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// 条件1に該当しない場合の処理

対数関数

高校生から数学の質問「 e って何ですか?」

ネイピア数について考えている男性

塾長です。

みなさん、進学、進級おめでとうございます!

さて、ちょっと前まではインフルエンザやコロナが大流行しましたね。
3学期は学校を欠席する生徒がとても多かったです。

そんな中、とある高校3年生からこんな質問を受けました。

数Ⅲのeって何ですか?

近隣の公立高校は、高2の3学期ころから数Ⅲに入ります。
そこで関数の微分を習ったはずですが、そのころにインフルエンザで学校を休んでいたようです。
かわいそうに。

この数の説明をググって調べてみたのですが、意外と出てこない。
そこで説明しました。
ここにも備忘録として書いておきますので、忘れたらまた見てください。

高校で習うネイピア数

高校数学で初めて出てくる $e$ という文字は「ネイピア数」と呼ばれる数です。
円周率 $\pi$ と同じように小数点以下が無限に続くので文字 $e$ で表します。

今どきの高校生が、ネイピア数に初めて出会うのは数Bの統計です。
正規分布の確率密度関数として間接的に e が紹介されます。

標準正規分布 $ N(0, 1) $ に従う確率変数zの確率密度関数

$$ f(x) = \frac{1}{ \sqrt{2\pi} } e^{- \frac{z^2}{2} } $$

ただし数Bでは紹介だけで「ふーん、そういう数があるんだー」くらいです。
ネイピア数の性質には触れず、この関数を直接計算するわけでもなく、実際には正規分布表を見て問題を解くからです。

次にネイピア数を目にするのは、数Ⅲです。
導関数の単元で習います。

ネイピア数を定義せよ

ネイピア数は、対数関数の導関数を求めるときに、必要性に迫られて定義します。
(少なくとも数Ⅲではそういうモチベーションでの導入だったと思います)

導関数の定義に従って対数関数

$$ f(x) = log_e x  (x>0) $$

の導関数を導きましょう.

ここで $e$ を何かしらの正の実数定数とします。
(この段階ではまだネイピア数を知りません。たまたま e という文字を使っただけ、という体裁です)

$$ \begin{eqnarray}
f'(x) &=&  \lim_{h \to 0} \frac{ log_e (x+h) – log_e (x) }{ h } \\
&=& \lim_{h \to 0} \frac{ log_e ( \frac{x+h}{x} ) }{ h } \\
&=& \lim_{h \to 0} \frac{1}{h}  log_e ( \frac{x+h}{x} ) \\
&=& \lim_{h \to 0} \frac{1}{h}  log_e ( 1 + \frac{h}{x} ) \\
&=& \lim_{h \to 0}  log_e ( 1 + \frac{h}{x} )^{ \frac{1}{h} } \\
\end{eqnarray} $$

ここから計算を進めるにあたり、$ x $ がカッコの中にあるのはやりずらいです。
そこで次のように置換しましょう。

$$ \frac{h}{x} = \frac{1}{t} $$

すなわち

$$ \frac{1}{h} = \frac{t}{x} $$

とすれば、

$$ h \to 0  のとき  t \to \infty $$

ですから、

$$ \begin{eqnarray}
\lim_{h \to 0}  log_e ( 1 + \frac{h}{x} )^{ \frac{1}{h} } &=& \lim_{t \to \infty}  log_e ( 1 + \frac{1}{t} )^{ \frac{t}{x} } \\
&=& \lim_{t \to \infty}  log_e ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t \frac{1}{x} } \\
&=& \lim_{t \to \infty} \frac{1}{x} log_e ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } \\
\end{eqnarray} $$

となります。
めでたくカッコの外に $ x $ を追い出せました。
あとは、

$$ \lim_{t \to \infty} log_e ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } $$

の値、もっと言えば、

$$ \lim_{t \to \infty} ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } $$

の値がどうなるか?
という問題だけに集中できます。

実は、この極限値は収束することが知られています(※)
そこで、あらためて次のように定義します。

$$ e \stackrel{\rm{def}}{\equiv} \lim_{t \to \infty} ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } $$

そして対数の底をこの $e$ だということにすれば、

$$ \begin{eqnarray}
\lim_{t \to \infty} \frac{1}{x} log_e ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } &=& \frac{1}{x} log_e e \\
&=& \frac{1}{x}
\end{eqnarray} $$

とできてキレイにまとまります。
計算の結論をまとめます。

$$ (log_e x)’ = \frac{1}{x} $$
$$ e \stackrel{\rm{def}}{\equiv} \lim_{t \to \infty} ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } $$

このように対数関数の導関数をキレイに表すことができる数がネイピア数なのでした。

※ 収束することの証明は大学数学になります。ただし「少なくとも3未満」であることは高校生でも二項定理を使えば示せるでしょう。

ネイピア数の性質

対数関数 $ y = log_e x$ と指数関数 $ y=e^x $ は逆関数の関係です。

ネイピア数を底とする対数関数の導関数がキレイになるであれば、指数関数もキレイになるかもしれません。
実はこれも以下のような公式が知られています。

$$ (e^x)’ =  e^x $$

証明は難しいですが、高校数学では必須の公式です(※)。
これが分かると、底が $e$ でない対数関数や指数関数の導関数も計算できます。

$$ log_a x = \frac{ log_e x }{ log_e a} = \frac{ 1 }{ log_e a} log_e x $$

ですから、

$$ (log_a x)’= \frac{1}{ log_e a} \frac{ 1 }{ x } $$

です。
また指数関数 $ y=a^x$ の導関数についても

$$ a = e^k \Leftrightarrow k = log_e a $$

および

$$ a^x = (e^{k})^{x} = e^{kx} $$

を考えあわせれば、

$$ \begin{eqnarray}
(a^x)’ &=& (e^{kx})’ \\
&=& e^{kx} (kx)’ \\
&=& e^{kx} k \\
&=& e ^{kx} log_e a \\
&=& (e ^{k})^{x} log_e a \\
&=& a^{x} log_e a
\end{eqnarray} $$

と公式を導けます。

※ 逆に $ (a^x)’ =  a^x $ となるような指数関数の底を $ e $ と定義する考えもあります。
導関数の定義に従って計算すると以下のように、その条件式が出て来ます。

$$ \begin{eqnarray}
(e^x)’ &=&  \lim_{h \to 0} \frac{ a^{x+h} – a^x}{ h } \\
&=&  \lim_{h \to 0} \frac{ a^{x} (a^h – 1) }{ h } \\
&=&  \lim_{h \to 0} a^{x} \frac{  (a^h – 1) }{ h } \\
\end{eqnarray} $$

ここで $ (a^x)’ =  a^x $ となるためには

$$ \lim_{h \to 0} \frac{  (a^h – 1) }{ h } = 1 $$

であることが必要。ここで逆説的ではありますが、

$$ \frac{  (a^h – 1) }{ h } = 1 $$

を変形してみましょう。両辺に $ h $ をかけて移項したりします。

$$ a^h – 1 = h $$
$$ a^h = 1 + h $$
$$ a = (1 + h)^{\frac{1}{h}} $$

となりますから、再び極限を取ることを考えて、

$$ e \stackrel{\rm{def}}{\equiv} \lim_{h \to 0} ( 1 + h )^{ \frac{1}{h} } $$

となりそうなことは直感的に理解できます。
さらに $ h = \frac{1}{t} $ とすれば最初と同じ定義になります。

少しだけ大学の数学へ

ネイピア数を底とした指数関数の性質を使えば、多くの「微分方程式」を解くことができます。
高校生にとって微分方程式は聞きなれない言葉かもしれません。
学校によっては積分法の発展として「主体的な学び」のネタとして、ちょっとだけ紹介する先生がいるかもしれませんが、せいぜいそのくらいでしょうか。

一方、国際高校でバカロレアの教育課程を学んでいる生徒たちは、高校3年生の数学で微分方程式を解く必要があります。

そんなわけで、少しだけ微分方程式の話をしておきます。

微分方程式とは、未知の関数とその導関数の関係を表す方程式のことです。
微分方程式の解は関数になります。

高校生の知識では、不定積分の計算がその1例と言えます。
たとえば微分方程式 $ y’=x^2  $ を満たす関数は、不定積分で $ y=\frac{1}{3}x^3+C $ と分かります。

微分方程式の視点で、あらためて次の式の意味を考えてみましょう。

$$ (e^x)’ =  e^x $$

これは、

「ネイピア数を底とする指数関数は、微分しても積分しても式が変わらない!」

と言う意味です。そんな関数があるのですね。

そして上の式をyで書き換えた微分方程式

$$ y’=y  $$

は「微分した後の式 y’ が元の式 y と同じで変わらないような関数を求めよ」と言う意味になります。
上の公式から、これを満たす式の1つ(微分方程式の解)が

$$ y = e^x $$

と言えるのです。
さらに一般には $C$ を定数として(以後も同様にCを定数とします)、

$$ y = C e^x $$
$$ y’ = C e^x $$

と言えます。
これが他の微分方程式を解く上で大きなヒントになります。
例えば、少しだけ変えて微分方程式

$$ y’=ay  $$

を満たす関数は何でしょうか?
合成関数の微分を想像すれば、

$$ y=C e^{ax} $$

分かります。なぜなら

$$ y’ = (C e^{ax})’ = C e^{ax} (ax)’ = C e^{ax} a = ay $$

と確かめられるからです。さらにもう少し変えて

$$ y’=\frac{1}{x} y  $$

ならばどうでしょう?
これも合成関数の微分の発想で、

$$ y=C e^{log_e x} $$

だろうと分かります。

$$ y’ = (C e^{log_e x})’ = C e^{log_e x} (log_e x)’ = C e^{log_e x} \frac{1}{x} = \frac{1}{x} y $$

と確かめられます。
$ \frac{1}{x} $ の部分をもう少し一般化して $ g(x) $ と表し、

$$ y’ = g(x) y $$

としておきます。さらに

$$ \int g(x) dx  = G(x) $$

とすれば、きっとこの微分方程式 $ y’ = g(x) y $ を満たす関数は、

$$ y = C e^{G(x)} $$

なのだろうとわかってきます。そこで $ g(x) $ を見やすい形に変形した微分方程式

$$ \frac{y’}{y} = g(x) $$

すなわち

$$ \frac{1}{y} \frac{dx}{dy} = g(x) $$

の形を1つの解法パターンにしよう・・・

という具合に、微分方程式を解けるパターンを増やしていけます。

このように、ネイピア数はとても偉大なのでした。

最後に有名な関係式を1つ紹介して終わりましょう。

$$ e^{i \pi} = -1 $$

$ i $ は虚数単位 $ i^2 = -1 $ の $ i $ です。
数学で重要とされる2つの超越数 $ e, \pi $ および実数単位と虚数単位の $ 1,i $  そしてマイナスの符号だけが成る関係式です。

塾長が浪人生だったとき、予備校の数学の先生からいただいた本に、この式が載っていました。
とても衝撃を受けたのを覚えています。
ところが今の時代の教科書には、オイラーの公式

$$ e^{i \theta} = cos \theta + i sin \theta $$

がちゃんと載っていますね。

※ 一般に、微分方程式を解くのはとても難しいです。むしろ解けない方が普通です。解けない場合は方程式が分からないのですが、微分方程式のままコンピューターで計算してしまう、というアプローチが取れるときもあります。

あとがき

塾長が大学受験生だった頃は、物理の難問を解くときに微分方程式を少し解ける必要がありました。
その頃の教科書では、高校数学で簡単な微分方程式を少しだけ習いましたが、物理に出てくる微分方程式の方が難しかったです。
数学は数学で、高校で習わないような行列の固有値問題や、直交座標系を固有ベクトルを用いた座標系に変換するような問題が出題されていました。

何にせよ、塾長が高校生のころは「受験戦争」と言われたブラックな時代でした。
入試は「多すぎる受験生を切り落とすため」の意味あいがとても強く、高校で習っていないことが普通に出題されました。
予備校に通っていない生徒や、受験情報が希薄な田舎の生徒たちが、学校の勉強だけで難関大学へ挑戦するなど、ほとんど無理ゲーでした。

あれからウン十年か経ちまして・・・

かつて予備校で習ったような裏技や定理の多くが、今や教科書にきちんと載っています。
教科書が厚くなったのは大変ですが、予備校に行かなくても出題範囲を網羅できるという意味では、かなりフェアな時代になったと思います。

しかもインターネットで入試情報が簡単に調べられます。
予備校へ行かなくても、良い参考書や大学の出題傾向などを調べることができます。
ガチで一般受験に挑戦するにしても、自分の決意次第でできることが多く、とても羨ましい時代になったと思います。

あるいは、少子化で「受験戦争」という雰囲気は薄れ、受験らしい受験をせずとも、過半数の生徒たちは大学まで進学できるようになりました。
ガチで入試へ挑まなくても進学できてしまいます。

このような状況ですから、もっと伸び伸びと学んでほしいと思います。

たまたま今回は生徒からの質問をきっかけに数学の話を紹介しました。
しかし何の教科や何の分野であれ、自分が興味関心の強いことに関しては、教科書の範囲にとらわれず、つき進めて良いと思います。
そういうのが1つでも見つかれば、それはとても幸せなことでしょう。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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対数関数 log で1カ月悩んだ高校生が15分の解説でスッキリした話し

対数関数が分からないと悩む学生の絵

塾長です。

高校2年生の数Ⅱでは、対数関数で混乱する生徒が多いです。$ \log_3{\frac{1}{3}}=-1 $ とか $ y=\log_3{x} $ とかです。対数関数は独学ではなかなか理解できない単元の1つです。

そういえば数年前、天白高校の男の子も悩んでいました。しかも1か月間も。あの時は、私が15分説明しただけでスッキリしてくれました。ちょっとコツがあるんですよね。まぁ何がコツかは生徒それぞれなのですが。

そこで今回は、その15分で説明した内容を書きます。
とは言え、文章にすると、けっこうな量になってしまいました。初学者は15分では読めないかもしれません。やっぱり授業はライブの方が効率が良いですね。

対数関数の意味が分からない

数学Ⅱで登場する新しい関数といえば、三角関数指数関数対数関数
中でも対数関数で混乱する生徒が毎年多いです。

この関数だけが全く新しい考え方をしているように思えるからでます。それで、

「はぁ? だから何? 何がうれしいの?」
「いきなり、いったい何なの?」

という反応になります。怒りすら覚えます。
そういう時は、いきなり対数関数の性質やグラフを云々ではなく、まず

対数関数で何がしたいのか

を説明した方が良いです。

数学で分からなくなったら「何がしたいのか?」をとらえる

新しい単元に入ったら、まず目的を共有します。
それができないのに説明しても頭に入りません。

一方、教科書では指数関数を学んでから対数関数を学びます。その流れで

対数関数は指数関数の逆関数である!」

などと端的に書かれています。
数学の好きな人には「簡潔で美しい」と飲みこめるのでしょうが、一般の人には味が濃すぎて喉を通りません。
初学者には難しい説明ですね。

同じ意味でも、もっとかみ砕いて

「対数関数 $y=\log_{n}{}x$nは、xを『nの〇乗』で言い直す関数です。」

と考えた方が解りやすいです。
さらに、それがどういうことなのか、いくつか具体的に経験して納得するのが良いでしょう。

  • 直ぐに具体例を書き出してみる
  • 何かを当てはめてやってみる

それが理解の近道です。

対数関数は「何桁の数か」を調べる関数

いくら難しい「対数関数」と言えども「関数」です。自動販売機と一緒です。

  • 自動販売機: 「ボタンを押せば、ジュースが出てくる」
  • 関数   : 「xを決めたらyが決まる

という仕組みです。

  • 「ボタンがx、ジュースがy」
  • xが原因、yが結果

くらいに考えればOKです。この大枠は関数が何であろうと一緒です。
そこで、まず、なにか新しい関数が出てきたら「xの意味とyの意味」を押さえましょう。

ここで先に対数関数の「感覚」を身に着けてもらうために、しばらくの間は $ y=\log_{10}{x} $ だけに話を絞ります。もちろんその後で $ y=\log_{2}{x} $ や $ y=\log_{3}{x} $ などの話しもします。

対数関数 $ y=\log_{10}{x} $ の意味

対数関数 $ y=\log_{10}{x} $ は、xに正の実数を入れると、それが「10の何乗か」を答えてくれる関数です。

  • 対数関数: 「xが実数、yが ”10の何乗” 」

仕組みとか計算方法とか、とりあえず細かい話は横に置いておきましょう。
とにかく対数関数はxを決めるとyは「〇乗」を表す値になります。
つまり、

$ y=\log_{10}{x} $ の$x$ に $1000=10^3$ を代入すると $y=3$ になります。

$ y=\log_{10}{1000}=3 $

そして実は、これで「何桁の数か」も分かります。

具体的に並べれば、

$10^1=10$ は2桁の数
$10^2=1000$ は3桁の数
$10^3=1000$ は4桁の数
$10^4=10000$ は5桁の数
・・・
$10^y=100 \dots 0$ は(y+1)桁の数

と考えられるからです。つまり、次のことが分かる関数です。

$ y=\log_{10}{x} $

  • $x$ は $(y+1)$ 桁の数
  • $x$ は $10$ の $y$ 乗

桁数を知って何に利用する?

物理や化学では、桁数を求める計算をよく使います。極端に大きな数や極端に小さな数を扱うからです。
たとえば炭素12グラムに含まれる炭素原子の数は$6.02 \times 10^{23}$個などと言われます。

602000000000000000000000個です。

こうなると

6020839862345984129123223個 だろうが、
602010000000000000531000個 だろうが、

ほとんど同じです。数が多すぎて原子を1つ1つ数える人はいないですし、数えたところでその数字の利用価値はないです。そんな細かい数字の正確さよりも「24桁の数」というサイズ感の方が重要です。
酸やアルカリの強さを計算するときや、電波で通信したりコンピューターの性能を表すときなんかもそうです。
大きすぎる数や小さすぎる数を扱う時、桁数を知ることがまず重要になってきます。

そういう時に対数関数が良く使われます。

あらゆる数を「10の〇乗」で表したらどうなるか?

突然ですが、もしも

「指数でしか数字を理解できない」

そんな宇宙人がいたらどうでしょう。彼らの宇宙語は、いったいどんな数でしょうか?

その翻訳には対数関数が使えます。私たちが日常使っている数を「10の何乗か」つまり「指数」に言い換えられるからです。さっそく翻訳に取り掛かりましょう。

$1=10^0 ⇔ \log_{10}{1}=0  \Longrightarrow  1 は宇宙語で0$
$10=10^1 ⇔ \log_{10}{10}=1  \Longrightarrow 10 は宇宙語で1$
$100=10^2 ⇔ \log_{10}{100}=2  \Longrightarrow 100 宇宙語で2$
$1000=10^3 ⇔ \log_{10}{1000}=3  \Longrightarrow 1000 宇宙語で3$

こんな感じでしょう。
それなら、例えば次の場合はどうでしょう?

$500=10^{?} ⇔ \log_{10}{500}=?  \Longrightarrow 500 は宇宙語で?$

100 < 500 < 1000
ですから、
$ log_{10}{100} < log_{10}{500} < log_{10}{1000} $
$ log_{10}{10^2} < log_{10}{500} < log_{10}{10^3} $
$ 2 < log_{10}{500} < 3 $
となって、おそらく

$ 500=10^{2.???}  \Longrightarrow  500 は宇宙語で2と3の間の数?$

となりそうです。
しかし、これ以上は計算(翻訳)ができません。

どうしましょう?

ちなみに

「ちょうど100と1000の間だから$10^{2.5}$ かな?」

と思う方がいるかもしれません。
ナイスチャレンジ!ですが、残念ながら違います。

これは、逆に $10^{2.5}$ の値を確認すればわかります。
電卓で計算できますから、ちょっとやってみましょう。
電卓で $\sqrt{10}=3.162 \dots$ と計算できますから、これと指数の法則を使って確かめてみます。

$10^{2.5}=10^{(2+\frac{1}{2})}=10^{2}\times 10^{\frac{1}{2}} = 100\sqrt{10} = 100 \times 3.162 \dots = 316.2 \dots$
よって
$10^{2.5} = 316.2 \dots$
となりました。
500 よりも小さい数ですね。ということは、少なくとも、

$ 10^{2.5} < 500 $
$ 2.5 < log_{10}{500} < 3 $

ということになりました。先程よりは範囲を絞れましたが、まだよくわかりません。
実は、さらに $ \log_{10}{500} $ をもっと正確に計算する方法があります。

常用対数表

数Ⅱの教科書や参考書の巻末、あるいはセンター試験の問題冊子の巻末などに「常用対数表」が載っています。
常用対数表は「10の何乗か」が分かる一覧表です。
普通は 1.00~9.99 までの数が、それぞれ10の何乗か載っています。
つまり、

$y=\log_{10}{x}, (1.00 \leqq x \leqq 9.99)$ (x は0.01刻み)

についてyの値が小数第4位までズラリと並んでいます。その表を使えば近似の計算ができます。

それでは、指数の法則を思い出しながら500 が10の何乗か計算してみましょう。
常用対数表で見ると

$y=\log_{10}{5}=0.6990\dots$
つまり
$5=10^{0.6990\dots}$
です。これを利用して、

$500=100 \times 5 = 10^2 \times 5 =10^2 \times 10^{0.6990\dots} = 10^{(2+0.6990\dots)} = 10^{2.6990 \dots}$

よって500の場合は次のようになります。

$500=10^{2.6990\dots}$
$\log_{10}{500}=\log_{10}{10^{2.6990\dots}}=2.6990\dots$

一般に、この数は無理数になります。終わりのない小数になります。
他の数についても同様です。

たとえば 713 ならば、
常用対数表から $\log_{10}{7.13} = 0.8531\dots   \Longrightarrow  7.13=10^{0.8531 \dots}$
$713=100 \times 7.13 = 10^2 \times 10^{0.8531 \dots} =10^2 \times 10^{0.8531\dots} = 10^{(2+0.8531\dots)} = 10^{2.8531 \dots}$
よって
$713=10^{2.8531\dots}$
$\log_{10}{713}=2.8531\dots$

などと求められます。他にも、

$3=10^{0.4771\dots}$
$11=10^{1.0414\dots}$
$59=10^{1.7709\dots}$
$500=10^{2.6990\dots}$
$713=10^{2.8531\dots}$
$1280=10^{3.1072\dots}$
・・・

そして、10のn乗の数は(n+1)桁の数でした。そう考えれば、

$3=10^{0.4771\dots}  \Longrightarrow  $ 3 は約1.4771桁の数
$11=10^{1.0414\dots}  \Longrightarrow  $ 11は約2.0414桁の数
$59=10^{1.7709\dots}  \Longrightarrow  $ 59 は約2.7709桁の数
$500=10^{2.6990\dots}  \Longrightarrow  $ 500は約3.6990桁の数
$713=10^{2.8531\dots}  \Longrightarrow  $ 713 は約3.8531桁の数
$1280=10^{3.1072\dots}  \Longrightarrow  $ 1280は約3.1072桁の数
・・・

この様に対数関数はどんな数でも全て「10の〇乗」で表せますし、「〇桁」とも表せます。
(ただし後でやりますが正の実数に限ります)。

計算サイト

余談ですが、常用対数表の代わりにコンピューターを使えば速いです。
カシオの「ke!san」という神サイトが有名です
https://keisan.casio.jp/exec/system/1260332465

対数関数 $ y=\log_{10}{x} $ でやりたいこと

対数関数は「正の数」を「指数だけの表現」に言い直す関数ということが分かりました。

それを式で書くと、次のようになります。

$ y=\log_{10}{x} $

  • $x$ は $(y+1)$ 桁の数
  • $x$ は $10$ の $y$ 乗

さて、指数でしか数を数えられない宇宙人の話しでした。
どうやらは彼らは、日常的に小数を使うようです。しかも無理数です。
もっとも無理数をどうやって読み上げるのかは不明ですが。

さて、次に対数関数をもうすこし一般化します。

対数関数 $ y=\log_{n}{x} $ の意味

今度は対数関数 $ y=\log_n{x} $ について考えます。 $ y=\log_{10}{x} $ ではありません。 $ y=\log_n{x} $ です。

用語

その前に用語を先に説明します。その方が後々の説明で困りません。

関数 $ y=\log_n{x} $ について、

  • のことを「真数(しんすう)」と呼びます
  • のことを「(てい)」と呼びます
  • 特に $n=10$ のときの $\log_{10}{x}$ を「常用対数」と呼びます

n進数

これまで見たように指数と桁数の関係は

(指数+1)桁

ということが分かりました。ただし、これは私たちが日常使っている「10進数」での話です。
高1の「数A」や「情報」という科目で「n進法」または「n進数」というのを習ったことがあるでしょう。
数の表し方は10進数だけではありません。他にも色々あることを学びました。

あらためて、普通の数を「10進数」と言います。$100 \times 10 = 1000$のように10倍すると桁が上がります。
お馴染みのように10進数の世界では、数を次のように数えますね。

$0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, $
$11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, \dots$

10進数では10ごとに桁が繰り上がります。そのため各位の数には0~9の数しか使いません

一方で例えば、2倍すると桁が上がるような数を2進数といいます。
2進数の世界では次のように数を数えます。

$0, 1, 10, 11, 100, 101, 110, 111, 1000, 1001, 1010, $
$1011, 1100, 1101, 1110, 1111, 10000, 10001, 10010, 10011, 10100, \dots$

2進数では2ごとに桁が繰り上がります。そのため各位の数には0~1の数しか使いません
しかも10進数に比べて、桁の上がり方が速いです。

それでは、2進数で表した数の場合、指数と桁数の関係はどうなっているのでしょうか?

2進数の例

上で見たように、例えば2進数の $1011$ とは10進数の11のことです。
詳細は数Aや情報に譲りますが、2進数を10進数へ直す計算は以下の通りです。

$1010_{(2)}=1\times 2^3 + 0 \times 2^2 + 1 \times 2^1 + 1 \times 2^0=11_{(10)}$

このように2進数の世界で4桁の数は、10進数の世界ではたったの2桁です。
同じ数でも「表し方が何進数か」で「桁」が変わってしまいます。

そして2進数で表した数の $y$ 桁目の数は「$2^{(y-1)}$」の係数になっていました。

$2^0=1_{(2)}$ は2桁の数
$2^1=10_{(2)}$ は2桁の数
$2^2=100_{(2)}$ は3桁の数
$2^3=1000_{(2)}$ は4桁の数
$2^4=10000_{(2)}$ は5桁の数
・・・
$2^y=100 \dots 0_{(2)}$ は(y+1)桁の数

2進数以外でも同様です。
つまり、たとえ何進数であろうと次のことが言えます。

  • 10進数の世界: $10^y$ は $(y+1)$桁の数
  • 2進数の世界: $2^y$ は $(y+1)$桁の数
  • n進数の世界: $n^y$ は $(y+1)$桁の数

n進数の桁数

上の考察を一般化しましょう。

$n^0=1_{(n)}$ はn進数で1桁の数
$n^1=10_{(n)}$ はn進数で2桁の数
$n^2=1000_{(n)}$ はn進数で3桁の数
$n^3=1000_{(n)}$ はn進数で4桁の数
$n^4=10000_{(n)}$ はn進数で5桁の数
・・・
$n^y=100 \dots 0_{(n)}$ はn進数で(y+1)桁の数

これでn進数で表した数xが何桁かを調べることを考えられます。
そのために対数関数 $y=\log_{n}{x}$ が登場します。
よく見てください。$y=\log_{10}{x}$ ではなく $y=\log_{n}{x}$ です。「10」が「n」に変わっています。

つまり関数 $y=\log_{n}{x}$ は、xにある数を入れると、yが「nの何乗か」を表す数になります。
以上から次のことが分かります。

$ y=\log_{n}{x} $

  • $x$ は $(y+1)$ 桁の数
  • $x$ は $n$ の $y$ 乗
  • $x=n^y \Longrightarrow x=n^{\log_{n}{x}}$

こうして、扱う数が何進数であろうと、確かに対数関数は指数や桁数を調べる関数なのだと言えます。

常用対数と一般の対数

ここまでの話を少しまとめます。

対数関数 $ y=\log_n{x} $ は、実用面では n=10 すなわち $ y=\log_{10}{x} $ で用いて「10の何乗か」を求めることが多いです。そのため  $ y=\log_{10}{x} $ のことを特に「常用対数」と呼びます。
数Ⅱではnの表示を省略して単に $y=\log{x}$ と書けば、それは $ y=\log_{10}{x} $ の意味になります。

そして n を色々な数に変えて使うことができます。この様子を式に書いたのが以下です。

  • $ y=\log_{10}{x}   \Longrightarrow$ 10進数の世界でxは(y+1)桁の数
  • $ y=\log_2{x}   \Longrightarrow$ 2進数の世界でxは(y+1)桁の数
  • $ y=\log_3{x}   \Longrightarrow$ 3進数の世界でxは(y+1)桁の数
  • $ y=\log_n{x}   \Longrightarrow$ n進数の世界でxは(y+1)桁の数

負の数はダメ!

対数関数について使用上の注意です。

注意事項

対数関数の「n」や真数「x」必ず0より大きい正の実数でなければなりません。

さて、どうしてnが正なのか。
逆にnが負の数だと何が不都合なのか。
まず、それについて補足しておきます。

負の数と指数の関係を見てみましょう。

  • $(-2)^1=-2, (-2)^2=4, (-2)^3=-8, (-2)^4=16, (-2)^5=-32$
  • $(-n)^1=-n, (-n)^2=n^2, (-n)^3=-n^3, (-n)^4=n^4, (-n)^5=-n^5$

このように負の数のべき乗は、指数が奇数の時は負で、指数が偶数なら正の数になります。
指数が1つ増えるたびに符号が反転してめんどうです。
しかし、面倒なのはこれだけではありません。

  • $(-2)^{1.33}=?$
  • $(-n)^{1.33}=?$

この様に、指数を小数にした瞬間、意味が分からなくなってしまいます。
正の数と負の数の中間の世界???
・・・そんなのありません。

そんなわけで、対数関数の世界では、必ず「底nは正」です。
したがって $ x=n^y $ ですから「真数xも正」です。

※大学で「複素関数論」を学べば真数が負でも計算できるようになります。その場合yは複素数になります。

指数の法則がそのまま公式になっている

対数は指数を表していますから、指数の法則の指数部分の振る舞いが、そのまま公式になります。

指数の法則

  • $ a^x \times a^y = a^{x+y} $
  • $ a^x \div a^y = a^{x-y} $
  • $ (a^x)^y  = a^{x \times y} $
  • $a^0=1$

対数の性質

  • $ \log_a{(a^x \times a^y)} = \log_a{a^{x+y}} = x+y = \log_a{a^x} + \log_a{a^y} $
    よって、 $ log_a{(X \times Y)} = \log_a{X} + \log_a{Y} $
  • $ \log_a{(a^x \div a^y)} = \log_a{a^{x-y}} = x-y = \log_a{a^x} – \log_a{a^y} $
    よって、 $ log_a{(X \div Y)} = \log_a{X} – \log_a{Y} $
  • $ \log_a{ (a^x)^y } = \log_a{a^{x \times y}} = x \times y = \log_a{a^x} \times y =y \log_a{a^x} $
    よって、 $ log_a{X^y} = y\log_a{X} $
  • 上の式で特に $X-a, y=1$ のとき $ log_a{a} = 1 $
  • $\log_{a}{1}=\log_{a}{a^0}=0\times\log_{a}{a}=0\times 1 =0$
    よって、 $\log_{a}{1}=0$

対数の計算公式

  • $ log_a{(X \times Y)} = \log_a{X} + \log_a{Y} $
  • $ log_a{(X \div Y)} = \log_a{X} – \log_a{Y} $
  • $ log_a{X^y} = y\log_a{X} $
  • $ log_a{a} = 1 $
  • $\log_a{1} = 0$

この公式は難しそうですが、次のように言葉で理解してしまった方が覚えやすいです。

対数の計算公式の覚え方

  • かけ算はたし算に
  • わり算はひき算に
  • べき乗はかけ算に
  • 底と真数がそろったら1
  • 真数が1なら常に0

対数のこうした公式(性質)の利用法やメリットを知れば、もうすこし馴染みが出てきます。続いて、それを見てみましょう。

底の変換公式

数Ⅱの対数関数で重要な公式がもう1つあります。
ただし、これは丸暗記した方が速いので、成立する理由の説明は省略し、ただ載せるだけにします。

  • 底 nを底mに変換するための公式
    $$\log_{n}{x}=\frac{\log_{m}{x}}{\log_{m}{n}}$$

底の変換公式の覚え方

  • 古い底が分母、古い真数が分子

かけ算を足し算に、割り算をひき算に変換する!?

対数関数の便利な効能と、その使い方をご紹介します。

対数関数の効能(公式の意味)

  • かけ算を足し算に変換する
  • わり算をひき算に変換する
  • べき乗はかけ算に変換する

この性質を応用すると、指数でグチャっとなっている式を、足し算と引き算で解きほぐすことができます。

例えば、こんな問題です。

3つの正の実数 $x, y, a>0$ において、次の連立方程式 $ a^x=2a^y $ かつ $ x-2y=0 $ を満たすような a を求めよ。

与式 $ a^x=2a^y $ が指数のお化け団子です。これだけでは解きようがありません。そこで対数( log )を使います。

$ a^x=2a^y $ の両辺について、 $a$ を底とする対数をとると、

$ \log_a{a^x}=\log_a{(2a^y)} $
$ x=y\log_a{(2a)} $
$ x=y(\log_a{2}+\log_a{a}) $
$ x=y(\log_a{2}+1) $

ここで $ x-2y=0 $ すなわち $ x=2y $ を代入して

$ 2y=y(\log_a{2}+1) $

$y>0$ だから両辺を $y$ で割って

$ 2=\log_a{2}+1 $
$ 1=\log_a{2} $
$ a=2 $

このように対数を使えば求める事ができます。

まとめ

  • 対数関数 $ y=\log_{n}{x}, (n>0, かつ x>0)$
  • nに負の数が定義されることはありません!
  • xに負の数を入れてはいけません!
  • $ log_a{(X \times Y)} = \log_a{X} + \log_a{Y} $
  • $ log_a{(X \div Y)} = \log_a{X} – \log_a{Y} $
  • $ log_a{X^y} = y\log_a{X} $
  • $ log_a{a} = 1 $
  • $\log_a{1} = 0$
  • $\log_{n}{x}=\frac{\log_{m}{x}}{\log_{m}{n}}$
  • 対数を使えば指数でグチャっとなった式を解きほぐせる

1カ月も悩んだ生徒に15分講義したらスッキリ

学校の授業が全く分からない!

これは偏差値の低い高校だから起こる、というものではありません。少なくとも生徒たちの生の声を聞く限り、むしろハイレベル(偏差値60~65くらい)の高校の方が、そういう生徒の割合が高いです。
そして、この傾向は公立高校の方が私立高校よりも顕著です。

うちの生徒たちで言えば、天白高校、昭和高校、菊里高校ですね。

高校の先生にしてみれば、生徒の優秀さに期待して

「高度な授業を見せてやりたい。」

という熱意があると思います。

一方、それはなかなか厳しいのが現実のようです。
多くの生徒たちが、ついて行けなくなっている印象です。

たとえ優秀な高校の生徒であろうと、基礎を飛ばして応用はできないということですね。
予備校のハイレベルコースならともかく、現役の高校生は単元の基礎から初めてなのですから。

このことから、基礎と応用の間は、思ったほど距離が離れているワケではないのかもしれません。
むしろ基礎の奥深い理解こそが、応用とも言えますね。

もちろん偏差値の高い進学校では、教科書の予習はしてくるのが前提でしょう。
確かに、現在はネットで多くのことを自分で調べられるようになりましたから、予習はし易いと想像できます。
「高校は義務教育ではない」と言ってしまえばそれまでですが。

それでは100歩譲って、自分で予習しても学校の授業について行けなかったとしたら、その理由は何でしょうか?

それが上で述べたような「目的が分からない」ということだと思います。
要は納得感の問題です。
食わず嫌いで頭に入らなくなっています。

そこで、

  • 「この章では何がしたいのか?」
  • 「この数式は何がしたいのか?」

という話をします。
解法や暗記ポイントとは全く違う視点なのですが、優秀な生徒ほど、案外こうした動機付けが功を奏します。
きっと、そういう目的を最初に生徒たちへ明示する必要があるのでしょう。
実際、

「先生、学校の数学の授業なんですが、ここ1か月の間、ぜんぜん何やってるか分かりません!」

と助けを求めて来る生徒に、私が15分講義しただけでスッキリして帰る、という場合も珍しくありません。

そのような場合、私は大したことはしていません。
数学のその単元で

「何をしたいのか?」
「何を受け入れるべきか?」

というポイントを先に教えるだけです。
細かい計算や確認は、むしろ本人に任せてしまいます。もちろんチェックはしますけどね。
任せた上で、詰まった所だけフォローする方が効率的な場合もあるからです。

単元の「目的」が生徒の学習脳を動かす?

上記のような経験から言えることは何でしょうか。

「単元の目的を共有する」

これが学習の効率を高めるのだと私は思います。
このことは偏差値とは関係ないことも分ってきました。
どのようなレベルの高校の生徒だとしても、単元の目的を明確にしてあげると、勉強が加速します。

いざ問題を解き始めれば、生徒たちの頭の中には

「自分で理解して、自分で解き切りたい」

という欲求が強く働いています。
そのため、解法の全てを解説してしまうと、むしろしつこいというか、嫌がられます。

「あー、そこまでは自分で解けたかもしれないのに、なんで先に言っちゃうの!」

というふうに思われれしまいます。
推理小説で、先に犯人の名前を言われてしまうような、ネタばらしをされたような、そんな感覚です。

解く過程の全てまで教えてしまうのは、親切な事ではありません。
むしろ本人が自分の頭を使う機会を奪ってしまいます。成長のチャンスを奪ってしまうのです。
脳は動かさなければさび付いていきます。動かす機会を奪ってはいけません。

ですから、うちは余計な解説はしない、という指導水準になっています。
いかに良いヒントを出すか。それが講師の腕の見せ所です。

逆に、このことに納得できないと、成績は伸びません。

「手とり足とり教えます」

これが親切だと思われるのは錯覚です。塾長はそう思います。
そういう塾には自分の子供を入れたくないですね。
頭が悪くなりそうです。

〈余談〉高校の関数が難しいのには理由がある!?

実は、高等数学の関数が「難しい」と感じるのには、ちゃんとした理由があります。
それは関数の振る舞いが、人間のもつ「経験則」と合わないからです。
グラフの意味をなかなか想像できないからです。

人間は過去に繰り返された経験から

「きっと次も同じようになるだろう」

と予想して未来に備えるように進化してきました。
そして次のように、他の動物よりも「経験則」を細かく把握できます。

  • 川の水位が毎日3cmずつ増えているから、きっと明日も今日より3cm増えるだろう。(比例という経験則)
  • 村の人口が2倍、3倍に増えていけば、自分の収穫高は1/2、1/3に減っていく。(反比例という経験則)

つまり次のように理解するのが人間の持つ感覚です。

  • 「伴なって増える」→「比例」
  • 「相反して減る」→「反比例」

このように小学校や中学校からお馴染みの「比例」や「反比例」は、人間が本能的に持つ経験則を数字で表したものです。
もちろんグラフの読み書きは練習する必要がありますが、グラフの意味は人生経験に置き換えて理解することができます。
ですから、比例や反比例までなら義務教育で全員に学ばせても、そう無理はないだろう、ということです。

関数が難しい理由の本質とは?

そうすると、高等教育の数学において、

「関数がわかり易い」

と皆さんがおっしゃるのは、

「比例や反比例の感覚で納得ができる」

ということになるわけです。
逆に比例や反比例で解釈できないものは

「わかり難い関数」

ということになります。
これが関数が容易か難しいかの本質です。

そして三角関数や対数関数は、比例や反比例ではありません。

ですから11月~12月にかけて、多くの高校2年生が対数関数で頭を抱えます。

こうした生徒の理解構造まで把握したうえで、高等数学は教える必要があります。
ひたすら式の意味だけを説明したところで、ほとんどの生徒は納得できないわけです。

単元の目的を共有し、そして教え過ぎない。
特に新しい概念を導入する時は、生徒がそれまでに学んできた知識体系、つまり理解構造を意識して教える。

そのようなことが大切だと思います。

 


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