塾長です。
今日の夕方、鹿児島大学に合格した生徒が挨拶に来てくれました。明日、晴れて出発するそうです。
名古屋市天白区から鹿児島大学を目指す人は珍しいですね。遠いですから。それをわざわざ志望したのは、強烈な理由があったからです。
珍しい進学先なので、体験記を先に紹介します。大学の紹介は後半にしました。
合格体験記
ヒーローズの先生の丁寧なご指導のおかげで、私が希望していた大学に合格しました。
先生たちのお力なしでは、不合格で終わっていたと思います。
短い期間でしたが、今までの間、本当にありがとうございました。
合格体験記は、たくさん書きたい子と、あっさりの子がはっきり分かれます。もちろん、どちらも好きです。本人の性格を知っているからこそ、塾長にとっては暖かい文章に見えますよ。
世界から見てセンター試験は特殊なの?
秋が終わるころだったでしょうか。確か、もう寒い時期だったと記憶しております。
帰国子女で日本の教育課程では教わってきませんでした。
それでも、行きたいところは全て日本の大学なんです!
でもセンター試験の問題が解けません。
日本の教育は海外とは全然違う・・・どうにか差を埋められないでしょうか。
そんなご相談のお電話でした。
塾長は、国際バカロレアの教育課程の生徒を指導した経験があります。そのこと書いた昔のブログを見て、お電話したそうです。なかなか指導できる人が見つからなかったそうです。
こうして、一般入試で点が取れるようにする指導と、国際バカロレアの特別枠で受験するための指導の、2本立てがスタートしました。
もちろん国際バカロレアで手薄になっている単元を中心に、センター試験や赤本について対策しました。というか、残された期間で他のことを少しでもやったら、それこそ時間の浪費でした。
マイナスからのスタート、超・面接対策!
課題は他にもありました。これは指導が始まって、しばらくしてから分かったことです。
面接の対策です。面接で「逆転」する必要があったからです。
というのは、願書と一緒に提出した「自己推薦文」が一部まずかったのです。
もちろん大部分はOKです。さすが、国際基準の教育を受けて来ただけあって、自分の考えを述べることには積極的です。これは強みですね。
しかし「自己推薦文として」見れば、これは問題があったのです。
「大学の教授が」読むという視点で整理できていなかったのです。読ませてもらって、私は直ぐに気が付きました。
あー、もっと早く見せてもらうべきだった!
塾長は焦りました。
高校では自己推薦文の内容までは指導しない?
もともと入塾した時には、
「自己推薦文は学校の指導を受けているので大丈夫です。」
と言われました。学校から特別枠で推薦を出してもらうからです。国際コースを擁する高校からの国際枠での推薦です。わざわざ塾から口出しするのも高校側に失礼だと思いました。それならば、高校側でしっかり指導されているだろうと思ってしまいました。
すでに受験していた他の大学の面接について話を聞いた時に、彼はこう言いました。
「いやー、面接官との相性が悪かったんですよ。高校の先生にも、そう言われました。そこは残念でした。」
この話を聞いて、塾長は胸騒ぎがしました。
確かに、面接官との相性が無いとは言わない。しかし入試である。普通、そんなものは排除するように行われる。少なくとも面接官との相性と合否は関係ないことを前提にして、面接対策をすべきなのだ。
本当に高校側でちゃんと指導されているのだろうか?
あるいは、あえて慰めで言ったのだろうか?
志望校のハードルが高いこともあり、とても気になりました。それで念のために、鹿児島大学の自己推薦書に、どんなことを書いたのか聞いてみました。すると、不安がほぼ的中していたのだと悟りました。
やっぱり面接も塾で指導します
すぐにお母さまに
「面接も指導することにします。」
と伝え、願書のコピーを見せてもらうように伝えました。
そして次の授業の時に、それを開けてみて不安の原因がハッキリしました。
「大学の教授が読む」という視点で書かれていなかったからです。
高校受験や専門学校なら良いでしょう。しかし大学受験は違うのです。大学受験は「研究者に成りたい人」に向けた受験なんです。その考慮がゴッソリ抜けていました。
これはまずい、どう逆転するか・・・
国立大学の試験です。高いハードルです。競争相手がいたとしたら、相当レベルの合否争いになります。
本人には正直に「マイナスからのスタート」だという厳しい現実を伝えました。そして想定質問と回答の原稿をゼロから練り直していったのです・・・
夢を貫いて勝ち取った合格!
対策の練り直しです。
「どうして地震の研究がしたいの?」
地震の研究がしたいことは、前から聴いていました。それが具体的にどういうことなのかを、あらためて本人に質問してみて、その真意を深堀りしていきました。
次に、鹿児島大学の中でも特に行きたい研究室はどこか、どの教授の研究のどこに興味があるかを確認しました。
それが分かると、私も一緒に調べました。その分野の研究がどういうものか、一緒に勉強しました。
「あ、ほんとだ。〇〇教授の研究ってすごいね。ちょっと論文の一部が載っているから訳してあげるね。」
そうやって、大学で研究している自分の姿が目に浮かぶまで、徹底的に詰めていきました・・・
とまあ、なんやかんやありましたが、
「先生、鹿児島大学に合格しました。私立も合格しました!」
喜びの電話をいただいた時には
「うおー、すごい、本当にすごいぞ!」
と喜び合いました。
最初は厳しい現実がありました。
しかし、それにもめげずに、淡々と努力を続けました。
そのひたむきな努力が、きっと彼に合格をもたらしたのでしょう。
ちなみに、3教科の一般受験で挑んだ私立大学も、全て合格していました。
一般受験の対策は、これはこれで、また多く語れるのですが、きりがないので割愛します。
とにかく、武勇伝をありがとう。
そして、本当に合格おめでとう!
推薦入試は甘くないぞ!
昨日の合格体験記もそうですが、これからは指定校推薦でも特殊推薦でも、塾長はガンガン指導します。推薦だって甘くはないですよ!
政府は教育改革の中で
「推薦受験やAO入試が、学力の低い生徒たちの抜け穴的な受験にならないように」
と各大学へ通達をしています。
推薦受験も今後は基準が厳しくなっていきます。
各大学が示している「アドミッションポリシー」と比較して、自分がそれに合っていれば優秀、そうでなければご縁が無い、というのが推薦入試です。
今後はそういう審査が厳格になっていきます。
鹿児島大学
国公立の総合大学で、9学部および複数の研究施設を擁している、とても規模の大きな大学です。キャンパスも広大です。南九州を代表する大学と言えます。都会の大学が2,3のビルで構成されているのに比べると、土地の広さも建物の数もスケールが違います。いかにも国立の総合大学という感じで、広くて大きなキャンパスに憧れている人にはお勧めの大学です。
- 文系(2学部): 法学部と教育学部
- 理系(7学部): 医学部、歯学部、共同獣医学部、工学部、理学部、農学部、水産学部
稲森和夫氏が卒業生であることでも有名です。京セラを創業し、日本航空を経営難から立て直した日本を代表する経営者ですね。
南九州の地場産業や地理の特性を活かした研究や、防災など地元の要求に応える研究が盛んです。学部名を見ても、そのことが分かるでしょう。
例えば、火山、地震の研究も有名です。特に火山と地震の研究については、世界中から科学者が集まります。南九州は、霧島火山群や桜島など、狭い範囲に複数のカルデラ火山があります。こんな土地は世界でここしかありません。だから研究者が集まります。
ちなみに桜島を含む姶良カルデラと言えば、今から2万9000年前の旧石器時代に大噴火を起こしたことで有名です。吹き上げられた溶岩や噴石や灰によって、南九州は30mも埋められてしまいました。現在のシラスです。
海を隔てた高知県でも20m、鳥取でも7m、京都で4m、関東でさえ10cmも降り積もったそうです。当時、日本の西半分の縄文文明を壊滅させました。
九州地方は、このように世界最大規模の噴火を起こすカルデラがあるため、鹿児島大学は国の重要な研究拠点になっています。
南にある種子島は、ロケット発射で有名ですね。鹿児島大学は宇宙産業の研究も盛んです。
このように、鹿児島という場所を活かした大学であるため、日本の中でその地位は揺らぎようがないでしょう。
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