勉強の「やる気」はどこから来るのでしょうか?
「将来の夢」だという人もいれば、「身近な人を喜ばすこと」だという人もいます。
国の教育方針では「生きる力」とあります。
要するに
「社会人として活躍できるイメージが持てればよい!」
ということなんでしょう。そこで
「社会人って、どういう原理原則で動いてるの?」
「世の中の仕組みって、結局どういうこと?」
みたいなことを私なりにまとめてみました。
Contents
① 経済原理「金儲けが善である!?」
国の仕組みから考える
結論から言えば、税金で国家が成立しているのですから、
「お金を稼いで納税すること」=「善行」
であることは、国が保証している常識です。
逆に、お金以外で納税することは認められていません。
国民が享受する福祉は、国の予算、つまりお金で決まるようにできています。
ですから就労と納税は国民の義務であって、国民が金儲けをしてくれないと国が成り立ちません。
逆に「金儲け=善行」でない事例があれば、警察が動いたり、法律が変わったりする、ということが起こります。
こうした国の活動を通じて、全ての金儲けが善行になるよう、常にメンテナンスされています。
「お金儲けは汚い」とか「あいつは儲けているからズル賢い」などという人は、国の仕組みやルールを無視しているのです。
多くの場合、その言葉の裏には「そのお金をオレによこせ、へへへ。」という思惑があります。
オーム真理教は、信者から全財産を没収して出家させていました。
社会のルールに合わないキレイごとは、反社会的な活動の予兆です。
騙されないように気を付けましょう。
俗世にまみれて頑張ることも尊く立派なことです。
自由意志の視点から考える
普通、お金は自分が相手に与えたメリットの対価として得られます。
たくさんお金が得られたということは、それだけ多くの人々に多くのメリットを与えたということです。
基本的には、メリットが何か、それに何円の価値を認めるか、などの判断や行動は、すべて個人の自由です。
そして多くの人々に、より多くのメリットが行き渡るように努力するのが「仕事」です。
それならば、お金儲けは良いことだということになります。
ただし、このメリットの種類や、メリットを生み出す方法が、公共の福祉に反していたり、人々の反感を買うようであれば、何らかの社会的な圧力によって消されます。
違法だとして消される例で言えば、麻薬や賭博などでしょう。
社会的な反感で消される例は、最近なら、ポルノ雑誌がコンビニで販売されない自主規制があります。
そういう社会的な浄化作用も含めて、結果的には金儲けが善であり続けるように、世の中は維持されています。
職業に貴賎なし
キラキラでない仕事を揶揄する、3K(きつい、汚い、危険)などという言葉があります。
職業と年収のランキングは、アクセス数が伸びる記事の1つだそうです。
最近では、AIによって仕事を奪われやすい職種のランキングもありますね。
こうしたエッジの効きすぎた言葉や記事は、著者の目立ちたい願望が先走っている感があります。
話半分で受け取るのが無難でしょう。
何より、こうした言葉やランキングが成立する「大前提」を見落としてはいけません。
「仕事の内容やアウトプットが今後も変わらないこと」を前提にしているからです。
実際には、何の工夫も改善もされない仕事なんてありません。
相手にメリットを与えて対価を得るのが仕事なら、そのメリットが時とともに変化することにも対応していく必要があります。
そして、対価をもらう相手は、なにも顧客だけに限りません。
実は社員も職場から受けたメリットに対する対価を間接的に支払っています。
社員に「福利厚生」というメリットを与えることで、社員の生産性が上がったり、退職や再雇用のコストが減ったりして、会社は利益率が上がります。
会社にとって利益率が上がった分が、社員からもらった対価に相当する、というわけです。
このように社内に投資する費用のことを「間接費」と言います。
経済原理が正しく機能していれば、職業の貴賎も無くなっていくように働きます。
悪者を探すより、自分が戦える土俵を見極める
このように、公共の福祉を拡大する意思に沿って行動している限り、お金儲けは善であるし、またそうなるように力が働く仕組みが、本来の経済原理というものです。
逆に言えば、こうした仕組みを邪魔するものが悪者ということになります。
それは人の行いかもしれませんし、古い仕組みや規制かもしれません。
ところが、話しはそんなに簡単ではありません。
何が良くて何が悪いのかは、個人の価値観で自由に決められるからです。
一概には言えません。
自分が良かれと思ってしたことが、違う価値観の人にとっては、悪いことになるかもしれません。
人間は神ではありません。
万人が認めてくれるメリットなんて、めったに提供できやしません。
ですから、自分の行いをメリットだと認めてくれる人たちに対してしか仕事は成立しません。
これは私企業でも個人事業主でも、そして長い目で見れば公務員でも同じです。
自分のできることと、相手がそれを認めてくれることが一致する場所。
それが自分が戦える土俵です。
その土俵の中で努力するしかありません。
そして土俵の姿は、時間、場所、文化などによって変わります。
②「改善」=努力、「革新」=社会現象
改善は誰もがすべき効率化
「改善」とは効率化、つまり「より少ない時間や予算で同じ成果が出せる」ようにすることです。
逆に、かえって手間や費用が増えたり、納期をオーバーしたりしたら、改悪です。
ITS化でアプリを導入したら逆に手間が増えた、という改悪の事例は意外と多いです。
改善は真面目に努力すれば、誰でもできるようになります。
社会人になって最初の2~3年間は、ちゃんと改善ができるように訓練するのが普通です。
逆に3年経っても改善活動ができない社員は、そこで適正なしと見なされてしまいます。
自発的に改善活動をしない社員は「やる気なし」です。
これが普通の社会人の最初の3年間
入社1年目は改善の提案をする練習
入社して最初の内は、先輩や上司の真似をして、まずは目先の仕事ができるようにします。
まだ先輩の仕事に比べ、粗削りだったり、効率が悪かったりしますが、ひとまず、それが自分にとっての仕事の「基準」になります。
次に、その基準をより高いレベルに変更して目標を設定します。
例えば、残業時間の水準が現行で月30時間なら、それを「月25時間以内」と厳しく設定します。
すると差分の「5時間を減らすこと」が改善目標になります。
意識の低い社員とは、この目標設定ができない人のことを言います。
そういう人は「何かを数字で表す」という思考そのものが訓練できていません。
次に、その目標を達成するための改善案を作成します。
改善案は、誰が、いつ、どこで、いくらで実行するか、結果はどういう数字で測定するか、まで作ります。
ここで大学で卒論を苦労して仕上げた経験が、さっそく活かされます。
改善提案と卒論作成は、ほとんど同じプロセスです。
つまり大卒なら、少なくともここまでが入社1年目のレベルでしょう。
「大学で学んだことが就職してから活かされない」
というのは勘違いです。
もしもそうなら、自分の働く姿勢か職場に問題があるかもしれません。
入社2年目は改善の実践にチャレンジ
2年目は、改善案を実行して成果を出すことにチャレンジします。
テーマを絞って小さく成果を出していくことから経験を積んでいきます。
成功事例を他のメンバーにも共有して周囲を説得し、他のメンバーを巻き込んで活動します。
さらに改善の結果を数値で測定し、科学的に分析したうえで、次の改善につなげる提案をします。
この時に、学校で習ってきた数学や国語、理科の素養をふんだんに使います。
社会の教科書で目にしてきた図表が、資料やアイデアを整理する雛型になっていることに気がつくでしょう。
いわゆるPDCAというものを1通り実践するわけです。
もちろん仕事なので、すべて利益につながる必要があります。
中には、ここまでを入社1年目でやらせてしまう会社もあります。
入社3年目以降は組織貢献にチャレンジ
入社3年目になると、自分の仕事が周囲に与える影響が見えてきます。
自分のアウトプットの品質が、周囲の社員、関係部署、顧客に良い意味でも悪い意味でも影響を与えることを何度か経験します。
すると自分の仕事も、そして改善活動も自分だけの話ではなくなります。
「どうせ同じことをするなら、周囲の人も助かる方法を選択しよう」
「自分だけでは解決しないので、関係部署まで話を聴きに行ってこよう」
という欲が出てきます。
上司や先輩に自分のアウトプットをチェックしてもらうだけではなくなります。
関係者に何をどう説明すべきか、という組織上の相談が増えてくるでしょう。
自分が会社の中で自由に行動できる範囲が増えていくように感じられるでしょう。
逆に、萎縮して安全な行動ばかり取ろうとする人や、指示待ちの人は、仕事が窮屈に感じ始めます。
その原因が何なのかは自分の価値観次第です。
自分がその仕事に向いているのか否かは、だいたい3年待たずとも判明するものです。
会社の吸収や合併など大きな変動があった時も、自分か今後も組織貢献できるか否かが悩みの種になります。
会社が採用したい人材は、改善活動を自律的にできる人
ここまでの話しを読めば、企業が大卒の採用を優先する理由が理解できたでしょう。
つまり、卒論作成と改善活動は、よく似ているのです。
大卒であれば、改善活動の素養が十分にありそうだと期待されます。
もしも採用面接で卒論の内容を聞かれたときは、専門的なことを答えても的外れです。
卒論を通じて、改善活動の素養が身に付いたことをアピールする方が正解です。
逆に言えば、この種の素養を十分にお持ちなら、高卒でも中卒でも問題ありません。
こうに考えると、大学が誇る就職率とは何かが見えてきます。
自分の先輩たちが改善を積極的に行い、会社の利益率の向上に貢献すればするほど、自分の在籍している大学の価値が上がります。
企業から多くのリクルーターが大学に来てくれます。
逆に、その大学を出身した人の多くが、3年経っても改善できない人たちばかりだと、その大学の卒業証書の価値が下がります。
企業からリクルーターが来てくれません。
革新とは特許レベル以上
上で見てきたように「改善」とは社内に貢献する活動です。
全ての社員が取り組むべきことです。
改善は努力と経験で熟練していける活動です。
それに対して「革新」とは社会に広く貢献する活動です。
特許と同じで、生み出せる人と生み出せない人がいます。
革新は、それまでの技術や常識を全て置き換えてしまうようなもので、社会にインパクトを与えるレベルだからです。
私はサラリーマン時代に、役員から上のように説明を受けました。
例えば、YouTubeを作った人は革新を起こしたことになります。
一部の人の仕事のあり方や、広告宣伝のあり方、そしてメディアのあり方まで変えてしまいました。
一方、YouTubeを使って、動画の視聴数を上げるために創意工夫することが改善と言えます。
有名なYouTuberたちは、その技術を持っていますし、日々、その技術を改善しています。
どのように人材を教育したら、革新を生み出してくれるのかは、誰にも分かりません。
「革新を生み出せるか否か」と「教育論」は、ほとんど切り離されています。
それでも何かあるとすれば「社会の安定」でしょう。
色々な活動をする人がいて、一見すると変な人がいて、まれにそういう人たちの中から何かが注目されます。
それが多くの人に支持されれば革新となるでしょう。
つまり「何の役にも立たないことをする人」でも安全に生きていける社会でなければいけません。
安定した社会基盤があってこそ、初めて、革新を起こせる人たちが輩出されます。
プライベートで仕事を忘れたいなら転職しよう
おそらく日本の現状を考えると、改善に必要な「知識」の勉強は、5%くらいが職場の指導で95%くらいが独学です。
プライベートで独学して知見を高めないと、先輩の言う事もまともに理解できません。
現実的に考えれば、職場では通常業務+改善提案というアウトプットを出すので精一杯です。
つまり独学ができない人は、出世ができないでしょう。
実際、私の身の回りでは、入社して4年以内に年収500万円以上になった人たちは、プライベートで独学している人たちばかりでした。
そもそもプライベートで仕事のことを思い出したくないのであれば、根本的にその仕事が自分に合ってないのかもしれません。
最近では「ライフ・ワークバランス」の代わりに「ワーク・アズ・ライフ」という言葉が出てきました。
仕事とプライベートの境界は、今後ますます曖昧になっていくでしょう。
③「頭が良い」のは手段にすぎない=独りでは何もできない
偏差値や学歴を鼻にかけたり、怪しい新興宗教にハマってしまうのは、おそらく、これを知らないことが原因なのでしょう。
良い手段や道具があっても使わなければ宝の持ち腐れ
高性能なパソコンがあったとします。
しかし誰も使わなければ、ただの箱です。
「頭が良い」とか「悟りを開いた」というのも、これと同じです。
確かに人並ならぬ努力でそれらを得たのは凄いことです。
同じ道を志す人たちからは、時に目標にされ、時に尊敬のまなざしが注がれます。
しかし、その良い頭を使って何かを生み出したり、悟りを解いて人々を救って回らなければ、「社会」という視線では、その能力は無いに等しいのです。
手段を目的化しないために
- 一生懸命勉強して良い大学に入ろう
- この大学は○○の資格を取りやすい
- このエキスを飲めば頭が良くなる
- これで悟りの境地にたどり着けます
「大学に行く」、「資格を取る」、「頭をよくする」、「悟りを開く」・・・
それらは当面の「目標」かもしれませんが、決して「目的」には成り得ません。
社会人とは、誰かに何かしらの「メリット」を提供する人だからです。
「職業に貴賎なし」ですから、いずれ誰でも、そうなります。
仕事のアウトプットが他人からメリットだと認められること。
それが目的です。
それを加速するために、大学に行ったり、資格を取ったり、心を磨いたりします。
その逆はありません。
つまり、学歴や資格があるから他人に認められる、なんてことは起こりません。
自分がバージョンアップするたびに、
今の自分に何が生み出せるのか?
と自問自答することが大切かと思います。
④「何の役に立つのか?」と人に聞いたら負け
勉強でストレスが溜まってくると
「こんな勉強、いったい何の役に立つの?」
「受験で勉強しなきゃいけないなんてオカシイ!」
などという不満が漏れてきます。
多くの場合、先生が本気で回答したとしても的外れです。
人間は自分の意志で物事に当たらない限り、不満を言い続けます。
たとえ「勉強」が「習字」や「工作」に代わっても、最終的には同じ不満が出るでしょう。
ただ少なくとも生徒たちが理解しなければいけないことがあります。
勉強したことが何の役に立つかを「人に聞いているようでは負けだ!」
ということです。
何の役に立つか分かったら、その時点で商品やサービスにして儲けます。
そんな美味しい話、そうやすやすと他人に話すわけないでしょう。
結局のところ、
「何の役に立つんですか?」
などと人に問う人間は、何のアイデアも思い浮かばない人です。
逆に、普段から考えていないからアイデアが出ません。
そういう人の想像もつかないところで、
「何かの役に立たせてやろう!」
と知恵を絞っている人たちだけが
「勉強ってすげー大事だね。」
と実感しているのです。
もちろん、それに気が付いてから勉強してもOKです。
だから社会人でも勉強を続けている人がいるのです。
⑤ 政治では技術革新は起こせない
選挙権が18歳になってから国政選挙や地方選挙が何度か行われてきました。
社会人になれば税金を納めますから、なおさら政治参加の意識が高まります。
ちなみに愛知県知事選挙は2月3日です。
ところで、政治の役割って何でしょう?
これを自分なりに決めておかないと、候補者が選べません。
政治の役割は日本国憲法に書いてある通り、
「国民や市民の生活を守ること」
です。
まず、そこが基本です。
ところが、選挙になると街頭演説や公約で大げさな文言が飛び出してきます。
「景気をよくする!」
「みんなが笑顔になることを目指す!」
このあたりの公約を、どこまで期待するのかは選挙権を持つ私たち次第です。
ただし、期待のし過ぎは禁物です。
まず政治には技術革新をする力がありません。
民主主義ですから、国民や市民の声を集めて政治に反映させる、という手順を徹底しています。
そうである限り「過去の事例」から分かる範囲でしか政治ができません。
公約には、やたらと「改革」という文字列が並びますが、それは何か新しい発明をするという意味ではありません。
あくまでも「予算の組み直しをする」という意味です。
政治では基本的に「新しいもの」は生み出せません。
「革新」や「特許」を政治が生み出して国民や市民にばらまく、なんてことはできないのです。
逆に
「政治で新しいものが生み出せる」
と想定してしまったらどうでしょう?
それはすなわち
「国の指導者を万能だと祭り上げる」
ことと同じなのです。
英雄を国民が待望してしまうと、必然的に独裁国家になりやすくなります。
何が良くて何が悪いのかを国の指導者が決めてしまい、国民の自由が奪われていきます。
それは歴史が証明しています。
ですから民主主義では、何が良くて何が悪いかを、国民が自由に判断するようになっています。
結果的に「世の中を良くする活動」とは「国民や市民の活動」のことを指すことになります。
その国民や市民の日々の活動が、邪魔されないように調整したり、活動のチャンスが平等に巡って来るように守ることが政治の役割で、同時に、それが政治の限界です。
つまり政治に参加するということは、
自分の頑張りたいことが邪魔されないようにしてくれ!
と要求することなのです。
「幸せになるための努力」を平等にするのが政治です。
障害や環境の違いで努力のスタートラインが不平等にならないようにするのが政治です。
でも、何をどう努力するのかは、自分たちで決めて頑張るしかありません。
それが社会人として努力するスタンスであり、政治に参加するスタンスです。
最後に
今回は学校ではなかなか教えない、でも社会に出たら早く知りたい、そんな考え方や価値観について、私なりにまとめてみました。
子供たちの中で「人のためになる」「人の役に立つ」ことと「お金をもらう」ことが分断されていたとしたら、それは不幸なことです。
これでは国が成り立りません。
できるだけ人生の早い段階で、
「人のためになる」=「お金をもらう」
「人から良くしてもらう」=「お金を払う」
ということを実体験することが重要だと思います。
もちろん「人」とは目の前の人とは限りません。
自分は誰から良くしてもらったのか、誰のためになったのか。
そういう想像力を広げることも大切でしょう。
「金は天下の回りもの」といいます。
自分がお金を回す主体になる!
そんな意識をもって社会人になっていって欲しいと思います。
名古屋市天白区の植田で塾を探すなら、日進市赤池で塾を探すなら、個別指導のヒーローズ!!
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