新システム comiru(コミル)!
のおかげで保護者様からの評判はさらに良くなりました。
授業参観を毎回しているようなものですから。
一方、講師から見ると、まだまだ改善の余地があるんです・・・
それでヒーローズ植田一本松校と赤池校の講師たちが集まりました。
どうやって、もっと comiruを使いこなすか!?
について議論をしました。一昨日のことです。
Contents
毎時間報告!を可能にしたICT
もともと当塾には完成された個別指導の体系がありました。
「スパイラル学習法」という生徒指導や講師研修の体系です。
しかし、いくら私たちが正しい指導や良い指導をしても、
ご家庭から見えなければ伝わりません。
そもそも指導方法や教育理念というものは、
講師、生徒、ご家庭の3者で共有されたときに、
もっとも効果が高まるのです。
そこで当塾はご家庭とのコミュニケーションをICT化することにしました。
今では1時間ごとに、ご家庭へ学習報告を送っています。
これができるようになったのは、comiruのおかげです。
1時間ごとに学習報告を発行するなんて、
紙の帳票やメールなどでは、まず不可能です。
可能だとしても、私たちも保護者様たちも、疲れてしまうでしょう。
正に不可能を可能にしたICTでした。
- ご家庭との情報共有を密にする
- 電子化で情報の利便性を上げる
という機能強化を図ることに成功しました。
サービスを向上させた次は運用の改善
さて、社員も講師もcomiru を使いこなせるようになってきました。
それだけに、講師の作業面で色々な不満も見えてきました。
そこで社員と講師が集まって、
- ケーススタディ
- 改善要望の吸い上げ
を同時に行いました。それが今回の研修でした。
安達先生が企画から研修まで全て担当してくれました。
どこをICT化するのがベスト?
色々な議論をしましたが、結局のところ、
「ICTとアナログ作業の境界線をどこにするか?」
を追求する話しになりました。つまり、
スパイラル学習法のどの部分をcomiruで管理するか?
といった議論です。
ICT化といってもスパイラル学習法の1部にすぎません。
そして紙の帳票類が消えることは、まだまだ無さそうです。
スパイラル学習法の指導体系では、
生徒の学習の様子をどのように見るべきか?
について、紙の研修資料(マニュアル)で決められています。
その一部をcomiruの定型文として登録したのです。
これにより、講師はマニュアルが無くても作業できる範囲が拡大しました。
ベテランのためか、初心者のためか?
最初は分かり易くて良かったcomiruの定型文。
しかし、講師たちがスパイラル学習法を熟知し、comiruの操作にも慣れてくると、
今度はそれが邪魔になってきます。
どこに、何を、どの粒度で書くのか、全て頭に入っているからです。
定型文を消して自分の文章を記入する手間が、だんだん冗長に思えてきます。
「もう分かっているので、ひな形の文章を減らして欲しい。」
そんな要望が飛び出してくるようになりました。
確かに生産性を考えると、ベテランほど作業効率が上がるのが正解です。
しかし、経験の浅い講師にとっては、そうではありません。
雛型や記載事例をみて、何を記載すべきかを深く理解します。
これは悩ましい議論です。
議論の結果、
- 雛型から利用頻度の低い文言だけを消す
- マニュアルに可能性のある文言を全て列挙し、研修で周知する
というところに落ち着きました。
まだNEC系列の技術者をしていた若き日に、上司から言われた言葉を思い出しました。
「情報システムは、人間の手作業や会話もひっくるめて、1つのシステムなんです。」
研修は、連休明けにも実施します。
あとがき ~こだわりのシステム選定~
実はcomiru導入まで、2年間くらいかかりました。
色々なシステムを探しました。
私自信もシステムを試作してきました。
「私が試作した以上のシステムでなければ採用しない」
という基準をつくるためです。
そういう経緯があって、やっとのことで、今年の4月からcomiruを導入しました。
ちなみに私が試作したものは、数式やグラフの入力も可能でした。
残念ながらcomiruでは、それらの機能はありません。
しかし、代わりに写メを添付する機能があったので良しとしました。
また私の試作品では、講師のシフト管理も組み込まれていました。
残念ながらcomiruはそれもありません。
将来、組み込まれることを期待したいですね。
偉そうに言っておいて、私の試作品を採用しなかったのは理由があります。
それは、所詮、個人が作ったシステムでは、
データーやセキュリティの保証に限界があるからです。
指導力のない塾は教材をアピールする!?
ICT教育の方向性は、塾によって様々です。
どこからICT化するかで、それがはっきりします。
- 教材
- 講師の採用と育成
- 指導管理
- ご家庭とのコミュニケーション
まず1番目の教材ですが、これは、
その年で一番良いモノを採用すればよい
というのが私の考え方です。
もちろん、紙の教材の方が電子教材より優れていれば、それを採用します。
つまり私にとって教材のICT化は、改善などではなく、
毎年恒例の教材選定、つまりルーチン作業にすぎません。
ちなみに高校教材の全てに動画解説をつけています。
プログラミング教室のテキストも、今後は動画解説をつけていく予定です。
とはいえ、今のところ、紙の教材がまだまだ主流です。
逆に指導力がなかったり、教材の目利きができないような塾ほど、
教材のICT化だけを売りにしいているような気がします。
ICT化の本当の優先順位
実際には、多くの塾が2番目か3番目からICT化するでしょう。
多くの職場の悩みと言えば、人材育成と労働条件の両立だからです。
塾に限らず、サービス業のほとんどに横たわる問題です。
これらの問題をICTで根本解決してきた塾のスタイルが、
- 映像授業+自習し放題
- 教えない塾
などでしょう。
こうした指導スタイルは、
学校の授業が簡単すぎて退屈
という生徒がターゲットです。
そういう子にとっては無駄がなく成果の出るスタイルです。
ちなみに当塾では「スパイラル学習法」の体系があったので、
講師の採用・育成や指導管理をICT化する必要は、
ほとんどありませんでした。
本当の課題は、それらを乗り越えた先にありました。
コミュニケーションです。
最後は人と人ですね。
塾とご家庭、講師と生徒、講師と講師。
人と人との関係を温めるためにシステムがある!
ということですね。