塾長です。
模擬試験の監督をしながらブログを書いています・・・
今回は高校生の文理選択について書きます。
文系とは?
理系とは?
について本質から解説します。
偏差値競争が緩くなり、キャリア志向が強まっています。
正しい進路指導をするために、ここで確かめておく必要があるでしょう。
「暗記だから文系」はウソ!?
これからの教育は「考える」「表現する」という能力が重要になってきますね。
教育改革で、いわゆる「暗記科目」というものが無くなっていきます。
確かに社会でも「思考力」や「情報を整理して読み解く力」を試す問題が増えてきました。
昔から、
文系科目と理系科目を分けるなんてナンセンスだ!
という主張はありましたが、入試の都合でそうも言ってられませんでした。
今後は教育改革の脱「知識の詰込み」で、いよいよ違ってくるというワケです。
この流れには塾長も賛成です。
これからはコンピューターが当たり前になる時代。
これからも知識は大切ですが、その詰込み先は人間ではなくコンピューターです。
文系と理系の違いとは?
とはいえ、文系科目と理系科目は、やっぱり違います。
そこであらためて考えてみましょう。
文系科目と理系科目の違いとは?
どちらにも暗記の要素があり、どちらにも思考の要素があります。
暗記か否かでないとしたら、何が違いなのでしょうか?
塾長の考え方を1つご紹介したいと思います。
- 時代によって移り変わるもの → 文系科目
- 時代によって変わらないもの → 理系科目
こんな感じで分けられると思います。
文系科目
文系科目は、人間がつくって来たものを学んだり探求したりする分野です。
人間がつくり、人間がこわし、人間が意味を与えてきたものの蓄積です。
ですから時代や政治体制の変化とともに教科書の内容が変わっていきます。
例えば塾長が中学生だったころの歴史では、「黄河文明」とか「竪穴式住居」とか「弥生式土器」などと教わりましたが、
今の生徒たちは「中国文明」とか「竪穴住居」とか「弥生土器」などと違う名前で教わっています。
もちろん小泉元首相や安倍元首相は教科書に載っていませんでした。
俵万智さんの詩は斬新で話題になりましたが、まだ国語の教科書には載っていませんでした。
理系科目
理系科目は、自然界の真理を学んだり探究したりする分野です。
自然界の営みは人間の存在に関わらず存在しますから、その法則は人間の行動や気持ちに関係ありません。
ですから人間社会がどう変わろうと教科書の内容は変わりません。
塾長の時代と比べても、ほとんど内容は一緒です。
もちろん単元の抜き差しや学年の入れ替えはありますが、個々の知識は同じです。
それどころか次の項目なんて4000年前のバビロニア数学(メソポタミア文明)から変わっていません。
- 小3 60進数(時間の計算)
- 小4 面積
- 中1 方程式
- 中2 連立方程式
- 中3 二次方程式、2の平方根
小中学校で習うような数学や理科の知識は、何百年、何千年と変わらないものばかりです。
何か新しい発見があれば追加されますが、発見されたものが変わりにくいのが理系の特徴です。
文系・理系の適性はどう判断する!?
このように文系は人間のこと、理系は自然のことを学びます。
そして文系は人間次第で変わることを学び、理系は普遍的なことを学びます。
これは大きく違います。
例えば「真理」という言葉の意味が、文系と理系では全く違います。
文系の人が言う「真理」とは政治や権力で「公に認められていること」という意味ですが、
理系の人が言う「真理」とは「人や組織の意思とは無関係に成立すること」という意味です。
価値観で選ぶ
これだけ見方や考え方が違うのですから、やっぱり価値観に大きく左右されると思います。
文系か理系かは価値観で決めよう
と考えるのも1つの手です。
価値観が合わないものを学び続けるのは苦しいです。
直感的には、こんな感じです。
- 人と人との駆け引きや人間関係がドロドロしたドラマや映画が好きだ → 文系
- いちいち駆け引きや競争で非効率に消耗している意味が理解できない → 理系
まぁ歳とって来ると丸くなって、どちらもほどほどに好きになってきます。
しかし若いうちは尖ってますから、このような端的な判断ができると思います。
好きや得意で選ぶ
数学や理科が得意だ。
これは分かりやすい判断ですね。
たぶん「得意」というのには「好き」が含まれることもあるでしょう。
得意ではなくても好きであれば良いと思います。
進学後の長い期間を考えたら、嫌いなものをやり続けるのは苦痛です。
得意でなくても好きであれば続くでしょう。
苦手を避けるのはあり?
自分の能力を見定めるのは大切なことです。
苦手を克服するよりも、得意を伸ばした方が良いです。
ですから私は「あり」だと思います。
ただし、
得意なものが何もない
のであれば、上で書いたように好きか嫌いか、が大切です。
そもそも、ある程度の努力をしてみなければ、得意か苦手かが分かりません。
とりあえず好きか嫌いかで決めて、頑張ってみるのが良いでしょう。
社会に出れば「勝てる土俵」で勝負するのが大切です。
苦手なことは人に任せたり別の手段で解決します。
苦手を避けてもOKです。
勉強が嫌いな人の進路選択は?
勉強が嫌いなら進学しなければ良いのですが、それは昔の話。
理想とは裏腹に、日本では学歴で初任給が決まります。
大卒が当たり前になった今では、就職のことを考えて進学する人も多いでしょう。
であれば文系、理系という以前に「必要性」から進路を選択するしかありません。
- 何かの資格を取るため。
- 何かのキャリアを作るため。
昔からある「1文字学部」には進学しない方が良いでしょう。
理学部、工学部、文学部、法学部・・・などです。
学問に興味ない人が行っても何も報われないと思います。
勉強が嫌いな人が求めるのは実学です。
最近増えてきた、名前の長い学部を選んだ方が良いでしょう。
名前が長いので、想像しやすいです。
「国際」「グローバル」・・・
「人間」「コミュニケーション」・・・
「情報」「システム」・・・
となどいった言葉が組み合わさって学部名が長くなっています。
こういう所は何かしらの資格取得をバックアップしてくれます。
勉強が嫌いな人は、
どの学部に行ったら年収が上がりそうか
を考えて選ぶのが良いでしょう。
もちろん将来のことは誰にもわかりませんから、自分で選ぶことには変わりがありません。
まとめ
文系、理系の分け方を、従来の暗記型か否かではなく、学ぶことの性質から考えてみました。
AO入試など推薦型が主流になる中で、ますます「進学してからどうするか」が問われています。
それだけに、受験スタイルではなく学ぶことの中身で、ちゃんと進路を選択することが重要です。
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