塾長です。

算数や数学でよく見る間違いの原因と対策について書きます。
特に、この2学期に頻発する計算間違いを例に説明してみましょう。

小学生でも中学生でも高校生でも本質は同じです。

よくある間違い

例えば、以下のような間違いをよく見ますよね。

問題1(小5の文章問題)

畑Aの面積は24m²です。畑Bの面積は6m²です。畑Bの面積は畑Aの面積の何倍ですか?

誤答

$ \color{red}{ 24 \div 6 } \color{black}{= 4 こたえ4倍} $
※計算の順序が逆です

正答

$ 6 \div 24 = \frac{1}{4} こたえ \frac{1}{4} 倍(0.25倍)$

問題2(中1の計算問題)

$ \frac{x+1}{2} – \frac{2x-5}{3} $ を計算しなさい

誤答

$ \frac{x+1}{2} – \frac{2x-5}{3} $
$ = \frac{(x+1) \times 3}{2 \times 3} – \frac{(2x-5) \times 2}{3 \times 2} $
$ = \frac{3x+3}{6} – \frac{(4x-10)}{6} $
$ = \color{red}{3x+3 -(4x-10)} $
$ = 3x+3 -4x+10 $
$ = -x+13 $
※いつの間にか分母が消えています

正答

$ \frac{x+1}{2} – \frac{2x-5}{3} $
$ = \frac{(x+1) \times 3}{2 \times 3} – \frac{(2x-5) \times 2}{3 \times 2} $
$ = \frac{3x+3}{6} – \frac{(4x-10)}{6} $
$ = \frac{ 3x+3 -(4x-10) }{6} $
$ = \frac{ 3x+3 -4x+10 }{6} $
$ = \frac{-x+13 }{6} $

なぜ、このような間違いをしてしまうのでしょうか?

「作業」で覚えるな!

上の2つの例のような間違い方、とても多いです。
特にこの2学期!

そして多くの場合「覚え方」に問題があります。

間違えた子の覚え方には、共通点があります。
それは、

「作業」だけしか覚えていない
「やり方」だけしか覚えていない

という点です。
覚え方が短絡的過ぎるのです。

例えば次のような短絡的な覚え方をしていました。

  • 割り算の問題 → [大きい数] ÷ [小さい数] で解く
  • 分数の文字式 → 分母をそろえて消す

「割り算の問題」や「分数の文字式」などと一言でいっても、それには色々ありますよね。
その「いろいろ」な条件の設定が、すべてすっ飛ばされてしまい、計算の「やり方」しか覚えていなかったということです。

教科書を読んでいない!?

上の2例について、教科書どおりの覚え方を書くと、次のようになります。

  • 割合や倍率 → [くらべる量] ÷ [もとにする量] で求める
  • 分数の文字式 → 通分して計算する。方程式ならば両辺に同じ数をかけても良い。分母の1は書いても書かなくても良い。

こうした教科書に載っている知識や原理原則のことを、ここでは「基礎」と呼びましょう。

正しい答えというのは、あくまでも、これらの基礎を計算にあてはめていった結果に過ぎません。
計算の「やり方」も結果論でしかないということですね。

1問目の問題を間違えた小学生たちは、
「割合」の問題を「割り算」の問題だと、大雑把にしか把握できませんでした。
確かに割合は割り算で計算しますが、その「やり方」はあくまでも手段です。
問題文の意味から「くらべる量」と「もとにする量(1とみなす量、100%とみなす量)」を見分けるのが基礎でした。
また勉強不足からか「割り算の答えは整数になる」という思い込みが強かったのも混乱の原因でしょう。

2問目の問題を間違えた中学生たちは、「多項式の計算」と「方程式の計算」の区別がついていなかったのが問題です。
「分母を消す」という「やり方」しか覚えていなかったのが混乱の元でしょう。
確かに比を簡単にする計算や方程式の計算で分母を消す手順がありますが、その基礎の部分は「同じものをかける」「同じもので割る」という式の性質でした。
それをすっ飛ばして「分母を消す」という手段だけを覚えたのが間違いでした。

このように、教科書の基礎をないがしろにしてしまったために、どちらも問題文の捉え方が大雑把になってしまったと言えます。
逆に問題文を正確にとらえるためには、教科書の基礎を正確に覚えておく必要があります。

実際、

  • 実力試験や模擬試験で得点が安定している
  • 時間がたっても実力が落ちにくい

という生徒は、教科書に載っている基礎の知識をすぐに言うことができます。
逆に、

  • 問題文がちょっと変わっただけで解けなくなってしまう
  • 定期テストが終わると、どんどん忘れてしまう

というような生徒は、教科書の基礎を覚えず、解き方の手順や解法のテックニックばかりを覚えようとします。

そして誰もが持っているはずの教科書。
それをちゃんと読んでいないことが多いです。

算数や数学の「用語」を使って覚えよう!

もちろん、解き方の手順や解法のテックニックを覚えるのは有用だと思います。
解き方や覚え方を教えると、生徒たちに喜んでもらえます。

しかし問題は、その「覚え方」です。

算数や数学の解き方を覚えるときでさえ、算数の用語、数学の用語を使っていないのです。

間違った覚え方(✖) 算数や数学の用語を使わずに覚えようとする

覚えるときは、ちゃんと

正しい覚え方(〇)

  • 教科書の用語の意味を正確に覚える
  • その用語を使った説明のしかたで覚える

ということを徹底しましょう。

数学に限ったことではないのでしょうが、
教科書に出てくる用語を正確に覚えて正確に使おうとしない限り、勉強が得意になることは難しいでしょう。

焦るから短絡的になる!?

普段から勉強の時間を十分に確保していないと、テスト前に焦ります。
すると、すがりつくように、

「〇〇だけ覚えれば解ける!」

みたいな暗記に走り出します。
これが教科書の基礎を理解した上で、暗記してくれるなら良いでしょう。

しかし基礎をすっ飛ばして、短絡的に暗記しただけでは使いこなすことができません。
そういう覚え方では、ちょっと問題文が変わっただけで、間違えてしまい、結局は点数や成績が上がるまでには至らないでしょう。

学校の先生もプロです。
たくみに問題文を変えて出題してきますよ。

基礎をおろそかにしている生徒がひっかかるように、ちゃんと問題を工夫してきます。

教科書の基礎を正確に覚えましょう。
それゆえ勉強にはそれなりの時間を必要とします。

ですから、

学年が上がるにつれて、日々の勉強時間も増やす必要がある!

これもまた、すっ飛ばしてはいけない基礎ということです。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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