塾長です。
緊急事態宣言の出口戦略について国と地方が揉めてますが、教室としては粛々と
- 3密を避けつつ対面授業
- オンライン指導
の両方で対応を続けていきますね。
さて、今回は話題を変えます。コロナ対応でもオンラインでもありません。
ちょっと面白い、それでいて時事問題になりそうなネタを書きます。
Contents
日本政府が「宇宙」に本気になった!?
来週の5月18日に航空自衛隊の中に「宇宙作戦隊」という組織が誕生します。
これが4月1日のニュースなら、きっと誰も信じなかったでしょう。
しかし発表は5月8日。ちゃんとしたニュースでした。
例えばNHKのニュース「“宇宙作戦隊” 18日に新設へ 人工衛星など監視 河野防衛相」とか。
しかも発表したのは防衛省の河野大臣その人です。
これはホントの本当、おお真面目な話ですね。
宇宙作戦隊の歴史
- 2018年12月 防衛大綱に「航空自衛隊において宇宙領域専門部隊を保持する」と明記された
その名前が一部ネット上で「昭和っぽい」「ださい」「古臭い」などと話題になった - 2019年8月 防衛省の2020年度の予算概算要求に「宇宙作戦隊」の設立が明記された
- 2020年4月 参院外交防衛委員会で河野防衛大臣が年度内の新設を宣言した
名前については再考する余地を残した - 2020年5月 河野防衛大臣は「宇宙作戦隊」という名前のまま5/18に設立すると発表した
5/8 記者会見での河野大臣のコメントです。
「名称は宇宙作戦隊とすることと最終的にいたしまして、若干、昭和っぽいとか、いろいろご意見はありますが、決めた以上は、良い名前だなと思っていきたい」
なんだか愛着がわいてきました。
宇宙でどんな作戦を実行するの?
さて「宇宙作戦隊」で行われるお仕事、いや、ミッションとは、どんなものでしょうか。
日本にもアメリカのNASAのような組織ができるのでしょうか。
実は日本が秘かに開発してきた凄いロケットに乗って、
実は日本が宇宙のどこぞやに秘かに建造して来た秘密基地へ出向き、
トップシークレットのミッションをこなすのでしょうか。
そんなイメージを思い浮かべてしまいます。
こういう話になると「実は」というネタを期待してしまいます。
しかし、そういうわけではなさそうです。
現実には、日本には有人飛行のできるロケットがまだ無いです。
では何をするかと言えば、宇宙を「監視」するのが仕事になります。
地上からレーダーや望遠鏡、同盟国からの情報網などを駆使して監視します。
ですから勤務地は地上です。普通に日本、というか東京、というか、ぶっちゃけ「府中」です。
最初は20人くらいの組織で、だんだん大きくして将来は100人規模の体制になるそうです。
では、いったい宇宙の何を監視するのでしょうか。
なぜ人工衛星を監視するの?
1957年にソ連が人類で初めて人工衛星の打ち上げに成功しました。
「スプートニク1号」です。
それから60年以上の間ずっと人類は人工衛星を打ち上げてきました。
それがすごい数です。
人工衛星が主な監視対象になるでしょう。
人工衛星の数はどれくらい?
これまで人類は、いくつの人工衛星を打ち上げて来たと思いますか?
少なくとも9453個も打ち上げてきたようですね(2020/5/12現在)。
国連の「Online Index of Objects Launched into Outer Space」というページでカウントが見れます。
9453個のうち、
265個は日本が管理しています。
ただし約3600個は寿命を迎えて回収されたり地球に落下したりして無くなっています。
そして残りの5800個以上が地球の周りをまわっています。
軍事的に秘密で打ち上げられたものを含めると、もっと多くあるのでしょう。
中には何十年かすると地球の大気圏に突入して燃え尽きてしまうものもあります。
大きなものは燃え尽きず、隕石のように地上や海上まで落ちてくるようです。
ということで、人工衛星どうしが交通事故にあわないように、
あるいは、地上に落ちてきそうな人工衛星の軌道に異常が出ないように、
常に監視していないと危ないです。
もちろんミサイルやロケットも監視
監視するものは、他にもまだあります。
宇宙空間を経由する弾道ミサイル。
これもよく打ち上げられていますよね。
そして地球儀を見れば分かる通り、位置的に日本はロケットやミサイルを監視するしかありません。
軍事利用であれ平和利用であれ何であれ、ロケットの打ち上げには地球の自転のスピードを利用します。
地球の軌道に乗せるためには、秒速7.9Kmまで人工衛星のスピードを加速させる必要があります。
日本付近では地球の自転速度は秒速0.38Kmですから、東向きに打ち上げれば、それだけ燃費がお得です。
西向きに逆らえば、その2倍の秒速0.76Km分を損します。その差はとても大きいです。
ロケットというのは、多段式にして、重い機体を切り離して捨てながら、身を軽くしつつ加速して、やっとの思いで宇宙まで届き、軌道に載ることができるのです。
それだけ大変なのですから、燃費は1%たりとも無駄にはできません。
というわけで、長距離ミサイルや人工衛星ロケットを朝鮮半島はじめとする大陸側から打ち上げれば、必ず日本列島に向かいます。
日本は南北の方向に、と~っても長いです。
ロシア、中国、北朝鮮、韓国からロケットを打ち上げは、日本列島のどこかしらをまたぐしかありません。
つまり、日本近海の宇宙を監視するのは、嫌でもしなければならないです。
宇宙ゴミの掃除が終わらない
ただし数だけで言えば、ロケットやミサイルの打ち上げは、それほど多くはありません。
実は、それよりも何桁も多い数の監視対象があります。
それが宇宙に漂うゴミです。
人類で初めてソ連が人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げに成功して以来、アメリカとソ連は人工衛星の数を競うように打ち上げました。
そして冷戦時代でしたから、敵国の人工衛星を破壊するための研究や実験も多く行われたのです。
地上からのミサイルで人工衛星を破壊する実験がほとんどだったようです。
中には人工衛星を破壊するための人工衛星(キラー衛星)も研究されてきました。
未だにキラー衛星の実用化はされていないようですが、今後の脅威にはなりそうです。
人工衛星が人工衛星を打ち落とすなんて、まるでSFの世界ですね。
しかし60年以上も前から、さかんに実験が行われていたのです。
つまり、最も数の多い宇宙ゴミとは、人工衛星を破壊した破片です。
冷戦時代にアメリカやソ連がくりかえした破壊実験の無数の残骸です。
それらが宇宙ゴミとして地球の周りを漂っています。
更に悪いことに、2007年に中国がこの実験をやってしまいました。
不要になった人工衛星にミサイルを命中させて廃棄処理をしたのです。
実験らしいですが、まぁ色々な意味がありますよね。
その実験で宇宙ゴミの数が2841個も増えてしまい、国際意識がさらに高まりました。
宇宙空間では超高速に物体が飛び続けます。
真空なのでスピードが落ちません。
ですからネジ1つ、小さなゴミ1つでも、弾丸のように危険なわけです。
もしも運用中の人工衛星や宇宙ステーションに当たれば大迷惑ですね。
実際、2011年に国際宇宙ステーション(ISS)の近くを、その時の破片が高速て通過して一時的に騒然となりました。
人工衛星や宇宙ステーションには、少しだけロケットと燃料を積んでいますので、ちょっと避けるくらいの運動はできます。
ただしそれができるのは、事前に宇宙ゴミの起動が分かっていれば、の話しです。
少しググってみると、宇宙ゴミの数は分かっているだけで、2010年の時点で10cm以上のものが約20,000個、10cm未満1cm以上のものは約50万個くらいあるようです。
戦争や冷戦の後処理は、まだまだ続いています。
アメリカ国防総省はUFOで先を行く?
実は宇宙作戦隊の設立日が発表される少し前に、こんな奇妙なニュースが流れていました。
みなさん覚えてらっしゃいますか?
一応、NHKニュースサイトのリンクを張っておきますね。
“UFO映像” 米国防総省が公開 “物体が何かは不明”(NHK NEWS WEB 2020/4/28)
アメリカの国防総省が高速で上空を移動するUFOの写真を3枚公開しました。
2014年~2015年に撮影されたものだそうです。
ええと・・・さすがアメリカ!
さて、これについても河野防衛大臣は記者会見でコメントされてます。
「あまりUFOは信じていないが、アメリカ国防総省が画像を出したので、真意や分析を聞きたい」
「自衛隊のパイロットは、今までUFOに遭遇したことは無いようだが、万が一、遭遇したときの手順をしっかり定めたい」
ということだそうです。
これを質問した記者は絶対に面白がってたはず!
ソースはこちら(↓)。
河野防衛相 自衛隊もUFO遭遇時の手順定める考え示す(NHK NEWS WEB 2020/4/28)
UFOの監視も宇宙作戦隊の仕事になってくるのでしょうかwww
最近はおもしろい話題で目立ってしまっている河野大臣ですが、国際会議では大活躍です。
英語がめちゃめちゃ堪能です。
理路整然と、しかもウィットの利いた受け答えをサラリとこなします。
外国から不当な意見があれば、スパンと跳ねのけて頼もしいです。
それだけに、
宇宙作戦隊の組織名やアメリカのUFOについてコメントを求められると、
ちょっと困った表情を見せながら真面目に回答する様子が、面白かったです。
大臣閣下も鬼ではないのですね。
日本版CDCとは?
さて、宇宙作戦隊とは別に、もう1つ新しい組織を日本に作る案も浮上しています。
コロナ対策の話しがきっかけです。それは
「日本にもCDCのような組織をつくろう!」
という意見です。主に医師会から提案されています。
そもそもCDCとは?
CDCは、アメリカの保健福祉省の下にある政府組織です。
Centers for Disease Control and Prevention の略です。
この組織には、アメリカの国民を疾病から守り、健康を増進させる役割が与えられています。
さらに世界の国々を支援するとともに、世界中から感染症に関するあらゆる情報を集めて研究しています。
例えば天然痘を世界から根絶させたのはCDCの貢献がとても大きいと言われています。
CDCはあくまでも感染症の専門組織ですから、もちろん政治的な権限はありません。
しかしアメリカ政府と強力なパートナーシップを組んでいます。
世界のどこかで危険な感染症が発見されると、CDCが直ぐに調査して行政の判断基準を先に作ってしまいます。
簡単に言うと、感染症に対応できる技術を探って、対策マニュアルをつくって配るのが仕事です。
それに基づいて、行政はすぐに決断と実行ができるという体制です。
つまり、
ヤバイ病気が発生 → CDCが基準を示す → 行政が決断と指示をする
という行政の迅速な流れができています。
日本の現状
これに対して、日本では感染症の専門家と行政の間の連携が密ではありません。
内閣総理大臣や知事や市長が、それぞれ独自に民間の知見者を集めて、その都度、意見を聴くというスタイルです。
緊急事態宣言を出したり解除したりする基準は、専門家から意見を聴いた後で、あらためて専門外の政治家が決めなければなりません。
どうしても対応が遅れます。
今度こそ感染症の予防体制を強化しておきたい
これまで世界で深刻な感染症が何度か問題になってきました。
2002年 SARS
2009年 新型インフルエンザ
2012年 MARS
2014年 エボラ出血熱
しかし、そのどの場合においても、ほとんど患者が日本に入国しなかったため、日本では大きな問題になりませんでした。
2009年の新型インフルエンザは日本に上陸しましたが、通常のインフルエンザくらいの影響で済んでしまいました。
日本の医療体制や保険制度が素晴らしいのは確かですが、患者がほとんど日本に来なかったという運の良さがあったのも事実です。
そして油断を生んでしまいました。
その油断から、かえって感染症の予防体制の構築が遅れてしまったとも言われています。
とにかく日本は感染症の予防体制を強化して来ませんでした。
これを大いに反省して、
今度こそ、予防体制を構築しておこう!
という動きが出てきました。
例えば、お隣の韓国にはCDCのような組織があり、コロナの封じ込めに一度は成功しました。
そこで医師たちがアメリカのCDCをモデルに、日本でも同じような組織を作ってはどうかと提案するようになりました。
その提案はごもっともだと思います。
それが「日本版CDC」です。
CDCをつくれば安心なのか?
ただアメリカでもそうですが、CDCはあくまでも専門家の組織です。
行政の決断や指示は何もできませんし、それができる権限を与えるような危険な法律は作られないでしょう。
そんな権限まで与えたら、議会も代議士も存在が無意味になります。
あくまでも政治は政治家が行い、その指示に従って細かい手配をするのは官僚です。
この体制の動きを速くしない限り、専門科の作った基準やマニュアルは行政に活かされません。
またアメリカのCDCも万能ではありません。
コロナ・ショックに限って言えば、アメリカやヨーロッパの感染者数を見れば、むしろ日本よりも対策が失敗しています。
日本は検査数が少なく感染者数が正確ではないと言われています。確かにそうかもしれません。
しかし百歩譲ってそうだとしても、最終的な死者数を比べてみると、やはりアメリカやヨーロッパ諸国の方がおかしなことになっているのは明白です。
冷静に数字を見ると、彼らが日本を批判する理屈が通りません。
そして韓国も感染の再発が確認され始めています。
というわけで、感染症の予防には、模範解答がありません。
これまでCDCが成功して来たとしても、それが正しいという保証なんてないのです。
そして、この先も常に新しい種類のウィルスが出てきます。
専門組織は基準を与えてはくれますが、模範解答は用意できませんし、そんなものは最初からありません。
つまり結局のところ、政治で決断するしかないのです。
どんな組織をつくろうが
「政治的な決断を速くより良いものにし、状況次第ですぐ改善する」
という課題の本質がなくなることはありません。
日本の国力が低下している
最後に今後の見通しです。
年表にすると解かってしまうのですが、経済危機にしろ感染症の予防にしろ、これまで日本政府は大胆な政策を速く決断できてこかったです。
そのため日本は海外よりも復興が遅いです。
アフターコロナで似たような歴史が繰り返してはいけません。
- 1987年 消費税3%を導入(代わりに所得税、法人税を減税)、バブル絶頂
- 1991年 バブル崩壊開始 → その後20年以上も不景気や就職難が続く「失われた20年」、若者の貧困化
- 1995年 阪神淡路大震災
- 1997年 消費税5%に増税
- 1998年 金融破綻(長銀の破綻など)
- 2001年 ITバブル崩壊 → IT不況、情報通信産業の低迷と再編
- 2008年 リーマンショック → 円高不況の始まり、製造業が海外移転とリストラを開始、「失われた20年」が「失われた30年」に言い換えられ延長、若者や子供達の貧困化が進んだ
- 2011年 東北大震災
- 2013年 復興税の導入で増税
- 2014年 消費税8%に増税
- 2019年 消費税10%に増税
- 2020年 コロナ・ショック → 国内でアフターコロナを支える技術力や人材の不足
明らかに消費税を増税するたびに日本が衰退していますね。
少しは仁徳天皇の逸話を見習ってほしいです。
日本は民主主義ですから、日本の将来は国民一人ひとりの意識にかかっています。
政治をどうに変えていくかも国民次第です。
日本を良い国にするために、しっかり勉強しましょう。
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