塾長です。
夏休みは勉強も大切ですが、遊びも大切です。子供は遊びからも多くを学びます。しかし従来の遊びと最近の遊びでは少し状況が変わってきました。子供に悪影響を与える遊びがどんどん身近になって来ました。
そこで子供に買い与える遊び道具について「ある観点」で「買い与えてよいもの」と「買い与えてはいけないもの」の2種類に分類してみました。
買い与えて
- 良いもの ・・・ レゴ、カードゲーム、釣り具セット、化石掘りの道具、顕微鏡、パソコン
- 悪いもの ・・・ ゲーム機(ゲームアプリ)
さて、その「ある観点」とは、いったい何だと思いますか?
Contents
創造の余地があるか?
買い与えて良いものと悪いものの違い。今回は
「自分でルールを創り出せる」余地があるのか無いのか
で分類しました。子供たちが想像力を膨らませることができるのか否か、です。
ゲーム機は、楽しいしハマるかもしれません。しかし自分でルールを創り出すような思考がありません。ゲームクリエイターが作り込んだ特定のルールに従うだけです。
そして、そのルールが単純であるほどハマりやすく、売れるゲームになります。なぜ売れるのかも実証されています。単調な刺激は脳に麻薬のような依存作用を引き起こすからです。
ですから、ゲームに没頭すればするほど、単純なルールに特化した行動を繰り返すことになります。脳の一部のみを酷使します。もちろん目が疲れます。精神的にも疲れます。思考が単純になります。
複雑で情報量が多く思い通りにいかない現実の世界に比べれば、単純で容易に活躍でき、楽して満足できるゲームは魅力的かもしれません。しかし成長の機会は奪われます。複雑な事や予想外のことに耐性が無くなります。何かにつけ感情を抑えられなくなります。
「ゲーム依存は病気」が世界の常識
今年の5月に世界保健機関(WHO)がゲーム依存症を病気と認定しました。運用は2022年からですが十分に衝撃的なニュースです。
こちらは頭が良くなるか否かではなく、社会生活ができるな否か、という、もっと深刻な話しです。
正しくは「ゲーム障害」(Gaming disorder)と呼ぶそうです。ゲームばかりやっていて学業や健康に支障をきたす状態です。アルコールやギャンブルなどの依存症と同様に「精神疾患」と見なされ、医師による治療が必要とされます。世界のどこの国でも、医者に相談すれば「病気ですね」と言われます。
どれくらいで病気と判定?
WHOによれば、次の3つの状態が12カ月以上続く場合は依存症を疑うべきとしています。
ゲーム障害(Gaming disorder)(ICD11コード:6C51)
ゲーム障害は、持続的または反復的なゲームプレイのパターン(デジタルゲーム、ビデオゲーム)を特徴とし、これはオンライン(インターネット上)またはオフラインでの可能性がある。
- ゲームに対するコントロール障害(ゲームの開始、頻度、集中度、期間、終了、環境)
- ゲームの優先順位を、他の生活上の利益や日常の活動よりも優先される範囲で上げる。
- ゲームプレイにおいて否定的な結果が生じても、ゲームの継続またはエスカレートする。これらの行動パターンは、個人的、家族的、社会的、教育的、職業的、またはその他の重要な機能分野において重大な障害をもたらすのに十分な程度の重症度のものである。
これらゲームプレイのパターンが、連続的または一時的かつ再発的であり、12カ月に渡って継続する場合、診断を適用する。ただし、すべての診断要件が満たされ、症状が重い場合は、必要な期間が短くなる可能性がある。
出展: GAME Watch ニュース 「世界保健機関(WHO)、「ゲーム障害」を正式に国際疾病に認定(2019.5.26)
素人の判断はかえって危険です。もしも心配があればお医者さんに相談しましょう。診断はそれからです。
話しを戻します。
ゲーム機に子守りをさせるな!
ご家庭によって様々な事情があります。小さいお子さんの面倒を見ながら仕事や家事をするのは大変です。できることなら、泣いたりわめいたりせず、大人しくしていて欲しいと思ってしまいます。
しかし、そう思ったとしても絶対に越えてはいけない一戦があります。
ゲーム機を買い与えて大人しくさせる。
これは決してしないでください。お子様の未来が台無しになってしまうかもしれません。ゲーム機を買うことができるほどのお小遣いを与えたり、小中学生にスマフォを買い与えるのも同様です。
ゲーム機やスマフォは、必ず「保護者の目の届く範囲内でのみ」使わせるようにしてください。
いつもゲームばかりやっていて、
- 生活のリズムが昼夜逆転する
- 部活や勉強に支障が出ている
- 注意すると暴言を吐いたり暴力的になる
- すぐに「めんどくさい」などと言う
などの状態であるならば要注意です。社会生活や家族の関係に支障が出るほどお困りのようなら、病院に連れて行きましょう。専門医の助言が必要です。そして学校の先生にも連絡して相談してみましょう。
機械を使うのか、機械に使われるのか
我が家にはゲーム機がありません。「子供は遊びを創り出すもの」という私の勝手な価値観で、絶対に買わないからです。やればやるほどアホになると塾長が思い込んでいるからです。
ゲームにはまり込んでいる人を端から見ると、まるでゲーム機の奴隷です。もしもゲーム機に「さあ、ゲームの続きをやりましょう。やるべきです!」などと声掛けする機能が有ったとしたら、きっと言うことを聞いてしまうのでしょう。SNSで着信が鳴るたびに見てしまい、勉強や仕事に手が付かないのと同じです。
これまで何度も教育改革が行われてきました。すべての教育改革は一貫して
「自分の頭で考えられる人材を増やすには、どう教育すべきか?」
という観点で行われています。頭で考えるべきことが時代によって変わるので教育改革というバージョンアップをするのです。ざっくりと流行りをまとめてしまえば、次のようになります。
- 昭和時代は「ルールを守ること。空気を読むこと。」
- 平成時代は「生産性を上げること。改善すること。」そして、
- 令和時代は「課題を創り出すこと。コンピューターを使いこなすこと。」
ですから、どんなに時代が変わっても、自分の頭で創造しなくなるようなアイテムは、教育にとって良くないのです。成長の妨げになります。
その1つが、ゲーム機です。今後の技術革新でゲーム機がこの問題を克服できるのかもしれません。しかし今の時点では、ゲーム機で遊んでも創造の余地がほとんどありません。
創造して遊ぶとは?
ゲーム機以外でも遊び方によっては創造力が育まれません。創造の余地があっても、想像しなければ意味がありませんから。
例えば、レゴ。
図面通りに作ったら、それで終わり。あとは飾っておくだけ、というのもは勿体ないです。作って飾るならプラモデルで良いのではないかと思います。
レゴをレゴらしく遊ぶなら、作ったら壊し、図面を見ないで、別のものを思いのままに作ることだと私は思います。作りながら考える。そういう遊び方でなければ、やっぱりレゴらしい遊びとは呼べません。
ブロック系のおもちゃは、どんどん新しいものをつくったり、前に作ったものを改良したりしてこそ、本来の面白さを発揮できると思います。
プログラミングも同様です。本やホームページにあるプログラムをコピーして動かして終わり。そういう教材が多いのですが、それでは創造とは言えません。真似して要領を得たら、あえて壊してみる、改造してみる、などに挑戦してみましょう。オリジナルのプログラムを紙に書いて、頭の中で十分なシミュレーションをするような子供の方が、むしろ早く上達します。
夏休みは親子で遊べる機会も多い事でしょう。外で遊ぶにしろ中で遊ぶにしろ、想像力を働かせて、創造して遊ばせてあげましょう。
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