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人工知能

ICTでどうなる?とある塾長が教育の未来を予想してみた

未来の教育

宇宙とコンピューターが大好きな塾長です。

「これから日本の教育はどうなると思いますか?」

こんな質問を昨日、とある教育関係に就職を希望している講師から質問されました。そこで私のした回答をブログにも書いておこうと思います。

プログラミングで「すでに起こっている未来」とは!?

最初に「すでに起こっている未来」について紹介します。面白い事例です。

そして実はこの話は今日のブログの最後の話に繋がります。

その「すでに起こっている未来」とは「マイクラミング」の「プロコース」に通う生徒たちの姿です。

なんと、学年がバラバラすぎるのです。

小学生から大学生まで、本当に色々な学年の生徒たちが、同じコースを受講しています。

飛び級とか、そういうレベルではありません。

もっと言えば、ぜひ大人たちにも受講して欲しいとすら思っています。大人たちが子供を引っ張っていくのですから、大人にもプログラミングを学んでほしいです。

小学生は、かなり背伸びをして学んでいます。それでも付いてきています。「ハイコース」を卒業して来ただけのことはあります。
中学生は、すこし背伸びをして学んでいます。ちゃんと付いてきています。もちろんハイコースの卒業生です。
高校生以上は、理解が速いです。でもプログラムのミスは小中学生と同じように発生します。

人間はランダムにミスを起こしやすい生き物です。知識の差がない内は、学年によらず、みんな同じようなミスをします。みんなでミスを共有してノウハウを高めていきます。

またプログラミングはコンピューターのサポートを受けながら学ぶのが前提です。人間の得手不得手がコンピューターのサポートで穴埋めされてしまうので、それだけ学年の差が目立たなくなります。

さらにプログラミングでは「答えのない問題」にチャレンジします。これまでの勉強とは逆に、むしろ「間違えること」が大切なのです。そのため知識のある人が素早く解いて暇を持て余すような状態が起こりにくいです。

「コンピューター」とか「ITS」などと言われると、みなさんは何を思い浮かべますか?

「作業効率」や「便利さ」などが注目されがちです。もちろん、それもありますが、上で書いたように人間の経験がフラット化して、

「先輩も後輩もなくなってしまう」

という現象も起こるのです。

今まで日本の学校ではプログラミングをほとんど教えて来ませんでした。ですから何年生であろうとプログラミングを学ぶのに知識や経験の差はほとんどありません。

学年は大きな意味を持たないのです。

そのため結果として、同じプロコースを小学生から大学生までが同時に受講しているという現象が起こります。

さて、こうした事実をヒントに、みなさんも

これからの教育がどうなっていくのか?

ぜひ予想してみてください。

テストや入試が無くなる!?

最もインパクトの強そうものから、あえて大胆に行こうと思います。

将来的には学校のテストが無くなると思います。考えれば考えるほど「成績をつける」という行為がそもそも無駄な作業だと思えてきます。何年後になるか分かりませんが、そうなると予想します。

これは「教育の理想」から逆算した予想です。わたしはそれを次のように設定してみました。

  • 誰でも、希望のスキルを習得するまで必要十分な教育を受ける権利がある
  • 誰でも、教育の内容や方法は自分に合った個別最適で受ける権利がある

もしもコンピューターがこの理想に向かって活用され、進化していったらどうなるでしょうか?

きっと、生徒が学習して来た全ての過程がコンピューターに記録されるようになるでしょう。するとそこから、その生徒に必要な次の学習が素早く適切に示されるようになります。このような仕組みの下では、そもそも学年が不要です。できるとこ炉はどんどん進んでしまい、できないところはじっくりマイペースにやればよくなります。
そして学校の先生はコンピューターの記録を見れば生徒の状況をすぐに把握できます。いつでもすぐに把握できるなら、わざわざテストを実施する必要がありません。このような仕組みの下では、そもそも優劣の定義ができません。みんなが違うことを違いペースで行うため、横並びの比較ができないからです。あるのは一人一人の緻密な記録です。

人間には指紋があって、それは一人一人違います。しかし誰も「こっちの指紋の方が優れている」なんて比較しませんよね。そのような状態になるでしょう。

進学に関しては、学習内容のマッチングが重要になります。高校や大学でやっていることと、生徒がやってきたこととの相性が何らかの指標で示されるでしょう。学習を進めればその相性はリアルタイムで更新されていくので、自分に合う進路をどの時点においてもじっくり考えることができます。入試は不要です。

第一、少子化がどんどん進むのですから定員は満たされません。競争が無いのですからマッチングの質を高めるしかないでしょう。入試は自然消滅していくと思います。

学校の先生は、今よりももっと生徒指導にやりがいを感じやすくなると思います。テストをしたり成績を付けたりする手間がなくなるのですから、それだけ生徒のよき相談相手として役割に集中できるでしょう。しかも今までよりも実践的な相談ができます。勉強で何を伸ばしたいのか。逆に苦手をどうしたいのか。回避したいのか、克服したいのか、そこそこに乗り切りたいのか。そのような相談をして、一人一人の教育方針をきめ細かく設定し、コンピューターに指示していくことができるでしょう。

ビッグデータの学習ログさえ実現できてしまえば、テストも入試も不要になると思いませんか?

学年もクラスも無くなる!?

生徒の教育を最後までやり切る。

そこに集中していけば、上のようにテストも成績管理も不要になると考えました。

私はさらに「学年」や「クラス」も消えてしまうと予想します。それらの代わりになる別のグループ単位が構築されるだろうと思います。

今度は逆に「今までの方がおかしい」という所から考えてみましょう。

今の僕たちは、テストが終わればそのテスト範囲の勉強は終わりです。よい成績を取るのが目的であり、その先が無いからです。もうそれ以上は授業を受けることができません。

これって変ですよね?

なぜなら勉強とは「できない」を「できる」に変えることだからです。テストで間違えたところを「できる」ようにすべきで、本当はテストを終えた後こそ、もっと勉強すべきです。先に進んではダメでしょう。

ところが今はそうなっていません。なぜなら「学年」や「クラス」という制限があるからです。

昔はコンピューターが無かったので、生徒一人一人の学習過程を細かく記録することができませんでした。そこで記録を細かくつけるのは諦めて、1人の先生が覚えきれるくらいの人数で指導する「クラス」という単位ができました。記録ばかりしていたら指導ができません。コンピューターが無かったので大雑把に記録するしかありませんでした。

また昔は教材も電子化されていなかったので、1冊の本に合わせて勉強する方が分かりやすかったのです。指導もその方が楽です。そこで「学年」を設けて学年ごとに1冊の教科書が対応するようになりました。1年の学習計画も教科書に合わせて立てられました。

このように学校の学年もクラスも定期テストも、全てコンピューターが無かった時代の仕組みです。

コンピューターの発達でその前提が崩れました。「作業が大変だから無理」という理由が無くなり、もうすぐ生徒1人1人の細かい学習の記録が可能となり、教科書も電子化されてランダムに参照できるようになります。いよいよ個別最適の教育ができるようになります。

個別最適の教育

その行きつく先では、学年もクラスも無くなっていると思いませんか?

本当の意味で表現が自由になる

教育改革では、

  1. 知識・技能
  2. 思考力・判断力・表現力
  3. 主体性

の3つの内の2番目と3番目の強化がうたわれています。
その中でも特に気になるというか、疑問に思っているのが「表現力」です。

主体性は表現した結果を見て判断するしかありません。そんため主体性も表現力次第取ってしまいます。

そう考えると「表現力」とは何なのかが気になります。というよりも「何を表現と認めるのか」が気になります。そこで先に理想を設定してみようと思います。

  • 多様な表現手段や表現形式が認められるべき
  • 誰でに、自分の望む表現ができるようにサポートを受ける権利がある

コンピューターの発達で、それが可能になっていくだろうと塾長は思うわけです。

代表的な例が、漢字の自動変換です。キーボードで漢字入力が正しくできるのであれば書き取りの能力としては十分だと認められるべきでしょう。

それだけではありません。塾長はもっともっと多様な表現形にも対応していくべきだと思うワケです。

仮に入試そのものが無くなるとしても、学習過程の練習や演習では認められた表現手段でしか回答できない形式でしょうし、学習の記録もその形式に依存してしまうでしょう。自分の表現が形式上の制約を受けてしまい、思うような表現ができないのであるなら、それは問題です。例えば進路のマッチングについて正確に分析ができなくなるかもしれません。

教育改革後の入試問題を見る限り、相変わらず表現手段として「文字列」しか認めていないのが現状です。問題文には図表が出て来ますが、図表で回答することができません。

言葉で答えたら〇なのに絵では×

塾長が中1のときの話です。理科のテストでした。動物の分類が問われました。

ハチュウ類のワニは大きく2種類に分類されます。アフリカやアジアに住む「クロコダイル」と、アメリカに住む「アリゲーター」です。確か生息地をヒントに名前を回答する知識問題でした。

私は肝心の「クロコダイル」「アリゲーター」という名前を忘れていしまいました。なんとか必死に思い出そうしていると、授業中に先生が「アフリカの(クロコダイル)は下の歯が見えるが、アメリカの(アリゲーター)は見えない。」と説明していたのを思い出しました。そこで「クロコダイル」と書くべき解答欄に、代わりに「下の歯が見えているワニの横顔の絵」を描きました。そして「アリゲーター」と書くべき回答欄には、「下の歯が見えないワニの横顔の絵」を描きました。

もちろん×でした。

まぁ期待はしていませんでしたが、あわよくば部分点をという期待が打ち砕かれて、何とも寂しい気持ちになったのを今でも覚えています。とにかく中1の時の塾長は、テストに慣れていなかったので、このように回答形式でも空気を読めずに苦労しました。

表現力や主体性を評価したければ表現の自由度を拡大させる必要がある

それはそうと、今あらためて教育者の立場として振り返ってみますと、今だからこそ「別に〇でも良いじゃん。」などと思えてくるのです。

もちろん昭和の時代は×でよかったです。コンピューターが未発達でしたから「紙に文字をしっかりと書く」という表現形式が前提になっていたのは仕方がなかったと思います。社会に出れば何かと「紙に文字を書く」ことが要求される世の中でしたからね。

でも今は違います。コンピューターが当たり前の時代で、しかも日々ものすごいスピードで進化しています。ペーパーレス化が進み、ほとんど直筆の文字も書かなくなり、人工知能が落書きも認識してくれるような時代です。もっと広く表現手段を認めても良いだろうと思うワケです。

実際問題として、学年が低くなるほど、表現力も主体性も乏しくなります。まだ知識が少ないし、表現手段や表現のテンプレも多くは知りません。特に文字の読み書きに関しては、学習障害で生まれつきの格差が起こり易いです。

ですから今のまま義務教育の段階の子供たちや習熟度の低い高校生たちに、表現力だ、主体性だ、などと言っても、生徒たちは何もできずに困ってしまうだけではないでしょうか?

一方で、確かに表現力や主体性の強化は大切です。

それではどうするか?

もう、その「用言力」として認める表現形態を多様に認めるよりほかにないでしょう。子供たちが使える数少ない表現手段で、一生懸命に表現してくれたものを前向きに認めていく必要があると思うのです。

つまり、表現力や主体性を評価したいのであれば、評価する側には、多様な表現形式を受け入れられるだけの懐の広さが求められるというものです。

そのように、教育のあるべき姿を考えれば、表現する側も、それを評価する側も、コンピューターのサポートを受ける必要がどんどん出てくるでしょう。

コンピューターによる表現サポートが発達すれば、その先には、表現の自由が拡大した世界が待っている思いませんか?

一生ちょこちょこ勉強し続けるスタイルになる

コンピューターで人々がつながるようになり、率直な意見の出し合いも盛んになりました。TwitterなどのSNSを見ればわかるように「意見」になる手前の「心のつぶやき」レベルの言葉がたくさん共有されるようになりました。

これが教育に与える影響は大きいと思います。つまり今まで何となく心の中だけで「これ勉強しなくても良いんじゃね?」と疑問に思っていたようなことが、見えるようになってしまったからです。

例えば、誰かが

「ぶっちゃけ漢文って勉強する意味ないよね。みんなが勉強することじゃないよね?」

みたいにつぶやいたとします。それをみんながリツイートしたり賛同のコメントを書いたりしていくと、それが一種の社会現象になります。その中から世論にまで拡大するものが出てくるでしょう。

「みんなもそう思ってたんだ。だったら勉強したい人だけすれば良いじゃん!」

このような意見が世論の圧力にまで高まってしまえば、国も指導要領を変えるしかありません。教育改革していたら対応が間に合いませんから、文部科学省から教育委員会へ通達を出すような形で小改訂が繰り返されるようになると思います。

もちろん今の段階では「入試で出すから勉強しろ!」と脅して学生諸君を黙らせることができています。しかし、少子化や学校の経営難などが加速すれば、その脅しも効かなくなるでしょう。不合理な出題をするような大学には学生が集まらなくなるかです。そうやって不合理な入試そのものが無くなっていきます。ですから、そのころになると、いよいよ文部科学省から教育委員会へ通達する改善案件の数も増えていくでしょう。ちゃんとICT化を進めていれば、この対応もそれほど難しくはありません。もしもICT化ができていなければ、その対応作業に追われてブラック職場になり、果ては閉鎖に追い込まれると思います。

このような合理化の流れによって、学生の学ぶものがミニマム化したり、アラカルト形式に変わったりしていくことでしょう。

漢文を勉強したい人はするし、したくない人はしない。必要性があれば勉強するし、なければしない。そのような合理化によって、みんなが画一的に勉強するというシステムが、どんどん壊れていくと思います。

代わりに「学びたいものを学びたい時に学ぶ」というスタイルになるでしょう。つまり生涯教育が加速していくと思います。

これまで多くの人にとって「大学入試までの勉強」だったものが「一生涯の勉強」に変化していくのだろうと思います。

「三角関数なんて、要らないよ。」

と信じている人は、それを勉強しない選択をするでしょう。どうせやっても頭に入りません。しかし人生は長いので、もしかしたら必要になる時が来るかもしれませんし、本当に一生必要ないかも知れません。ですから

誰であろうと、必要な時に必要なものが勉強できる!

という環境を整えておくことが社会全体としては大切なのです。

生身の人間だけでその環境を作るのは無理でした。しかしコンピューターの発達で、それができるようになっていきます。それに伴って、人々の学びに対する態度はさらに合理的になっていき、結果として「生涯ちょこちょこ勉強し続ける」ようなスタイルになると思います。

世の中は少しずつ良くなっていく

私は根柢のところで

「世の中は少しずつ良くなっていく」

と信じております。

そして「良くなる」の意味が「自由になる」ことだと思っています。

ICTの活用でそれが進むと信じているので、上のような予想になりがちなのだと思います。

みなさんはどう予想しますか?

 


ヒーローズ植田一本松校の進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたりますが、当塾の理念に反するので生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校

私立高校

中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

勉強で「伸びきったゴム」のようになってしまうリスク

伸びきってしまう人たち

宇宙やコンピューターが大好きな塾長です。

ここんところ、ずっと受験シーズンですが、同時に中学2年生や高校2年生は「受験生0学期」でもあります。
そういった下級生のキミたちから

「受験勉強はいつから始めた方が良いですか?」

という質問を、チラホラ受けるようになってきました。今年も、もうそんな季節になったのですね。

今回は未来を広げるための勉強法についてお話します。前半は「やってはいけないこと」で、後半は「やるべきこと」みたいな感じで書きます。

何が優秀で何が努力なの?

小学校、中学校、高校、大学・・・僕の周りで努力家だった友人たちは、だいたいみんな今は幸せそうにしています。
こう考える時、自分の目に映っていた友人たちの「努力」は、明らかにテストや模試の「偏差値」ではないです。
人生の「幸せ」まで考え出してしまうと、話が大きすぎて塾長の手には負えません。

とは言え、学生のキミたちは目の前のテストや受験を乗り越えなければなりません。やっぱり

成績を上げる「努力」とは何なのか?

が気になりますよね。ですから、あくまでも学校の成績や受験の偏差値ということに話を絞りますね。

テストの点数や受験の偏差値で見たら、どのような努力が良いのでしょう?

というお話です。ちなみに「何が幸せなのか?」は、キミたち自身が決めて作っていくものです。他人に決めてもらうモノじゃないですよ。

他人に決めてもらったら奴隷です。

小学校では、中学校では、優秀だったのに・・・

塾長が中学生に上がって初めて定期テスト期間になった時は、

「テスト期間はテスト勉強をするものだ!」

という常識を知りませんでした。そういう常識がないまま中学生になってしまった人は、そのあと苦労します。
他の子たちが一生懸命に勉強している一方で、自分はのんびり過ごしているのですから、そりゃ大変です。
テストが終わった後で、

「あれれぇ、小学校の時は、もっと頭良くなかったっけ(笑)」

などと、からかわれたりします。
私は中学生の時に塾へ通っていなかったので、テスト期間に勉強モードになるという雰囲気が分かりませんでした。
その後の挽回がとても大変でした。

中学から高校へ上がった時も同様ですね。

高校受験は県内の競争ですよね。ほぼ全員が受験生になりますから、学校の平均点と県内の平均点の価値は、それほど変わりません。ですから学校の勉強を頑張れば、合格の可能性も上がります。
しかし高校生の勉強はまったく違います。今度は日本全国の競争になります。学校の平均点や校内順位には全く価値がありません。大切なのは全国の受験生の中で偏差値がいくつかなのです。模試や受験に通用する勉強の仕方をしなけれ、クラスで1番でも大学へ進学できません。

その切り替えができず、中学生の感覚のまま、目の前の定期テストだけに集中していると、実力テストや模試で同じ失敗となります。いえ、なりました。

「スゲー勉強できるヤツかと思いきや、ところがどっこい(笑)」

なんてクラスの同級生から言われちゃいましたよ。

これ、全て塾長の実話です。誰から言われたのかまで覚えているくらいの赤っ恥な黒歴史ですね(笑)
当時、塾長には歯に物着せぬ言い方をする友達が多かったので、ハッキリと言って気付かせてくれただけ運が良かった方です。

何をどれくらい勉強すべきか?

という常識は、人によって大きく違うものです。

「え、知らないのは僕だけ!?」

みたいなことも起こります。
キミのご両親、キミたちがよく話をする友人や先輩や後輩たちが、キミに何を言うかによって「キミの中の常識」は大きく違ったものになるでしょう。

例えば、友人からこんな話を聞いたら、あなたは参考にしますか?

「え、全然勉強してないよ。」
「そんなに努力したら、もしも悪い点数だった時に恥ずかしい。」
「今はそんなにやる気がしないしなぁ。次は頑張るわぁ。」

はい、テンプレですよね。
マラソン大会で「一緒に走ろう」と約束したのに置いて行かれる。あれです。
このような「うわべだけの言葉」を真に受けてしまったら大変です。

勉強量が減ってしまい、本当に点数の低い状態になります。
なぜって、塾長が経験済みだから。

今思えば、本気で言っているワケがない。本気だとしたら、かなり視野狭窄な状態ってもんですよね。
周りの人が自分に注目してるなんて、考えすぎです。自分が何点取ったとか、自分のやる気が人からどう見えているかなんて、誰も気にしてなんかないっての。

真に受けてしまったのは、まぁ、自分の都合の良いようにしか理解しなかった自分のせいなんですけれども。

さて、この種の問題は自分の中の「常識」をバージョンアップすれば済む話です。
実のところ、それほど大きな問題ではありません。

テスト勉強を1日5時間しかやらないのに「スゲー努力した」と思っていたなら、その甘い認識を更新して1日10時間とか12時間とかやるように修正すればよいだけです。

もちろん簡単ではありません。
しかし「やることが明確」という意味では、「世界で最も簡単に克服できる問題の1つ」と言えましょう。
自分次第でどうにかなります。

社会に出たら、こんなに簡単に解決できる問題なんて、ほとんどないですよ。

やるべきことをやっていない。それが原因で伸び悩んでいるなら「やればよい」ということです。

良い高校に行っても良い大学に合格できるとは限らない

また別の観点で、伸び悩むケースがあります。

例えば名古屋のトップ御三家と言えば、旭丘、明和、菊里ですね。そのような近所から

「へぇー、優秀な高校に通っているのねぇ。」

なんて感心されるような高校に通っていたとしても、それで良い大学へ行けるわけではありません。
次の表は、令和1年度の卒業生が国公立大へ現役合格した人数です。( )内は高校入学時の偏差値です。だいたい1学年は350人くらいで浪人生は含みません。

国立 公立 合計
明和(70) 112 21 133
菊里(68) 104 39 143
名東(61) 45 28 73
天白(59) 不明 不明 51

さて、これをどう思いますか?

高校へ合格する偏差値は、明和高校が70で菊里高校が68です。これは植田中学で言えば、学年300人の上位20番以内くらいです。それらに合格できない人が名東高校や天白高校に進学します。

ところが3年後の実績は上の表のようになっています。高校3年間の中で、名東高校や天白高校の一部の生徒たちが、明和高校や菊里高校の生徒を追い抜いたということですね。
逆に言えば、名古屋の御三家といわれる高校といえども、伸び悩む学生がかなりいるというワケです。

ちなみに、国公立大学に絞った理由は3つあります。
1つめは、数が少なくて集計が楽だから。2つめは、高1の段階で「どこの大学に行きたい?」と聞けば90%の高校生が「できれば国公立大学」と答えるから。そして3つめは、国公立大学は合格したらほぼ進学するから。つまり私立大学のような2重カウントが起こりにくいからです。私立大学の合格者数って学年人数の2倍くらいいたりして意味不明ですからね。

どちらにしろ愛知県は関東と違って、私立より国公立の方にブランド力を感じる人が多いです。この表でも十分に参考になるでしょう。

さて、そんな漠然と「良い大学」と好評の国公立大学ですが、現役で合格できるのは上の表のような人数です。

高校へ進学しただけで偏差値が10下がる!?

上の表のようになるカラクリをもう少し説明します。

高校受験までは、ほぼ全員が参加します。しかも県内の競争です。ですから学校のテストで優秀ならば、模試でも優秀です。テストと模試で大きな差はありません。

しかし高校生になれば一変します。まず大学へ進学するのは全体のせいぜい6割です。さらに学力試験をパスして進学する人は、その中の半分もいません。今どき半分以上は推薦で進学します。つまり模試を受験する時点で、競争相手が最初から上位3分の1に絞られているということです。

上位3分の1の中で、偏差値をいくつ取れるのか?

が進学の決め手になります。ですから次のような感覚になります。

大学受験の偏差値 = 高校受験の偏差値 - 10

だいたい高校受験で偏差値60だった生徒が合格できるのは、偏差値50の大学ということです。

このことからも上の表を説明できるでしょう。中学生の上位3分の1が進学するような優秀な高校へ進学できたとしても、全国偏差値にして見たら50ということです。さらに一層の努力をしなければ有名大学へはいけないということですね。

その一層の努力の中で、また差がついて行くということです。しかも高校受験までは「全部暗記」で何とかなりましたが、大学受験は「考える問題」の割合が多くなります。よけいに実力に差が付きやすいです。

このことを理解しておくことが大切です。高校受験が終わって、

「やったー。これでまた遊べるぞ。」

となってしまう人は、もうその時点で出遅れているということですね。

せっかく高校受験で勉強する習慣が身に着いたのに台無しです。もうその時点で上位3分の1からは脱落したことになります。

高校3年生になってから受験勉強を開始する人は、その時点で国公立大学は無理です(IQ120越えとかなら可能かも)。「短期間で逆転合格!」みたいなことを語る人がいますが、自分に当てはまるとは思わない方が良いでしょう。それができるなら、もう2~3ランク上の高校へ行ってたはずですから。

浪人しても偏差値が上がるとは限らない

もっと恐ろしい話をしますね。

大学受験で浪人する人もいますよね。塾長も浪人の経験者です。

でも、浪人したからと言って偏差値が伸びるとは限らないんですよ。浪人生活が辛くて遊んでしまう心の弱い人もたくさんいます。まぁ、その人たちは自業自得だから置いとくとして、一生懸命やったとしても下がる人がいるのです。

例えば、現役の時に合格した大学をわざわざ辞退して、さらに上を目指して浪人した、という人がいます。しかし1年後に合格したのは、現役の時に合格した大学と同じでした・・・まったく笑えない話ですが、けっこうあるあるです。中には逆に下がってしまう人もいます。

ちなみに塾長は浪人してから、めちゃくちゃ伸びました。めちゃくちゃ伸び続けて2年間も浪人しました。スタートがどんだけ悪かったんだって話ですが(笑)

後から思うと、伸びなかった理由は明確です。

基礎は基礎、応用は応用・・・基礎と応用を別のものとして扱っていると伸び悩んでしまいます。基礎は基礎のプリント、応用は応用のプリント。そのような縦割りがダメです。

自分は浪人生で基礎はできている。だからハイレベルな問題を解き続けてもっと実力を強化しよう・・・

実はこれが陥りやすいミスです。

一生懸命やっても伸び悩んでしまう理由とは

いろいろ書いていたら、もうこんなに長い文章に。そろそろ本題に入りますね。

一生懸命やっても伸び悩む、いわゆる「伸びきったゴム」という現象。どういう人に起こり易いのでしょうか?

私が経験した中から、その明確な答えが1つあります。

知りたいですか?

知りたくないですか?

知りたいですか?

じゃぁ、答えますね。

「人に用意してもらった大量の宿題プリント」で勉強して来た人

これが伸び悩む人の共通点です。

中学受験をこのように過ごせば、中学から伸び悩むリスクがあります。
高校受験をこのように過ごせば、高校から伸び悩むリスクがあります。
大学受験をこのように過ごせば、大学から伸び悩むリスクがあります。

いわゆる、

  • 面倒見の良い学校
  • 面倒見の良い塾
  • 宿題がたくさん出る塾

という、

保護者から見て「ありがたい環境」

にどっぷりつかってしまうと、自分の頭で考えなくなるのかもしれません。
私の中では、こういうのは子供の将来をダメにする環境だということになっています。

えーと、なんだか一部の人たちから怒られそう・・・

だとしても、私の中では経験上、これが真実なんですよね。実際に自分の子供にはそんな指導をしていません。もちろん塾生にもね。

実はこれ、大学に入ってからも同じように思いました。

卒論のテーマや卒論の構成を自分で考えて決めることができない人。やることが高度になると自分の判断ができなくなる人。こういう人が大学にいましたが、大学受験をどのように過ごしたか聞くと、だいたい上のような感じでした。

だから

先生、うちの子にもっと宿題を出してください!

などとお願いされると、ちょっと躊躇してしまうワケです。

10年後に後悔しないかなぁ・・・

ってね、将来まで考えてしまうワケですよ。だから「はい」なんて軽く即答ができないわけです。

どどど、どうしよう・・・

って考えて悩んで、いろいろ思案を巡らせてから宿題を考えます。

宿題をもらっているようでは人生負け組み。でも、そうならないように主体的に取り組んでもらうには・・・

なんて悩みながら宿題を出すわけですよ。本人にその意図を説明してね。

教材が増えるほど教科書が読まれなくなっていく

大量のプリントや宿題を与えられるままにやる、あるいは、こなすので精いっぱい、という状態になれば自分で考えなくなります。九九の暗記みたいな計算マシンには成れますが、応用力はつきません。100歩譲って偏差値が上がったところで頭は良くなりませんよね。

そして、もう1つ悪いのが、

基礎をおろそかにしてしまう

ということです。実際に生徒たちを指導している実感として、基礎は大切です。そして基礎は教科書に書いてあります。

高校の合格偏差値が70の高校生でも、教科書をないがしろにしたら問題集は解けません。進学校の生徒たちとはいえ、基礎が無かったら応用はできません。

ここまでは当たり前なんですけれど、そのあたり前のことも勘違いしている人がいます。基礎ができてないのに、いきなりハイレベルな問題集やったり、やらせたりとかね、そういう無駄なことを一生懸命やってしまう人がいます。これ、ものすごく効率が悪いです。これは学生にも高校の先生にも、両方とも勘違いがいます。

例えば、菊里高校の数学は赤チャートが必須課題らしいですが、あれも3分の2の生徒にとっては可哀そう。無駄な気力と体力の消耗ですね。いくら天下の菊里高校とはいえ、基礎をおろそかにして赤チャートに飛び級しても、無理なものは無理です。やるなら数を絞るとか工夫が必要ですね。そもそも上位3分の1に対して宿題なんて不要ですから、その上位者に基準を合わせるのって、もしかしたら東大・京大・医学部以外は無視なんですかね。ちょっと怖いです。

そして、これは意外と思われるかもしれませんが、教科書を理解するスピードは偏差値60の高校生も70の高校生も、それほど大差がないです。これ、意外でしょう。

例えば、数学1なら、2次関数の最大値と最小値を求める問題で、みんな悩みますよね。それで参考書を見れば、4通りの場合分けについて解説が網羅されていて「分かりやすい!」って感動するかもしれません。

しかし教科書をよく見ると、ちゃんと全て書いてあるわけです。

そしてキミたちが学校から配られる問題集。あれのほとんどは教科書の知識を確認するような問題ばかりです。センター試験や大学入学共通テストもそうですよね。まぁ英語は別として、それ以外はすべて教科書の範囲内の知識だけで解けます。それだけ教科書が大切な基礎になるわけです。
ところが教科書を1回読んだくらいでは、

  • 教科書を読んだつもりでも読んでなかった
  • 教科書を理解したつもりでも理解してなかった

というところが多いものです。偏差値がいくつの学生であろうと、少なからずそういう抜けモレがあるわけで、そこを穴埋めしない限りは、応用問題になんて太刀打ちできません。
教科書という基礎は、とりあえず暗記です。1つ残らず暗記。そしてそこまでが基礎です。

その上で、その知識を組み合わせて問題を解く。これが演習です。

演習には「レベル」がありますが、基礎にはレベルはありません。基礎にあるのは「完成度」だけです。

このことを知らないでいると、本当に伸び悩んでしまいます。

教科書と問題集の区別、できてますか?

まとめると、

全ての問題は教科書に出てくる知識の組み合わせだけで解けるはず!

というものです。そして、

  • 基礎(教科書)→ 完成度を高める(抜けモレを無くす)
  • 演習(基礎の組み合わせ) → レベルを高める

という正しい認識を持つことです。
言い換えれば、

何も見ずに教科書を1冊執筆できるのが普通

というのが「受験生の基礎」という意味です。ですから、

教科書を頭に入れること!

これが第一関門というか常に気にすべき最低条件です。つまり、

演習したら必ず教科書をチェックして抜けモレを補強!

というのが基礎の徹底ということです。

ところが、学校の問題集やプリント、塾の教材や過去問などを解いている一方で、

ほとんど教科書を読んだことが無い

という驚くような学生が、結構いるものです。これは本当に驚きです。

なぜ教科書を読まない人たちが大量に発生しているかと言えば、これは

  • 学校が用意してくれたプリント
  • 塾の教材
  • 塾の用意してくれた対策プリント

ばかりやっているからです。
塾に通い慣れている学生ほど、この傾向が強いです。

  • 塾でしか勉強しない
  • 家では勉強しない

こういう人はかなりヤバイです。
勉強時間が不足しているところへ学校のプリントや塾の教材が追加されるのですから、そりゃ教科書を読まなくなりますよね。

もちろん、

教科書に目を通したけど、なかなか頭に入らない。だからスタサプなどの動画で同じ内容を見た。

というのは「あり」です。これも基礎徹底ですからすばらしい。

ただ、教科書を読んだことが無くて、テスト前になって焦ってスタサプを見るとかは論外ですよ。もうお判りですよね。

とにかく基礎をおろそかにしたら伸び悩むってことです。

そこは自分で考えるところでしょ!

学校や塾の先生はこう思っているでしょう。もしかしたら保護者様も。

教科書は各自でしっかり穴が開くほど読んでくれているに違いない

しかし実際には、ほとんど教科書が読まれていないようです。

プリントや宿題を増やせば、それだけ教科書が読まれなくなっていく、というのが現実だからです。

基礎ができていないからと、わざわざ教科書に書いてあるようなことをプリントにして配って暗記テストをしたり、そのレベルの参考書を追加したとします。
すると「やりなさい」と強制されることが増えるので、時間が無くなるなどして、ますます教科書を読まなくなります。
そのような負のスパイラルにどんどん陥っていきます。大量に紙資源を無駄にしながら・・・。

世間では、こういう塾や予備校が

「面倒見が良い」

と呼ばれるのかもしれません。しかし、私なら怖くて

「そんな指導はしないで欲しい」

と思ってしまします。

なぜだか分かりますか?

「教科書が頭に入ってない」→「じゃあ、見直してから解き直そう」

という当たり前の思考を、生徒たちが自分でやらなくなるからです。

「この問題ができない」→「じゃあ、新しい教材をやりたい」

という変な思考回路になっています。これが変だと思わない時点でおかしいのですけれど。まぁ、とにかく、

「教科書を見直す」

という当たり前のことすら、他人に準備してもらわないとできない。

それって教育なんですかね?
頭が良くなる未来がまったく見えないですよね。
そんなんじゃ、いくら大量のプリントや問題集をやっていたとしても、実力が付くはずありませんよね。

まるで、誰かにプログラムされた通りに動くだけのロボットですよ。人間をロボットにするような教育をしたところで、生身の体では人工知能に勝てません。

人間の脳みそはロボットとは違って、自分の意思で自分を書き換えられることが強みです。

自分の弱点が何で、どう対応すべきか?

自分で考えた上で先生や講師からアドバイスをもらうのが理想ですよね。

考えることを放棄して、ひたすらプリントをやっても、そりゃ伸び悩むようにしか成れないです。

入試では人間の能力が試されるのであって、ロボットの能力が試されているのではありません。そしてさらに、今後は思考力を試す問題がどんどん増えていきます。
自分で考えないで他人が用意したものをこなすだけ、というのがダメだということです。

考えるのが勉強です。
将来、勉強した知識は忘れたり、仕事には役に立たなかったりするかもしれません。
しかし勉強を通じて身に着いた

「自分の行動を改善する習慣」

は一生役に立ちますよね。

「大量のプリントを何も考えずにこなしていたら合格できた。」

何はともあれ合格おめでとう!
まぁ、とにかく合格きたからよいです。

でも今後は、少しは自分の頭で考えて勉強していかないと、その先が伸び悩んでしまいますよ。

学生のキミたち、とりあえず、教科書と問題集の区別、できてますか?

保護者のみなさん、「お子様が自分の頭で考えなくなるようなお願い」を塾や予備校に要求してはいませんか?

偏差値の競争が終わろうとしています。そういう時代ではなくなりつつあります。
しかし、たとえ偏差値でないもので評価されるようになったとしても、自分で考えない人が評価されるようにはならないと思います。

自分で考えれるようになりたい人であれば、テストが何点でも、偏差値がいくつでも入塾できます。
ヒーローズ植田一本松校は、本当に実力をつけたい人ほど居心地がよく、長続きする塾です。

 


ヒーローズ植田一本松校の進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたりますが、当塾の理念に反するので生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校

私立高校

中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

共通テスト2021年を解いて分かった大学受験の勉強法(後半)

大学入学共通テスト2021年1月

塾長です。

日本初の共通テストについて、ブログの後半です。

やってみた教科

現代文、英語、数学1A、数学2B、を解いてみました。
これらのうち、今回は数学1Aおよび2Bについて書きます。

なお、現代文と英語については、先回の「共通テスト2021年を解いて分かった大学受験の勉強法(前半)」をぜひご覧くださいませ。

難易度の表記

大学受験としての標準レベルを黄色チャート(数研出版)に設定して評価しました。

★☆☆☆☆: 教科書の知識1つを使えば解ける
★★☆☆☆: 教科書の知識と前問の結果を考慮する必要がある
★★★☆☆: 黄色チャート相当の解法の知識または発想が必要
★★★★☆: 黄チャート相当のレベルを越えた知識や発想が必要
★★★★★: 高校数学の知識や発想とは関係ない特別な訓練が別途必要

こんな感じで各教科のテスト内容を見ていきます(評価は塾長の主観です)。

数学1A

数学1Aは、共通テストで最も波乱のあった教科の1つです。

  • 記述試験が撤回されてしまった
  • しかし論理的思考の出題は維持された
  • 制限時間も10分拡張されたままだった

まるで教育改革の亡霊とも言える出題形式に今年の受験生は翻弄されました。実際その中身はどうだったのでしょうか?

難易度など全体の所感

塾長の主観ですが全体の難易度は次のような構成でした。

数学的基礎力: ★★★☆☆(思考の土台となる数学だけの実力)
論理的思考力: ★★☆☆☆(日本語の文脈を数学用語に置き換える力)
事務処理能力: ★★★★★(数学の知識が増えるに伴って自然に加速するスピードの程度に比べて)

ひたすら事務的に処理していくような問題でした。
数値計算が多く、電卓やエクセルが欲しかったです。もちろん道具の持ち込みは失格ですから、手で計算するしかありません。
ですから数学というよりは「そろばん」や「暗算」のテストに近いと思いました。

必要な対策

選択問題の大問3~大問5は、どれも後半で数値計算を速く正確に行う必要があります。

目標点が80点以下でよければ、数値計算の面倒な設問は、積極的に捨てに行きましょう。
目標点が80点以上でなければ困る場合、小学4年生~6年生レベルの数値計算を超速にできるような訓練が必要です。

その計算の「えぐさ」をご紹介しましょう。

大問3(4)

A~Dの事象について確率を高い順に並べる問題でした。ちなみに、その比較をするために最低限必要な計算が次の通りです。

計算式 式の工夫 計算結果
A 8×27×125 8×27×125 27000
B 4×64×125 8×32×125 32000
C 9×27×125 9×27×125 30735
D 16×27×64 8×27×128 27648

どうでしょう?
あなたは計算式を見ただけで、A~Dを大きい順に並び替えれますか?

式を工夫しても分からなくらい微妙ですよね。
最大や最小を答えるのではありません。
4つを「大きい順に並べる」必要があるのです。

悩むくらいなら、全て計算した方が速いです。
つまり、考えて工夫しようとしたら、それで余計に時間をロスしてしまい、負けなんです。

この問題は「思考力」を試す位置づけに出題されました。
ですが、上のように考えた方が負けになります。
試験時間に追加された10分は「数値計算に使え」ということらしいです。

「数学力」よりも「算数力」のようです。
信じられないことに、電卓やそろばん、計算用紙などを持ち込んだら失格になります。
常識が通用しませんので、十分に気を付けてください。

大問4(4)

整数の不定方程式の問題でした。出だしは面白そうな問題だと期待したのですが・・・次の条件式を満たす x+y が最小となるようなk を求める羽目になりました。

{x+yを最小にする正整数k(10≦k≦14)| 正整数x,yは 5x-3y =k または 5x-3y =k-15 を満たす}

つまり「5の倍数」と「3の倍数」の差を計算して、次のような比較検討をします。

x+y の値
5x-3y=k の時 5x-3y=k-15 の時 最小値
k=10 10 3 3
k=11 7 4 4
k=12 4 9 4
k=13 9 6 6
k=14 10 3 3

 

この計算方法(アルゴリズム)を思いついた時点で正解にしてくれよ!って感じです。
でも違います。電卓も計算用紙の持ち込みも禁止した上で、ただ単に、ひたすら小学3年生レベルの「掛け算」と「引き算」をやるのです。

トホホ・・・

大問5 円の嵐!?

三角形と円の性質。1つ解いたら、また次の円。それを解いたら、また次の円。もう図を描くスペースが無いんですけど・・・。
試しに実物の大きさで描いてみたのが下の絵です。実物大でもこの煩雑さです(27インチ4Kディスプレイで円の直径が約5cmに見えます)。
2021年1月共通テスト数1A問5の図

図の性質が判明するたびに図を描き直して情報を整理していく・・・

これは普通の手順なのですが「円の3連発」は、さすがに手間がかかります。

しかも問題を解く過程で、円Pや円Qの半径を描いたりしますから、更に図は複雑になっていきます。
なんで半円の中に全ての図形を詰め込んでくるんだよ・・・

そして何よりも、本番の環境では、こんなに大きな絵を描いてしまったら不便です。
他の計算用紙にするスペースが無くなってしまいます。
1分1秒を争うようなテストで、これはえぐいです。

ひたすら作業的な制約で悩むという、事務的な工夫を多く求められるテストです。

思考力とは何だったのか?

大問3は整数の「かけ算」の速さが思考力でした。

大問4も整数の「かけ算」と「引き算」の速さが思考力でした。100歩譲って、5の倍数5~50と-3の倍数-3~-30を縦に並べて、計算を一目で見やすくする工夫をすれば、多少は計算が楽にできたかも。でも、まぁ、そんな工夫は事務作業としての工夫でしかありません。数学1Aとは関係ないですよね。

大問5は、図形を素早く描いて、込み入った情報を整理する技術が必要でした。
設問の趣旨からいえば、図を表示した上で出題する方法がいくらでもあったと思います。わざわざ文字列だけで出題した意図がちょっと不明でした。

こんなものが「高校生らしい思考力」なのかと言われれば、かなり疑問です。

文句の1つでも言いたくなりますが、まぁ、事実です。

出題形式は予測できただろうか?

大手予備校が出版していた対策問題に比べると、次の点で「めんどくさい」問題となりました。

  • 電卓で行うような数値計算を手計算でさせる
  • 次々に新しい言葉や言い回しを登場させて問題文が冗長になる

また予想問題に比べて、図表を多用する傾向は予想よりも少なかった印象です。

上のように、

図表ではなく、文字列で情報の複雑性を増大させる

という手法で問題の難易度を挙げたかったようです。

各予備校が「数学の応用」という発想で予想問題を作成した一方で、大学入試センターはそれ以外の方向性で対応してしまった印象です。
大学入試センターからしてみれば、いきなり文部科学省から出題の方針を大きく変更されてしまいました。
おそらく相当な混乱があったものと思われます。

同情はしますが、ちょっと失敗作だったかなと思います。
来年は、形式を踏襲しつつも、中身はもう少し「算数」から「数学」に寄せて改善してくると予想います。

数学2B

難易度など全体の所感

塾長の主観ですが全体の難易度は次のような構成でした。

数学的基礎力: ★★★☆☆(思考の土台となる数学だけの実力)
論理的思考力: ★★☆☆☆(日本語の文脈を数学用語に置き換える力)
事務処理能力: ★★★★★(数学の知識が増えるに伴って自然に加速するスピードの程度に比べて)

必要な対策

センター試験の過去問で対策できる範囲です。

あえて言うなら、大問1(3)について、多項式の計算が少し面倒でした。
数1の最初に習う「式の計算」の単元で、計算を大量にやりこんでスピードアップしておく必要があるでしょう。

出題形式は予測できただろうか?

数学2Bに関しては、大きな波乱はなかったと思います。
高い事務処理能力を求める傾向は、昨年までのセンター試験と同様でした。

数1Aに比べれば設問の意図がとても素直でした。
数式や図形の性質を探求していく過程を、上手に導いていくような問題の構成でした。

とても教育的な良問だったと思います。

ある意味「1つのあり方」として数2Bは完成形です。

これ以上は難しくする必要もないでしょう。
これ以上の要求は、大学側が個別試験を用意してテストすればよいだけです。

あとがき

ツッコミどころが満載の数1A。
混乱が少なく落ち着いた数2B。

今回は両者のコントラストがとても激しかった印象です。
本当に同じ大学入試センターで作られた問題なのかと思うほど、状況が違っていました。

改革というのは本当に大変なんだな、と実感しました。

ただ、数学1Aの方向性は

「人工知能に負けない人材」

を育成していくものとは程遠い姿でした。
とても残念です。
改善されていくことを祈っております。

そして共通テストには次のことを提案して本日のブログを終わります。

  • 電卓や辞書の持ち込みを許可すべし
  • 数値計算よりもアルゴリズムを重視するような回答形式とすべし
  • 試験会場では計算用紙を大量に渡すようにすべし
  • 出題者は文字列だけに表現を依存することをせず、図表で示せる意図は、できるだけ図表で表示すべし

以上です

 


ヒーローズ植田一本松校の進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたりますが、当塾の理念に反するので生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校

私立高校

中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

もしも先生が人工知能だったら、賢くなる?アホになる?

人工知能の奴隷になってしまった人のイラスト

塾長です。

少し前に教材の展覧会みたいなイベントに参加したことがあります。
最近は人工知能を活用した教材やシステムの提案が増えてきました。
人工知能のおかげで、学ぶ環境がどんどん恵まれていきます。

日本の子供たちも、どんどん優秀になっていけばよいのですが・・・

本当にそうなるのでしょうか?

人工知能は先生の代わりに成れるのか?という素朴な疑問

このままいけば、

学校や塾の先生が人工知能におき代わる!?

なんてことを、思わず想像してしまいます。
しかし一方で、

人工知能には先生の真似なんてできっこない!

という人もいます。

人工知能は人間よりも良い先生に成れるのか?

今回は、これについて考えてみましょう。

人工知能について考えると、実は人間のことがよくわかります。
もしかしたら「勉強法の本質」も見えてくるかもしれませんよ。

人工知能と人の違い

人工知能といえば新井紀子先生。
著書「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」や、人工知能の開発プロジェクト「東ロボくん」などで有名です。

けっこう賢い人工知能

その先生によれば、人工知能が大学受験に挑んだ場合、かなり優秀なところまで行けたそうです。
理系であれば偏差値65くらいまで。
文系でも中堅私立大学と言われるMARCH(※)レベルの大学入試まで突破できたようです。

  • 出題形式がハッキリしている
  • 解法パターンの知識で勝負できる

こうした問題が得意です。
ちなみに人工知能が挑んだのは過去問ですから、すべて教育改革前の出題傾向です。
いわゆる

「知識詰込み型」

の問題であれば、人工知能でも高い確率で正解することができました。

(※)MARCH ・・・ 明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学のイニシャルを繋げた呼び方のこと

「知識」に比べ幼稚な「知性」!?

その一方で、まったく苦手だったものがありました。

「読解力」

です。特に、

  • グラフや図が混在した文章
  • 色々な書き方が混在したような文章

これらの読解は、まったく内容をつかめていないようでした。
どうやら人工知能は、文章と資料の対応をとることができなかったようです。
要するに、

人工知能は文章の内容を理解していたワケではない!

という事でした。

知性ではなく計算マシン

つまり今のところ、人工知能の正体とは、次のようなものです。

膨大な知識やデータから、確率・統計的に

「もっとも正解らしい回答」

を導き出す計算マシン

人工知能とはいえ、所詮は機械。
膨大な情報の重ね合わせを
「ひたすら計算」
しているだけです。

けっして考えているワケではありません。

人工知能に「主体性」はない

人工知能が人間のように、ものごとを理解しているワケでもありません。
ただし「理解している」ように「見せかける」ことは、かなりのレベルに来ています。

そこで、人工知能をもっと突き放してやりましょう。
「理解」のさらに1歩先にある知性。

自分から問題を設定する

これならばどうでしょう。
見せかけの理解の上にはできない芸当でしょう。
要するに、

主体的に行動できること

今のところ、これができるか否かが人と人工知能との違いなのかもしれません。

もちろん、人工知能の技術が進歩すれば、いずれは「主体的に見せかける行動」もできるようになるでしょう。
しかし当面の間は、まだまだ主体性が人間らしさと主張しても良いでしょう。

もしも人工知能が先生だったら?

そんな人工知能が、もしも先生になったらどうでしょうか?

苦手な所を分析して解説や類題を表示してくれる

上で見てきたように、人工知能は統計処理が得意です。
この能力は「教育の個別最適」には便利でしょう。

生徒が取り組んできた記録を分析して、生徒に合った説明や問題を提示する。

このような生徒一人ひとりに合った教材の取り組み方が実現できます。
学校や塾の勉強がそうなる日が近いのかもしれません。

計算ドリルや漢字ドリルなどは、既に多くのシステムが存在しています。

計算や漢字の問題は、類題や解法が明確なので人工知能の得意分野です。
この種の指導は、学習指導の中では初歩的ですから、なんとなくわかります。
やはり簡単な所から人工知能に置き換わっていきますね。

最近では英会話の発音もアドバイスしてくれるそうですよ。

ネイティブな発音を指導できる日本人はまだまだ貴重です。
それなのに人工知能がチェックしてくれるなんて。
これはスゴイですね。

人工知能が発達するにつれて、より複雑な教科や単元でも、学習が個別最適になっていくでしょう。

相談には応えられない

ただし、人工知能は会話や文脈を理解しているわけではありません。
そもそも感情や価値観というものを持たないので、ものごとの良しあしを判断できません。
ですから、

「AでもBでも良いけれど迷っている。どっちがいいかな?」

のような質問には何も答えることができません。
進路や何かの選択など、人が「迷う」部分について相談しても役に立ちません。

人工知能が対応できるのは、あくまでも次のようなことです。

  • 答えが1つに決まっているような演習問題の正解
  • 統計的に関連性が高いと思われる教材の表示

あまり過度な期待はしない方が良いでしょう。
便利な「道具」と割り切って、あくまでも「使いこなす」ことを考えた方がよさそうです。

生徒自身が考える機会を奪ってしまう可能性?

個別最適な勉強について、1つだけ心配なことがあります。

「便利」であることは「考えなくて済む」という事でもあります。。

自分の何が間違えで、何をしたらできるようになるのか?

これを自分で理解できるようになるのが勉強とも言えます。
学校で「習った知識」は仕事で使わないかもしれませんが「改善の知恵」はいつでも使います。
というか、社会に出れば「何ができるか」をコントロールするよりも「何ができないか」をコントロールする方が大切になります。

それを育むチャンスを、人工知能は奪ってしまうのかもしれません。

もちろん生徒がどうやっても苦手な分野では、改善の段階までやりたくてもできません。
そういう時はコンピューターのサポートが必要です。

コンピューターが人間の苦手分野をサポートしてくれる!

という考えには塾長はずっと前から大賛成です。
しかし、それは生徒が一定の努力をすることが前提です。

努力してもダメなものはサポートが必要

これが苦手の対処だと思います。
しかし何も努力しない内から、人工知能が提示する問題を、はい、はい・・・と処理していくだけなら、やっぱりそれは教育とは何か違うように思います。

  • 個別最適な勉強を導入する
  • 努力の基準をクリアする

この2つは両輪であるように思いますが、みなさんはどうお考えでしょうか。

もちろん努力の基準は人それぞれなのですが、それも人工知能が適切に設定してくれる日が来るのでしょうか。

人工知能に教われば本当に成績が上がるのか?

人工知能の導入で、教育の個別最適化が進んだとしましょう。
それだけ環境が便利になれば、もはや勉強に困る生徒なんていなくなりそうです・・・

さて、本当にそうでしょうか?
みなさんは、どう思われますか?

スマホでゲームに没頭する人は、そもそも人工知能で勉強しない?

この質問について、実はすでに答えが出ています。
現代の子供たちは、一昔前の子供たちよりも恵まれています。

  • 教科書が進化している
  • スマホやパソコンで何でも調べられる

さぁ、その便利になった環境を、当の子供たちは活用しているでしょうか?

教科書が進化しても、そもそもテスト前に教科書を読んでいる子供たちは、全体の半分もいません。
教科書を隅々まで頭に入れようとしている生徒の数は、相変わらず少ないままです。

スマホやパソコンで、何でも調べまくって勉強をどんどん進めている子供たちばかりでしょうか?

YouTubeやゲーム、SNSなど、およそ勉強に関係のないことに活用しまくっています。
むしろ勉強の邪魔ものになっているのではないでしょうか。

人工知能のような便利な環境を導入するとき、

「どう使いこなすか?」

を真剣に考えて実践していけるのは、残念ながら大人だけです。

逆に、それができるような子供であれば、すでに勉強ができていると思います。

「ドラえもん」が家に来ても、のび太くんのテストは0点のままでした。

「人工知能」が何でも答えてくれたとしても生徒の点数が変わるとは限らないでしょう。

人工知能のアイコンは押さずに、YouTubeやゲームのアイコンしか押さないかもしれないからです。

人工知能を使いこなす生徒だけが成績を伸ばす?

今度は逆に、

人工知能のおかげで全体的に学力は向上していく!

と仮定してみます。

実際、義務教育において、英語の環境はかなり改善されてきました。
塾長の世代に比べ、今の学生たちの方が、明らかに全体的に英語力が向上しているでしょう。
同じように、人工知能のおかげで全体的に学力そのものは向上するかもしれません。

しかし、そう仮定したとしても、やっぱり成績が上がるか否かは、また別問題です。

みんなが解けるようになった問題を、学校の先生はテストで出題しなくなります。
より解きにくい出題が増えるからです。

そうなれば、成績を付ける判断基準が変わります。

  • 人工知能の言いなりになって、その範囲だけで学習した人
  • 人工知能を使った学習を土台にして、応用や発展まで学習した人

結局のところ、人工知能を「使いこなして」基礎力を早く習得し、その先の訓練に行きついた人だけが成績を伸ばすようになります。

仮に人工知能のおかげで学力が向上したと仮定しても、評価の基準も一緒にスライドしてしまうため、やっぱり成績が伸びるわけではないということです。

能力は見につく。でも成績(相対評価)は変わらない。

まぁ、これはこれで教育行政としては成功なのかもしれません。

教育が変わってきた

人工知能やロボットの活躍を前提に、学校の教育が変わってきました。

教育改革です。

「頭が良い」の意味が変わった

かつて日本の学歴社会では、官僚になるため、国家試験に合格できるための学力が「優秀」の定義でした。
そして昔は高性能なコンピューターが無かったので、コンピューターのような人間が優秀という内容でした。

コンピューターのように、正解を早く正確に回答できる能力。
ルールを正確に覚えて守り、定型どおりに速く正確に行動できる能力。

これらが「頭が良い」の定義でした。

しかし高性能なコンピューターが当たり前になり、人工知能のような、もっと高度な処理まで簡単に利用できるようになりました。
もう人間自身がコンピューターになる必要はありません。

コンピューターにできることを身に着けても、価値が無くなってしまったのです。
かくして「頭が良い」の意味が次のように変わってきました。

  • 昔:  専門知識があり、事務処理能力が高い
  • 今:  答えのない問題の解決をはかれる

お子さんをコンピューターにしようとしていませんか?

それ、絶対にコンピューターには勝てない競争です。

人工知能の苦手分野に教育がシフト

教科を問わず「考えてみよう」「コンピューターで解いてみよう」「話し合ってみよう」みたいなページが教科書に増えてきました。

さらに、単純な暗記で解ける問題が、入試問題からどんどん姿を消してきています。
推薦入試の定員枠が増えて、論理的思考力や主体性が問われるようになってきました。

全体的に、人工知能が苦手とする次の領域に、教育の重点がシフトして来たからです。

  1. 読解力(理解する、解釈する、論理的に考える)
  2. 色々な種類の資料を読み解く力(他人の表現を理解する、科学的に考える)
  3. 自分の考えを表現して他人に伝える力
  4. 問題解決力(答えのない問題に対して最適解を出す)

これらのうち、1~2は既にマークセンス式のテストでも能力が測れるようになってきています。

3~4は学校ごとの個別試験や面接試験、あるいは体験型の試験などで測られることが多いです。プログラミング教育もこの領域です。

価値観で分かれる

ちなみに私立の学校では、6番目として

「教育理念や価値観を共有できること」

という所も見られます。
つまり、生徒だけではなく保護者の考え方も合否に影響してきます。

親子面接があるところや、願書に保護者の記入欄が多いところなどです。

偏差値の高い大学へ進学できる = 良い学校

という時代になります。
偏差値一辺倒の時代が終わりつつあります。
代わりに、

人間らしい教育 = 良い学校

という評価にシフトしてきます。
そうなれば当然のことですが、

学校の評価も人の感情に左右される

ようになります。
このような評価は、たいていは

口コミ
うわさ

になるからです。
こうなってくると、

価値観を共有できない人たちとは学べない

ということになります。

価値観が違う者同士は、お互いがお互いを肯定的に評価できないからです。
一緒にいるのは生徒にとっても学校にとっても、お互いに不幸です。

偏差値という無機的な評価で人が分けられることが無くなる代わりに、
価値観という有機的な評価で人がグループを形成していくことでしょう。

考えすぎですかね?

何が大事?

さて、

人工知能を利用して何をするか?

結局のところ使い方次第だと思います。

  • 考えて行動するように訓練する
  • 考えずに言われたことだけやる

せっかく人工知能で教育が便利に快適になったとしても、人工知能から指示された通りにしか勉強しないのであれば、考える力は見につきません。

自分の頭は自分の意思で動かすときにしか鍛えられません。

自ら考えずに反復行動だけで焼き付けられたような思考回路は、電卓の演算回路と同じです。
意思も価値観もなく、単純なパターン反応でしかありません。

いくら人工知能のテスト対策で点数が取れるようになったとしても、指示されないければ何もできない人間になってしまったら、それは賢くなったとは言えないでしょう。

  • 人工知能の指示通りにやって点数を上げる
  • ゲームにハマってスコアやレベルを上げる

この2つの区別がつかないような勉強は、やっても役には立たないでしょう。

人工知能も、学校のテストも、教育のための道具でしかありません。

人工知能は先生ではなく、道具です。

 


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【大人用】子供たちの将来を潰さないためのドリル(テスト)

老害じゃないよ!

塾長です。

古い価値観の人たちから怒られそうなテストを作りました。
このテストで点数が低い大人は、子供たちや後輩たちの将来性を奪っているのかもしれません(もっと怒られそう)。
どうか若い人の邪魔をしないでください(ヤバイ、嫌われそう)。

けっして煽っているのではありません。
本当に心配なんです。

軽い気持ちでやってみてください。

ドリルですから、繰り返しが重要です(笑)。

老害にならないためのドリル(テスト)

4点×25問=100点満点です。
それぞれ〇か×かでお答えください。

  • 問1: 書類にはサインに加えてハンコが必要だ(〇 / ×)
  • 問2: 苦手は必ず克服すべきだ(〇 / ×)
  • 問3: 年上や先輩の方が偉い(〇 / ×)
  • 問4: 利益を追求するのは悪いことだ(〇 / ×)
  • 問5: 何事も初志貫徹が大切だ(〇 / ×)
  • 問6: 日本の技術力は世界トップクラスだ(〇 / ×)
  • 問7: 新人はお茶くみやホチキス止めなどの雑用から経験を積むべきだ(〇 / ×)
  • 問8: オンラインでは雰囲気や気持ちまで伝わらない(〇 / ×)
  • 問9: せめて定年までは不平不満を我慢して働くべきだ(〇 / ×)
  • 問10: 学歴が低ければ一生苦労する(〇 / ×)
  • 問11: 高校は普通科の方が工業科や商業科よりもレベルが高い(〇 / ×)
  • 問12: 途中で意見を変えるのは卑怯だ(〇 / ×)
  • 問13: ディベートは相手を論破したら勝ちだ(〇 / ×)
  • 問14: 若い人の意見の方が新しい時代にふさわしい(〇 / ×)
  • 問15: 学校のテストは平均点くらい取って欲しい(〇 / ×)
  • 問16: コロナ禍で政府は何も有効な対応ができなかった(〇 / ×)
  • 問17: 「批判的に見る」とは「ダメ出しをする」ことだ(〇 / ×)
  • 問18: みんな頑張っているから楽をしてはいけない(〇 / ×)
  • 問19: 起業するには多額の貯金や特別な才能が必要だ(〇 / ×)
  • 問20: 英語力がなければ国際的に活躍するのは難しい(〇 / ×)
  • 問21: 数学は考える科目で、社会は暗記する科目だ(〇 / ×)
  • 問22: 専門知識を身に着けた方が将来は有望だ(〇 / ×)
  • 問23: 大学へ進学しなければ高等教育を受けることは難しい(〇 / ×)
  • 問24: 簡単にできることは、あまり価値がない(〇 / ×)
  • 問25: 速く正確に答えを出せるよう訓練するのが勉強だ(〇 / ×)

お疲れさまでした。

解答と解説

  • 問1:× ルールや風習の根本理由を考え、必要なら変えるべし。
  • 問2:× 苦手を克服するよりも、できることを伸ばして社会に貢献すべし。
  • 問3:× 適材適所は年齢とは無関係、そもそも普遍的な文化などではない。
  • 問4:× 利益=会貢献度であり、また、そうなるよう行動するのが本来。
  • 問5:× 本来の目的に立ち返り、やり方や手段は臨機応変に変えるべし。
  • 問6:× 日本のモノづくり技術に匹敵する国はすでに多い。最先端技術やソフトウェア技術はむしろ遅れている。
  • 問7:× 気付いた人がやればよく、そもそも「雑用」であるならそれを不要にする改善に取り組むべし。
  • 問8:× オンライン授業やオンライン会議の方が気持ちや臨場感がよく伝わる事例は多い。根拠や事例をもって科学的に考えるべし。
  • 問9:× 我慢=主体性なし。人生100年時代では60歳でも若者。我慢するより第2、第3の挑戦をすべし。
  • 問10:× 学歴よりも「何ができるか」「何を成したか」。そもそも勉強は一生続くもの。また知識の不足はコンピューターで補える。
  • 問11:× 今後キャリアが細分化し学び方の選択肢が増えるに伴い、むしろ工業科や商業科の役割は重要になる。若い人の生産性向上は格差是正になると期待。
  • 問12:× 目的は問題を解決することであって我を張る事ではない。ITSが発達した集合知の時代では、言論の正しさよりも速く問題を解決できることの方が重要視される。解決に必要なら自分の意見などコロコロ変えてしまったた方が良い。
  • 問13:× ディベートの目的は相手の論破ではなく、より優れた提案を行うこと。問題解決を忘れて攻撃に終始すれば敗者となる。
  • 問14:× 若い人の意見が本当に若い人自身にとって有利なのかは慎重な議論が必要。同様に、若い人が若い人の意見に耳を傾けられるとも限らない。むしろ若くして上から目線な人は傲慢で、同世代の若い人たちを踏み台にしているかもしれない。
  • 問15:× 「人並み」や「平均点」という目標が子供を苦しめないよう注意が必要。子供の個性を大切にし、9教科の枠組みを越えた「選択と集中」も時には必要。苦手をITSで補い子供の可能性を広げる教育が必要。しかし学校教育は改革に8年もかかるため、変化の激しい今の時代にあっては、テスト内容や成績のつけ方そのものが時代遅れというリスクもある。GIGAスクール構想やプログラミング的思考の教育について、その真意が広く認知されるまで、まだまだ時間がかかる。先進国の中で日本のITS教育は10年単位で遅れており、その差は中学、高校になるにつれ顕著。ITSアレルギーな大人たちによって改革が邪魔されないことを望む。成長が著しい企業ほど学歴や学校の成績によらない独自の採用活動をしている。受験生の能力を多面的に評価する高校受験や大学受験の形式が増えている。
  • 問16:× 全否定や全肯定というレッテル貼りではなく、正しい情報で科学的に見ることが大切。さらにコロナ禍は人類初の経験で「だれも正解がわからない」問題。仮説を立て試行錯誤を繰り返す中で「最適解」を探っていく対応が基本となる。今後は「正解が分かる問題」はコンピューターが担当し、「正解が分からない問題」が人の担当になっていく。政府が「最適解」を求めて試行錯誤を求めていく過程を正しく理解しようとしないのは、正しい批判姿勢とは言えない。
  • 問17:× 「ダメ出しをする」では問題解決に至らない。知識を簡単に検索できる時代においては「解決策」まで考えることが批判に含まれる。そのためダメ出ししか言わない評論家には、むしろ批判が集まってしまう。
  • 問18:× みんなが楽できる方法を探るのが最適解のはず。まず率先して楽する方法を見つけ、それを他の人たちも矛盾なくできるようにすべし。
  • 問19:× 起業すること自体は資本金100円でも可能。今後ITSや新しいビジネス基盤が発達し、お金や技能を集めることが容易になっていくにつれ、格差の原因は財産や能力から「モチベーション」に変わっていくと言われている(モチベーション格差)。
  • 問20:× 自分の能力不足はコンピューターや他人の能力に頼ればよい。苦手を嘆くよりも自分にできることを活かし、WIN-WINのコラボができるチームを構築すべし。ちなみに日常会話なら自動翻訳機が2~3万円で実用化されている。
  • 問21:× 知識や正解がすぐに検索できるため、どの教科も「考える」ことが勉強の中心になっていく。社会も暗記科目ではなくなり、資料を読み解きながら論述するような科目になっていく。
  • 問22:× 今の時点で学んでいる専門知識が将来も変わりなく価値を保つとは限らない。コンピューターや人工知能が専門知識を持ってしまえば価値がなくなっていく。専門知識を使って問題を解決したり、人に感動や貴重な体験を提供できることに価値が移っていくと言われている。
  • 問23:× 無料で学べるコンテンツが増え、学ぶ方法も増えている。有料コンテンツも安く優れたものが多い。大学にいくよりも早く安く専門知識や技能を習得できることが可能になって来た。奨学金で借金をしてまで大学へ進学する必要はなくなってきている。キャリアを積みながら、必要な知識や技能を必要になった時に体得していけるような環境が、これからどんどん整っていく。
  • 問24:× 難しいことを誰でも簡単にできるようにすることで価値が出る。また簡単なことを組み合わせて新しいサービスや複雑な仕組みを作りだすこともできる。1つの知識の難易度や、個人の頭の良さで、安易にものごとの可能性や優劣を評価してしまうのは危険。問題を解決できることが大切なので、きることを組み合わせたり他の知恵を借りたりして、最適解を求めていく「プログラミング的思考」が大切。
  • 問25:× 速く正確に答えを出す仕事はコンピューターの役割になっていく。生身の人間がコンピューターに挑戦するような不毛な努力を若い人にさせて消耗させてはいけない。

答えは全て「×」って単純すぎますかね?
まぁテストが目的ではないですから。
これはブログ(エッセイ)ですから、一応。

おわりに

もちろん別解もあります。上の解答解説は、あくまでも答え方の事例です。

またコンピューターや人工知能が、私たちの予想とは違う進化を遂げれば、それに応じて私たちの価値観も変わるでしょう。

上に書いた塾長の設問のし方や、解答・解説の事例の示し方も、これから変わってしまう可能性があります。
塾長の考え方も常に更新されています。

最適解はあくまでも「今の」「目の前の」最適解にすぎません。
時代や土地や立場によって、より優れた最適解が簡単に出てくるでしょう。

私たちは神ではありません。
人としてできることは、変化を前向きにとらえ、できることを組み合わせて「最適解」を求めていくことです。

 


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本当に「偏差値の高い高校・大学」へ進学する方が正解か?

塾長です。

今回は学習塾の先生っぽくないことを書きます。時には自由な発想も大事です。

さて、

中学生のみなさん、高校へ進学したいですか?
高校生のみなさん、大学に進学したいですか?

それならば聞きましょう。

「何のために」「なぜ」

進学したいですか?

これ、AO入試や推薦入試の面接で、必ず聞かれます。
しかも、しつこいくらいに、めっちゃめちゃ突っ込まれます。

これからの時代、この理由がとても大切なんです。
今まではテンプレ回答でよかったのですが、どうやら今後は本気みたいです。

そうなってきた背景とは!?

いま世の中で起こっていること。
順に見ていきましょう。

まずは手始めに、Googleの話題から・・・

就活で大卒が無意味になる!? Googleのキャリア認定

College(カレッジ)と呼ばれる、教養を深めるタイプの大学は、これから無くなっていくのかもしれません。
アメリカでは、こんな記事が世間を驚かせています。

Google Has a Plan to Disrupt the College Degree (AUG 19, 2020 by INC.)

この記事によれば、
グーグル社は、就職に役立つ基本スキルを教える専門コースを開設するそうです。
カリキュラムを終えればGoogleが「キャリア証明書」を発行してくれます。

1つのコースは月額約5千円(49ドル)、6か月で卒業できるようです。
つまり5千円×6か月=3万円で1つのキャリア認定が得られます。
さらに奨学金制度もあるそうです。

もちろんGoogleは自社の採用でこの認定書を活用します。
なんと「大卒と同じ価値」で扱うそうです。

さらに、ウォルマート、ベストバイ、インテル、バンクオブアメリカ、Huluといった名だたる大企業が、その制度に参画していくようです。

「大学の学位は多くのアメリカ人にとって手の届かないものであり、経済的安全を確保するために大学の卒業証書を必要とすべきではありません」
「私たちは、アメリカが回復し、再建するのを助けるために、強化された職業プログラムからオンライン教育まで、新しくてアクセス可能な職業訓練ソリューションを必要としています。」
「私たち自身の採用では、これらの新しいキャリア証明書を、関連する職種の4年の学位に相当するものとして扱います。」
(上記記事をGoogle翻訳にて日本語化し、一部を引用)

少なくともアメリカでは今まさに

「大卒が就職に有利」

という従来の価値観が消えつつあるようです。
4年制大学に行く意味を、あらためて考え直す必要があります。

就職が有利になる

もしもそれが進学の理由なら、もはや4年制大学に行くのは得策ではありません。
上のようなスキル認定を受けてしまった方が、安いし速いし有利です。

さて、ここから先は日本の話題に移ります。
さらに破壊的というか根本的な投げかけがあります。

義務教育は小学校までで十分!? 日本のキャリア教育を考える

つい最近、おもしろい動画を見つけました。
N高校政治部の特別授業がYouTubeで公開されていたのです(2020/9/9)

三浦瑠璃先生が顧問で、現職の麻生太郎副総理に色々な質問をしてしまう企画です。

とりあえず見てください。
自分の頭で考えて、自分に置き換えて見て欲しいと思います。

【N高政治部】麻生太郎副総理 特別授業(高校生のための主権者教育)

この動画の注意事項

なお、動画の冒頭にあるように、この動画は特定の立場に立つものではないし、特定の思想を伝えるものでもありません。この動画の趣旨としては、

変化を自分の目でとらえて、自分自身で考えることが大切

ということですので、そのつもりでご覧いただけたらと思います。
動画を見た感想や意見は、見た人がそれぞれに感じて自由に考えて頂ければ結構です。

25:12~34:38 「教育における同調圧力」について

  • 明治維新以降は、みんなで同じことを頑張る教育が大切だった
  • 男性社会だったので、国が教育を義務にしないと女性に同じ教育が与えられなかった
  • しかし今は、色々な人が出て来て、色々な表現ができるようになった
  • 日本は義務教育のレベルは高い一方で、大学は留学の方に魅力がある
  • きちんとした教育は小学校までで十分、例えば因数分解が義務として全員に必要とは思えない
  • 高校でさえ進学率が90%を超える今ならば、中学の進学から自由にしてもかまわない
  • その方が自由な発想で、自分に合った才能を伸ばせる

55:58~59:56 「コロナ騒動で就職が厳しい」状況などについて

  • コロナの騒ぎで世の中は色々変わるだろうが、それで全てがダメになるのではない
  • 新しいタイプの仕事が出てくる、今まで考えられなかった職業が出てくる
  • そのような時代を若い人はむしろ面白いと思って生きて欲しい
  • もちろん宮大工など古い職業も残るし、それがハッキリしてるなら義務教育が邪魔なほど
  • 1つの会社で退職までいくのも1つだが、若いんだから色々やった方が良い
  • マンガやオタク文化はサブカルチャーと言われているが、今やメインカルチャー
  • これから何が期待の職業になるか分からない
  • 置かれた時代は選べないが、生き方は自分で選べる

自由な発想をして良い

この動画でもう1つ面白いのは、発想の柔軟さや大胆さは、年齢に関係ないということですね。
80歳の副総理が

「中学まで義務教育である必要がないんじゃないか」

などとコメントするのは、既存の常識にとらわれない柔軟さと大胆さを感じます。
「え、そんなこと言っちゃうんだ?」的な面白さというか、新鮮さがあります。

もちろん、本当に義務教育が小学校までで十分なのか否かは、皆さんそれぞれの考えに委ねたいと思います。

要は、それくらい自由に考えて良いということです。

自分のキャリアも、自分の気持ちに正直に、自由に挑戦して積み重ねていって欲しいと思います。

そしてもう1つ。

むしろ若い議員の方が、若い人の意見をちゃんと聴いてない(46:25~49:18)。

これも確かにそうですね。

年齢に関する思い込みを外すことも、自由な発想のためには大切です。
同じように、性別や人種についてもそう。
とても示唆に富むコメントです。

自分のキャリアについて、ぜひ自由な発想で考えて欲しいと思います。

もっと評価されるべき「高卒で就職」

もう1つ紹介します。
高校生からのキャリアを積極的に支援する活動です。

アスバシの活動

一般社団法人アスバシ (明日の社会にかける橋)

18歳の選択の質を上げ、若者のチカラで変わる企業と社会

ぜひ上のホームページで活動内容をご覧いただきたいのですが、

  • 高校生インターンシップ
  • 高卒採用のマッチングサポート
  • 企業の枠を超えた4年間のOFF-JT教育
  • 東海若手起業塾
  • 社会イノベーターフォーラム

などなど、色々な活動をされています(2020/9/15確認)

高校生と企業、高校生と社会をどんどん繋げていく活動です。

高校生にとっては、社会のこと、仕事のことが早くからよくわかり、視野もキャリアも広がります。
企業にとっては意識の高い高校生と早い段階から接点が持てますし、地域へ会社を知ってもらうことにもつながるでしょう。

日本でも多様なキャリアの在り方が求められ、すでに色々な取り組みが始まっています。

今どきの学習塾に求められる「進路指導」とは

ここまで、破壊的な話題を紹介してきました。

義務教育とは?
高校受験とは?
大学受験とは?

みんなと同じようにやってきた常識に「なぜ?」が突きつけられています。
既存の教育の仕組みや常識が、これから破壊されていくのでしょうか。
だとすれば学習塾も、今の姿のままでは不要になっていくのかもしれません。

他にも多くのネタがありますが、これ以上の例を挙げてしまうと

「塾長はクビになるの?」

と心配されてしまうので、ここらへんで止めておきます。
(いちおう塾長は社長なのでクビにはならないです、ご心配なく)
その代わりに、そろそろ

「これから塾はどうするのか?」

について書こうと思います。

「学習塾も変化に対応していくぜ!」

っていうお話です。

これまで学習塾と言えば、テスト対策や受験対策というイメージです。
多かれ少なかれ、それは今後も変わらないでしょう。

しかし、明らかに変わってきたのが進路相談の「中身」です。

もはや偏差値で高校や大学のブランドを説く人など、いなくなってきました。
これ、なかなか信じない人も多いのではないでしょうか。
でも事実です。

高校受験の現在

高校のブランド力は「キャリアの提案力」になりつつあります。

多くの中学生が「人生初の受験」を経て入学するのが高校です。
進学ということ自体が、まだよく理解できないし、できたとしても限界があります。
そのため、

  • どんな高校生活が送れるか?
  • どんな将来性が開けるか?

これを提案できている高校が強いです。
そうなると公立高校よりも私立高校の方がアピールが上手で、体制の構築も速いです。
それで必然的に、次のような傾向になってきました。

  • 偏差値だけで高校の高低を単純に語る人が、とても少なくなってきた
  • 私立高校の特長や強みが目立つようになってきた
  • 学校の先生から私立推薦を勧められるケースが増えてきた
  • 「どうしても公立高校」という人が減ってきた(定員割れが拡大)

保護者様から塾に対するご要望もマイルドになりました。

  • しっかりとした基礎学力を身に着けて欲しい
  • 本人が行きたいと思う高校に行かせてやりたい
  • 子供の得手不得手をちゃんと分かって欲しい

「偏差値上げて」「点数上げて」の一辺倒ではなくなってきたということです。
これは明らかに、昔ほど受験競争がシビアではなくなったためでしょう。

私立高校のパンフレットを見れば「進学したくなる理由」が書かれています。
生徒たちが漠然と抱えている不安や疑問。

  • 何のために進学するの?
  • 高校へ行って何するの?
  • 何の役に立つの?

こうした中学生の疑問に、ちゃんと答えられている高校が人気です。
こうした状況を踏まえれば、進路指導では次のことが大切です。

  • 何の勉強がどんな仕事にどう役立つかを説明できること
  • 特に普通科への進学は、できるだけ高卒後の進路希望まで確認しておくこと
  • キャリア意識の高い生徒がいれば、その意思をしっかり汲み取ること

要するに、高校進学の指導で大切になって来たのが、

「早い段階でのキャリア意識」

なのです。かつての受験競争では、

  • 模試の結果で偏差値が高かったから○○高校
  • とにかくよい大学へ行くためには良い高校へ

という漠然とした理由で勉強し、進学していく人が多かったです。
しかし、今後はいなくなっていくことでしょう。

「○○高校に〇人合格!」

みたいな学習塾の合格実績は、次第に価値がなくなっていくのかも知れません。
すると高校受験において、学習塾の役割で大切になることが見えてきます。

世の中を良く知っていて、勉強する理由や仕事やキャリアの実態について、ちゃんと語れること

このような講師や塾長が求められるようになってきました。

大学受験の現在

大学のブランド力は「高い専門性と社会貢献」です。
研究成果を通じて社会に貢献する、それができるレベルの人材を社会に排出する、というのが大学です。
そのため大学は、

  • 自分からテーマを見つけて探求していける人
  • 社会貢献を通じて大学の名誉を上げてくれそうな人

という人材を、できるだけ

「一本釣り」

で獲得しようと模索しています。

アドミッションポリシーで欲しい人材像を宣言しています。
小論文を書かせたり面接をしたりして、その素養を見抜こうとします。
それで次のような入試の傾向になってきました。

  • AO入試や公募推薦の活用が目立ってきた(推薦受験の定員枠の拡大)
  • 私立大学は一般入試の合格水準が上がった(一般受験の定員枠の縮小)
  • 資格や実学を求める人が多くなってきた(資格系の学科が増加)
  • 文理を問わず、グラフや図表を読み解く力、論理的な文章を構築できる力、仮説を立てて問題の解決策を論じられる力、などが問われるようになってきた
  • (オマケ)地元志向が強まってきた(愛知県の地元残留率は全国1位)

お父さんやお母さんが経験してきた大学受験と比べてみてください。
すっかり様変わりしていますよね?
世の中が大卒者に求める能力が、もはや完全に変わってしまったからです。

大卒者に求められるのは、専門知識そのものではありません。
専門性を活かした問題解決力です。

身の回りや世の中に転がっている、大小さまざまな問題。
それらを自ら見つけて解決していく力です。

本当は今までもそうだったのですが、コンピューターやAIの台頭で専門知識の価格が下がってしまったため、ようやく明確になって来たとも言えます。

そもそも仕事とは何であれ、何かしらの社会貢献なわけですから、当たり前と言えば当たり前です。
しかし大卒者には、それが研究レベルで求められるわけです。

つまり、大学に行く価値というのは、

他の人や人工知能には真似できない問題解決力が身につく

ということです。
そのようなモチベーションで推薦の願書や志望理由書を書く必要があるわけです。
だとすれば、大学受験において、学習塾の役割で大切になることが見えてきます。

大学の研究内容まで調べて理解し、大学で取り組みたい研究テーマや大学卒業後の展望などについて、ちゃんと指導できること。

このような講師や塾長が求められるようになってきました。

いやー、正に塾長の出番って感じです!
こういうの得意です!

ぶっちゃけた話し、問題解決をやったことが無い人に、志望理由書や小論文の指導をお願いしても、あまり意味がないでしょう。

例えば、卒業論文や修士論文がヘッポコだった人に指導してもらっても、ちょっと厳しいかもしれません。
学習塾の先生なら、起業した人や、社内の業務改善に取り組んだことがある中堅以上の社員でなければ難しいでしょう。
学校の先生であれば、教育改革を推進したり、主体的に業務改善に取り組んだたりしたような経験を持つ、中堅以上の先生に指導してもらうのが良いと思います。

どのような立場であれ、これからの進路指導には、指導する側にもそれなりのキャリアが必要になってくると思います。

「どこへ行くか」ではなく「何をしたか」

昨今のような変化の激しいときこそ「あたり前」のことが大切になってきます。
進学であれば、

  • 「どこの高校に行ったか」 < 「高校で何をしたか」
  • 「どこの大学に行ったか」 < 「大学で何をしたか」

という至極当然のことを、それこそ真剣に考える時代になってきたわけです。

例えば、コロナ禍で大学のキャンパスに行けないとなれば、なおさら大学に行く意味が問われるというものです。
留学ともなれば、なおさらのことです。
こんな動画は、いかにもそれらしい話題です。

脳科学者の茂木健一郎さんです。

塾長は10年ほど前にお会いしたことがありましたが、とにかく熱い方でした。
本の裏表紙にサインをいただきましたが、そこに添えて頂いたメッセージが

「誠司よ、噴火しろ!ドカーン」

ですからね!
ドカーンと噴火して奮起し、それから間もなくヒーローズを始めてしまったわけですけれども・・・。

そういうわけでして、

就職に有利だから

これはもう、大学へ行く理由にはなりません。
そもそも、問題解決力が問われている時代です。

大学に行く理由が、そんな大雑把でフワフワしている時点で、おかしいと思われます。

何も考えずに進学した

つまり下手をすれば、

論理的に考えて行動できない

と見なされてしまいますよね。
これまでの方が異常だったのだと思います。

高校進学にしろ、大学進学にしろ、そして専門学校への進学にしろ、どこに進路を設定しても、必ず

行ってから何をするか?

を考えることが重要です。

Society 5.0にむけた進路指導

塾長だけが言っていても信ぴょう性が低いので、今度は学習塾のブログを1つご紹介。

個別学習のセルモ 日進西小学校前教室 西尾先生のブログです。

Society 5.0にむけた進路指導

ほらね、僕だけではないでしょ。
西尾先生みたいな立派な先生だって、同じように考えていらっしゃいます。

  • 来るSociety5.0の時代、これまでの学歴モデルが崩壊する
  • 普通科にとらわれず商業科や工業化などの専門学科も検討してみよう
  • 進路指導では、大人は、幅広い選択肢を提示し、子どもは、その中から進路を「自ら選ぶ」のが理想

西尾先生は、

愛知総合工科高校(旧東山工業高校)→日立に就職→東大留学→マイクロソフトに転職→セルモ開校

という異色の経歴をお持ちです。
正に時代の先を行くキャリアで、西尾先生のプロフィールはモデルケースの1つと言えます。

説得力あり過ぎです!

あとがき

ところで余談ですが、上のN高校の動画を見ると、

  • 政治家は現状を変えるのが仕事(役割)
  • 官僚は現状を守るのが仕事(役割)

であることが、あらためて分かりますね。
そう考えると、双方が議論を戦わせるのは世の常であり、どちらが良い悪い、というものではないです。

ただ、任期と選挙がある政治家の方に権力が置かれるのが民主主義というワケですね。
逆に、選挙のない官僚が権力を持ってしまえば、これは独裁主義になるわけで、そうなれば市民の声が届く仕組みがなくなってしまいます。

もちろん日本は民主主義国家ですが、それでも官僚の反対で教育改革が大胆にできない国のようです。
国の仕組みがコロコロ変われば混乱しますから、このへんはバランスなのでしょう。

現政権に関しては、色々な意見や反対・賛成もあるでしょう。
塾長は立場上、生徒の前ではどちらとも言えません。
生徒がそれぞれに考えてくれればよいと思います。

ただ少なくとも、第一線で頑張ってきた人のお話というのは、色々な角度で見るたびに、色々な学びがあると思います。

 


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新教育「めんどうな事はコンピューターにやらせよう」(1)

コンピューターの上に人が乗っている図

塾長です。

今日のタイトル。子供から大人まで、みんなで共有したいことです。
とりあえず、この記事を見てください!

(ちなみに続編もあります。 新教育「めんどうな事はコンピューターにやらせよう」(2) )

子供が大人になる頃の世界。キンコン西野さんの説明が神!

コンビニの話しがめっちゃ解りやすい!

「失敗をする人」のほうが得になる
これから「役に立つ人」の価値は薄れていく。キンコン西野が“コンビニにあるもの”で解説

どうして教育改革が行われるのか。
どうしてプログラミング教育なのか。

この説明を見れば、もうだいたい理解できます。

× 正解をすぐに言える人
〇 ストーリーを生む人

たくさんの知識を頭に詰め込むことには価値がなくなります。
ネット検索や人工知能が便利なのに、わざわざそれに生身の人間が対抗するのは不毛です。

そういう時代です。

つまり、こんな価値観になるかもしれません。

クイズ番組が無くなる!?

クイズに素早く答える。
正解すれば勝ち抜ける。
優勝すれば豪華賞品。

そんな定番のクイズ番組は、これから無くなるのかもしれません。

10年後の人たちから見れば今のクイズ番組は、まるで古文です。
クイズ王の何が凄いのか、全く理解できないでしょう。

ネットで検索すれば済むようなことを、なぜ、わざわざ問題にするのか?
スマートスピーカに聞けば済むようなことを人間が答えたくらいで、なぜ騒ぐのか?

いったい何が「いとをかし」なのか、解説されなければ分からないでしょう。

暗記と思考を区別しない学習

みなさんは「いつの間にが勉強になっていた」という体験はありませんか?

塾長は、比例や反比例、平方根の計算がそうでした。
ちゃんと理解したのは、高校受験でちゃんと勉強した後です。
しかし必要に迫られたのは小学6年生のころでした。

小学6年生が平方根の計算

塾長は、小学生の頃から星の写真を撮ることにハマりました。
友達と田んぼの真ん中でカメラを構えて、目には見えない星々を写し取るのです。

よい写真を撮って、もっと色々な天体を見てみたい。
撮った写真を友達に見せたい。

そんなストーリーの中で、天体写真のノウハウが書かれた本を読むのが好きでした。

そして、カメラやレンズの設定を計算するために、比例や反比例の計算が必要でした。
望遠鏡の焦点距離からシャッタースピードを計算する公式には、平方根の計算が必要でした。

もちろん小学生だった私が平方根をちゃんと理解していたはずがありません。
しかし理解しなくても困ることはありませんでした。

公式は、本に載っているものを見ながら使えれば十分です。
平方根の計算は、電卓のルートボタンの使い方さえ知ってしまえば可能です。
高校生の姉に、電卓の使い方を教わったので大丈夫でした。

私にとって、比例も反比例も平方根も、理屈を理解するより先に、まず体験がありました。

数学は暗記科目か?

例えば、みなさんは数学を暗記だと思いますか、それとも、思考だと思いますか?

  • 数学は考える科目だ
  • 数学も結局は暗記科目だ

どちらだと思いますか?

人間の脳にはメモリもCPUもない

ところが、そもそも人間の脳みそは、覚えることと考えることの区別をしていません。
コンピューターは、

  • 記憶 → メモリ(覚える装置)
  • 演算 → CPU (考える装置)

というように、機能ごとに装置が分かれています。
一方、人間の脳は、そのような構造が見当たりません。

区別が無いのです。

ですから、覚えることと考えることは同時に起こります。
数学は考える科目ですが、同時に、暗記科目でもあります。

逆に、数学を暗記と思考に分離して学ぼうとすれば、むしろ効率が悪くなる可能性があります。

「ひたすら暗記」は苦行でしかない

このように覚えることと考えることは両方が同時に必要です。

知識が無ければ考えることはできません。
考えなければ知識を使いこなすことができません。

しかし、これまでは前者を重視し過ぎていたと言えます。
暗記が曖昧であることを、目くじらを立てて減点する試験でした。
だから暗記が完璧にできないと、次の段階に学習が進みません。

考える過程で、ちょっとでも参考書を見てしまったら0点と同じです。
このような受験競争で培ってきた日本の教育は、明らかに暗記に偏っていたと思います。

そこまで暗記に偏った学習は、脳の構造に逆らった不自然な行為でした。
それゆえ勉強は辛い苦行でした。

苦行はコンピューターが代行する

今やコンピューターやインターネットを誰でも使えます。
わざわざ人間が知識を大量かつ正確に暗記しておく必要がありません。

ほんのちょっと資料を確認するだけで考えが進むのであれば、見ればよいです。

何かの考えを進めるにあたって、その前提となる知識を全て正確に暗唱するまで、わざわざ待ってからでないと次の考えに進められないなんて、馬鹿げています。

不便ですし、そもそも見ながらでも知識を使ってしまった方が、覚えるのが早いです。

こうした不合理から日本の子供たちは、そろそろ解放されるべきでしょう。

コンピューターの利用を前提とした教育にどんどん変えましょう。
そうすれば、私たちはついに「暗記」という苦行から解放されるのです。

これからの勉強で大切になるのがストーリー

考える、使ってみる、応用してみる、ということを通して知識が身につきます。
また逆に、先に知識を得たから、考え方や使い方がより良くなることもあります。
それらが区別なく同時に起こります。

つまり、あらゆる学習が体験型になっていきます。

すると今度は、

  • どんな体験をするか
  • 誰と体験するか
  • どこに共感して体験するか

といったストーリーが大切になります。

星の写真を撮って友達とワクワクしたい。

塾長は、そういうストーリーの中で、いつのまにか学習していたことが多くあったのだと思います。

これからの勉強が、みなそうになったら、とても楽しいと思います。

先生の役割が変わる

暗記が不要になるのは、生徒の学習に限った話ではありません。
先生や塾の講師にとっても同じです。

先生は間違えてもよい

これからの学校や塾の先生は、

  • 何でも知っている必要がありません。
  • 間違えてもかまいません。

というスタンスになります。

何でも知っていて間違えない

これはロボットやコンピューターに期待される役割です。

では、先生や講師の役割とは、いったい何なのでしょうか?

拡大する役割

それは次のような役割になると思います。

  • 生徒によりよい体験を提案するコーディネーター
  • 生徒の取り組みを横で支えるコーチ
  • 生徒の体験を意味付けし、社会の常識と対応させるカウンセラー

今でも先生にはこのような役割があります。
それが、これから凄いスピードで拡大していくと思います。

縮小する役割

きっと、教科書を説明する役割が、どんどん減っていきます。
自分で説明しなくても、分かりやすい解説動画が見つけて流すだけです。

分かりにくい説明で生徒の時間を奪う方が、かえって悪いことです。
先生の誰もが説明がうまいとは限りません。
同じ説明が全ての生徒にとって分かりやすいとは限りません。

先生に求められることは、自分で説明することとは限りません。
その生徒にとって最適な説明を検索して提示してあげること、
その方がむしろ大切になるでしょう。

そうなれば、先生や講師は、授業ノートを準備する必要が無くなります。

だから、もっと新しい役割の方へ集中できるわけです。
これまで忙しすぎて、なかなかできなかったこと。

「本当の教育」

そう思うことをやればよいと思います。

プログラミング教室のあるべき姿とは

コンピューターを活用して、自分の苦手をカバーしつつ、人間らしい活動、自分らしいことに集中する。
これからの生徒に必要な、新しい能力とは、

  • 理解よりも先に体験する!
  • 苦行はコンピューターに任せる!

というものになります。
コンピューターは生徒たちが勉強を「体験」して「楽しむ」ために必要な道具です。

塾長がプログラミング教室をつくった、最も大きな理由がこれです。
だから他社製のプログラミング教室とは違います。

間違ったプログラミング教育

プログラミングは、決まった答えを速く正確に導くような学習ではありません。
つまり、次のようなプログラミング教室は、どれも間違っています。

×「テキストの通りにプログラミングしたら動いた」
×「テキストと違うプログラムを作ったら修正させられた」
×「模範解答を示されないと何も作れない」

このようなプログラミング教室にしてしまったら意味がありません。

ミッションにチャレンジする体験型の授業

生徒と共有するのは教科書の模範解答ではありません。
共有するのは「目的」(ミッション)」です。

その目的を達成するために、生徒たちは「こうしたい」「ああしたい」という要求を出してきます。
私は、それを実現するのに使えそうな命令や道具を、生徒たちに伝えるだけです。

使うのは生徒たちです。
作るのは生徒たちです。

でも、できたら一緒に喜びます。

みんな違うプログラミングをしますす。
マイクラの世界に現れる建築物が、生徒の個性によって違います。

でも、みんな共有した目的は達成しています。

プログラミング教室だからできる

英語、数学、国語、理科、社会・・・

これらの教科は、いつから体験型に変わるのでしょうか。

残念ながら、まだまだ変わるのに時間がかかるでしょう。
今後も辞書やスマホの持ち込みを禁止してテストが行われていくでしょう。

変わるのには時間がかかります。

しかしプログラミングなら、一足先に実践できます。

あとがき

苦手を回避して代替することも含めて実力では?

足が無ければ車いすや義足を使います。
それを社会が補助するのは、人権を守ることに等しいと思います。

では、学習障害については、どこまでがそうなのでしょうか。
学習の得手、不得手については、どこまでがそうなのでしょうか。

漢字を間違えたら、理科でも社会でもバツですか?
変換機能など代替手段を使えば済むのに。

クイズのような問題で成績をつけるのですか?
ほとんどの大人は忘れていて、必要なら調べるという手段で済ませているのに。

子供を消耗させるのが勉強ですか?

いつまで、そんな教育を続けるのでしょうか。
大人の世界では、そのような実践を誰もしていないのに。

何か苦手なことがあれば、それを回避する手段も与えたうえで、トータルで評価すべきです。

サポートされない6%の子供たち

日本では、生れてくる子供たちの約9%が、何らかの発達障害や学習障害を持っていると言われています。

そして、その9%の内の6%は、障害が軽微であるため小学校までは気が付きません。
小学校の勉強がまだ緩いからです。
生活に支障があるわけではないため、小児科の先生や保健所からは、特に何も指摘されません。

つまり、障害を認められて支援学級に入れる子供は、たったの3%だけです。
残りの6%の方は、問題なしとされてしまい、何の手当もされません。
これはクラスに1~2人の割合になります。

これが日本の教育の問題点です。

それゆえ、中学生になると、とたんに困ることになります。
中学のテストは1文字でも間違えたらバツになるような厳しさです。
そういう正確な暗記と記述が、一気に増えてしまうため、ついていけなくなるのです。

クラスに1~2人の生徒は、努力が足りないのではなく、障害が原因で勉強が遅れているのです。

コンピューターで教育の不平等を改善したい

もちろん、障害があろうと無かろうと、とっても良い子たちです。

だから、そういう子たちが本来の個性や良さを活かせるような、そういう道具が欲しいです。
コンピューターを使えるようになってくれたら、それが可能かもしれません。

  • 計算の間違えが多い?
  • 漢字が書けない?
  • 歴史が覚えられない?

苦手なことがあっても、気にすることはありません。
得意なことも苦手なことも、人それぞれ。
みんな個性があって、良いじゃないですか。

ただ、困らないように、コンピューターに助けてもらう方法を考えましょう。

そういう教育に早くしてあげたいと思います。

塾長には息子が2人いますが、下の子には障害があります。
まだ小さいです。
この子の勉強は、どうしたらよいでしょうか。

コンピューターが助けになるのであれば、絶対に間に合わせなければなりません。

記事の続編

この記事には続編もあります。
新教育「めんどうな事はコンピューターにやらせよう」(2)

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定期テスト対策で時事問題の富岳からのプログラミング教室

マイクラミング プロコース 事例

塾長です。

今回の定期テストでは、さすがに出ないだろうと思っていました。

この大変な時期にも時事問題!?

しかし出るみたいです、時事問題。
一部の学校、一部の学年です。

子供の環境格差を反映してしまうテスト範囲の1つが時事問題です。
貧困家庭、保護者が政治や経済に無関心、保護者がニュースを見ない・・・こうしたご家庭の子供たちには解けない問題です。

それを是正するなら、授業中にニュース解説をしたり、授業中にニュースを調べさせる主体的な取り組みを実践するしかありません。
要は公教育かつ義務教育の機関である学校で、いかにして社会格差を吸収できるか。
しかし、授業時間が切迫している今の状況では、それができないから困っているはず。

さすがに今年度は出さないだろうと思っていました。

それなのに、また無茶をしますね。
何かの間違いでしょう。上司がチェックし忘れたとか。

子供たちがかわいそう・・・。

学校の先生には99%感謝と尊敬をしておりますけれども、
「ちゃんと組織として動いて欲しい」
という改善はお願いしたいです。

ということで、夜なべして時事問題対策の用語解説集をつくりました。

ふー。目が痛い。腰も痛い・・・

昨日から今日にかけて、必要な生徒たち全員に配り終えました。

富岳と不老

その用語解説集。
もちろん理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」も載せました。
8年ぶりの世界ランク1位ですからね。
名前の由来は「富士山」。

そして名古屋大学の「不老」も忘れてはいけません。
富岳と同じCPUのコンピューターで世界ランク36位
名前の由来は、大学のある「不老町」。
コンピューター処理の流れを表す「フロー」が読み方です。

計算スピードは富岳の方が60倍ほど高速ですが、人工知能や大規模記憶などが強化されています。
富岳の弟みたいなものですね。
ただ、不老は富岳より一足早く7月1日から運用を開始しています。

もちろん、不老も用語解説に載せました。

スーパーコンピューターでも使えるパイソン

その富岳や不老で、最もお手軽にプログラミングできるのがパイソン(Python)です。

  • シミュレーション
  • 人工知能
  • データサイエンス

などの研究をするのにパイソンがとっても便利なんです。
数学や物理を扱う機能がそろっているからです。
しかも無料で。

パイソンは科学技術に強い!

というワケです。

パイソンは8月開校の「プロコース」で

塾長のプログラミング教室で、この8月からプロコースを開講します。
実は、そこで使うのがパイソンです。

ハイコースを卒業する生徒がそろそろ出てくるからです。
彼らが言うのです。

もっと高度なことをやりたい!

と。

そのような生徒を対象に8月から限定的にサービスを開始します。

パイソンを選んだ理由は3つあります。

  1. 研究と就職の両面で将来まで役に立ちそうだから
  2. ジュニア、ミドル、ハイの環境に最初からインストールされているから
  3. 文法がシンプルでモダンだから

もちろん塾長が楽しんで使っているから(4つめ?)というのもあります。
教える本人が楽しいと思わなければ、教材を開発するまでに至りませんからね。

プロコースの方針として考えていること

一言でカッコつけて言いますと、

「次の世代に求められるコンピューターの使い方を教える。」

ということを常に考えています。

パイソンが人気とは言え、プログラミング言語には流行り廃りがあります。
ですから流行に左右されない芯の部分が生徒たちの中に残るように教えたいです。

何と言いましょうか、

プログラミングのエッセンス?
プログラミングのエキス?
プログラミング汁?

みたいな、10年や20年では変わらないプログラミングのセンスや勘所のようなものを教えていく方針です。
つまり生徒たちを、

「細かいことは自分で調べながらプログラミングできる」

という状態にしてあげたいと思っています。

そのために、例えば、あえて部分的にHTMLやJavaScriptを登場させたりします。
あるいは古い開発手法と新しい開発手法の両方を試してもらったりもします。

もちろんジュニア、ミドル、ハイの方針と変わらない部分もあります。

学校で習ってきた数学や理科、美術や技術などの知識もどんどん活用する!

この方針は変わりません。
塾ですから普遍的な教養とは何かを考えたいです。

プロコースでやること

スクラッチに比べると、パイソンはかなり高度なことができます。
しかもスクラッチに比べると超高速に処理ができます。

章の名前や構成は後で考えますが、ざっとこんな感じです。

  1. 導入
    ・スクラッチとパイソンを比較しながらプログラミングのスタイルを学びます。
    ・また概念の拡張として、整数、小数、文字列、配列や辞書、集合なども学びます。
  2. 計算力を体感する
    ・マインクラフトで学んできた3次元のベクトル空間を抽象化します
    マインクラフトは座標を(x,y,z)≡(横、高さ、縦)に対応させた空間です。
    これを(R,G,B)という色の空間に置き換えてお絵描きソフトを作ります。
    ・このように空間という概念を抽象化し、ハードウェアとソフトウェアの違いを体験します。
  3. 自動化を体感する
    ・ウェブスクレイピングを体験します。
    マインクラフトのプログラミングでは、よくブロックIDをインターネットで調べました。
    これを自動化します。
    ・調べた情報をCSVファイルという汎用的な形式で保存します。
    ・またパイソンで読み込める形式でファイルに保存して再利用性を考えます。
  4. データーベース
    ・スクレイピングしたデータをデーターベースにして管理します(RDBモデル)。
    ・SQLを簡単に紹介し、目的に応じてプログラミング言語が変わることを体験します。
  5. Webサーバーおよびアプリの開発
    ・データーベースを検索するアプリを3種類ほど作ります。
    ・コマンドラインのアプリ
    ・ブラウザで調べるアプリ(クライアント-サーバーモデル)
    ・Web-APIを使って調べるアプリ(REST-APIモデル)
  6. 人工知能
    ・詳細は企画中です。ここまで来るのに1年以上かかるでしょうから、ゆっくり準備します。
    人工知能の紹介程度になりますが2種類ほどやろうと思います。
    ・皮肉にも高校の教科書から削除された行列が人工知能では必須です。
    数学の基礎からどうやって教え直すのかが最大の課題でしょう。

ちょうどブログのサムネイルにある写真が、お絵かきソフトの完成図です。

マイクラミング プロコース 事例

画面上で絵を描くと、マインクラフトの世界でそれが実現されます。
背景を白紙にすればホワイトボードにもなります。

ところで、夏休みの宿題で「写し絵」(フロッタージュ)に取り組んだ人もいるでしょう。
10円玉に紙をかぶせて、鉛筆でこすると10円玉の模様を写し取れるという、あれです。

それと同じようなこともできます。
背景の画像をマウスでこすっていくと、マインクラフトの世界に、背景の絵が写し出されていきます。

そんなお絵かきソフトです。

学校で習った数学や美術(図画工作)のアイデアを使っています。

楽しそうでしょ!
そして頭が良くなりそうでしょ!!

こういうプログラミング教室って、他にはないと思います。
学校の学習指導要領に全て目を通してから作りました。

ソフトウェアの価値を理解できるという教養

空間座標の縦、横、高さを数字にすれば、どんな場所でも表せます。
色の三原色の赤、緑、青を使えば、どんな色でも表せます。

これをベクトルの(x,y,z)に当てはめて使うと、どちらも同じ数学の式になります。
例えば、場所の近さも色の近さも「距離」ととらえれば、どちらも三平方の定理で計算できます。

このように、ソフトウェアというのは、数学のような抽象化された概念を色々なものに当てはめて、新しい道具にしたものです。
学校で習う勉強は、とても抽象度が高いので、一見すると、何の役にも立たないことのように思えます。

しかしソフトウェアの世界では、その抽象度の高さが逆に大きな利用価値を生んでいます。

その価値を理解している投資家や政治家が多い国が、いち早く発展しているというワケです。
それは Google、Apple、Amazon、Facebook、Microsoft、Adbe、ZOOM などの歴史を見れば明らかですね。

残念ながら今までの日本には、抽象的な学問の価値やソフトウェアの価値を理解している人間が、ほとんどいなかったです。
いたとしても、そのような人材は、みな日本を出て海外に行ってしまいます。

スーパーコンピューターで世界一をとれるのは、ハードウェアだからです。
ソフトウェアについては、今後の日本の変化に期待したいですね。

ですから若い人にも大きな期待がかかっています。

高度の意味を取り違えたくない

逆に、機械の仕組みやコンピューターの仕組みなどは省略します。
プロコースではマイコンボード、LEDやモーターの基盤、ロボットなどは一切使いません。
ゲーム制作もしないです。

ロボットやゲームを作れば、いかにもプログラミング教室っぽいですかね?

塾長は、そのようなことを子供たちにやらせるのは反対です。
「職業に近い」という意味で「高度」なことを、いきなり子供たちにやらせるのは間違いだと思います。

子供たちが大きくなる頃には、今の職業の過半数は無くなっています。

ですから私の教室では、特定のマイコンや特定の機械を詳細に説明することはないです。
子供たちが大きくなる頃に廃れてしまうような流行りの技術は、教えても仕方がありません。

つまり、ただ単に大人向けの技術研修を簡単にしただけ、みたいな教育は、子供の将来には何の役にも立たないということです。

ロボット教室、ゲームプログラミング・・・

これらは教育というよりは「趣味」と割り切って楽しむ方が幸せでしょう。
学校や学習塾としてやるなら、イベントに使うくらいですかね。

客寄せパンダとしては良いかもしれません。
自分の子供に習わせたいかと言われたら、やらせたくはないです。

趣味としてやりたいと言われたら、それはそれで良いですよ。
おもちゃを買い与えるのと同じ意味で。

中学生や普通科の高校生に教えるべきことは、職業訓練ではありません。

学校で学んでいることを開発や発明につなげる発想方法だと思います。
学校で学んできた抽象的な概念を、身の回りの色々なことに当てはめてみる、モノや機械を抽象化して考える、というソフトウェア的な発想だと思います。

今時のプログラミングでよく登場するデータの構造や情報の扱い方でもよいでしょう。
モダンなプログラミング言語で扱われるデータ構造もまた、ものごとを抽象的にとらえるための器です。

それが分野を問わずコンピューターの持つパワーを使いこなすことに直結します。

ソフトウェア的な発想は、今の日本人の多くが苦手です。
今の日本人は、誰にでもハッキリ見えるものや流行のもの、保証されたものばかりに目が行きます。

しかし何かを創造していくには、それとは逆の視点や発想が必要です。
0から1を作り出す創造性をこれから強化しなければいけないと思います。
だから重視して教えようと思います。

ついついコンピューターというと、

「どんな技術を身に着ければよいか」

という話になりがちです。
就職活動中の人がそうなるのは正しいと思いますが、子供たちにとっては違うと思います。
目の前にいる大人たちが

「Javaを覚えた方が良いよ。」
「ロボットを作れた方が良いよ。」

などとアドバイスしたとしても、子供たちの未来では全く違う話になっているでしょう。

「何の役に立つのか」

という問いかけは、子供たちにとっては役に立たないのです。

僕らの先輩の世代は、相対性理論や量子力学、整数論などを全く役に立たない学問だと信じていました。
しかしカーナビや量子コンピューター、暗号によるセキュリティーなどは、これらが活用されまくっています。

先の教科書改訂で削除されてしまった高校数学の「行列」も、人工知能をプログラミングするのに必須の数学でした。

大人が言う「○○が将来の役に立つ」などというアドバイスなんて、所詮はそんなものです。
だれも未来について分かりません。

ですから今の流行に右往左往するよりも、

コンピューターで世の中をどう良くしていくか。
どんなものを作れば多くの人から喜ばれるのか。

という社会との関わりや希望について考えさせて、
それを実現させていく道具立てとしてプログラミングがある、

という順番で話をした方が、結局は近道になると思います。

そしてもちろん、職人が良い道具を切れる技で使いこなすように、プログラミングにも良い道具と技があります。
テスト対策や受験対策で暗記していた公式が、実はそうした良い道具なのです。

これから日本が豊かになるのか否かは、それが分かる人をどれだけ増やせるかにかかっています。

そのような話をした方が子供たちの将来のためになるでしょう。

 


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成績の9割を決めるポイントで勉強を加速させる方法とは

あじさいを背景とした「6月の勉強」

塾長です。

小中学校では昨日から新学期の勉強が始まりました。

コロナ臨時休校の間に、家庭学習で予習を進めることができたお子さんもいるでしょう。
しかし、油断は禁物です。
できた「つもり」は危険です。

予習が進んでいるのは見せかけかもしれません。
おごらず、油断しないでください。
学校の授業を真剣に聞いて、勉強のヌケ、モレを見つけていくようにしましょう。

そこで6月の学習テーマとして、今回は

「勉強した『つもり』の総点検!」

というお題で書きます。

「勉強したのに点が取れない」

になってしまう理由と対処にいて、中学の英語と数学を例に書きます。

生徒が良い成績をとるためのサバイバル作戦として読んでほしい

最初にお断りしておきますが、今回のブログで書く指導法は、本当の勉強でもなければ、正しい学力の評価でもありません。
ちょっと残念な現状において、少しでも生徒が有利に評価されるための護身術です。

日本の教育は素晴らしいですが、次の観点で見ると、残念な欠陥もあります。
その欠陥が当面の間まだまだ運用されるのですから、その教育を受ける生徒としては護身術を覚えるしかありません。

成績の9割が決まるポイント

学校にしろ塾にしろ、日本の現状の教育においては、生徒の学力の測り方はとても偏っています。
非常に辛い現実として、子供たちの成績は次の観点で9割が評価されてしまいます。

  • 正確な暗記力(文字列の解析能力)
  • 文脈から答え方を正確に推測する力(空気を読む能力)
  • 短時間に多くの類題をミスなくこなす力(事務処理能力)

こうした能力は知性を鍛える「過程」においては欠かせない必要条件です。
しかし評価という「結果」の採点に使って良いのかといえば、それは話しが別です。

人工知能が得意な能力で人間を評価すべきか

人間の能力はもっと多様だからです。
第一これから先、上のような能力は、ほとんど人工知能がやってしまうようになるからです。

たとえ上のような能力に優れた人間を社会に排出しても、正直、あまり役に立たないです。
コンピューターの無かった時代は、人間が電卓になり、ワープロになる必要がありました。
しかし、もうそういう時代ではないのですよ。

人工知能と生身の人間を競争させ、優劣を競い合わせるのは、人工知能が勝つに決まっている出来レースであり、消耗にすぎません。

読み、書き、そろばん・・・もう終わりにしましょう。
どんどん学力の評価軸を「多種多様な表現」や「人間らしさ」に置き換えていきましょう。

国の教育が変わるまでの護身術

と言いたいのですが、残念ながら現場はすぐには変わりません。
残念ながら教育が変わるのには時間がかかり、その間に生徒はどんどん卒業していきます。
こうした辛い現実があるのは大人のせいであって子供のせいではありません。

従いまして、現状の評価で少しでも有利に点数が取れる「護身術」を生徒が身に着けるのは、決してズルいことではありません。
むしろ仕方のないことです。

ズルいのは、現状を変えず、自分の価値観さえ満足すれば良いと、その場しのぎで仕事をしている大人の方なのですから。
そういう大人たちは、学んできた学力を「できない理由を並べる」ために使っています。

誰がそうなのか。
子供たち、よく見ておきましょう。
そして16歳以上になったら、選挙権を行使してくださいね。

どんどん進む割には点数が取れない「作業癖」の子供たち

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

  • 間違えを隠して「できたことにする」
  • 勉強ではなく「作業」をしてしまう

このようなお子さんは、机に向かう時間が多い割には点数が取れません。
自宅学習がポンポン進んでいるとしたら逆に要注意です。

かわいそうなので何とかしてあげたいです。
単に何も考えずに突っ走っているなら心配ないのですが、中には・・・

できた時には褒められるかもしれないけれど、間違えた時には叱られる、馬鹿にされる。

そのような辛い経験を繰り返してしまったお子さんは、間違えることに後ろ向きな気持ちを持っています。
トラウマか、その一歩手前です。
その心の傷から自分を守るために、

  • たくさん書いたから褒められた
  • たくさん〇がついたから褒められた
  • たくさんページが進んだから褒められた

という評価を求めるような行動パターンが身についてしまっています。
しかも小学生までは、雰囲気やあいまいな暗記でも点数が取れました。
だから、それが勉強だと勘違いしやすいです。

なぜ中学生になると点数が取れなのか

しかし中学生からは1文字でもミスしたら減点です。
このような「作業」的な発想では、中学の勉強を正しく進めることができません。

小学校のテストとは違います。
中学校のテストは「正確な暗記」と「細かい暗記」をしておかなければ点数が取れません。

だから、特に中学1年生は要注意です。

だから、暗記を精密に鍛えることが勉強の大部分になります。

少なくとも、テストや受験で教科書やノート、電卓を持ち込んでもよくなる時代になるまでは・・・

とにかく現状において子供たちが点数を取るためには、テストのリハーサルを多くこなすことが必要です。
テストを受ける前に、できるだけ多くの間違いをたたき出し、それらを修正して弱点をつぶしておかねばなりません。

つまり問題を解いたら「間違い」を大切にし、それを周囲の人に知らせ、早くアドバイスをもらう姿勢が必要です。

中学生からの勉強とは、間違えを大切にし、共有し、改善することです。
間違えることに対して前向きな気持ちを持っていなければ勉強になりません。

小学校のときに身についてしっまった「作業癖」から脱却できず、勉強している「つもり」が「勉強」になっていない状態で中学生になってしまう。
このような意識のズレを「中1ギャップ」と呼ぶ人もいるそうです。

もちろん「中1」に限らず、成績が伸び悩むお子さんは何年生であろうと同じ課題を抱えています。

自宅学習では、このギャップを埋めることがなかなか難しいです。
指導経験者でないと子供がやっているのが「作業」なのか「勉強」なのか、なかなか見抜けないものです。

一字一句を正確に「言わせる」

したがって自宅学習で予習が進んだからと言って、それが順調とは限りません。
そうなると臨時休校が明けた、この6月にやっておくべきことは

「やったつもり」

の総点検となります。
理解が浅いまま「作業」だけで進んでしまった所を見直して、「勉強」としてやり直しましょう。

理解できているか否かのチェックは簡単です。

説明が正確にできるかどうか、子供に説明させればよいのです。

「太郎くん、数学はだいぶ予習が進んだようだね。」

「はい、学校課題の穴埋めプリントは教科書を見ればわかったので、自分で全部終わらせました。」

「けっこう、けっこう。それじゃ、『絶対値』の意味を言ってみてくれるかな?」

「絶対値・・・。ええと、例えば -10 なら10とか。」

「そうだね。教科書には絶対値の意味をなんて説明していたかな?」

「ええと、プラスとかマイナスとかを外した数のこと?」

「残念。新しい言葉が出てきたら、その意味を正確に覚えようね。「絶対値」を漢字で書かせたり、その意味を書かせるような用語の意味を問うような、国語みたいな問題が数学のテストでも出題されるよ。だから必ず用語の意味は正確に覚えてね。」

「あ、はい。」

「絶対値の意味は、数直線において原点0からの距離だよ。教科書でも塾のテキストでもいいから、絶対値の意味が載っている所をよく見てごらん。」

こんな感じチェックしていきましょう。

それでは中学生の数学と英語について、もう少し具体的な例で見ていきます。

数学の勉強の仕方

下の図は、中学2年生の数学です。
例年であれば5月の学習内容ですから、予習が順調に進んでいる生徒ならば学習済みかもしれません。

あなたなら、どのようにしどうしますか?

中2数学_文字式の利用_文理ー1

これを一字一句チェックできる子に指導していきましょう。

問題文をよく読む

まず問題文の意味をどれくらい正確に分析して理解できるか。これを生徒に言わせてください。

各位の数の和が9である3けたの自然数は9の倍数になる

この1文の採点ポイントは次の通りです。

  • 「各位の数」の意味と例を言わせる
  • 「各位の数の和」は、上で言わせた例ではいくつか言わせる
  • 「自然数」の定義を言わせる
  • 「9の倍数」を列挙させる
  • この一文から「仮定」と「結論」を抽出して言わせる

同様に問題文の2~3行目についてもチェックします。

  • 「百の位をx、十の位をy、一の位をzとする」は、上で言わせた例でどう対応するか言わせる

4~5行目について

  • 「3けたの自然数」をx、y、zで表した式を言わせる(書かせる)
  • 「各位の数の和が9である」をx、y、zで表した式を言わせる(書かせる)

回答形式をよく読む(空気を読む)

この問題は穴埋め形式ですから、出題者の意図する答え方の文脈が読み取れないと回答できません。

出題者の意図を読み解く一番の方法は「結論から逆算する」という読ませ方です。

  • 問題文の「仮定」と「結論」をもう一度言わせる
  • 「結論」の式がどんな形になっているべきかを言わせる
  • 「結論」の式が登場するのはア~オのどこだと思うか言わせる
  • その式の形式に向かって「9の倍数」と「その他」に式を変形するというヒントを与え、ア~オのどこがそうなっているか言わせる

こんな感じで問題文の解釈の仕方を言わせながら進め、どこが言えないか(勉強したつもりになっていたか)をチェックしながら復習を進めましょう。

このように問題文を定義通りに精密に読む力と、空気を読む力の両方を鍛えるのが勉強であると自覚させながら進めるのです。

英語の勉強の仕方

中学1年生の英語といえば、最初は「英語習字」と呼ばれるアルファベットの「書き方」の指導および英語の発音の指導がメインになるでしょう。

発音(フォニックス)は、アルファベットの数およびshなどの2文字発音の数だけチェックポイントがあるので、ここでは省略します。

少なくとも書き方については以下のチェックポイントがあります。

  • 大文字25文字の形、大きさ、位置のチェック
  • 小文字25文字の形、大きさ、位置のチェック
  • 文頭および名前の1文字目は大文字で書く
  • 単語と単語の間は1文字開ける
  • 文末はピリオドを打つ
  • YesとNoの後にはカンマをつける

などです。

これらを何か書くごとに生徒に言わせてみてください。
講師が説明してしまったら台無しです。
勉強した「つもり」をチェックするのですから、生徒に言わせてみてください。

それでは中学3年生ならどうでしょうか?

下の図は中3の受動態の問題です。
例年であれば5月の学習内容ですから、予習が順調に進んでいる生徒ならば学習済みかもしれません。

あなたはどのように指導しますか?

中3英語_受動態の穴埋め問題_文理ー1

これを一字一句チェックできる子に指導していきましょう。

問題文をよく読む

中学3年生であれば、まず大まかな語順を知っている必要があります。

  • 一般的な英語の語順について説明させる
  • 受け身の語順について説明させる

主語と述語から書けばよいことを確認したら、次に問題文の解釈に移りましょう。

  • 問題の日本文について「主語」と「述語」がどれか言わせる
  • 表現や文法のポイント(受け身、時制など)を言わせる
  • その「主語」と「述語」を英語に訳させる

基本的に英作文は主語と述語が訳せれば、もう半分は終わりです。

回答形式をよく読む(空気を読む)

あとは回答形式に合わせて、抜けもれなく答えを書くようにチェックさせましょう。

  • 問題の日本文と英文の対応を1語1語もれなく確認させる
  • 英文で欠けている部分に対応する日本語について、英語に直す
  • 複数の英訳を思いついたら、回答欄と語数の合うものを選ばせる

たった1行の穴埋め問題ですが、こうした基本問題ほど、内容をしっかりと言葉で説明できることが大切です。

結局のところ学力とは文字列の解析力

人間の表現手段は文字だけではありません。
顔の表情や声の抑揚、ジェスチャーなどによる体を使った表現も可能ですし、絵や図、楽器などによる表現もあります。

しかし、冒頭で書いたように、学校のテストで評価される対象は文字列での処理能力です。
なぜなら文字列のペーパーテストがもっとも実施しやすいからです。

だから文字列の解釈と文字列のアウトプットが優れてさえいれれば、5教科全体の成績が上がりやすいです。

いわゆる「国語力」とは違う

ちなみに、これを国語力とは呼ぶのは早計です。
教科ごとに文字列解釈の語彙やルールが違うので、教科ごとに訓練する必要があるからです。
国語だけ勉強していても、数学や理科の問題文を解釈できるようにはなりません。

いずれにせよ、こうした現状の成績評価は、人間の能力を測るにはあまりにも偏っています。
子供たちが持っているかもしれない、多くの才能を見つけることができず、評価できていないかもしれません。

そういう意味では、上で書いてある勉強の指導は、小手先のテクニックに見えるのかもしれません。
それには私自身も同意しています。

しかし今の時点で子供たちに広い視点で評価をしてあげたとしても、学校の成績が不利になるのであれば、結局は子供が不幸になります。
日本の教育がより進化するその日までは、子供たちに降りかかる火の粉をテクニックで防いであげるしかないでしょう。

たとえ学校でICT活用が進んだとしても、単に教科書の表示がPDFやパワーポイントに置き換わっただけであれば、当面、この状況は変わりません。

偏った成績評価を打開するために

論外のレベル

学校では数年前に、やっとのことで漢字や仮名の「とめ、はね、はらい」が採点基準から除外されました。
これに伴って学習塾でも、そこにこだわらない指導に変化してきました。

フォントによって異なる字体の表現を、先生の好き嫌いをルールにして採点しないように、ということになりました。

しかし似たような問題はまだまだ残存しています。

  • 英語のテストで筆記体で書いたら減点された
  • 社会や理科のテストなのに用語を平仮名で書いたら減点された
  • 数学の証明問題で、証明の過程がすべて正しいにもかかわらず、最後の合同条件の記述から「それぞれ」が漏れたので減点された

などなど、人間を「文字列編集マシン」に仕立て上げようとする「評価の暴力」が、まだまだ根強く存在しています。
学校だけではなく、模試など民間の採点基準も同様です。

テストは教科書を持ち込みOKにすべき

こうした悲しい現状を早く脱するためには、どうすべきでしょうか。

テストに教科書や授業ノートを持ち込み可能にしてしまえばよいと私は思っています。
たったのそれだけで、大部分の問題が解決されるでしょう。

何ならGoogle検索も許可してしまえばよいと思います。

もっともっと言ってしまえば、テスト不要です。
普段からの取り組みをちゃんとロギングできていて、それを集計できる環境さえあれば、むしろ評価のためにわざわざテストするなんて、時間の無駄でしかありません。

このような理想の教育を目指す過程でICTの導入があるわけです。

アフターコロナやGIGAスクール構想で、これから急ピッチに学校のICT化が進みます。
それを「やらされ感」で使うのであれば、何も良くなりません。

国家100年の計のスタートに私たち教育者は立っています。
そのような気持ちで教育の進化に取り組んでいきたいですね。

 


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勉強する理由とは? 塾に遊びに来た卒業生の想い出から

大学芋

塾長です。

納税にコロナ対応の臨時休校の作業、オンライン授業の手配などの作業がひと段落して、21時ごろに力が抜けた。

さて、思い出の1つでも綴ろう。

もう1年近く前になってしまった。ちょうどこのくらいの時間だった。その日の仕事がちょうど終わる時刻。

「塾が終わる時間、ちゃんと分かってますよ!」

そんな感じの絶妙なタイミング。
大学生になった卒業生が、ふらっと遊びに来てくれたのだ。
天白高校から滋賀大学へ進学した努力家である。

この世代の生徒たちは、よく遊びに来てくれる。
同学年の女子大生たちも成人式の帰りにわざわざ寄ってくれた。

「おお!よく来たね。あれ、いま何年生になったっけ?」

「もう来年は就職活動ですよ。」

そう言いながら、まるで何の違和感もなくスリッパに履き替えて、すっとイスを引いて面談机に座り込んだ。

「え、もうそんなん? 早いねー。」

「まだぜんぜん大学生を満喫した気がしないっす。」

「え、そうなの?」

「大学の講義がもう、興味が持てなくて。」

「講義なんかに期待しちゃいかんよ。サークルとか、セミナーとかは楽しくないの? あるいは充実してます、とか。」

「特に何も。友達に誘われて応援にはいきますけど、自分では。」

私はそんな彼に「勿体ない。」と返した。大学生なんだから、もっと好き勝手にやれば良いと、そんな話をした。

「塾長は大学生のとき、何してましたか?」

「僕はもう『好きな勉強しかしたくない!』って決めて行動してたかな。浪人して大学に行った反動もあったと思う。」

「大学の成績は気にしなかったんですか?」

「成績なんて全く気にしなかったよ。だって大学に合格したとき、『これでやっと偏差値とか成績とかから解放される。ついでにマラソン大会もない!』って本当に思ったから。何か制度のために我慢して勉強するのは、もう受験でコリゴリだったよ。だから成績とか評価とか、本当にどうでもよかった。重要なのは留年しないことと、興味のない講義をいかに回避するかってことだった。留年しそうでヤバかった時期もあったけど。」

そんな話をしながら、最近の大学生はマジメすぎるんじゃないかと心配もした。
あるいは、大学が余計な細かい制度を発展させて、つまらないスコアで学生の創造性を縛り付けてやしないかと危惧もした。

「それで、好きな勉強って、何をしたんですか?」

「物理学科志望だったから、物理関係のセミナーを3つかけ持ちしてたよ。有志で集まって専門書を輪読するみたいな活動。古典力学と解析力学と、それから量子力学。途中で辛くなって2つになったけど。そんだけ物理やってたのに、なぜが数学科に進んじゃったんだけどね。それからプログラミングも独学したよ。これは趣味だったけど、何学科に行っても何かシミュレーションしたいと思ってたから。」

信じられないという顔をした。

「サークルで充実したとかじゃないんですか?」

「もちろんサークルも楽しかった。3月末に下宿を始めたんだけど、4月の入学式まで1週間くらい暇だった。下宿にいても何もないし1人じゃ寂しかったから、4月になる前にサークル室に遊びに行って、それで先に入部しちゃった。凄く歓迎されて、先輩に夕飯とかおごってもらったよ。」

あー、いいなー。そういう経験したかったなー。
という表情で聞いていた。

別に思い出を自慢したくて語ったわけではない。単なる事実だ。
どちらかと言えば、貧乏学生だったし、むしろ不便の方が多かったと思う。
先輩が飯をおごってくれる習慣はマジでありがたかった。

逆に聴いてみた。

「そろそろ興味のあることも出てきたんじゃない?」

「まぁ、面白そうな勉強も少しはあります。研究室も決めなきゃだし。」

良い傾向だ。

大学は研究するところ。
もちろん、大学に行く目的はそれだけではないし、人によって色々だとは思う。
しかし、大学生である恩恵を最大限に受けるためには「研究する」という姿勢が必要なのだ。

サークル活動なんて、ぶっちゃけ社会人になってからでも似たようなことはできる。
しかし勉強に没頭したり研究したりすることは、大学生の時しかできない。
真面目に講義に出て点数を稼ぐなんて、そんな高校生みたいな生活をしてたのでは、大学生である意味がない。

興味のある研究分野が出てきたのであれば、その分野の教授にアポを取って、話を聞きに行ってみたらよい。
教授が無るなら、その研究室にいる博士課程とか修士課程の先輩方に話を聞いてきたらよい。
それで気に入ったら、研究室配属の後で後悔することもないし、配属が有利になるかもしれないし、一石二鳥だ。

そういうことを話した。

「塾長はプログラミングを独学で学んだんですよね。」

「うん、そうだよ。規模の大きな開発とか品質管理とか、そういう生産技術を学んだのは社会人になってからだけど。でも基礎は自分で勉強したよ。プログラミング言語の文法とかオブジェクト指向とか、そういう基本は本を買って読めば誰でも勉強できるからね。大学は本屋さんが充実してるから、いくらでも手に入るでしょう。たとえ社会人になってからも、そういう基礎部分は独学でやるもんだよ。今はインターネットがあるから便利だね。」

「本を買って読めば、できるようになるんですか?」

「1冊目はアホみたいに優しい本がいいと思う。それから、何でもいいからプログラミングして作った方が早いよ。ショボいプログラムでも何でもいいから、とにかく作りながら学んだ方が身に着くのが速いから。僕は学費や生活費を自分で稼ぐ必要があったから、プログラミングのアルバイトをしたよ。小さな会社から派遣されて大きな会社の職場を手伝ったりね。慣れてきたら持ち帰って自宅でプログラミングして、みたいな。1つソフトを完成させたら10万円とか20万円とか、そういう仕事もあったから。」

「まじっすか。でもほんと、今ってプログラミングとか情報解析とかできると、すごく就職いいじゃないですか。うちの大学のデータサイエンス学部、すごい人気らしいです。後輩たちにお勧めです。自分が興味ある研究分野もコンピューターで統計処理するみたいだし、関係あると思うんですよ。何を勉強したらいいですかね。」

お、だいぶ乗ってきたようだ。

「うん、その統計学で良いと思う。プログラミング言語は、行きたい研究室で何を使っているか聞いてみて、それで決めればいいと思うよ。1つの言語をちゃんと勉強すれば、あとは何語でもだいたい一緒だから。もしも研究室で特に何もなくて、それで独学というのなら、パイソンというプログラム言語がいいと思う。無料で環境を作れるし、文法も分かりやすい。それに高機能。統計処理や人工知能、数学や科学技術計算に使う関数や、グラフを描いたりレポートをつくったりする機能が豊富だから。」

「そういうことが分かっていて、なんで塾をやってるんですか?」

「僕らの時代はIT系の仕事と言えば、ブラックだったんだよ。だいたい4年くらい働くと1回廃人になる。それで転職して・・・みたいな感じ。もっと人間らしい仕事というか、人と触れ合う仕事がしたいってね。それで。」

「激しいっすね。」

「今は大丈夫だと思う。法律がかなり厳しいから。まぁ、楽な仕事とか安定した仕事なんてないからね。没頭できれば幸せなんじゃない? プログラミングとか開発は今でも好きだよ。実際プログラミング教室は自分で作っちゃったし。もしもこの先、学習塾が人工知能に置き換わって仕事が無くなったら、またプログラミングで飯でも食おうかな、とかね。まさかね。」

「うわっ、そういうの俺も言ってみたい。なんか、いざとなったらこれがある的なスキル、俺も欲しいっす。」

「でもね、ゲームとか業務アプリとかは、いくら作れるようになっても、ぶっちゃけそんなに儲からない。安い人件費で優秀な人材が世界に五万といる分野だから、もう消耗戦。レッドオーシャン。それに技術の流行り廃りが激しいから、学生のうちに勉強しても無駄になると思う。結局のところ、大学レベルの知識を応用するようなプログラミングができないと、年収は高くはならないよ。」

「あー、うん、あ、はい。もっと早く話していれば・・・でも分かりました。おれ勉強します。ほんと勉強しよ。」

とまぁ、そんな会話をした記憶が何故か思い出された。
コロナ騒ぎで就職活動はどうなってしまうのだろうか。

 

緊急事態宣言を受けて教室を閉鎖して2日目。
早くも生徒たちのいない教室に哀愁が漂う。

この場に子供たちの姿が早く戻ってきて欲しいと願う。

 


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