定期テストの過去問対策は必要ですか?

注意の文字画像

正しそうに思えること、良さそうに思えることでも、
よく考えると間違っていたり、ヤバかったりする。
そういうことがよくあります。

塾の常識は社会の非常識!?

今日は学校の定期テストの「過去問」について考えます。

過去問対策を売りにする塾はヤバイ!?

すみません、いきなり、こんな刺激的で。
でも大切なことです。なぜなら、

「定期テスト対策で、学校の過去問を配ってもらえますか?」

という問い合わせが、実際よくあるものですから。

情報リテラシーのある方なら、もうお気づきでしょう。
もしも塾でこれをやったらアウトです。

塾で学校の過去問を配ることは、著作権法上できません!

これが正しいご回答となります。
お気持ちは分るのですが、どうしても許可が出ません。

私のせいではなくてですね、実は、学校法人や教育委員会に許可を求めたとしても、やっぱり不可能なんです。
そもそも許可する権限が学校には無いのですから。

過去問に含まれる図や写真、文章が問題

例えば、社会で地図の読み取りが出題されたとします。
その地図の著作権は、学校ではなく、地図会社が持っています。

このように、過去問の中で引用されている文章や図については、
学校も教育委員会も、最初から著作権を持っていないのです。

学校は、教育目的で著作物を流用することが特別に許された場所です。
しかし塾は学校ではありませんから、流用が許されません。
著作権法とは、そういうルールなんですよね。

学校の中では利用できる著作物でも、学校の外に出れば問題になってしまいます。

定期テストの過去問をやる意味とは?

それでも、100歩譲って・・・
もしも奇跡的に過去問を配布できたとしましょう。
そしたら、効果的でしょうか?

残念なことに、あまり意味が無いです。

すみません、また期待を裏切る回答で。

逆に聞いてみたいのですが、

過去問をやって効果がありましたか?

10年前なら良かったかもしれません。
でも今は効果がないと思います。

しかし、その理由が大切ですから、次の問題にお付き合いください。

ここ数年、入試改革や教育改革の影響で、定期テストの出題傾向がどんどん変わっています。

さあ、ここで問題です!

出題傾向がどんどん変わってる状況で、
過去も今年も出るような問題とは、
いったい何でしょう?

・・・そう、
それって結局のところ「普通の問題」ってことですよね。

特殊な問題は、担当者が変われば消されます。
傾向が変わっても消されます。

そんなことなら、今年配られた、テスト範囲でも指定されている、
「学校のワーク」を無難に繰り返した方が良いですよね。

このように考えると、過去問には騒ぐほどの価値はありません。
冷静に構えたいものです。

塾の宣伝文句って、たまに変ですよね。

過去問を止めたら成績が上がった生徒

今だから言えますが、数年前のこの時期、他塾から移ってきた生徒がいました(もちろん、今も在籍しています)。
ある日、そのお母さまから問い合わせを受けました。

「そちらの塾では、過去問で対策をしてくれますか?」

「過去問は研究のために全て見ておりますが、
過去問を使った対策はしていないです。
もっと優先することがある、という場合の方が多いんですよ。
傾向もどんどん変わってますし、教科書改訂したばかりですし、
最近は、あまり効果が期待できなくて、意外ですよね。」

「そうなんですか。
今の塾は、過去問をたくさんやらせてもらえるのですが、
実は、伸び悩んでまして。
でも、テスト前は過去問をやらせないと、
やっぱり安心できなくて。」

「そうですよね。
ただ、過去問よりも、やるべき事がありそうですね。」

「過去問」という言葉には、何とも言えない安心感があります。
逆に、やらないと不安になります。
その気持ち、わかります。

その後、そのお母さまから何度か電話をいただきました。
お母さまの不安を聞いては、それに答える、というやり取りでした。

そのとき通われていた某大手塾に比べたら、こちらは小さな個別指導。
電話では色々な話をしていただけるのですが、ものすごく慎重に構えられていると感じました。
おまけに過去問対策やらないとか、セオリーと真逆のことを言ってましたから、なおさら怪しまれたのでしょうか。

ところが翌週になって、またお電話をいただきました。

「夏期講習だけお世話になります。」

その生徒を指導してすぐ分かりました。

たくさん解いて、何だかよくわからないけど、とりあえず解ける。
けれども、ちょっと問題を変えられると、もう解けない。
そういう状態が、伸び悩んでいる症状でした。

「分らなかったところが、自分で納得して解けるようになった!」

そういう理由で、ヒーローズに転塾して現在に至ります。

この雰囲気を高校生になる前に掴めて良かったです。

最近は考えさせる問題や記述問題が増えました。
高校に限らず、中学生のテストでも、ちゃんと基礎を積み上げさせる指導が必要です。

学校の先生だって、そういうところ、ちゃんと見てます。

学校自ら過去問を配るケースもある

親切にも学校側で過去問を配ってくれることがあります。

こんな難しい問題も出るんだぞ!

というメッセージ性があって、これはこれで良いですね。
もちろん、同じ問題は出ないですよ。

もちろん、配られたクラスと、そうでないクラスの違いが出てきます。
それが不平等になる恐れがありますから、なおさら同じ問題は出せないですよね。

過去問に含まれる難問は、どうしたって気になります。
「こんな問題、また出たらどうしよう。」
心配して、1問1時間もかけて理解したのに出なかった・・・

あるあるです。
私はよく

「それ、捨てていいから、普通にこっちの問題を2周やろうよ!」

というアドバイスをしています。

「学校に提出しないとダメなんです。」

という場合は仕方なく指導するのですが。

普段90点の生徒が、95点や100点を狙っているなら、過去問に含まれる特殊な問題に取り組んでもよいでしょう。
しかし80点や70点が目標なら、その前にやるべきこと、もっとあるはずですよ。

まとめ

過去問には騒ぐほどの価値は無さそうです。
また法律上、塾で配布できない点も要注意です。

大学のように、同じ教授が同じテーマで何年も講義をしている、というなら過去問も役に立つでしょう。
入試問題のように、意図的に傾向をつくり出している場合にも過去問は有効です。

しかし定期テストには、それらが当てはまりません。
80点未満の生徒は、まず普通の問題で失点しない訓練をする方が何倍も大切です。

もしも過去問に飛びつく心境が、
宝くじを買う心境と似ているのだとしたら、
それこそ危険信号かもしれません。

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