こんにちは。ヒーローズ植田一本松校の松下です。
個別指導らしい勉強の指導法について書きます。
お父さん、お母さんがお子様を指導する場合にも参考になるでしょう。
もちろんヒーローズ植田一本松校と赤池校の講師研修にも入っています。
Contents
指導法についてのご質問
先週は、嬉しいお知らせがありました。
卒業生の女子大生2名が講師として戻って来てくれます。
そして生徒3名の入塾もありました。
教える側、教わる側の双方から、
私たちの「スパイラル学習法」がよーく理解される必要があります。
そして今回、その指導法の一部をブログで書こうと思ったのは、
保護者様から次のようなご相談を受けたからです。
ご質問
うちの子は手取り足取り教えないとダメだと前の塾の先生から言われました。
何を勉強したらよいか、自分では一切考えることができず、
やる内容を全て宿題で設定してあげて、
できなかったら塾に居残りさせてやらせる、
それくらいしないとダメだ。
そうに言われたんです。先生から見て、うちの子は本当にそうなんでしょうか?
※プライバシー保護のため口調や状況は事実と変えてあります
集団塾だったそうです。
しかし、その子を何回か指導をした限り、私はそうは思いませんでした。
そこで次のように答えました。
回答(例)
ご心配の通り、手取り足取り教える必要が一部はあるでしょう。
ただAさんは、何を勉強すべきか、ちゃんと分かっていますよ。「英語は応用が出るけど、その他は学校のワークから出題される。」
などと答えて、学校の出題傾向も答えられました。
自分で問題を最後まで解き切りたい、という意思表示もします。手取り足取りの指導は、一見、良さそうですが、学年が上がるにつれて、本人がどんどん困るようになります。
大学生、社会人の世界では、人から手取り足取りの指導してもらうことはありません。だんだん自律的に学習できるように指導していきたいと思います。
※プライバシー保護のため回答内容や状況は事実と変えてあります
なんだか尾木ママになった気分です。
手取り足取りの指導 本当に親切?
この話しをした後、私は次のブログを思い出していました。
集団塾校舎に併設された個別指導塾をオススメしない1つの理由
(さくら個別指導の國立先生のブログ)
このブログで國立先生もおっしゃっている、
集団塾が個別指導をやる場合の「オマケ感」がまさにこれです。
どういうことか説明します。
集団塾のプロ講師は個別指導が苦手
集団塾は、一斉授業の講義を理解できる生徒を集めて講義し、
演習は宿題で、分からなければ個別に質問に行く!
というのが王道のスタイルです。
このスタイルにバッチリ合う子は、めちゃ伸びます。
しかし、そこで着いて行けない子は、
時間帯や部屋を分けて指導するしかありません。
それが集団塾に併設された個別指導の始まりです。
このとき、個別指導専門の講師が指導するなら良いです。
しかし、同じ集団塾専門の講師が指導してしまうと問題です。
授業に着いて来れない
↓
自分では何もできない
↓
強制的にやらせる
という三段論法みたいなモードに陥ります。
「自分では何もできない」という仮説が前提にある指導です。
集団塾のスタイルがそのままですから、教材のレベルを下げるしかありません。
その代わり量を増やし、宿題を増やし、強制的にでもしっかりやらせます。
もちろん指導する講師は一生懸命です。
あくまで集団形式の発想で一生懸命やってくれます。
着いて来れない生徒に比べたら、むしろ別段の準備が必要なのですから。
それだけに、とても親切に思えます。
しかし量が増えると、生徒自身が自分で考える余地が無くなります。
最終的には、塾に行かなければ何もできないお子様になります。
卒業したら、どうするのでしょうか?
手取り足取りの指導には、必ず「いつまで?」という期限を設ける必要があります。
私が個別指導を始めた時、先輩の先生方から受けたアドバイスがあります。
「個別指導は『御用聞き』になったら終わりだよ。」
生徒が自分でできる事まで塾がやってしまったら、その子はどんどんダメになります。
個別指導らしい指導とは?
全てを説明できませんが、今回の趣旨に沿った部分だけ。
ちょっとやって見せる
口で説明して理解できてしまう生徒は、その時点でかなり優秀です。
普通は、紙に書いて見せないと理解できません。
そして実演をしてあげます。
まずは目と耳の両方で、リアルに理解してもらう必要があります。
全部説明したらダメ
ただし、全部解説してしまったら、むしろ台無しです。
集団塾のカリスマ講師なら、カッコよく講師の実力を生徒に見せつけてやりたい見せ場です。
しかし個別指導でそれをやったらダメなんです。
その子が分からない所だけヒントを出し、すぐに本人にやらせます。
そしてつまずいたら、またピンポイントにヒントを出す。
それでいて、常に本人が自分でやっている、という自覚を持たせる。
マラソンのコーチと一緒です。
コーチが一生懸命走っても、選手のタイムは上がりません。
コーチはコツを教え、フォームを目の前で実演して見せるでしょう。
しかし、走るのは選手ですよね。
自分の頭で解き直しをさせる
この様にして、何度かヒントを出しながら、とうとう解けたとします。
でも、まだ少し、納得しきれない顔をしているでしょう。
全部自力で解けたという安心感が無いからです。
そこで確信を持ってもらうために、今度は全てを通して、自力で解いてもらいます。
同じ問題の解き直しでも、類題でも、どちらでも構いません。
それも可能なら本人に選ばせてみるとよいでしょう。
マラソンのコーチが30人の選手の前で神のような走りを見せる、
なんてことは、想像できませんんよね。
それにコーチが大会に出場するのではありません。選手です。
個別指導も同じです。
塾の講師は生徒の代わりにテストや入試を受けてあげることはできません。
やるのは生徒です。
まとめ
「手取り足取り」の指導は短期的には必要で、親切です。
しかし塾に依存しきったスタイルのままではお子様の将来が不安です。
それでも最初はそうしなければならないかもしれません。
ですから手取り足取りの指導には、仮でも良いので期限を設けましょう。
「手取り足取り」からの出口戦略について塾と相談してみてください。
講師に必要最低限の指導を受けながら、
最初は1問、1問から自立を目指します。
成長して来たら、ページごとに自立。
そして塾を卒業する頃には、
勉強の計画や戦略も自分で考えられるように自立。
そこを目指してあげるのが本当の意味での親切だと思います。
集団塾の方がレベルが高い はウソ
個別指導塾より集団塾の方が歴史が古いです。
保護者の年齢層が上になるほど、塾=集団塾とイメージされるでしょう。
そして、授業に着いて行けない生徒を別室に分けるところから個別指導を始めた集団塾が多いです。
そのような背景から、つい最近まで、個別=成績の悪い子が通う塾、などと誤解している人もいました。
しかし個別指導の本質は、マラソンのコーチのように、生徒本人に必要なことを必要な分だけ手当てし、あくまで本人が訓練している状態で指導することにあります。
成績に悩む生徒には、それが勉強法の改善につながり、
成績の良い生徒には、それが無駄のない勉強になります。
よって、成績や偏差値と、個別か集団かは、関係がありません。
私たちの教室に通う生徒も、実に様々な成績層が在籍しています。
そして近年では、偏差値以外の理由で志望校を決める多様性が出てきています。
集団か個別かは、スタイルの問題です。
お子様に合う方を自由にお選びください。