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// 条件1に該当しない場合の処理

三角関数

「三角関数は本当に必要なのか?」問題とは!?

塾長です。

いやー、めっちゃ盛り上がってますね。

三角関数不要論の出どころは?

国会の中に「財政金融委員会」というのがあります。衆議院の常任委員会です。
予算委員会と同じように税制やお金の使い方について議論する場ですから、議論のネタは何でもアリです。

その会議で5月17日、藤巻健太議員(日本維新の会)が発言した内容が発端です。
中でも、ご本人のツイートがきっかけで盛り上がっているようです。

藤巻健太議員のツイート

三角関数は本当に必要なのか?
そんなことより、金融経済を教えるべきではないのか?

ソースはご本人のツイッターです。

三角関数よりも金融経済を学ぶべきではないか
藤巻健太議員のツイート(@Kenta_Fujimaki)

藤巻議員は大学受験で数学を使い、大学へ進学してからは経済を学ばれたとのこと。
それでも、大学受験を最後に三角関数は1回も使わなかったそうです。
そういうご経験から、

学校では三角関数を教えるよりも金融教育をすべき

との主張に至ったそうです。

世間の反応

リプライツイートやネットニュース、YouTubeなどで様々な反応があったようです。
賛否両論から感想文まで・・・

その中から主なものを紹介します。

ユーチューバーの反応例

人気ユーチューバー「はなおでんがん」さんの反応

理系を敵に回した衆議院議員へ。

さすが、積分サークルは言うことが違いますね!

放送局の反応例

YouTube上の報道番組「アベプラ」の反応

【三角関数】日常生活で使わない=学ぶ価値なし?人間の根源的な欲求を満たす?数学必修の意味

すぐ動画ネタにされています。
みなさん、仕事が速いですね。

何度も盛り上がる不要論

昔からこの手の話は少なからずありましたが「負け犬の愚痴だよね」と一蹴されてきました。
根強い「学歴信仰」のせいでしょう。

ところが最近は様子が変わってきました。
変化のきっかけはコロナ渦と働き方改革。そう考えて良いでしょう。

学校でもオンラインでも、どちらでも学べることが分かりました。
部活動の代わりに学外の民間クラブも活用できるようになりました。

同時に、コンピューターの活用が当たり前になりました。
YouTubeやアプリなどを使って、効率よく勉強できるようになりました。

「わざわざ学校に行く必要はないのでは?」
「自分の好きなものを好きな順番で学べばよいのでは?」

かつての愚痴は決して空想などではなくなり、三者三様に理想を語るようになりました。
かくして「教育の合理化」を議論する風潮が高まっているのだろうと思います。

何より、日本は30年間ずっと経済成長が止まっています。
この事実もまた、既存の仕組みをオワコン化したり老害化したりする理由なのでしょう。

探しやすいところで例を挙げると、こんな感じです。

教育経済学

学校についての例

教科ごとの例

受験についての例

このように、勃発している議論を上げればきりがありません。
三者三様の立場で、意見も十人十色。

もちろん、それぞれに正しいのだろうと思います。

ここは塾長のブログなので、最後に私の意見を2つほど書きたいと思います。

教育問題の本質から目を逸らしてはいけない

1つ目に言いたいことは、問題の本質を見失ってはいけない、ということです。

この種の議論は、きっと半分は炎上目的なのでしょう。
アクセス数を稼ぐために、話題の切り取り方が極端で、切り口がキレッキレになる傾向です。
少し用心しましょう。

さらに、次のような観点で、少し冷静になる必要があります。

時代遅れの二元論

AがダメならBだ!

このような議論のやり方を二元論と呼びますよね。
答えが1つに決まるような問題を考えるには便利ですが、SDGsの時代には役に立ちません。
10人いたら10通りの答えがあり、しかも、それらをできるだけ同時に満たさなければいけない・・・今はそういう時代です。

リツイートを見れば、いろいろな意見が出ています。
どれが正しいとは言い切れませんし、間違っているとも言い切れません。
それぞれに正しいのでしょう。

必ずイタチごっこの議論になる

ここで、もしも教科書から三角関数を外して、代わりに金融教育を入れたらどうなるでしょうか?

私は、また同じ問題が必ず起きると想像しています。

つまり、誰かがまた、

金融なんて学ぶ必要がありますか?
そんなことより、〇〇を学ぶべきです。

と言い出すことでしょう。

なぜなら、金融を学んでも、ほとんどの人にとって役に立たないからです。
知らなくても困らないからです。

確かに、金融経済の活用は、これから更に身近になるし重要になると思います。
個人で関わる機会がどんどん増えると思います。
もちろん、これには賛成です。

しかし「大多数の人」にとって見れば、やっぱり金融の知識は不要です。

なぜなら、分かりやすくて優しいサービスが登場するからです。
難しいことを知らなくても、便利に使えるアプリや、親切な代行サービスが登場するからです。
知らなくても金融サービスを受けられるのです。

三角関数の恩恵を多くの人が受けているにも関わらず、それを知らなくても生活できます。

それと全く同じ話になるからです。

ですから、何かにつけ「必要か?、不要か?」などと議論するのは、そろそろ体力の消耗でしかないなと思っています。

問題の本質は教育の不自由!

100人いたら100通りの解があり、できるだけ100通りの全てを満たすべき。

今はそういう時代です。
教育も例外ではありません。

5教科だけで生徒を評価しないこと。
みんなでオール5を目指すのは、多くの生徒にとって時間の浪費です。
また5教科だろうと9教科だろうと、それだけでは評価の視野が狭すぎます。

例えば、5段階評価(5点満点)で12とか100とかをゲットしても良い時代でしょう。
こういう柔軟な発想が問われているのです。

もちろん、どの分野もそこそこできる、というオールマイティも、それはそれで特別に評価されて良いです。

はたまた、教科の数を100教科とか5000教科とかに増やしてしまい、高い次元で評価するのもアリでしょう。

このように、教育のメタ情報科を過去から未来にわたって「いつでも再定義できる」というシステムの中で、
子供たちは何をどのような順番で学んでも良い!
という自由で人間的なシステムが理想であるはずです。

苦手なもので消耗するより、得意なものや好きなものから延ばせばよいです。

このような学びが「できない理由」を1つ1つ取り除いていくこと。
今後はそういう取り組みが必要でしょう。

これまでは不可能でした。

なぜなら、人間の手作業で、紙で、ハンコで、生徒の履修や成績を管理してきたからです。
人間の小さな脳みそと少ない体力では、理想が実現できなかったからです。

今はコンピューターが安くて当たり前ですから、本当は色々とできるようになっているはずです。
逆にコンピューターにできることを、現代でも相変わらず人間にやらせるから、ブラックになるのです。

もっと自由に学べる環境を、どんどん用意できるはず。

理想が分かり切っているのに、それに向けて現状を変えようとしない。
こうした大人側の怠慢や不勉強さの犠牲になるのは、いつも子供たち。

これが問題の本質です。

教育をもっと自由にしましょう。

補足

ちなみに「自由」は「自分勝手」や「無秩序」の意味ではありません。
この種の議論は、ペリーが黒船で日本にやってきた時代に、もう済んでいます。

何の役に立つかを人に聞いたら負け

2つ目に言いたいことは、

「美味しい話は、誰も教えてくれない。」

ということです。

GAFAが世界を牛耳ってしばらく経ちました。
彼らは人工知能や量子コンピューターで世界をリードしています。
さらに政治やエネルギー網にまで手を伸ばし始めています。

ロシア政府にアメリカの1企業の社長がケンカを吹っかけています。

彼らはどうして世界を支配できたのでしょうか?

答えは明白です。

みんなが

「こんな勉強、いったい何の役に立つんだい?」

と言うような知識や技術を、ひたすら集めたからですよ。

日本の企業はどうでしょうか?

大卒生を欲しがりますが、大学で学んだことを仕事に活用して来ませんでした。
学歴の無駄遣いです。

部下が大学で何を専攻し、どんな卒論や修論を書いたか?

日本のサラリーマンで、これを言える上司は全体の何割くらいでしょうか?

おそらく、ほとんどいないでしょう。
政治家だって「ITや経済に弱い」などと言われています。

だけど学歴や偏差値は気にする。
学歴や偏差値の無駄遣いです。

アメリカの企業は違います。少なくとも急成長を果たしてきた企業は。
大学の研究を企業が積極的に使うのです。
中国もです。インドもです。他の成長している国もです。

また、各分野の専門家を数万人規模で集めて、最先端の情報分析を国家を上げてやらせています。
日本にはそういう行政組織すらありません。

日本が勝てるわけがありません。

勉強を役立たせている人は「役に立ってるよ」なんて教えてはくれないのです。

なぜかって?

そんなの教えたら損だからです。
特許を取ったり、秘密にしたり、誰にも真似されない形にしたりするでしょう。

GAFAが成長している間、

「勉強の何が何の役に立つのか?」

なんてことをGAFAから教えてもらいましたっけ?
教えてもらったとして、同じように行動しましたっけ?

アカウントがバンされたり、検索で上位へ持ち上げられたりしますよね。
あれを判断している人工知能。
高校でやったベクトルを100次元とか200次元に拡張して計算処理をしています。

個人レベルでも違います。
世界で最も売れているゲーム「マインクラフト」は1人のプログラマーが作りました。

あれ、三角関数のお化けみたいなアプリです。

みんな大好き「三角関数」です。

基礎的な勉強ほど、新しいものを生み出す力を秘めています。
しかし普通は気が付きません。

だから、

「何の役に立つのですか?」

などと聞いているようでは負けです。
日本は30年間ずっと負け続けています。

リベンジに向けて

GAFAのような強者に支配されたくない・・・このようなアンチテーゼが Web3.0 構想の始まりです。

今や一部の人や企業だけが、中央集権的に情報や富を支配している世界です。

しかしそうではなく、みんなで少しずつ担保し、分かち合おうではないか!

ブロックチェーンという技術が登場して、このような理想が現実的になりつつあります。

とはいえ、まだ混とんとしています。
似たようなものが乱立しては消えていっています。

それでもWeb3.0の大枠は何となく見えてきています。

そういう意味では、リベンジに向けた流れが少し出て来ました。

勉強が何の役に立つのか?

あなたは、まだ聞いちゃいますか?

プログラミング教室で教えていること

先の「三角関数は本当に必要なのか?」問題がネット上でにぎわっていた時、
私はプログラミング教室の新しいテキストを作っていました。

プロコースのテキストです。

「マインクラフトを作れるようになろう!」

という単元です。

マイクラで作ろう、ではないですよ。
マイクラ「を」作ろう、です。

その一部がこれです。

あちゃー、やらかしてしまいました。

マイクラミングのプロコースのテキストの例1

マイクラミングのプロコースのテキストの例2

子供たちに三角関数を使わせてしまって、どうもスミマセン!
よりによって、sin(サイン)もcos(コサイン)も、両方とも使っちゃっています。

小学生も中学生も高校生も参加している授業だから、影響が大きいです。
どうしましょう。

うっかり三角関数の便利さを伝えるテキストを書いてしまいました。
どうしてもプログラミングには三角関数が必要だと思い込んでいます。
パイソン(Python)だから軽い気持ちで使っちゃったのです。

小学5年生でも三角関数を使える生徒がいるものですから、ちょっと調子に乗っていました。

たいへん、申し訳ありませんでした(笑)

教育を自由に!

冗談はこれくらいにして、

もしも教育が自由であれば、好きなものや得意なものをシェアする投稿が増えるでしょう。

この時、それを自慢話だとか、自分への圧力だとか、いちいちマイナスに捉えないことです。
人は人です。

良いものには素直に「良いね!」「スゴイね!」と言えばよいじゃないですか。

自分と人は違います。
それでOKです。

比較する必要はありません。
他人を妬んでも、自分が不幸になるだけです。

たいていの人は自分のことで精いっぱい。
別に私に向けた発信ではないし、ましてや他意など無いでしょう。

客観的な指標や数字を通じて自分の現状を知ることは大切ですが、それを他人との比較として解釈する必要はありません。
他人と自分を比較したら、どんどん心が不自由になります。

比較しないことが、学びや教育を自由にする第一歩だと思います。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

対数関数 log で1カ月悩んだ高校生が15分の解説でスッキリした話し

対数関数が分からないと悩む学生の絵

塾長です。

高校2年生の数Ⅱでは、対数関数で混乱する生徒が多いです。$ \log_3{\frac{1}{3}}=-1 $ とか $ y=\log_3{x} $ とかです。対数関数は独学ではなかなか理解できない単元の1つです。

そういえば数年前、天白高校の男の子も悩んでいました。しかも1か月間も。あの時は、私が15分説明しただけでスッキリしてくれました。ちょっとコツがあるんですよね。まぁ何がコツかは生徒それぞれなのですが。

そこで今回は、その15分で説明した内容を書きます。
とは言え、文章にすると、けっこうな量になってしまいました。初学者は15分では読めないかもしれません。やっぱり授業はライブの方が効率が良いですね。

対数関数の意味が分からない

数学Ⅱで登場する新しい関数といえば、三角関数指数関数対数関数
中でも対数関数で混乱する生徒が毎年多いです。

この関数だけが全く新しい考え方をしているように思えるからでます。それで、

「はぁ? だから何? 何がうれしいの?」
「いきなり、いったい何なの?」

という反応になります。怒りすら覚えます。
そういう時は、いきなり対数関数の性質やグラフを云々ではなく、まず

対数関数で何がしたいのか

を説明した方が良いです。

数学で分からなくなったら「何がしたいのか?」をとらえる

新しい単元に入ったら、まず目的を共有します。
それができないのに説明しても頭に入りません。

一方、教科書では指数関数を学んでから対数関数を学びます。その流れで

対数関数は指数関数の逆関数である!」

などと端的に書かれています。
数学の好きな人には「簡潔で美しい」と飲みこめるのでしょうが、一般の人には味が濃すぎて喉を通りません。
初学者には難しい説明ですね。

同じ意味でも、もっとかみ砕いて

「対数関数 $y=\log_{n}{}x$nは、xを『nの〇乗』で言い直す関数です。」

と考えた方が解りやすいです。
さらに、それがどういうことなのか、いくつか具体的に経験して納得するのが良いでしょう。

  • 直ぐに具体例を書き出してみる
  • 何かを当てはめてやってみる

それが理解の近道です。

対数関数は「何桁の数か」を調べる関数

いくら難しい「対数関数」と言えども「関数」です。自動販売機と一緒です。

  • 自動販売機: 「ボタンを押せば、ジュースが出てくる」
  • 関数   : 「xを決めたらyが決まる

という仕組みです。

  • 「ボタンがx、ジュースがy」
  • xが原因、yが結果

くらいに考えればOKです。この大枠は関数が何であろうと一緒です。
そこで、まず、なにか新しい関数が出てきたら「xの意味とyの意味」を押さえましょう。

ここで先に対数関数の「感覚」を身に着けてもらうために、しばらくの間は $ y=\log_{10}{x} $ だけに話を絞ります。もちろんその後で $ y=\log_{2}{x} $ や $ y=\log_{3}{x} $ などの話しもします。

対数関数 $ y=\log_{10}{x} $ の意味

対数関数 $ y=\log_{10}{x} $ は、xに正の実数を入れると、それが「10の何乗か」を答えてくれる関数です。

  • 対数関数: 「xが実数、yが ”10の何乗” 」

仕組みとか計算方法とか、とりあえず細かい話は横に置いておきましょう。
とにかく対数関数はxを決めるとyは「〇乗」を表す値になります。
つまり、

$ y=\log_{10}{x} $ の$x$ に $1000=10^3$ を代入すると $y=3$ になります。

$ y=\log_{10}{1000}=3 $

そして実は、これで「何桁の数か」も分かります。

具体的に並べれば、

$10^1=10$ は2桁の数
$10^2=1000$ は3桁の数
$10^3=1000$ は4桁の数
$10^4=10000$ は5桁の数
・・・
$10^y=100 \dots 0$ は(y+1)桁の数

と考えられるからです。つまり、次のことが分かる関数です。

$ y=\log_{10}{x} $

  • $x$ は $(y+1)$ 桁の数
  • $x$ は $10$ の $y$ 乗

桁数を知って何に利用する?

物理や化学では、桁数を求める計算をよく使います。極端に大きな数や極端に小さな数を扱うからです。
たとえば炭素12グラムに含まれる炭素原子の数は$6.02 \times 10^{23}$個などと言われます。

602000000000000000000000個です。

こうなると

6020839862345984129123223個 だろうが、
602010000000000000531000個 だろうが、

ほとんど同じです。数が多すぎて原子を1つ1つ数える人はいないですし、数えたところでその数字の利用価値はないです。そんな細かい数字の正確さよりも「24桁の数」というサイズ感の方が重要です。
酸やアルカリの強さを計算するときや、電波で通信したりコンピューターの性能を表すときなんかもそうです。
大きすぎる数や小さすぎる数を扱う時、桁数を知ることがまず重要になってきます。

そういう時に対数関数が良く使われます。

あらゆる数を「10の〇乗」で表したらどうなるか?

突然ですが、もしも

「指数でしか数字を理解できない」

そんな宇宙人がいたらどうでしょう。彼らの宇宙語は、いったいどんな数でしょうか?

その翻訳には対数関数が使えます。私たちが日常使っている数を「10の何乗か」つまり「指数」に言い換えられるからです。さっそく翻訳に取り掛かりましょう。

$1=10^0 ⇔ \log_{10}{1}=0  \Longrightarrow  1 は宇宙語で0$
$10=10^1 ⇔ \log_{10}{10}=1  \Longrightarrow 10 は宇宙語で1$
$100=10^2 ⇔ \log_{10}{100}=2  \Longrightarrow 100 宇宙語で2$
$1000=10^3 ⇔ \log_{10}{1000}=3  \Longrightarrow 1000 宇宙語で3$

こんな感じでしょう。
それなら、例えば次の場合はどうでしょう?

$500=10^{?} ⇔ \log_{10}{500}=?  \Longrightarrow 500 は宇宙語で?$

100 < 500 < 1000
ですから、
$ log_{10}{100} < log_{10}{500} < log_{10}{1000} $
$ log_{10}{10^2} < log_{10}{500} < log_{10}{10^3} $
$ 2 < log_{10}{500} < 3 $
となって、おそらく

$ 500=10^{2.???}  \Longrightarrow  500 は宇宙語で2と3の間の数?$

となりそうです。
しかし、これ以上は計算(翻訳)ができません。

どうしましょう?

ちなみに

「ちょうど100と1000の間だから$10^{2.5}$ かな?」

と思う方がいるかもしれません。
ナイスチャレンジ!ですが、残念ながら違います。

これは、逆に $10^{2.5}$ の値を確認すればわかります。
電卓で計算できますから、ちょっとやってみましょう。
電卓で $\sqrt{10}=3.162 \dots$ と計算できますから、これと指数の法則を使って確かめてみます。

$10^{2.5}=10^{(2+\frac{1}{2})}=10^{2}\times 10^{\frac{1}{2}} = 100\sqrt{10} = 100 \times 3.162 \dots = 316.2 \dots$
よって
$10^{2.5} = 316.2 \dots$
となりました。
500 よりも小さい数ですね。ということは、少なくとも、

$ 10^{2.5} < 500 $
$ 2.5 < log_{10}{500} < 3 $

ということになりました。先程よりは範囲を絞れましたが、まだよくわかりません。
実は、さらに $ \log_{10}{500} $ をもっと正確に計算する方法があります。

常用対数表

数Ⅱの教科書や参考書の巻末、あるいはセンター試験の問題冊子の巻末などに「常用対数表」が載っています。
常用対数表は「10の何乗か」が分かる一覧表です。
普通は 1.00~9.99 までの数が、それぞれ10の何乗か載っています。
つまり、

$y=\log_{10}{x}, (1.00 \leqq x \leqq 9.99)$ (x は0.01刻み)

についてyの値が小数第4位までズラリと並んでいます。その表を使えば近似の計算ができます。

それでは、指数の法則を思い出しながら500 が10の何乗か計算してみましょう。
常用対数表で見ると

$y=\log_{10}{5}=0.6990\dots$
つまり
$5=10^{0.6990\dots}$
です。これを利用して、

$500=100 \times 5 = 10^2 \times 5 =10^2 \times 10^{0.6990\dots} = 10^{(2+0.6990\dots)} = 10^{2.6990 \dots}$

よって500の場合は次のようになります。

$500=10^{2.6990\dots}$
$\log_{10}{500}=\log_{10}{10^{2.6990\dots}}=2.6990\dots$

一般に、この数は無理数になります。終わりのない小数になります。
他の数についても同様です。

たとえば 713 ならば、
常用対数表から $\log_{10}{7.13} = 0.8531\dots   \Longrightarrow  7.13=10^{0.8531 \dots}$
$713=100 \times 7.13 = 10^2 \times 10^{0.8531 \dots} =10^2 \times 10^{0.8531\dots} = 10^{(2+0.8531\dots)} = 10^{2.8531 \dots}$
よって
$713=10^{2.8531\dots}$
$\log_{10}{713}=2.8531\dots$

などと求められます。他にも、

$3=10^{0.4771\dots}$
$11=10^{1.0414\dots}$
$59=10^{1.7709\dots}$
$500=10^{2.6990\dots}$
$713=10^{2.8531\dots}$
$1280=10^{3.1072\dots}$
・・・

そして、10のn乗の数は(n+1)桁の数でした。そう考えれば、

$3=10^{0.4771\dots}  \Longrightarrow  $ 3 は約1.4771桁の数
$11=10^{1.0414\dots}  \Longrightarrow  $ 11は約2.0414桁の数
$59=10^{1.7709\dots}  \Longrightarrow  $ 59 は約2.7709桁の数
$500=10^{2.6990\dots}  \Longrightarrow  $ 500は約3.6990桁の数
$713=10^{2.8531\dots}  \Longrightarrow  $ 713 は約3.8531桁の数
$1280=10^{3.1072\dots}  \Longrightarrow  $ 1280は約3.1072桁の数
・・・

この様に対数関数はどんな数でも全て「10の〇乗」で表せますし、「〇桁」とも表せます。
(ただし後でやりますが正の実数に限ります)。

計算サイト

余談ですが、常用対数表の代わりにコンピューターを使えば速いです。
カシオの「ke!san」という神サイトが有名です
https://keisan.casio.jp/exec/system/1260332465

対数関数 $ y=\log_{10}{x} $ でやりたいこと

対数関数は「正の数」を「指数だけの表現」に言い直す関数ということが分かりました。

それを式で書くと、次のようになります。

$ y=\log_{10}{x} $

  • $x$ は $(y+1)$ 桁の数
  • $x$ は $10$ の $y$ 乗

さて、指数でしか数を数えられない宇宙人の話しでした。
どうやらは彼らは、日常的に小数を使うようです。しかも無理数です。
もっとも無理数をどうやって読み上げるのかは不明ですが。

さて、次に対数関数をもうすこし一般化します。

対数関数 $ y=\log_{n}{x} $ の意味

今度は対数関数 $ y=\log_n{x} $ について考えます。 $ y=\log_{10}{x} $ ではありません。 $ y=\log_n{x} $ です。

用語

その前に用語を先に説明します。その方が後々の説明で困りません。

関数 $ y=\log_n{x} $ について、

  • のことを「真数(しんすう)」と呼びます
  • のことを「(てい)」と呼びます
  • 特に $n=10$ のときの $\log_{10}{x}$ を「常用対数」と呼びます

n進数

これまで見たように指数と桁数の関係は

(指数+1)桁

ということが分かりました。ただし、これは私たちが日常使っている「10進数」での話です。
高1の「数A」や「情報」という科目で「n進法」または「n進数」というのを習ったことがあるでしょう。
数の表し方は10進数だけではありません。他にも色々あることを学びました。

あらためて、普通の数を「10進数」と言います。$100 \times 10 = 1000$のように10倍すると桁が上がります。
お馴染みのように10進数の世界では、数を次のように数えますね。

$0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, $
$11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, \dots$

10進数では10ごとに桁が繰り上がります。そのため各位の数には0~9の数しか使いません

一方で例えば、2倍すると桁が上がるような数を2進数といいます。
2進数の世界では次のように数を数えます。

$0, 1, 10, 11, 100, 101, 110, 111, 1000, 1001, 1010, $
$1011, 1100, 1101, 1110, 1111, 10000, 10001, 10010, 10011, 10100, \dots$

2進数では2ごとに桁が繰り上がります。そのため各位の数には0~1の数しか使いません
しかも10進数に比べて、桁の上がり方が速いです。

それでは、2進数で表した数の場合、指数と桁数の関係はどうなっているのでしょうか?

2進数の例

上で見たように、例えば2進数の $1011$ とは10進数の11のことです。
詳細は数Aや情報に譲りますが、2進数を10進数へ直す計算は以下の通りです。

$1010_{(2)}=1\times 2^3 + 0 \times 2^2 + 1 \times 2^1 + 1 \times 2^0=11_{(10)}$

このように2進数の世界で4桁の数は、10進数の世界ではたったの2桁です。
同じ数でも「表し方が何進数か」で「桁」が変わってしまいます。

そして2進数で表した数の $y$ 桁目の数は「$2^{(y-1)}$」の係数になっていました。

$2^0=1_{(2)}$ は2桁の数
$2^1=10_{(2)}$ は2桁の数
$2^2=100_{(2)}$ は3桁の数
$2^3=1000_{(2)}$ は4桁の数
$2^4=10000_{(2)}$ は5桁の数
・・・
$2^y=100 \dots 0_{(2)}$ は(y+1)桁の数

2進数以外でも同様です。
つまり、たとえ何進数であろうと次のことが言えます。

  • 10進数の世界: $10^y$ は $(y+1)$桁の数
  • 2進数の世界: $2^y$ は $(y+1)$桁の数
  • n進数の世界: $n^y$ は $(y+1)$桁の数

n進数の桁数

上の考察を一般化しましょう。

$n^0=1_{(n)}$ はn進数で1桁の数
$n^1=10_{(n)}$ はn進数で2桁の数
$n^2=1000_{(n)}$ はn進数で3桁の数
$n^3=1000_{(n)}$ はn進数で4桁の数
$n^4=10000_{(n)}$ はn進数で5桁の数
・・・
$n^y=100 \dots 0_{(n)}$ はn進数で(y+1)桁の数

これでn進数で表した数xが何桁かを調べることを考えられます。
そのために対数関数 $y=\log_{n}{x}$ が登場します。
よく見てください。$y=\log_{10}{x}$ ではなく $y=\log_{n}{x}$ です。「10」が「n」に変わっています。

つまり関数 $y=\log_{n}{x}$ は、xにある数を入れると、yが「nの何乗か」を表す数になります。
以上から次のことが分かります。

$ y=\log_{n}{x} $

  • $x$ は $(y+1)$ 桁の数
  • $x$ は $n$ の $y$ 乗
  • $x=n^y \Longrightarrow x=n^{\log_{n}{x}}$

こうして、扱う数が何進数であろうと、確かに対数関数は指数や桁数を調べる関数なのだと言えます。

常用対数と一般の対数

ここまでの話を少しまとめます。

対数関数 $ y=\log_n{x} $ は、実用面では n=10 すなわち $ y=\log_{10}{x} $ で用いて「10の何乗か」を求めることが多いです。そのため  $ y=\log_{10}{x} $ のことを特に「常用対数」と呼びます。
数Ⅱではnの表示を省略して単に $y=\log{x}$ と書けば、それは $ y=\log_{10}{x} $ の意味になります。

そして n を色々な数に変えて使うことができます。この様子を式に書いたのが以下です。

  • $ y=\log_{10}{x}   \Longrightarrow$ 10進数の世界でxは(y+1)桁の数
  • $ y=\log_2{x}   \Longrightarrow$ 2進数の世界でxは(y+1)桁の数
  • $ y=\log_3{x}   \Longrightarrow$ 3進数の世界でxは(y+1)桁の数
  • $ y=\log_n{x}   \Longrightarrow$ n進数の世界でxは(y+1)桁の数

負の数はダメ!

対数関数について使用上の注意です。

注意事項

対数関数の「n」や真数「x」必ず0より大きい正の実数でなければなりません。

さて、どうしてnが正なのか。
逆にnが負の数だと何が不都合なのか。
まず、それについて補足しておきます。

負の数と指数の関係を見てみましょう。

  • $(-2)^1=-2, (-2)^2=4, (-2)^3=-8, (-2)^4=16, (-2)^5=-32$
  • $(-n)^1=-n, (-n)^2=n^2, (-n)^3=-n^3, (-n)^4=n^4, (-n)^5=-n^5$

このように負の数のべき乗は、指数が奇数の時は負で、指数が偶数なら正の数になります。
指数が1つ増えるたびに符号が反転してめんどうです。
しかし、面倒なのはこれだけではありません。

  • $(-2)^{1.33}=?$
  • $(-n)^{1.33}=?$

この様に、指数を小数にした瞬間、意味が分からなくなってしまいます。
正の数と負の数の中間の世界???
・・・そんなのありません。

そんなわけで、対数関数の世界では、必ず「底nは正」です。
したがって $ x=n^y $ ですから「真数xも正」です。

※大学で「複素関数論」を学べば真数が負でも計算できるようになります。その場合yは複素数になります。

指数の法則がそのまま公式になっている

対数は指数を表していますから、指数の法則の指数部分の振る舞いが、そのまま公式になります。

指数の法則

  • $ a^x \times a^y = a^{x+y} $
  • $ a^x \div a^y = a^{x-y} $
  • $ (a^x)^y  = a^{x \times y} $
  • $a^0=1$

対数の性質

  • $ \log_a{(a^x \times a^y)} = \log_a{a^{x+y}} = x+y = \log_a{a^x} + \log_a{a^y} $
    よって、 $ log_a{(X \times Y)} = \log_a{X} + \log_a{Y} $
  • $ \log_a{(a^x \div a^y)} = \log_a{a^{x-y}} = x-y = \log_a{a^x} – \log_a{a^y} $
    よって、 $ log_a{(X \div Y)} = \log_a{X} – \log_a{Y} $
  • $ \log_a{ (a^x)^y } = \log_a{a^{x \times y}} = x \times y = \log_a{a^x} \times y =y \log_a{a^x} $
    よって、 $ log_a{X^y} = y\log_a{X} $
  • 上の式で特に $X-a, y=1$ のとき $ log_a{a} = 1 $
  • $\log_{a}{1}=\log_{a}{a^0}=0\times\log_{a}{a}=0\times 1 =0$
    よって、 $\log_{a}{1}=0$

対数の計算公式

  • $ log_a{(X \times Y)} = \log_a{X} + \log_a{Y} $
  • $ log_a{(X \div Y)} = \log_a{X} – \log_a{Y} $
  • $ log_a{X^y} = y\log_a{X} $
  • $ log_a{a} = 1 $
  • $\log_a{1} = 0$

この公式は難しそうですが、次のように言葉で理解してしまった方が覚えやすいです。

対数の計算公式の覚え方

  • かけ算はたし算に
  • わり算はひき算に
  • べき乗はかけ算に
  • 底と真数がそろったら1
  • 真数が1なら常に0

対数のこうした公式(性質)の利用法やメリットを知れば、もうすこし馴染みが出てきます。続いて、それを見てみましょう。

底の変換公式

数Ⅱの対数関数で重要な公式がもう1つあります。
ただし、これは丸暗記した方が速いので、成立する理由の説明は省略し、ただ載せるだけにします。

  • 底 nを底mに変換するための公式
    $$\log_{n}{x}=\frac{\log_{m}{x}}{\log_{m}{n}}$$

底の変換公式の覚え方

  • 古い底が分母、古い真数が分子

かけ算を足し算に、割り算をひき算に変換する!?

対数関数の便利な効能と、その使い方をご紹介します。

対数関数の効能(公式の意味)

  • かけ算を足し算に変換する
  • わり算をひき算に変換する
  • べき乗はかけ算に変換する

この性質を応用すると、指数でグチャっとなっている式を、足し算と引き算で解きほぐすことができます。

例えば、こんな問題です。

3つの正の実数 $x, y, a>0$ において、次の連立方程式 $ a^x=2a^y $ かつ $ x-2y=0 $ を満たすような a を求めよ。

与式 $ a^x=2a^y $ が指数のお化け団子です。これだけでは解きようがありません。そこで対数( log )を使います。

$ a^x=2a^y $ の両辺について、 $a$ を底とする対数をとると、

$ \log_a{a^x}=\log_a{(2a^y)} $
$ x=y\log_a{(2a)} $
$ x=y(\log_a{2}+\log_a{a}) $
$ x=y(\log_a{2}+1) $

ここで $ x-2y=0 $ すなわち $ x=2y $ を代入して

$ 2y=y(\log_a{2}+1) $

$y>0$ だから両辺を $y$ で割って

$ 2=\log_a{2}+1 $
$ 1=\log_a{2} $
$ a=2 $

このように対数を使えば求める事ができます。

まとめ

  • 対数関数 $ y=\log_{n}{x}, (n>0, かつ x>0)$
  • nに負の数が定義されることはありません!
  • xに負の数を入れてはいけません!
  • $ log_a{(X \times Y)} = \log_a{X} + \log_a{Y} $
  • $ log_a{(X \div Y)} = \log_a{X} – \log_a{Y} $
  • $ log_a{X^y} = y\log_a{X} $
  • $ log_a{a} = 1 $
  • $\log_a{1} = 0$
  • $\log_{n}{x}=\frac{\log_{m}{x}}{\log_{m}{n}}$
  • 対数を使えば指数でグチャっとなった式を解きほぐせる

1カ月も悩んだ生徒に15分講義したらスッキリ

学校の授業が全く分からない!

これは偏差値の低い高校だから起こる、というものではありません。少なくとも生徒たちの生の声を聞く限り、むしろハイレベル(偏差値60~65くらい)の高校の方が、そういう生徒の割合が高いです。
そして、この傾向は公立高校の方が私立高校よりも顕著です。

うちの生徒たちで言えば、天白高校、昭和高校、菊里高校ですね。

高校の先生にしてみれば、生徒の優秀さに期待して

「高度な授業を見せてやりたい。」

という熱意があると思います。

一方、それはなかなか厳しいのが現実のようです。
多くの生徒たちが、ついて行けなくなっている印象です。

たとえ優秀な高校の生徒であろうと、基礎を飛ばして応用はできないということですね。
予備校のハイレベルコースならともかく、現役の高校生は単元の基礎から初めてなのですから。

このことから、基礎と応用の間は、思ったほど距離が離れているワケではないのかもしれません。
むしろ基礎の奥深い理解こそが、応用とも言えますね。

もちろん偏差値の高い進学校では、教科書の予習はしてくるのが前提でしょう。
確かに、現在はネットで多くのことを自分で調べられるようになりましたから、予習はし易いと想像できます。
「高校は義務教育ではない」と言ってしまえばそれまでですが。

それでは100歩譲って、自分で予習しても学校の授業について行けなかったとしたら、その理由は何でしょうか?

それが上で述べたような「目的が分からない」ということだと思います。
要は納得感の問題です。
食わず嫌いで頭に入らなくなっています。

そこで、

  • 「この章では何がしたいのか?」
  • 「この数式は何がしたいのか?」

という話をします。
解法や暗記ポイントとは全く違う視点なのですが、優秀な生徒ほど、案外こうした動機付けが功を奏します。
きっと、そういう目的を最初に生徒たちへ明示する必要があるのでしょう。
実際、

「先生、学校の数学の授業なんですが、ここ1か月の間、ぜんぜん何やってるか分かりません!」

と助けを求めて来る生徒に、私が15分講義しただけでスッキリして帰る、という場合も珍しくありません。

そのような場合、私は大したことはしていません。
数学のその単元で

「何をしたいのか?」
「何を受け入れるべきか?」

というポイントを先に教えるだけです。
細かい計算や確認は、むしろ本人に任せてしまいます。もちろんチェックはしますけどね。
任せた上で、詰まった所だけフォローする方が効率的な場合もあるからです。

単元の「目的」が生徒の学習脳を動かす?

上記のような経験から言えることは何でしょうか。

「単元の目的を共有する」

これが学習の効率を高めるのだと私は思います。
このことは偏差値とは関係ないことも分ってきました。
どのようなレベルの高校の生徒だとしても、単元の目的を明確にしてあげると、勉強が加速します。

いざ問題を解き始めれば、生徒たちの頭の中には

「自分で理解して、自分で解き切りたい」

という欲求が強く働いています。
そのため、解法の全てを解説してしまうと、むしろしつこいというか、嫌がられます。

「あー、そこまでは自分で解けたかもしれないのに、なんで先に言っちゃうの!」

というふうに思われれしまいます。
推理小説で、先に犯人の名前を言われてしまうような、ネタばらしをされたような、そんな感覚です。

解く過程の全てまで教えてしまうのは、親切な事ではありません。
むしろ本人が自分の頭を使う機会を奪ってしまいます。成長のチャンスを奪ってしまうのです。
脳は動かさなければさび付いていきます。動かす機会を奪ってはいけません。

ですから、うちは余計な解説はしない、という指導水準になっています。
いかに良いヒントを出すか。それが講師の腕の見せ所です。

逆に、このことに納得できないと、成績は伸びません。

「手とり足とり教えます」

これが親切だと思われるのは錯覚です。塾長はそう思います。
そういう塾には自分の子供を入れたくないですね。
頭が悪くなりそうです。

〈余談〉高校の関数が難しいのには理由がある!?

実は、高等数学の関数が「難しい」と感じるのには、ちゃんとした理由があります。
それは関数の振る舞いが、人間のもつ「経験則」と合わないからです。
グラフの意味をなかなか想像できないからです。

人間は過去に繰り返された経験から

「きっと次も同じようになるだろう」

と予想して未来に備えるように進化してきました。
そして次のように、他の動物よりも「経験則」を細かく把握できます。

  • 川の水位が毎日3cmずつ増えているから、きっと明日も今日より3cm増えるだろう。(比例という経験則)
  • 村の人口が2倍、3倍に増えていけば、自分の収穫高は1/2、1/3に減っていく。(反比例という経験則)

つまり次のように理解するのが人間の持つ感覚です。

  • 「伴なって増える」→「比例」
  • 「相反して減る」→「反比例」

このように小学校や中学校からお馴染みの「比例」や「反比例」は、人間が本能的に持つ経験則を数字で表したものです。
もちろんグラフの読み書きは練習する必要がありますが、グラフの意味は人生経験に置き換えて理解することができます。
ですから、比例や反比例までなら義務教育で全員に学ばせても、そう無理はないだろう、ということです。

関数が難しい理由の本質とは?

そうすると、高等教育の数学において、

「関数がわかり易い」

と皆さんがおっしゃるのは、

「比例や反比例の感覚で納得ができる」

ということになるわけです。
逆に比例や反比例で解釈できないものは

「わかり難い関数」

ということになります。
これが関数が容易か難しいかの本質です。

そして三角関数や対数関数は、比例や反比例ではありません。

ですから11月~12月にかけて、多くの高校2年生が対数関数で頭を抱えます。

こうした生徒の理解構造まで把握したうえで、高等数学は教える必要があります。
ひたすら式の意味だけを説明したところで、ほとんどの生徒は納得できないわけです。

単元の目的を共有し、そして教え過ぎない。
特に新しい概念を導入する時は、生徒がそれまでに学んできた知識体系、つまり理解構造を意識して教える。

そのようなことが大切だと思います。

 


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