.9年と425日の2種類があって、両者のタイミングが一致すると、めちゃ暗くなるのだそうです。だいたい100年に1度くらいでそうなり、どうやら今回が観測史上もっとも暗いらしいです。
地味な現象ですが珍しいので、ぜひ見ておきましょう。
実際のベテルギウスの大きさは、なんと太陽の1000倍!
もしもベテルギウスが太陽系の中心にあったら木星の公転軌道の近くまで飲みこまれてしまいます。
それほど大きな星とは言え、大きな天体望遠鏡で見たとしても普通は点にしか見えません。ベテルギウスまでの距離は500光年。途方もなく遠いからです。
それでも世界最大で視力4000のアルマ望遠鏡なら、その姿をとらえることができます。
出典: 2018/1/23 アルマ望遠鏡がとらえたベテルギウス 国立天文台(NAOJ)より
ベテルギウスの姿は赤く、いびつです。もうすぐ大爆発すると言われています。そのため不安定で、星の明るさだけでなく、形さえも変わりやすいです。
もしもベテルギウスが爆発したら、遠い地球でさえ、オゾン層の一部が破壊されるそうです。そしてブラックホールができるだろうとも言われています。ちなみに、ブラックホールができるような星の大爆発のことを「超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)」と呼びます。太陽よりずっと巨大な星は、最後に超新星爆発を起こすそうです。
ベテルギウスが爆発したら満月の100倍も明るく輝くそうです。それだけ明るければ夜でも普通に歩けますね。そんな状態が3か月くらい続くそうですよ。しかし、その後は数年かけて暗くなっていき、遂には見えなくなってしまうそうです。
爆発するのは、1年後とも10万年後とも言われています。なにしろ宇宙規模の現象なので、アバウトさも宇宙規模です。
ちなみに超新星爆発が起こると、その星の自転軸から強烈な放射線ビーム(ガンマ線バースト)が発射されることが多いです。もしもそのビームが地球に向いていれば、地球上の生命の多くが絶滅してしまいます。ベテルギウスは星の形や温度分布がでこぼこしているので、星が自転する様子が直接観測されています。その観測の結果、ベテルギウスの自転軸は、地球には向いていないことが分かりました。一安心です。
ちなみに超新星爆発の放射線で、地球上の生命が大量に絶滅したことが、これまでに何度かあったようです。生命誕生から40億年ともなれば、進化の歴史に宇宙が関係してくるのですね。
さて、次のニュースです。
とても悲しいニュースです。しかもニュースの内容が二転三転したために、混乱した人も多かったでしょう。実際に私も、生徒に時事用語の解説を配った後でも話が変わったので、ニュースを見るたびに混乱しました。
当時のイラン軍は臨戦態勢でした。いつでも攻撃できるような緊張した状況のとき、たまたま飛行していた民間の旅客機を、敵機と間違えて攻撃してしまったのだそうです。勘違いだったそうです。
ウクライナ政府の発表によると、乗客167人、乗員9人が搭乗していて、全員が亡くなってしまったそうです。82人がイラン人、63人がカナダ人、ウクライナ人11人、スウェーデン人10人、ドイツ人とイギリス人が各3人だったそうです。
犠牲者の中でカナダ人が多かったため、カナダ首相の声明もニュースで放送されたいたのです。
イランはアメリカからの攻撃を想定していました。両国は何十年も国交を断絶していて緊張状態です。イランの隣国のイラクには、アメリカ軍が駐留してイラン軍の攻撃に備えています。実際、今年に入ってからも攻撃しあっていました。ここ2週間だけで次のような緊張状態が連続しています。
イランはもともとアメリカと親しい国でした。しかしアメリカがイランの原油について利権を主張し過ぎたとしてイラン国民が反発、1979年に革命を起こし反米国家になってしまいました(イラン・イスラム革命)。それ以来、イランとアメリカは仲が悪いままです。一触即発の緊張状態が何十年も続いています。
穏健派だったオバマ政権の時代に関係が少しだけ改善しましたが、強硬派のトランプ政権になると一転して悪化する方向へ逆戻りしました。
日本とイランは良好な外交関係にあり、その関係は100年近く続いています。石油の約85%を中東から輸入する日本にとって、むしろイランとの外交は大切です。
ところがアメリカは、日本のようにイランと外交関係にある国々に対しても、「イランから石油を買うなら、アメリカが経済制裁するぞ!」と脅してきました。
そのたびに石油の値段が高騰したり、株価が下がるなど、日本にとって良いことはありません。
アメリカがイランと貿易する関係諸国に対してまで経済制裁の手を広げるのは、いくら何でもやり過ぎということで、アメリカは仕方なく「期限付きで制裁対象から除外」するという姿勢を維持しています。とても不安定な状態です。
昨年6/13に安倍首相はイランを訪問し、アメリカとイランの仲裁を試みました。しかし両者の仲はそうそう簡単には良くなりません。日本とイランの友好関係を確かめるに留まりました。
撃墜されたウクライナ航空機の機体は「ボーイング737」という機体でした。そして、最初のニュースでは、軍やテロとは関係なく「技術的な問題で墜落した事故」だと報道されました。これがとても紛らわしかったのです。
というのは、昨年12月に米ボーイング社は「ボーイング737MAX」という機体の生産中止を報道したばかりだったからです。ボーイング737MAXは、墜落事故が多くて生産中止に追い込まれたのです。
多くの人が「またボーイング737MAXの墜落か」と勘違いしたことでしょう。私も勘違いしました。
機種名が紛らわしいのです。正確には、誤爆されたウクライナ航空の機種は「ボーイング737―800NG型機」でした。これは安定飛行をする名機です。生産中止になったのは「ボーイング737MAX型機」です。名前は似ていますが、まったく評判の違う機体でした。
結局、今回撃墜された飛行機は、ボーイング737MAXの欠陥の話しとは何も関係がありませんでした。
正直に言って、新聞やテレビのニュースは、読んでも聞いても、サッパリ意味が分からないですよね。訳も分からないまま「ふーん」と聞き流している場合が多いです。
情報が断片的だからです。
ニュースで報道される情報は、昨日までのニュースとの「差分」だけです。情報が必要最低限に切り取られ過ぎていて、前後が見えません。いきなり差分だけ言われても意味が分からないんです。例えば
カルロス・ゴーン被告はブラジルの有力紙の取材で 「日本人はのろまで、準備と計画、理解にたくさんの時間をかける必要がある」と語った
などというニュースを見たところで、
「はぁ?何のこと??」
ってなります。なぜゴーン氏なのか、なぜ「のろま」と言っただけでニュースになるのか。その日のニュースを見ただけでは、理由も意味がサッパリです。上で解説したニュースもそうでしょう。
イラン政府は1/11、ウクライナ航空機を人的ミスで誤って撃墜したことを認めました。
これも難しすぎてわかりません。なぜイラン政府なのか。「認めた」とは、どういうことか。ニュースではカナダ大統領のコメントが出て来て、さらに混乱したでしょう。このニュースの背景にある、イラン、イラク、アメリカの関係の説明があった上で、さらに誤爆により一方的に巻き込まれた人たちとの関係が説明されないと、ニュースの意味がサッパリ分からないと思います。
まだ知識の乏しい中学生や高校生がニュースを理解するのは、もっとハードルが上がるでしょう。
ですから教室では、ニュースのに出て来るキーワードに対して、事の発端や背景、言葉本来の意味などを解説しているわけです。新聞が読めないのは漢字や用語が多いからではありません。背景の説明が省略されているために、そもそも文脈が分からないから読めないのです。
それに、新聞やテレビのニュースを見ても無関心な状態は、人としてどうかと思います。意味が分かれば関心の持ちようが出てきます。
ちなみに、時事問題の「予想」は学校の先生に、めちゃくちゃ嫌われます。
これは以前の記事「時事問題の対策は、問題を予想するのではなく用語を学習する」(2019/5/29)でも書きました。
そりゃそうですよね。学校の先生は生徒に新聞を読んで欲しいから時事問題を出すのです。予想問題に飛びついて、中身のない暗記だけをされては先生の教育方針が台無しです。ちなみに学校の先生でなくても「本当の教育」を語る人たちから嫌われます。教育って熱いですから。
何より、塾が嫌われるならまだしも、生徒が先生から嫌われたらかわいそうでしょう。万が一にも塾の配っている「ズバリ予想」みたいなプリントが、学校の先生に見つかってしまったら目も当てれません。
塾から時事対策のプリントを配る時には、生徒が安心して学校に持っていけるような物にしておくべきだと思います。
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塾長です。
2020年4月から高校の無償化が拡大します。申し込みは高校を通じて行ってくださいね。
実は1年前にも「同じテーマの記事」を書きました。そちらは古いので、こちらをご参照ください。
※ 2020/2/3 に記事を修正しました。愛知県の補助金が拡大されたのを反映しました。
2020年4月からの改正ポイントをまとめると、次のようになります。
上記の条件に当てはまらないご家庭にとっては、大きな変更はありません。総じて、
年収720万円未満までなら一律に私立高校まで実質無償化!+入学金20万円まで補助
と考えればよいでしょう。
ただし月額33,000円よりも授業料が高い私立高校は、その差額分の自己負担が必要です。これは今まで通りです。
また年収720~910万円のご家庭で私立高校に通う場合は一部が自己負担になり、年収910万円以上では補助金の対象外です。これも今まで通りです。
この報道のインパクトは大きかったです。
県からの補助金拡大のニュースがあったのは2020/1/31でした。残念ながら、私立高校の願書を提出した後でした。つまり来年からは私立高校の志願者がさらに増えるでしょう。例えば少し通学に不便な公立高校などは、倍率が1倍を切って全員合格ということも出てきそうです。
さて、高校の授業料と補助金について、詳細にまとめます。1年前からの差分は赤で示しました。
ご存知、高校は義務教育ではないため、授業料を支払う必要があります。
高校の入学以降で必要になるお金は、受験料、入学金、授業料、PTA会費、施設費などの他、制服代や文房具代、教材費などがあります。
中でも大きな金額を占めるのが、入学金と授業料です。主にこの2つが補助の対象です。
もしも何も補助金が無かった場合、高校の授業料は、だいたい次の表のとおりです。
入学金 | 授業料(月) |
---|---|
5,650円 | 9,900円 |
入学金 | 授業料(月) |
---|---|
200,000円前後 | 30,000~40,000円 |
※私立高校の授業料は全国平均で年間約40万円と言われています
現状、国や自治体などから受けられる主な支援は次の種類があります。
多くの人にとって公立高校および私立高校が実質無料、または減免となります。
※世帯年収によって補助金が変わり、約910万円以上は対象外です。
※ 国は「支援金」、県は「補助金」と呼びますが、ブログの本文中では便宜上「補助金」で統一します。
国からは授業料について支援金があります。2019年12月20日に閣議決定されました。
愛知県からは入学金と授業料について補助金の拡大がありました。2020年1月31日に発表されました。
両方を併用することができ、合計金額が実質的な補助金になります。
世帯年収 | 県の補助金 |
---|---|
350万円未満程度 | 200,000円 |
350万円~720万円未満程度 | 200,000円 |
720万円~840万円未満程度 | 100,000円 |
840万円以上程度 | 0円 |
世帯年収 | 国の支援金 | 県の補助金 | 減免の合計額 |
---|---|---|---|
270万円未満程度 | 33,000円 | 200円 | 33,200円 |
270万円~350万円未満程度 | 33,000円 | 200円 | 33,200円 |
350万円~590万円未満程度 | 33,000円 | 200円 | 33,200円 |
590万円~720万円未満程度 | 9,900円 | 23,300円 | 33,200円 |
720万円~840万円未満程度 | 9,900円 | 11,700円 | 21,600円 |
840万円~910万円未満程度 | 9,900円 | 0円 | 9,900円 |
※ 赤い表示は改訂された部分(確定部分)
※ 青い表示は予想です(まだ報道が無いので不明)
※ 黒い通常の表示は昨年度から変更がないと仮定した値
※ 世帯年収の算定方法が地方税の「所得割額」から「課税所得」に変更されました
※ 実際に高校へ支払った額が上限になります(差益が出ることはありません)
国が助成拡大を発表した2019年12月以降では、2020年1月31日に「年収720万円未満まで無償化」の報道がありました。しかし県議会で正式に予算が通るのはその後なので、具体的な金額の報道がまだありません。ですから愛知県からは何も正式な発表がありません。そのため2019年9月に愛知県が発表した水準から変更がないものと仮定するしかありません。
2020年2月の内に、また発表があるでしょう。少なくとも高校のホームページやパンフレットに同封されていた資料よりは多い補助機がもらえます。くれぐれも今後の報道や高校からの説明や高校から受け取る資料などをご確認くださいませ。
その上で、上表の青色のように予想しました。理由は次のとおりです。
国からの補助金の上限額は年間39万6,000円と決まりました。これを12カ月で割ると33,000円/月になります。これは愛知県が昨年まで基準にしていた33,200円/月に近い金額です。愛知県はこの基準額を引き上げるのか否か、まだ分かりませんので、現状維持を仮定しました。
ですから変更があるとしても数百円/月くらいだろうと予想しました。
また720万円~840万円未満の世帯がもっとも予想が難しいのですが、840万円~910万円未満の世帯に変化がないと仮定すれば、590万円~720万円未満の世帯との中間値くらいになるのが慣例です。
以上から、上記の青地のような推測をしました。あくまでも推測ですよ。
なお、申請用紙のフォーマットなど細かい手順も変更されるでしょうから、高校側の説明によく耳を傾けて注意してください(手続きは高校で行います)。
ご家庭に現金が支給されたり口座に補助金が振り込まれるわけではありません。
あくまで高校に支払う時に減免される仕組みです。
そして実は、入学時から減免されるわけではありません。
少し遅れてから補助されます。
特に入学前は、入学金と授業料をいったん支払う必要があります。
助成金も補助金も申請しなければ得られません。
高校の入学手続き(4月)のときに、申請書に課税証明書(所得証明書)などを添えて高校へ提出します。
課税証明書は区役所や市役所で発行してもらいます。
この申請書を提出した後で減免される金額が決定されます。
入学した4月の時点では、まだ減免額が決定されていません。
そのため、いったん入学金や授業料を支払っておかなくてはなりません。
そして次に支払う時に、納めすぎた分が相殺された形で学校から請求されます(学校によっては請求が0円か、または過剰分が返還されます)。
高校の授業料を減免する制度は、民主党政権時代に国会で「高校無償化」が議論され2010年度から始まりました。年収制限はあるものの、ほとんどの人にとって公立高校であれば授業料は無償になりました。私立高校も半額くらい減免されることになりましたが、その時はまだ無償にまで手が届いていませんでした。
それから私立高校の無償化まで支援枠を広げるよう訴える運動が続きました。自民党と公明党の連立政権に変わっても国会で議論が続きました。教育の機会に格差があってはならないという議論です。公立高校と私立高校の授業料の格差を、公的にどのように埋められるのか。しばらくは地方自治体の裁量で埋めることになりました。その結果、都道府県による格差が指摘されるようになりました。
愛知県は私学協会やNPOアスクネットを通じた市民活動などが盛んなこともあり、早くから独自に助成拡大に取り組み、他県よりも一足先に、私立高校無償化を実現しつつありました。
2016年12月、国が進める「人生100年時代構想会議」の中間報告で「私立高校の実質無償化」が盛り込まれました。
2019年1月の国会の施政方針演説で、また2019年12月13日の内外情勢調査会全国懇談会で、安倍首相は「来年4月から、公立高校だけでなく、私立高校も実質無償化を実現します」と明言しました。
2019年12月20日に令和2年度政府予算案が閣議決定され、同日中に萩生田光一文部科学大臣が記者会見を行い、今回の私立高校無償化を正式に発表しました。
2020年1月31日に愛知県の無償化が年収720万円程度まで拡大されるニュースがありました(中日新聞)
高校までの学習をしっかり行えば、多くの職場でスタートラインには立てます。
何かの専門性を高めるにしても、専門書を読んだり調べたりすることはできるでしょう。
スタートラインに立つまでの教育を無償化することには大賛成です。税の使い方は難しいですが、教育は守ってほしいですね
そして次に問題になるのは、生きがいや目的意識を持って、本人が一生懸命にやれるかどうか。
今後は「モチベーション格差」の時代がやってきます。
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塾長です。
新年が明けましたので、日本の将来を照らしたい気分で書きます。全ては書けないので「技術立国日本の復活」というテーマで書いてみます。
やりたい事が見つかっていない子供たち、理系の進学を希望する学生さんたち、子供のキャリアを考えている保護者や先生の皆さんに読んでみて欲しいです。
後半は日本の現状に対する危機感や、教育改革の正しい方向性の提案などについても書きました。
長文なのでお急ぎの方は「日本の学生にお勧めの勉強」をお読みください。
日本の技術力で強い分野と言えば何でしょうか?
塾長は、機械、材料、土木、医療などが思い浮かびます。どれも職人の蓄積した知識や技を機械化することで世界をけん引してきました。例えば、自動車やロケット、リチウム電池、道路やダムの建設、新薬、がんの治療や移植手術などは、日本が世界に誇る分野というイメージを持っています。
日本人は、コツコツと改善や創意工夫を続けて、品質を磨きあげるような仕事が得意です。だからハードウェアの要素技術にも強いと思います。
ただし新しい分野へ挑戦し続けなければ、日本の強みですら「過去の栄光」になります。すでに家電や工作機械、半導体の多くで生産拠点が海外に移り、日本は空洞化しました。Made in Japan の製品の多くは、ふたを開けてみれば中身のほとんどが海外製です。
急速に技術力をつけ、日本に追いつき、そして追い越している国が世界中でどんどん生まれています。かつて日本の製品がアメリカやヨーロッパで飛ぶように売れ、貿易摩擦をうみました。今や日本が貿易摩擦を受ける側です。
日本はコスト競争の点で圧倒的に不利です。人件費や多重課税の問題、資源やエネルギーの自給率が低い問題などがあるからです。その不利を覆すほどの技術力で付加価値を生み出さなければ、国としては成り立たないことは、容易に想像できます。
さらに課題があります。今や「働き方改革」の流れで「仕事が生きがい=ブラック」という図式ができました。この図式の中では既存のような「職人の技 -> 機械化 -> 競争力」という順番で競争力を鍛えるやり方が許されません。これからは職人がいなくなります。私生活に仕事を持ち込む職人さんの姿そのものがブラック認定されるからです。本人が良くても周囲の社員に迷惑だと非難されます。よって他の方法で競争力をつける仕組みが必要です。
それは何でしょうか?
以上をふまえて、これから日本が強化すべき分野は何でしょうか?
それは政府がずっと訴え続けています。教育改革も Society5.0 構想も、STEAM教育やプログラミング教育も、すべて繋がっています。にも関わらず日本が伸び悩んでいる分野です。
「ビッグデータをロボットや人工知能に活用する」
「IOTとICTでビッグデータを蓄積する」
「人間がロボットや人工知能と協力し合う」
など、近未来の社会を思い描くたびに引き合いに出される技術です。
それらはズバリ
です。要するにITSに関連する技術分野です。特に日本はソフトウェア分野が弱いので強化していく必要があります。
データサイエンス、人工知能、量子コンピューターのソフトウェア部門。これらが日本の技術課題だと思います。
現状、これらに関連するニュースには、日本の名前が悲しいほどに出てきません。アメリカやヨーロッパ諸国に比べて日本は出遅れており、分野によっては中国や韓国、一部の新興国にも追い越されています。
実際にネットで技術資料を検索してみてください。出てくるのは英語と中国語の資料ばかり。日本語の資料は5~10年くらい遅れいているか、レベルの低い内容のものばかりです。
競争力だけが理由ではありません。
今や日本の社会は問題が山積みです。格差や貧困の問題、病気や環境の問題、政治や民主主義のあり方の問題、生きがいや文化の問題、国際的な経済摩擦の問題などです。これらについて情報を正しく扱い、分析し、解決につなげていくためには、上にあげた分野の技術を、もっともと強化する必要があるのです。そして解決の必要があるからこそ、ニーズがあり、仕事が生まれ、付加価値が生まれるのです。そして何より、世界中の国々が同じような問題を抱えています。
むしろ競争力の向上は、そうした問題解決をしていく活動の結果論でしかありません。
ただ、今の日本の技術力のままではヤバいです。ホントにマジで。
ということで、本日の本題です。
データサイエンス、人工知能、量子コンピューターのソフトウェア技術。これらの分野は将来が有望です。高い年収が見込めますし、どこの国に行っても引手あまたです。
その技術力を身に着けるために、今から何を勉強したらよいかを書きます。とは言え塾長は塾の先生に過ぎません。だから塾の先生みたいな言い方で書きますね。
ズバリ、以下です!
データサイエンスは、情報を大量に集めて大量に処理する中から、価値のある情報や規則を見つけ出す分野です。例えるなら、鉱山を掘って多量の土砂の中から金やダイヤモンドを見つけるようなものです。その方法を開発します。
それに必要な勉強は下表の通りです。
学年層 | 学ぶべき教科 | 独学で進める分野 |
大学 |
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基本すべて独学
プログラミング言語は研究室で使われているものから習得 ※大学は研究機関なので、勉強(知識や基礎技能の補充)は自分で進める |
高校 |
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中学 |
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小学 |
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※赤字表記: 日本の教育現場で指導が手薄な単元
データサイエンスの技術を持つ人材は、世界的に見ても非常に少ないです。この分野を扱う学科を新設する大学がこれから増えるでしょう。
就職に有利です。高い年収が見込めます。しかも金を掘り当てれば億万長者という分野です。
人工知能は「人間に出来てロボットやコンピューターにはできない」ような仕事を、ロボットやコンピュータにもできるようにする分野です。気の利くロボットやコンピュータを発明して、世の中をどんどん便利にしていく分野です。
それに必要な勉強は下表の通りです。
学年層 | 学ぶべき教科 | 独学で進める分野 |
大学 |
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基本すべて独学
プログラミング言語は研究室で使われているものから習得 ※大学は研究機関なので、勉強(知識や基礎技能の補充)は自分で進める |
高校 |
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中学 |
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小学 |
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※赤字表記: 日本の教育現場で指導が手薄な単元
人工知能の意味は、時代とともに高度になります。
最近では人間の脳をモデルにした「ディープラーニング」という方法が盛んに研究されています。人間のように経験から学習し、学習したことを活かして答えを出すことができます。まだまだ発展途上ですが、特定の能力に限れば、すでに多くのサービスが実用化されています。
例えば、インターネット上でウソの情報と本当の情報を見分けたり、街中で犯罪者を見分けたりするような人工知能は、すでに実用化されています。
人工知能を利用したサービスは、これから多く開発されます。これも今のところ人材不足で就職に有利です。人工知能の仕組みの根本を開発できる人ほど、高い年収が見込めます。
量子コンピューターは、量子力学という物理学の難しい原理を応用した全く新しいタイプのコンピューターです。得意分野では「スーパーコンピューターの1億倍」の計算スピードで、しかも「消費電力がそれほどかからない」という夢のようなコンピューターです。それを開発していく分野です。
それに必要な勉強は下表の通りです。
学年層 | 学ぶべき教科 | 独学で進める分野 |
大学 |
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基本すべて独学
通常のプログラミング言語と量子コンピューター用のプログラミング言語の両方を習得する事が望ましい ※大学は研究機関なので、勉強(知識や基礎技能の補充)は自分で進める |
高校 |
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中学 |
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小学 |
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※赤字表記: 日本の教育現場で指導が手薄な単元
量子コンピューターは、まだまだハードウェアの開発とソフトウェアの開発の両方が必要です。この分野を志す高校生は、特に物理や数学を偏差値65以上まで強化していく必要があります。ハードウェアを開発するためには高度な物理学と数学の両方が必要です。
すでに量子コンピューター用のプログラミング言語やGUI開発環境が存在しているとは言え、今のところプロとして働いている量子コンピューター専門のプログラマーは、世界に数えるほどしかいません。市販の書籍や専門書で、そのプログラミングを学ぶことは可能です。量子コンピューターが広く使われるようになるのは10年後か20年後です。しかし研究所や先行開発ではすでに必要とされています。GoogleやIBMなどといった世界のトップ企業に就職したければ、ぜひ挑戦したい分野です。
量子コンピューターを支える理論のひとつに、物理学の「量子もつれ」があります。この技術を利用して中国は「絶対に情報を盗まれない通信」の技術を開発し、なんと既に実用化されています。またその技術を搭載した人工衛星も中国で打ち上げられました。次世代のインターネット技術を担うのは中国かもしれません。人工知能や5Gも中国の台頭が著しいです。今後は中国語を学ぶエンジニアが増えるでしょう。
また、量子コンピューターの技術が、逆に物理学の最新理論にフィードバックされるようにもなりました。量子コンピューターのキュービット配列の振る舞いで、宇宙空間の性質を説明できるそうです。将来は空間をプログラミングする、なんてこともできるようになるかもしれませんね。
「高速で飛行するロケットは、時間がゆっくり進む」などといった難しい相対性理論。物理学者の趣味みたいな話と思いきや、今やカーナビやスマートフォンの地図表示には必須です。
同じように「生きているけど死んでいる猫」などと訳の分からない説明する量子力学も、決して物理学者の趣味ではありません。今や量子コンピューターの基本原理です。「どこの国か世界最速のスーパーコンピューターを作れるのか。」が注目されて来た中で、まさかスーパーコンピューターの1億倍の計算速度をもつ量子コンピューターが登場して来るとは。多くの人にとって想定外の驚きだったことでしょう。
最近は、このような空想レベルに最先端の科学や技術が、あっという実用化されるようになってきています。しかも加速しています。コンピューターに限らず、遺伝子の利用や文化や価値観の融合なども加速しています。
こうした最先端の技術が身近に利用できるようになったのは素晴らしいことです。できれば使いこなしたいです。いや、もっと言えば、ぜひ「作り出す側」に回って欲しいと思います。
そこで教育も改革だ、と思うのですが・・・とてもついて行けません。変化が激しくて、4年に1度の教科書改訂や10年に1度の教育改革なんかでは、とてもじゃないけど対応できません。公教育の変化を待っていてはダメなんですよね。
これは学校がダメという話ではありません。むしろあたり前の事なんです。そもそも公教育の使命は、今も昔も「基礎の学力」の底上げだと思うからです。教科書で勉強できるのは、色々な学問の土台となる「基礎」だけなんです。教科書は、多くの国民が共通に学ぶものですから、それで良いと思います。
たとえ、いくつかのモデル校でプログラミング授業や逆転受業に成功したとしても、それは一部の先行事例に過ぎません。それがきっかけで変わるとしても全体としては10年単位でゆっくりとしか変わる事ができません。
日本に限らずどの国でも、そのことは今後もずっと変わらないと思います。
ということは、自分から社会の変化に目を向けて、興味を持ったことを見つけたら、それについてどんどん主体的に学んでいかないといけません。
しかし独学できるとは限りません。そこで民間企業の取り組みが大切になってきます。
ということで、変化の激しい部分を臨機応変に取り入れて指導するのは、主に民間の役割だと思います。とりわけデータサイエンス、人工知能、量子コンピューター等は必ずしも全員が学ぶ必要はありません。
「学んでいる日本人の割合を増やす」
というのが本当のテーマです。ですから公教育というよりは民間の学習塾が学校に協力しながら担うべきだと思います。それだけに、学習塾でこれらにつながる素養をどこまで指導できるのかは、とても挑戦しがいのあるテーマです。
また指導要領で足りない所や大人の事情で消されてしまった単元などについても、学習塾で補えるでしょう。
もちろん受験指導の方が優先されますから、限界はあります。それでも少なくとも「部活」の一部を置き換えるような活動として、学習塾の役割を拡大させるような余地はあると思います(もっとも今後は受験指導のニーズは減るでしょう。少子化で全入学時代になるからです)。
逆に、こうした新しい取り組みを民間でどんどんやらないと、日本はオワコンになります。現状では上で挙げた分野の素養を持った日本人の割合が少なすぎます。
学習塾の活動が日本を救うカギになるかもしれません。そういう意気込みでやる必要があるでしょう。(もちろん他の業界の方たちも、そのような使命を感じて各々取り組まれていると思います)
塾長が日本の教育に危機感を感じている理由は、他にもいろいろあります。
例えば、かつて、高校の「数学C」で学ぶことができた「行列」は、先の教科書改訂で消されてしまいました。今の高校生は行列を学びません。
マジですか?
マジです。
コンピューターグラフィックやロボットの姿勢制御、統計処理や人工知能などでは行列は必須です。
「なぜ、ベクトルを学ばせておきながら行列を学ばせない?」
塾長にはあの教科書改訂は意味不明でしかありませんでした。日本を沈没させたかったのでしょうか。悪意しか感じられない改悪だったと思います。
その影響で、今の日本の理系の大学生は、かなり深刻な状態に陥りました。
偏差値の高い大学の学生でさえ、2次元の運動方程式しか解けません。3次元や4次元(電磁気学)のベクトル方程式が解けない状況です。また古典制御はできても現代制御が分かっていません。扇風機やエンジンの制御は理解できても、ロケットやドローンの制御を理解できないのです。
今になって、ソフトウェアや航空機、宇宙開発などの分野で日本は技術者不足に悩むんでいます。それは当然と言えます。素養のある学生を早くから発掘できるような発想で教育体系が組まれていません。教科書で扱う範囲がとても狭いのです。そのくせ計算のスピードやトリッキーな計算テクニック、重箱の隅をつつくような知識の問題で差をつけようとします。そういう定期試験や入試問題です。日本の試験問題は、ちょっと発想がズレています。まるで人間の対戦相手が社会問題ではなくコンピューターになっているという点でズレています。速さや正確さでコンピューターに挑戦するのは人としてどうかと思います。
また教育改革の趣旨が「入試改革」というのもどうかと思います。
少子化なのに大学が増え続けきて、そして現在に至る。それが今の日本です。受験倍率が平均1.0を切り全入学時代を迎えます。これからは受験しなくても高校や大学に行けるのです。
となれば「受験」は「努力」の理由にはなりません。記述問題などで受験問題を難しくしても効果がないでしょう。難しい問題を捨てても入学出来ますから。つまり教育改革の趣旨を「入試改革」にしたのが誤りです。入試改革を経ても学生の学力は上がらないでしょう。
もともと「入試で出題されない内容は誰も勉強しないし、生徒は授業を聞いてくれない。」という現場の先生の声を反映して「先に入試問題を変えてから、それに合わせて指導要領を改訂する」という「高大接続改革」なる指針が生まれました。しかし、これには少子化で全入学時代になるという考慮が抜けていました。
このような時代に教育改革をやるならば「合格しないと卒業させない」ような、むしろ「卒業改革」の方ではないでしょうか。
例えば、塾長がお偉いさんなら次のように卒業改革を推進します。
センター試験の問題も体制もそのまま。
ただその位置づけを「高卒認定試験」と言い換えます。
「45%以上の得点で合格」などとします。
3年後のセンター試験から実施とします。
これを文部科学大臣を通じて宣言してもらいます。それだけです。これならほぼ0円、0秒で教育改革が完了します。いや、教育改革に使った予算を「センター試験の無償化」に使えばよかったのではないでしょうか。
合格点が取れないと卒業できません。つまり浪人生が留年生に変わります。ついでに留年生の身分が浪人生並みに向上します。もちろん留年しても高校は無償です。それでも留年は嫌でしょうから、多くの高校生が今よりも勉強してくれるようになるでしょう。卒業がかかっているので新高1から勉強してくれることでしょう。だから実施を3年後に引き伸ばしてもまったく問題ありません。
しかも全員が平等に合格できます。同時に卒業証書の信頼度が上がり、企業は採用時にわざわざSPI試験などをする必要が半減するでしょう。高卒をできる学力ならば十分な初任給を設定できるようになるでしょう。企業としても、下手な大卒生を採用するよりも、できる高卒生の方が安心です。
そうなってくると、無理して現役で大学へ進学しなくてもキャリア形成ができます。働きながら進学する事が、むしろし易くなるでしょう。
大学生のレベルも底上げされます。大学生が中学生レベルという、いわゆる「教育困難校」がなくなります。大学の卒業証書の価値もグンと上がりますね。
上の話を見ていただければ、プログラミング教育の位置づけが俯瞰できたと思います。
プログラミングと言えば、ゲームを作ったりロボットを作ったりする印象を持たれる人が多いでしょう。もちろん、そのような技術者はたくさん活躍しています。しかし、それはほんの1キャリアに過ぎません。
ゲームを作る、ホームページを作る、業務の自動化をする、ロボットを動かす。
こうした従来からあるプログラミング業務は、もはや新しい技術はそれほど多くありません。出尽くされている技術を組み合わせるだけです。もちろん細かい技術の流行り廃りはあるので、いざ仕事で使う時になってから、その時々のトレンドを学ぶのが一番です。
ですから何も小学生から無理してゲームプログラミングを学ぶ必要はないでしょう。それにコンピューターを娯楽に使うだけではもったいないです。
もっと、ちゃんと「コンピューターを使いこなす」ための勉強をして欲しいと思います。
教育において「コンピューターを使いこなす」とは、いったいどういうことでしょうか?
それは「社会の問題を解決するため」にコンピューターを道具として使えるように育成していくことだと思います。従来の勉強で学んだことをコンピューターで表現させるのが正しい取り組みと言えましょう。プログラミングだけに注目して、ゲームやロボットを新規に作らせてもしょうがないです。
コンピューターは道具です。多くの人が喜んだり、多くの人に新しいものを提供したりする活動の方が、あくまでも主役です。その素養を育てるために従来の勉強が大切であるとに代わりありません。
コンピューターを使いこなすためのプログラミングを学んで欲しいです。
中学、高校、大学へと進学し、学ぶことが高度になれば、それを表現するプログラミングも高度になります。そして高度に専門的な分野の例として、データサイエンス、人工知能、量子コンピューターという分野を紹介しました。これらの分野でプログラミングすることが、キャリアの最終段階でコンピューターを使いこなす、という話になるでしょう。
ですから上で見たように、プログラミング教育は「ゲームやロボットを作って楽しい」というものではありません。むしろ、学校の勉強にしっかり取り組む中でコンピューターを使っていく取り組みと言えます。音楽や図工の勉強も、プログラミングに繋がっていきます。
ここ数十年で、日本の状況はすっかり変わりました。現実が変わったのに考え方や制度が変わっていません。だから変わりましょう。変えましょう。今は2020年です。
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塾長です。
今日から教室が再開です。2020年も引き続き、よろしくお願い致します!!
仕事初めはもちろん「合格だるま」の「目入れ」からです。毎年恒例。といっても、塾長が教室で秘かに行う儀式みたいな感じです。願かけですからね。
生徒たちの学業成績のアップと受験生の合格祈願を念じながら、新鮮な気持ちと引き締まる思いで目入れを行いました。高校受験も大学受験も、まだまだこれからです!
さて、これで生徒たちが教室に来る準備が整いました。本日の受業は17時から。でもその前に、自習とプログラミング教室の生徒たちが教室にやってくる予定です。
お、もうそろそろですね。
それでは、
2020年も
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スタート!!
そうそう、合格祈願と言えば菅原神社ですね。
菅原道真を祭っている神社は、この近辺では上野天満宮になりますね。
少し距離がありますので、車で行く必要があります。
もしも近隣の生徒さんたちで、合格祈願がまだの方は参拝されてはいかがでしょうか。
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