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できる子は、教科書に線を引かない、ノートをまとめない

黒歴史のノート

塾長です。

中間テストは半数の生徒が自己最高点または自己最高順位をマークしました。中には「数学の点数が2倍になった!」と喜ぶ生徒もいました。自己ベストを更新したのは素晴らしいことですね。

今日はその方法について書きます!

と、その前に、勉強の大前提を書いておきます。

勉強で成績を上げるためには、精神の安定が必要不可欠、大前提です。ところが残念なことに、精神の安定を脅かすものが身の回りにはたくさんあります。例えば点数が低くて怒られてしまうと、精神が不安定になります。萎縮してしまって主体的に勉強ができる心境になりません。

なぜ塾長は点数が悪くても叱らないのか?

私は生徒に対して、いや自分の子供に対しても、点数のことで叱ることはありません。点数よりも勉強の中身を細かく見て、やり方、プロセスを一緒に見直します。

なぜなら、それが勉強で最も大切なことだと知っているからです。点数は後からついてくるものです。

それから、私自身が中1の最初のテストでひどい点数を取った経験があるから、といのもあります。自分のことを棚に上げて子供を叱るのはフェアではありません。ウソは指導の根拠を無くします。

過去に栄光があるかどうかよりも、どうやって成績を上げたのかを教えた方が生徒のためになります。

何はともあれ、勉強を通じて皆さんは「良い人生を送るための武器」を手に入れてください。そこに向かって指導をしているので、低い点数で怒ってしまうほど私は短絡的ではありません。

自己最高を記録する
苦手を克服して点数を2倍にする

こうした実力は、小手先の裏テクニックでは達成できません。もっと長い目で生徒に勉強してもらっているからこそ、出てくる結果なんだと思います。

長い目で何を勉強させるのかは、長くなるので後で書きますが、ここでは「点数が悪くて叱るのは、短絡的で良くないこと」だと言っておきます。

そういうわけですから、塾生の皆さんは「定期テスト振り返りシート」をちゃんと提出しましょう。

さて、話を勉強の方法に戻します。

勉強の悪い方法とは!?

一般論では分かりにくいので、具体例で考えます。例えば、次の行動は要注意です。
伸び悩んでいる生徒や、一部の塾から転塾してきた生徒によくみられる行動パターンです。

  1. 漢字や英単語を何十回もひたすら書いて覚える
  2. 教科書に線を引きまくる
  3. 問題集や参考書を何冊も持っている
  4. 丁寧な字で、カラフルで、きれいに、ノートをまとめる
  5. 教科書をあまり読まず、問題集だけに取り組んでいる
  6. テスト前日なのに塾の教材をやっている
  7. テスト範囲を言えない

なぜ、これらがダメなのか、ちょっと考えてみてください。

1~4は、作業と勉強の区別がついていない状態です。私もそうでした。
5~7は、やることの目的や優先順位が考えられていない状態です。

では、どのようにしたら良いでしょうか。

勉強の良い方法とは!?

上で挙げたダメな例を、良い例に変えるなら、こうなります。

  1. 漢字や英単語を書き取り練習する前に、まずテストを作る。テストは簡単に作ればよい。英単語なら日本語の意味を、漢字なら読みを、その日覚える個数だけ列挙して書いておくだけ。そのテストで満点を取れるようになったら書き取り終了とする。真剣に書き取りすれば10回も20回も書く必要がない。たとえ数回でも、もう書けると思った時点で次に行き、全て練習したらテストをして、できなかったものだけまた数回練習。この一連を満点とるまで繰り返す。こうすれば20個覚えるのに15分もかからない。
  2. 教科書は線を引かない。数ページくらいを熟読したら、閉じて覚えたことをノートに書き出す。5分くらい思い出す努力をする。最初は3つくらいしか書けない。5分経ったら教科書を開いて暗記を見直す。覚えたらまた閉じて書き出してみる。これを何回か繰り返す。
  3. 市販の教材は買わない。安易に教材を増やさない。塾の教材は学校の教材が順調に消化できているなら取り組む。特にテスト期間は、まず学校のものを隅から隅までやる。やることを絞って完成度を上げる。
  4. 自分の勉強時間ではノートを作らない。授業ノートや授業プリントの見直しだけで十分。教科書の内容をノートに書きたいなら、教科書を閉じた状態で、思い出す訓練として書き出す。
  5. 教科書は超重要。問題集で間違えたら、必ず教科書に戻ってチェック。良質な問題は、一見難しそうであるが実は教科書の知識を組み合わせただけで解ける、という事実を確認していく。逆にそれでも解けない問題は自分の現状に合わせて取捨選択する。
  6. 前日は教科書や授業ノート、学校の課題類を見直す。その上で心配なところを個別にプリントや塾教材で見直す。学校のテストは学校の先生がつくるのだから、学校で使っているものから優先して見直す、ということを知っている。
  7. テスト範囲表が配られる前から、次のテスト範囲に関する情報を収集する。学校の先生が授業中に言うことをよく聞く、または自分から先生に聞きに行くなどして、次のテスト範囲を常に気にしている。またその過程で教科書の何ページに何が書いてあるかを大まかに把握している。

これらに共通した考え方は「アウトプットを重視する」です。伸び悩む子はインプットばかりでアウトプットを訓練しません。直感的ですが、次のようにまとめることができます。

  • 伸びる行動  インプット3割 アウトプット7割
  • 伸びない行動 インプット9割 アウトプット1割

さらに「あと回し」にする習慣が身に着いてしまうと、もっと伸びません。

これが今日の本題です。

教科書に線を引かない!?

教科書に線を引くのは逆効果です。成績の良い生徒ほど、教科書に線を引かなくなります。

え?

と思いますよね。真面目にちゃんと勉強するなら、線を引くでしょ、と思いますよね。ところが逆効果です。さて、

本当に、教科書に線を引くのは積極的でしょうか?

いえ、実は消極的です。むしろ後ろ向きです。一見、積極的に見えるところが落とし穴なんです。
教科書に線を引くとき、きっと

「これは大事。あとでまた見よう!」

と思って線を引きますよね。ところが、これがダメなんです。無意識の中で

「後でやる」→「今は別にいいや」→ 後回しスイッチ、オン!

という風に、脳があと回しモードになってしまうからです。後回しにしたら、脳ミソがその場で覚えてくれません。教科書を開くのは覚えるため。それなのに、その場で覚えないなんて変ですよね。
さらに人によっては

「線を引いたところ以外は覚えたくない」

という意識があるかもしれません。情報を減らしたいのでしょうが、脳は関連する情報が少ないものほど忘れやすいです。情報を減らせば、むしろ暗記が不利になります。そうなればなおさら良くありません。

結局は教科書のほとんど全てが重要なんですから、そもそも線なんて引く必要はありません。線を引いたら教科書の全部が線だらけになって終わるだけです。

教科書には線を引くのではなく、どんどん新しい情報を書き込んでください。問題集で間違えたところを見直したら「なるほど、教科書のこの知識は、こうやって使うんだ。」「ここに結び付くんだ」などと新しい発見をするでしょう。そうした発見を教科書に書きこんでいくのです。

そうやって、どんどんアウトプット力を鍛えます。

ちなみに教科書に書き込むレベルになると、学年順位で上位20%以内に到達しているでしょう。

ノートをまとめない!?

はい、これも良くありません。本屋さんに行くと「東大生のノートの取り方」みたいな本が売れているようです。あれは、教科書をやり尽くしたレベルの生徒が、さらに上のレベルの要点をまとめるための技術です。

私は上で「教科書に発見したことを書き込もう」と書きました。その別冊版を作るようなものです。教科書にまとまっていることを、わざわざ書き写すようなことではないので注意しましょう。

繰り返しになりますが、教科書をまとめ直すなんて無駄なことは止めましょう。なぜダメかといえば、教科書に線を引くのとまったく同じ理由です。

「ノートに書いた」→「あとでこれを見直せばバッチリだ」→ 後回しスイッチ、オン!

となるからです。書いたことに安心して、脳が内容を覚えてくれません。それに教科書はすべて重要です。ノートをまとめていったら、教科書がもう1冊できるだけです。

テストでは、教科書や参考書を「見ずに書けること」「見ずに解ける」ことが試されるのですから、教科書や参考書を見ずに書く、見ずに解く、という訓練をできるだけ多くすることです。

あとがき

次の期末テストが近づいています。早い所ではすでに3週間前です。

必ず前回のテスト勉強で「何の対策が不足していたのか」を分析し、次回は改善するようにしましょう。点数が良くても悪くても、必ず改善してください。

行動パターンの改善こそが大切で、勉強をする意味そのものです。点数に一喜一憂する人は、あまり伸びません。ちゃんと分析して次回に活かす、そしてその姿勢を継続することが大切です。

ここで勉強時間とは作業時間ではないことを注意しておきましょう。

「勉強」と「作業」の区別がついている生徒ほど成績が伸びやすいです。

上に述べたように、アウトプット重視の勉強に切り替えて、今回よりも次回、次回よりもそのまた次回、自分の行動パターンをどんどん改善しましょう。

 


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