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天体写真

【天体観測】天の川の写真を撮って来たよ

週末は珍しく休みだったので天体観測に出かけました。

今回は三重県です。

三重県の天の川

先月とある用件でING進学塾の飯田先生とお話ししたのですが、その時に「三重県は天の川がよく見えるよね。」という話題で盛り上がりました。

といっても、塾長が三重県へ天体観測に行ったのは、もう、今から18年も昔のこと。
あの時は、雲かと見間違えるほど、天の川がよく見えたのでした。
懐かしくなって、また行ってみることにしました。

三重県と言っても南北に長いです。
星がよく見えるのは南側。
私の経験では、松阪市よりも南下すると星空がキレイになった記憶があります。

なぜ天の川がよく見えるのか

三重県よりは南は海。
つまり都会の光はありません。
だから、さそり座やいて座の方面、つまり夏の天の川がよく見えます。

この写真は当日の帰り際に撮影しました。
三重県の天の川の見え味。
18年たっても健在でした。

逆に北は松阪市、津市、鈴鹿市、四日市市、そして名古屋市と街並みが続いています。
北の空は、夜空が街並みの明かりにかき消されてしまい、星がよく見えるとは言えません。

星をよく見るためには、こうした都会の光の影響から逃れる必要があります。

より良い星空を求めて

北は諦めるとして、問題は東西です。

西には奈良、その先に大阪。東には渥美半島の田原、その先に浜松。
少なくとも、これらの市街地よりも南の緯度まで南下しなければ、東西の星空が良くなりません。

とは言え、一晩で日帰りするとなれば、あまり遠くまでは行けません。

おまけに、三重県と言えばクマもいます。

検索すると、昨年からツキノワグマが頻出していて、過去最多の目撃情報とのこと。
ちょっと怖いので、山間部は避けることにしました。
逆に海沿いの港なら夜釣りの人たちもいて安全だろうと考えました。

そういえば大学生のころ、天体研究会というサークルに所属していたのですが、
そのサークルが利用していた合宿所が、かつての南島町にあったのでした。
そのあたりを検索してみると、南伊勢町の贄浦漁港(にえうらぎょこう)が夜釣りで有名だそうです。

※南島町は平成17年に東隣の南勢町と合併して、今は南伊勢町になったそうです。

いざ、贄浦漁港へ

車のナビは地図が古くて途中のジャンクションを案内できず、道に迷ってしまいました。
いったん知らない土地で高速をおりて軌道修正。
30Kmほど遠回りしてしまいました。

なんだかんだあって伊勢市の手前までは高速で2時間強で行けました。
しかし、そこから下道で山を越えるのに、さらに1時間かかりました。

結局、到着したのは23時前でした。
夜釣りの人たちが2、3グループいらっしゃいました。
彼らの邪魔にならない所に車を停め、さぁ、撮影の準備です。

この写真は帰り際に撮りました。現場の雰囲気が伝わるでしょうか。
到着したときは、北斗七星がもっと高い位置にありました。

春は銀河の季節

今回の撮影テーマは「銀河」です。

宇宙の入れ子構造を大きい順に並べると、およそこんな感じです。

宇宙 > 無数の銀河 > 銀河系 > 太陽系 > 地球

私たちの太陽系は銀河系とよばれる1つの銀河の中にあります。
天の川は、その銀河系を内側から見た姿でした(中3理科)。

そして宇宙の小さな領域を望遠レンズで拡大して撮影すると、宇宙のはるか遠くにある銀河を確認できます。
こうした、私たちの銀河系の外にある別の銀河のことを「系外銀河」と呼びます。

春は「しし座」「おとめ座」「かみのけ座」などが見えますが、それらの方向はとくに系外銀河がたくさん写ることで有名です。
また北斗七星のある「おおぐま座」も系外銀河がよく見える領域です。

今回は身近な銀河系である天の川と、はるか遠方にある系外銀河。
その両方を撮影していきましょう。

撮影準備

贄浦漁港に到着したとき、天の川はまだ見えていませんでした。
いて座や天の川がよく見えるのは深夜3時ころです。
先にしし座やおおぐま座の銀河から撮影していくことにしました。

カメラに望遠レンズをセットしました。

塾長が持っている望遠レンズは 150㎜ F2.8。
双眼鏡より少し倍率が低いくらいのレンズです。

系外銀河の撮影には、もっと拡大したい所ですが、これしか持っておりません。
実は望遠鏡も持ってはいますが、今は故障中。

少し力不足ですが、
150㎜の望遠レンズで、どこまで銀河の姿をとらえられるのか?
挑戦してみましょう。

しし座のトリオ銀河

しし座には3つの銀河が仲良く並んでいる「トリオ銀河」という領域があります。

場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。

2025/4/26(土) 23:37 ~ 4/27(日) 00:17 露出 36分(6分×6枚)

中央に小さく3つの銀河が写っているのが分かりますか。それがトリオ銀河です。
もう少し拡大してみましょう。

それぞれの正式な名前は、右から時計回りに、NGC3628、M65、M66 です。
3つとも地球から約3500万光年の彼方にあるそうです。

つまり、この写真の姿は3500万年前の姿。
地球では南極大陸ができはじめたころ。
ちょうど哺乳類の中からサルに似た動物が出はじめた時代です。

ところで、NGC3628 は「ハンバーガー星雲」とも呼ばれています。
確かに、ちょっと潰れたハンバーガーみたいです。

しし座が西の空に低くなってしまいました。
本当は60分以上たっぷりと露出時間を取りたかったのですが、到着が遅かったこともあり、撮影を打ち切りました。
近くのおとめ座も系外銀河がたくさんあるのですが、その領域も諦めました。

ボーデの銀河と葉巻銀河

ここからは、おおぐま座です。北斗七星の周りを狙います。
最初は2つの大きな銀河がハの字に並んでいる有名な領域です。

場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。
北斗七星と北極星の間くらいです。

2025/4/27(日) 00:33 ~ 01:45 露出 72分(6分×12枚)

写真の中央付近に、渦を巻く銀河と、棒状の銀河が写っています。
中心部を拡大しましょう。

左の渦巻の銀河が M81 であり、別名「ボーデの銀河」と呼ばれます。発見したドイツの天文学者の名前が由来らしいです。

右の棒状の銀河は M82 で、別名「葉巻銀河」です。これは見た目の形が葉巻のようだからでしょう。
個人的には葉巻というよりはゾウリムシ。何やら中がぐちゃぐちゃしています。

M82 は中心部で激しい星の形成と爆発が繰り返されていることで有名です。
だから、ぐちゃぐちゃした構造に見えるのでしょう。
もしも赤外線で撮影すれば、爆発で生じた赤いフィラメントが銀河の外へ飛び出している様子が写るでしょう。

どちらも地球から約 1200万光年の距離にあります。
この2つの銀河はお隣同士で、互いに重力的な影響をおよぼし合っているそうです。

よく見ると、他にも小さな銀河がいくつか写っているのが分かります。
もっと高性能な望遠鏡で撮影すれば、たくさんの銀河が写り込むことでしょう。

これらの銀河から光が出発し、私たちに向かって旅を始めたのが1200万年前。
そのころ地球では、サルが人類に続くヒト亜科とオランウータン亜科に分かれたそうです。
また地球上では生物の大量絶滅が発生しました。隕石衝突などの説があるそうです。

回転花火銀河

北斗七星の柄の部分にも有名な銀河があります。
見かけのサイズは上で見てきたどの銀河よりも大きいはずですが、とても淡くて暗い銀河です。

具体的な場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。

2025/4/27(日) 02:02 ~ 03:05 露出 60分(5分×12枚)

画面の中央に、きれいな渦巻き構造の銀河が見えます。
M101 と呼ばれますが、その見た目から「回転花火銀河」あるいは「風車銀河」などとも呼ばれています。

渦から伸びる腕は、ぐるりと1周以上にわたって確認できます。
M101 までの距離は約 2100万光年くらいです。

よく見ると、周囲に小さな銀河も写り込んでいます。
この領域も多くの系外銀河が撮影できることで有名です。

系外銀河は、宇宙のあらゆる方向に無数に存在しています。
しかし実際に夜空を望遠鏡で観察すると、系外銀河が多い所と少ない所があるように見えます。
これは、私たちの銀河系の中で、方向によって遠くの光を遮るガスや塵の量が異なるからです。

系外銀河がよく見える方向というのは、光を遮るチリやガスが少ない方向、ということです。
そのため、銀河系の外からやって来た系外銀河の光が、途中で遮られることなく地球まで届く、というワケです。

夏の天の川

夜明けが近づいてきました。さそり座が西に傾いていました。
いて座の「矢」にあたる「南斗六星」が南中してきました。
そして、いて座の背景には天の川が広がっていました。

最後は天の川。私たちの銀河系の姿を狙います。
南の空にカメラを向け、広角レンズで撮影しました。

2025/4/27(日) 03:37 ~ 03:49 露出 12分(1分×12枚)

実際には人間の目では天の川の色は分かりません。
私の目には全体的に白く淡く見えました。
それでも、天の川を左右に分ける闇黒帯や、M20星雲、トレミー星団などは、肉眼でも見ることができました。

天文シミュレーターソフト「ステラリウム」で星座の位置を表示すると、こんな感じです。

写真と見比べて見ると面白いと思います。

夜明けとともに撤収

天の川は何通りかの構図で撮影したかったのですが、どんどん空が明るくなってしまい、諦めました。
いよいう夜明けです。

東の空(写真の左手)が明るくなってきました。
港の向こうで船が動き出しました。

この日の天の川も、そろそろ見納めです。
さて、機材を片付けて帰りましょう。
帰りも長距離運転です。

天体写真の撮影は

今回はツキノワグマを避けて海沿いで撮影しました。

この日は水蒸気が多く、春霞の季節ということもあって、空の透明度はいまいちでした。
全体的に白っぽいベールがかかったような空でした。

それでもさすがは三重県、天の川はよく見えました。

今回の天体写真は、あまり出来が良くなかったです。
空の透明度が低かったので、写真がノイジーになってしまいました。

春霞の季節は、標高を稼いで空の透明度を上げた方が、撮影にとっては良いでしょう。
標高を上げるとなると山中に入ることになりますが、まぁクマ次第ですね。
安全第一です。

名古屋から3時間かかることを考えると、標高を稼げる茶臼山高原やしらびそ高原も選択肢に入ります。
何はともあれ、星がよく見える場所は、名古屋からとても遠いです。

天体写真の共通データ

撮影地: 贄浦漁港 (三重県度会郡南伊勢町)
撮影時刻:2025/4/26(土) 23:30 頃 ~ 4/27(日) 03:50 頃
カメラ本体: Canon EOS 60Da(天体写真用カメラ) ISO2000 + IDAS LPS-P2フィルタを内蔵装着
望遠レンズ: SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM(絞り開放)
広角レンズ: SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE(絞りF4.0)
赤道儀: Sky‐Watcher Star Adventurer GTi
画僧処理ソフト: Siril Ver. 1.2.4

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

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(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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紫金山・アトラス彗星を観測したよ

塾長です。

今週は塾はお休みです。年4回の調整休校のうちの、秋のお休みとなります。
お休みと言っても仕事はしておりますが、塾長にとっては珍しくアフター5を楽しめる貴重な1週間です。

アフター5ということで、今回は天体観測のお話です。

紫金山・アトラス彗星の大接近

紫金山・アトラス彗星

もう見ましたか?

「しきんざん あとらす すいせい」と読むそうです。

先週の10月13日に最も明るく大きく見えました。
日が沈んで空が暗くなり始めるころ、西の空の低い位置に見えたのでした。

双眼鏡が無くても、塾長の眼には見えましたよ。
もちろんスマホでも撮影できました。

とはいえ、とても地平線に近く、高度が15度くらいしかありませんでした。
建物の多い名古屋ではなかなか見るのが難しかったと思います。

15度と言えば1時間で地球が自転する角度ですね(小6理科、中1地理、中3理科)。
つまり彗星が見える時間になってから、たった1時間くらいで地平線の下へ沈んでしまうということ。
観察できる時間がとても短かったのです。

よほど熱心に観測しない限り、ほとんどの人は見ることができなかったでしょう。

塾長は写真撮影に挑戦しましたが、それが、めっちゃ大変でした・・・

彗星(すいせい)とは?

「すいせい」には「水星」と「彗星」の2種類があります。紛らわしいですね。

水星は、太陽にもっとも近い惑星です。水金地火木土天海の水ですね。太陽系に1つしか存在しません。

彗星は、「ほうき星」とも呼ばれ、尾を引く星のことです。太陽系のはるか彼方からやってきて、太陽に近づくと尾を引きます。そういう星をすべて「彗星」と呼びますから、彗星は太陽系にたくさんあります。
太陽に近づきすぎて壊れてしまうものもあれば、数十年~数万年の周期で定期的にやってくるものもあるなど、多種多様です。しかし、それらのほとんどは地球から遠くを通過するため、天文台で小さな姿を確認できる程度で、普通の人には気づかれません。

紫金山・アトラス彗星は、2023年1月9日に中国の紫金山天文台で初めて発見され、南アフリカのアトラス(小惑星地球衝突警報システム ATLAS)で存在が追認されました。周期はなんと約8万年。

ところがその軌道を調べると、めずらしく地球に近づくことが分かり、大彗星になると期待されて話題になっていたのでした。

そして今年の9月29日に最も太陽に近づき、続いて10月13日には最も地球に近づくとのことでした。
太陽に近づき過ぎて壊れるのではないかと心配されましたが、無事に乗り切れたようですね。

「この週末が観測のチャンスです!」

10月10日頃からニュースや天気予報などで、この彗星の話題が上がるようになりました。

実は9月末から10月1周目にかけては、明け方の東の空に見えていて、SNSではその写真を見るようになっていました。
とても気になっていたのです。

あった!

10月12日(土)。
この日は珍しく午後からお休みでした。
話題の彗星とやらを、ぜひ見に行くしかありません!

ヒーローズ植田一本松校から最も近い観測場となると、日進市に広がる田園地帯です。
開発がどんどん進んでいる地区ですが、西の空ならまだ広いです。

ということで、息子たちを連れて出かけました。
日没前から田んぼの中でスタンバイ・・・

日が沈んで空が暗くなってきましたが、まったく見えません。

西の空に金星が輝きはじめ、ほどなくして頭上に「こと座」の1等星「ベガ」が見えてきました。
それでも、まだ彗星の姿は見えません。

やがて夏の大三角形が全て見えるようになり、東の空は暗くなってきても、やはり見えません。
西の空には、まだ夕焼けの明るさが残っていたからです。

日没から1時間を過ぎるか否かという頃、やっと西の空が暗くなりました。
すると、ようやく彗星の存在を確認できたのでした。

「あ、もしかして、これ?」

双眼鏡でうっすらと、存在を確認できました。

それまで試し撮りをしてきた何枚かの写真を、あらためてモニターで拡大して見てみると、実は数分前から写っていたようです。
確かにありました。

「あった、これ、これだ!」

あわててカメラの向きを修正し、撮影に入りました。

その時の写真です。
画面の中央付近、電線の上に接するように、かろうじて彗星が写っていました。

低空の紫金山・アトラス彗星 28mmF1.8 ISO3200 露出1/15秒 トリミング(2024年10月12日18時12分ころ愛知県日進市長田にて)

しかし名古屋の空は明るく、なかなかハッキリ見えません。
そのまま、わずか15分くらいで低空の雲の中へ消えていきました。

いささか消化不良という感じでした。

スマホでも撮れた!

10月13日(日)。
前日のリベンジを果たすべく、この日も出かけることにしました。
今度は妻も巻き込んで家族を連れて出かけました。

地図で西の空が見やすい所を探し、おそらく愛知池が良いだろうと考えました。

日没後に到着しましたが、まだ空が明るいです。
前日の経験があるものの、前日とは場所も景色も違うため、また星図を確認しながら探す必要があります。

はやり日没後50分以上たってから、急に見え始めました。
前日よりもハッキリ見えました。

その時の写真です。

近日点の紫金山・アトラス彗星 28mmF1.8 ISO3200 露出1/13秒 トリミング(2024年10月13日18時17分ころ愛知県日進市の愛知池にて)

見れる内に見ておかなければもったいないと、写真の撮影は早めに切り上げました。
三脚からカメラを下ろし、代わりに双眼鏡を固定し、皆で見ることにしました。

試しにスマートフォンで撮影してみると、なんと写りました。

近日点の紫金山・アトラス彗星をスマホで撮影 Pixel7 トリミング(2024年10月13日18時21分ころ愛知県日進市の愛知池にて)

この日はSNSで「スマホで撮れた!」という投稿を多く見かけました。
中には、とてもきれいな写真もありました。

上の写真でも彗星の姿が分かりますが、背景の星空が何も映っていません。
やはり名古屋の空は夜でも明るく、星が見えにくいようです。

愛知池から彗星の見える方向には、名古屋市の街並みや名古屋港が続きます。
それらの明かりが空を照らし、星空をかき消してしまうのでしょう。

秋晴れとは言うけれど

10月20日(日)。
彗星観測の興奮が冷めないまま1週間が経ちました。

そしてちょうど塾は秋のお休みに入りました。
この機会に、彗星をちゃんと写真に収めようと思いました。

ということで、10月20日も出動しました。
先週と同じ愛知池です。

天気予報では「晴れ」とのことでした。
確かに晴れ間は多いものの、西の空に雲が残っていました。

現地に着くと、ちょうど彗星の見えそうな位置に雲が横たわっていました。
おまけに、空全体が先週より霞んでいます。

「何か見えるんですか?」

愛知池でマラソンやサイクリングをする人が多いようです。
夕方とはいえ人が多く通り過ぎます。
声をかけられるたびに

「いやぁ、雲でぜんぜんダメですよ。本当は彗星が見えるはずなんですが・・・。」

などと、苦笑いして答えることしかできませんでした。

結局、なにも見えないまま時間だけが過ぎてしまい、撤収することにしました。

撤収を決断し、悔しい気持ちで撮影したスマホの写真がこれす。

雲で見えない Pixel7 トリミング(2024年10月20日18:53ころ)カメラの先には、名古屋市の街並みや名古屋港の明かりに照らされた真っ白な雲が幅をきかせていました。
晴れているように見えますが、この日は空全体がうっすら白く霞んでいました。

写真中央よりやや左の雲が赤いのは、おそらく名古屋製鉄所の明かりでしょう。

ところで、星を見る人にとって、天気予報の「晴れ」は全くあてになりません。
いや、むしろ「曇り」と捉えます。

なぜなら、全天の8割を雲が占めても「晴れ」と言われてしまうからなんです。
中2理科の教科書で確認すると、ほんとうにそう書いてあります。

確かに秋は良く晴れますが、彗星が見えるほどの快晴になるかどうかは、また別問題。
そのとき、小さな雲が彗星の前にあれば、それだけで見えないのですから。

1時間で行ける星空

10月21日(月)。
週間天気予報が少し変わりました。晴れの予想が多くなりました。
そして21日は晴れていました。

どうやら今夜も撮影に行けそうです。
近日点から1週間が経ってはいたものの、SNSの投稿を見る限り、まだ彗星は大きく尾を引いていて写真撮影もできそうです。

とはいえ、相変わらず雲が気になります。

そこで、雲が多少あっても星が見えるような場所に行こうと決めました。
つまり西側に名古屋の街並みなどがない所へ行く必要があります。

塾はお休みですが。仕事はあります。
17時に職場を出て家に戻り、そこから1時間で現地に到着しなければ、撮影に間に合いません。

地図を見ていろいろ考えていると、ありました。
豊浜海釣り公園。知多半島の先です。
ここなら高速道路と自動車専用道路を使って1時間で到着できそうです。

ということで、仕事が終わるとすぐに帰宅し、荷物をまとめてナビを設定し、急いで出発しました。

しかし現地で道に迷ってしまいました。
海岸近くのコンビニで買い物がてら、場所を教えてもらい、なんとか到着。
時刻はすでに18時35分を過ぎていました。

急げ急げ!

初めて来た場所で土地勘がありません。
まずは撮影場所の確保です。
少しウロウロ歩いて、防波堤の上で撮影することに決めました。

しかし防波堤の上は風が強い・・・
ちょうど草むらがあったので、その中に身をひそめるように三脚を設置し、カメラを固定しました。
ここなら見晴らしを確保しつつ、草が風よけになります。そして海釣りの人たちの邪魔にもなりません。

やばい、やばい、時間がどんどん過ぎていく!

すごい存在感!

さて、彗星はどこだ?

35mm の広角レンズで、およそのあたりを付けて試しに撮影するも、なかなか見つからない。
どうやら、あの雲の中にあるらしい。
いや、本当に方向は合っているだろうか・・・

焦りながら色々やっている内に、やがて雲が流れ、ついにカメラの液晶画面にその姿が現れました。

「あった。場所はどこだ?」

それらしい方向に双眼鏡を向けました。

「あ、いた!」

長い尾を引く彗星の姿が視野の端からぬうっと現れ、双眼鏡の視野いっぱいに広がったのです。

ものすごい存在感。
名古屋市内で見たときとは、まるで印象がちがって見えました。

それを急いで撮影したのがこれです。

雲の隙間から姿を現した紫金山・アトラス彗星 28mmF1.8 ISO3200 露出10秒×11枚 トリミング(2024年10月21日18:55~18:58 愛知県知多郡南知多町豊浜にて)

思った以上に長くて立派な彗星の姿でした。
これは確かにニュースになるワケです。

この彗星の大きさが分かるように撮影したくなりました。
ほんとうは 150mm望遠レンズをメインに撮影しようと思っていたのですが、それは後回しです。

15mm魚眼レンズに付け替えて、夏の天の川と対比するような構図で撮影しました。

夏の天の川と紫金山・アトラス彗星 15mmF2.8 ISO3200 露出10秒×8枚 トリミング(2024年10月21日19:05~19:10 愛知県知多郡南知多町豊浜にて)

知多半島にはセントレア空港があり、ひっきりなしに飛行機が通り過ぎます。
画面の下には海が広がり、漁船の光がいくつかありました。

夏の天の川には「いて座」の「矢」である「南斗六星」があります。その矢の先端の下には赤い「干潟星雲(M8)」も写っています。
名古屋の明かりを避けるだけで、写り込む星の数がこんなにも変わります。

魚眼レンズで撮影している間にも、彗星の高度はどんどん下がってきました。
急いで150㎜の望遠レンズに付け替えました。

倍率が上がる分だけ風の影響を受けやすくなります。

時折「ごおーっ」と風が吹くと、画像がぶれて撮影が失敗します。
体を張ってカメラを風から守りながら撮影しますが、それでも2~3枚に1枚くらいしか撮影に成功してくれません。

そうやって何とか撮影したのがこちらです。

紫金山・アトラス彗星の拡大写真 150mmF2.8 ISO3200 露出2秒×13枚+4秒×8枚 トリミング(2024年10月21日19:30~19:38 愛知県知多郡南知多町豊浜にて)

高度が低いので、全体的に赤っぽっくなります。
夕日が赤いのと同じです。
もっと早く到着できていれば、より青くさわやかな姿も撮影できたでしょう。

撮影中のカメラの背後から、スマホで彗星を撮影してみました。
何枚かのうち1枚だけ写っていました。ラッキーです。

撮影風景の中の紫金山・アトラス彗星 Pixel7 トリミング(2024年10月21日19:06 愛知県知多郡南知多町豊浜にて)

彗星の撮影が終わると、頭上にはまだ夏の大三角形がありました。
夏の星座も、そろそろ見納めの季節です。
ついでに撮影しておきました。

夏の大三角形を見送る 15mmF2.8 ISO3200 露出10秒×4枚トリミング (2024年10月21日20:05~20:10 愛知県知多郡南知多町豊浜にて)

右上が「白鳥座」の「デネブ」、右下が「こと座」の「ベガ」。そして左下が「わし座」の「アルタイル」です。
これら3つの1等星を結んだ三角形を「夏の大三角形」と呼び、その中を天の川が流れています。
デネブの左上に見える赤い星雲は「北アメリカ星雲(NGC7000)」です。北アメリカ州を横にしたような形の星雲です。

シャッターを開けている間にも、飛行機が多く通り過ぎていきました。

振り向くと東の空からスバル(プレアデス星団、M45)が昇り、続いて月も昇ってきました。
その時の写真がこちらです。よく見ると「おうし座」のV字型の星の並びが横倒しで写っています。

昇る月とスバル Pixel7 トリミング (2024年10月21日20:19ころ 愛知県知多郡南知多町豊浜にて)

この日は夜半過ぎから「オリオン座流星群」という流れ星が見える予定でした。
体力があれば、このまま残って流れ星も写そうと思っていましたが、風が強くて寒さの限界。

それに、この薄雲を月が照らせば、きっと微細な流星は写らないでしょう。

1度はカメラを東に向けてはみたものの、撤退することにしました。

空全体に雲が点在し、この日も何だかんだで雲を気にしながらの観測でした。

車に乗り込むと中はあったか。
風がないだけで、ほっとします。

ゆっくりと名古屋へ戻りました。

 

その他の撮影データ

カメラ本体:  Canon EOS 60Da(天体写真用カメラ) + IDAS LPS-P2フィルタを内蔵装着

15mm 魚眼レンズ: SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE

28mm 広角レンズ: SIGMA 28mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO

150mm 望遠レンズ: SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM

撮影は全て固定撮影で行いました。
絞りは全て解放で撮影しました(絞るのを忘れてました)。

画僧処理ソフト: ステライメージ6

画像処理: JPEG画像をベースにコンポジット、レベル調整、トーンカーブ調整を施したうえでトリミングしました。

なお、コンポジットは「加算」を基本としましたが、白く飛んでしまう場合は2段階に分けてコンポジットしました。
第1段階は飛ばない程度の枚数でグループ分けして加算し、第2段階で第1段階で得られたファイルどうしを加算平均しました。
詳細な手順の説明は省きます。

画角やアスペクト比はトリミングで任意に変えてあります。カメラ名とレンズ名から期待される本来の視野とは異なります。

固定撮影であるため、広角になるほどコンポジットでズレ量が大きくなり、望遠になるほど日周運動でのズレが大きくなります。
そのためコンポジット枚数の多いものほどトリミングでカットする領域が広くなっています。
もちろん任意に切り取ってもいます。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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塾長の趣味 名古屋でもレナード彗星を観察できるか挑戦

レナード彗星の拡大

塾長です。

今回は趣味の話です。

レナード彗星をご存じですか?

(時事問題で出題されるかもしれません)

新聞にも載っているレナード彗星

いま地球に接近中の彗星です。
水星(マーキュリー)の方ではなく、ほうき星の彗星(コメット)です。

12月5日の中日新聞などでも紹介されていました。

今年の1月にアメリカのレモン山天文台でレオナルドさんによって発見されました。それ以来どんどん明るくなって地球にも接近しています。

「もしかして肉眼で見えるようになるかも?」
「小さな双眼鏡でも、簡単に観察できるかも?」

そんな期待が高まっています。

最近は、アマチュア天文家によって撮影された写真がインタネット上に多くアップされるようになりました。
じりじりとではありますが、確かに盛り上がってきています。

レナード彗星は2021年で初めて発見された彗星です。今年はレナード彗星に始まり、レナード彗星に終わる、という感じです。

どの方向にどのように見えるのかは、アストロアーツの解説ページが分かり易いです。

2021年12月 レナード彗星が5等前後 アストロアーツ

これによると、だいたい次のように見えるそうです。

12月12日ころまで

  • 明け方の東の空に見えます。
  • 低空のため、日の出前の1~2時間くらいしか観察できません。

12月13日から年末まで

  • 夕方の西の空に見えます。
  • 低空のため、日の入り後、17時ころから1時間くらいしか観察できません。

どちらにしても太陽に近い低空の夜空に見えます。
観測できる時間帯がとても限られているので要注意です。

なぜ日の出前と日の入り後にしか見えないの?

レナード彗星は、あくまでも太陽を中心に放物線の軌道を描いています。
そして、その放物線の頂点が太陽と地球の間にあるため、地球にも接近します。

今週いっぱい、太陽の西側から太陽へ近づいていきます。
だから今週は日の出前に見えます。
しかし、それを追いかけるように、太陽がすぐ昇ってきます。

そして12月12日に地球へ最接近します。
ちょうど太陽の方向に彗星が見える日でもあります。

それを過ぎて来週になると、今度は太陽の東側へ移動します。
こうなると朝、太陽が昇った後にレナード彗星が見えることになります。
逆に夕方、先に太陽が沈んでしまえば、その後、夜空にレナード彗星が残されます。
だから来週は日の入り後に見えます。
しかし太陽に近いため、日没から1時間くらいで彗星もすぐに沈んでいきます。

どちらにしても太陽に近いため、太陽と共にすぐに夜空から消えてしまいます。
だからレナード彗星を観察できる時間が少ないというワケです。

はたして名古屋でも観察できるのか!?

名古屋のような都市部では、暗い星が見えません。

街の明かりが夜空を明るく照らすので、暗い星の姿がかき消されてしまうからです。
昼間は太陽が明るいので星の姿が見えませんが、それと一緒です。

植田一本松校の近くでは、天の川はおろか3等星すら見えにくいです。
見える星の数が少なすぎて、星座を形づくることができません。

そんな都会でも、レナード彗星を観測することができるのでしょうか?

レナード彗星が見えるのは低空の空です。
そもそもビルに囲まれていては、空自体が見えません。

そこで見えるか見えないかの前に、まず、視界の開けた場所へ移動する必要があります。

広い公園や河川敷などがよいです。

幸い、ヒーローズ植田一本松校は、車で10分もしない所に田園地帯(※)があります。
グーグルマップで調べると、ちょうど彗星が見える方角に田んぼが広がっています。

そこで日曜日の早朝に観測してみることにしました。

(※)後で調べたら名古屋市ではなく日進市に入っていました_| ̄|○
およそ名古屋ということで・・・。

見えなかったけど写真には撮れた!

観察したのは12月5日(日)の朝5時前後です。

パソコンで、その日時の星座をシミュレーションしたのがこちらです。
中心の赤丸に黄色い★印のところにレナード彗星があるはずです。

ステラリウム_撮影時刻の星空1

※使ったのは、ステラリウムという無料のプラネタリウムソフトです(超オススメ!)
※レナード彗星のマークは後から追加したもので、ステラリウムの機能ではありません。

現地に到着して、肉眼で探してみました。
見えませんでした。

双眼鏡で探してみました。7倍で口径50mmという標準的な双眼鏡です。
見えませんでしえた。

いくら街が明るいとはいえ、双眼鏡があれば4等星や5等星くらいは見つかるはずです。
おそらく6等星以下か、あるいは淡いので見えにくいのだろうと思いました。

「こりゃ、写真撮影で確認するしかない!」

と思いました。
カメラの方が人間の目よりも高感度です。
やっぱり機械に頼りましょう。

それにしても寒いです。
気温は4℃。
手がかじかんできました。

久しぶりの天体観測です。
機材の細かいクセを忘れていて、要領が悪いです。
ピントを出したり画角を決めたりするのに時間がかかりました。

それでも何とかセッティングが終わりました。

とりあえず、うしかい座の周辺を「えい、やっ!」と撮影してみました。
それがこれです(トリミングしてあります)。

レナード彗星_画像処理前

ぱっと見て最初は「ダメだ。」と思いました。

撮影するとカメラの背面の液晶に自動的に映像が映し出されます。
それがとても小さな画面なものですから、ほんとうに真っ白で何も映っていないかのように見えたのです。

しかし、そう簡単にあきらめたのでは、せっかく来た意味がありません。

気を取り直し、もう一度、カメラの小さな液晶画面を隈なく調べることにしました。
すると、よく見れば多くの星が写りこんでいるではありませんか。

さすがはデジタルカメラの威力!

そのままカメラの小さなボタン類を操作して、拡大させたりスクロールさせたりしながらチェックしていきました。
寒さで手がかじかんで感覚が鈍いです。小さなボタンなんて、押せたのか押せてないのか、よくわかりません。
かといって強くボタンを押すのはダメです。カメラの位置をズレてしまいます。

そんな感じで、要領が悪いながらも画面を隈なく探しました。

すると黄色い枠のあたりに、かすかですが、ぼんやりとしたものを見つけました。
緑っぽい色で、明らかに普通の星とは違います。

「きっと、これだ!」

そう確信しました。
写真ですら名古屋ではこんなに淡く映るのです。
肉眼で見えるわけがありません。

何はともあれ、めでたく見つかりました。
とても淡いので、たくさん撮影して枚数を重ねないとハッキリとした姿になりません。
とにかく撮影の枚数を重ねていきました。

補足 なぜ同じ写真を何枚も撮影するのか?

写真が全体的に白みがかってしまうのは、街の明かりで空が明るいからです。
デジタルカメラであれば、こんな夜空でも多くの星たちを、かろうじて写し出すことができます。
ただし露出時間を長くすると画面全体が真っ白に飛んでしまうため短時間しか露出できません。

そもそも星が見辛いのは、背景の明るさと星の明るさの差が少ないからです。
そこで何枚も撮影してコンピューターの中で重ねます。
2枚重ねれば差が2倍、3枚重ねれば3倍・・・というように重ねれば重ねるほど背景と星の明るさの差がどんどん開きます。

このように枚数を重ねれば星の姿をはっきりさせることができるというワケです。
※「ノイズが減る」という言い方をします。

自宅に帰ってから画像処理をしました。
20枚撮影したものを重ね、できるだけ見やすいように調整したのが次の写真です。

レナード彗星_星野解説

※ 2021/12/05 Sun AM 04時50分頃~05時頃まで Canon EOS 60Da  ISO3200 露出5秒×20枚 SIGMA 28mm f1.8 EX DG -> f2.8 Seiji Matsushita
※ トリミングにより写真の周辺部分をカットしてあります。

画面の下の方が明るいのは、街の明かりです。

レナード彗星の部分を拡大した写真がこちらです(違うレンズで撮影したものを拡大)。

レナード彗星の拡大

※2021/12/05 Sun AM 05時20分頃~05時35分頃まで Canon EOS 60Da  ISO3200 露出9秒×70枚 18-55mm f4.0-5.6 EF-S -> 55mm f5.6 Seiji Matsushita
※ 彗星部分だけをトリミングし、写真の大部分をカットしてあります。

バッチリと尾も確認できました!

ステラリウムとアストロアーツのページを見比べ、星座との位置関係を確認しました。
うん、確かにレナード彗星です。

ステラリウム_撮影時刻の星空2

レナード彗星が撮影できました。

実は銀河や球状星団も写っていた!?

さて、それでは他に、どんな天体まで撮影できるのでしょうか。
幸い、この日は良く晴れていました。

うしかい座の少し上まで画角を広げた写真が、こちらです。
後で調べると、けっこう色々な天体が写りこんでいたことが分かりました。

うしかい座から猟犬座まで

※ 2021/12/05 Sun AM 05時40分頃~05時45分頃まで Canon EOS 60Da  ISO3200 露出4秒×40枚 SIGMA 28mm f1.8 EX DG -> f2.8 Seiji Matsushita
※ トリミングにより写真の周辺部分をカットしてあります。

写真の下の方が明るいのは、赤池や三好、その先にある豊田方面の町の明かりでしょう。
北東の空ですから、右側が少し赤みがかっているのは朝焼けが近いからだと思います。

ステラリウムで確認すると、こんな感じです。

ステラリウム_撮影時刻の星空3

意外にも、多くの天体の存在を写真で確認することがで確認できました。

人の目には街の明かりが眩しくて、ほとんど星の姿が見えません。
しかし、ちゃんと星々の光は今でも届いているのですね!
なんだか示唆に富んでいます。

ところで、春の星座には銀河や球状星団が多いです。
写真をルーペで見ると、それらが米粒よりも小さく映っています。

球状星団は、私たちの銀河系に属している星の集団で、およそ数万光年くらい遠くにあります。縄文時代くらいの姿です。
銀河は私たちの銀河系の外にある別の銀河系たちで、およそ数千万光年くらい遠くにあります。人類が誕生する前の姿です。

今回は名古屋市郊外(ギリギリ日進市)の夜空でしたが、まだまだ捨てたもんじゃありませんね。

キレイに撮影できるかは別として、観察できる余地はありそうです。

透明度が高く、乾燥した真冬の夜空であれば近場でもチャンスがありそうです。
やり方によっては天体写真を楽しめる余地が、まだありそうです。

あとがき

撤収する頃には、すっかり朝焼けが始まっていました。

朝焼け

へび座の星々が、かろうじて姿を残していましたが、
まもなく時間とともに消えていきました。

田んぼの向こうに立ち並ぶ鉄塔の風景。

この風景だけ見れば、塾長が学生だった頃と同じです。
しかし国道153号は見違えるほど広くきれいになり、周辺の町も大きくなりました。

昨年の夏には、この田んぼで息子がオタマジャクシを捕まえて遊びました。

その息子たちが大人になる頃でも、この田んぼで星を見ることができるでしょうか。
あるいは宇宙旅行で、もっときれいな星を見ているのかもしれません。

「寒い!」

撮影で忙しくしていて忘れていました。
とても寒いです。

さぁ、街の明かりの中へ戻り、コンビニで温かい肉まんを買って暖を取りましょう。

 


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子供を連れて名古屋大学の「名大祭」に行ってきたよ

名大祭の写真

こんにちは。ヒーローズ植田一本松校の塾長、松下です。

日曜日は塾長ではなく普通のパパに戻ります。子供2人を連れて名古屋大学の学祭「名大祭」に行って参りました。朝は梅雨らしく曇っていましたが、昼からパッと晴れて夏らしくなりました。

上の子は中学1年生。小学生になってから毎年のように連れて来ています。下の子は2歳半で、昨年から連れてきています。「大学の楽しさ」「世界レベルの研究」を目で見て手で触って、アカデミックな雰囲気を肌で感じて欲しくて。

名古屋大学と言えばグリーンベルト

昔から名古屋大学の門はどこか不明ですが、雰囲気的に入り口らしいグリーンベルトの横が毎年ゲートになります。今回は令和になって最初の学祭になりますが、記念すべき第60回でもあるそうです!

名古屋大学の学園祭。門の前の写真。

名古屋大学の学園祭。門の前にて。

まず最初にパンフレットをもらいました。毎年来ているので、もらえる場所を知っています。今年は例年に比べて出店の数が少なかった印象です。うちの子たちは毎年「スーパーボールすくい」、「てっぽう」や「輪投げ」など、およそ全ての出店の勧誘につかまって、なかなか前に進めません。今年もそうなるだろうと、小銭を握りしめて覚悟していましたが、拍子抜けでした。

とりあえず暑いので地下鉄に隣接した学内のコンビニで飲み物を買いました。その足で、そのままグリーンベルトを渡って博物館へ行きました。

名古屋大学博物館で縄文土器を見たよ

まず名古屋大学博物館の展示イベント「アフリカから東山キャンパスまで:名古屋大学が収集した考古資料」を見に行きました。

入るとすぐに歴代の電子顕微鏡が展示されています。
その奥にはネアンデルタール人の化石や5~7万年前の石器などが展示されています。どれも本物です。旧石器時代の石器「ハンドアックス」が想像以上に大きな石のかたまりでした。私の手では片手で持てません。隣には、それでイノシシを狩る様子の想像絵がありましたが、それを見て大きさに納得しました。

さらに奥に行くと、縄文土器や土偶が展示されています。これまた本物が当たり前のように並んでいます。学校では縄文土器の特徴を「厚手でもろい」と教わりましたが、そんなことはありません。すでに縄文中期には弥生土器にも似た薄手で上品なものが存在していたようです。

最近の考古学では縄文時代の文化が見直されていますから、この先、教科書の説明もどんどん変わっていくでしょう。ただし今の段階では、学校のテストで縄文土器のことを「薄手で上品」なんて書いたら、きっと×をもらうでしょう。塾で生徒に教えるときは要注意です。

ちなみに本物の隕石も展示されてました。「隕鉄」といって、石というよりは、ほとんど鉄の塊に見えます。手で触ったり、磁石がくっつくことを確かめたりできました。「こんな簡単に触っちゃったけど、本物なんだよね!?」というくらい身近にポンと展示してありました。逆にビックリです。

子供が毎年ハマる石の世界

博物館を後にしてから、名古屋大学付属高校の方にある全学教育棟に移動しました。私は天体研究会のプラネタリウムに行きたいのですが、中1の息子は、その前に行きたいところがあるみたいです。

化石鉱物同好会による「石の世界へようこそ!2019」

名大祭で黄鉄鉱の結晶を探す様子の写真

黄鉄鉱の結晶を探せ!

石のことを研究している「化石鉱物同好会」というディープなサークルがあります。そこで、勾玉で有名な翡翠(ヒスイ)の原石を見つける体験、砂の中から黄鉄鉱の結晶を見つける体験、琥珀を磨いて持ち帰れる体験、岩塩をキレイに割って持ち帰れる体験などをさせてもらいました。さらに出口のところで、好きな石を1つ選んでプレゼントまでしてくれました。正に至れり尽くせりのオモテナシでした。こうして年に1回、我が家には石のコレクションが増えていくのです。きっと来年も増えるのでしょう。

そうやって中1の息子が石の世界を堪能している一方で、2歳の子は直ぐに飽きてしまい、会場から外へ脱出してはグリーンベルトまで走っていくのでした。私はそれを何度も追いかけて、何度も連れて帰る、というのを繰り返していました。さすがに2歳の子に石の世界は分からないですからね。

大学生自作のプラネタリウム

続いて私が学生時代に所属していた天体研究会による「銀河鉄道931」へ行きました。

中1の息子は星占いを申し込み、出て来た結果を読んでいました。私は学生たちが撮影したキレイな天体写真に見入っていました・・・なんていう暇は私には無く、2歳の息子が学生のお菓子を横取りしようとしたり、展示物を壊そうとしたりするので「こら、こら、ちょっと待ったー!」といって追い掛け回しっぱなしでした。

そんなわけで写真を取り忘れました・・・。

本当は名物のプラネタリウムも見たかったのですが今年は諦めました。どうやら2歳の子が、う〇ちをしたようです。オムツを取り替える方が先です。さすがにその状態で密室のプラネタリウムに入るわけにはいきません。全員が毒ガス中毒になってしまいますからね。

コンビニに買い物に行き、ビニール袋をゲットし、広めのトイレを探してオムツ交換をしました。

お昼は学内のスターバックスで

学祭と言えば、焼きそば、たこ焼き、玉せん、というのが定番ですが、今年は出店が少ないことから、かえって行列の長さがハンパなく長かったです。ちょっと子供2人と一緒に30分待ちとかは無理かなと判断しました。

名古屋大学のキャンパスは広いので、学内にいくつものカフェや食堂があります。例えばコンビニが2店舗とスターバックスコーヒーが1店舗あります。

今年はスターバックスに行きました。BBQポークとハム&マリポーチーズ、飲み物は抹茶フラベチーノとマンゴー パッション ティー フラペチーノを買って、図書館前の池の横で、ベンチに座って食べました。

名大生が宇宙開発!?

昼食を済ませてから教育棟本館に行きました。そこでまず、名古屋大学宇宙開発チームNAFTというサークルの展示会「Link Space ~宇宙を身近に~」に行きました。これまた昨年に続いて2回目です。

このサークルはなんとロケットやロボットを開発しています。開発費は学生たちが持ち寄った資金と、ボーイング社の協賛金だそうです。

会場では大島で打ち上げたロケットの実物が展示されていて、それを打ち上げた時の動画も流れていました。

なぜか2歳の子がロケットに食いついて触りまくりでした。なんでだろう?
上の子の方は、ボール型のロボットに興味が沸いたようで、実際に開発した学生に質問をたくさんしていました。

また面白かったのが、宇宙船と地上の管制塔とのコミュニケーションを模倣した、体験型の実験でした。壁を隔てて席が向かい合っています。そこに私と息子が座ります。私の手元にはレゴで組み立てた変な形の完成品があります。しかし壁があるので息子からはそれが見えません。息子の手元にはバラバラになったレゴの部品があり、使わない部品も混ざっています。もちろん私からは見えません。私は言葉だけで息子に指示を出し、息子にレゴを組み立てさせ、同じものの完成を目指す、というものでした。

実物を見ることができれば簡単な作業のはずですが、とても苦戦しました。それでも途中から、不明点や形状の確認について息子から質問してくれるようになり、コミュニケーションの効率や正確さが発展していくのを体験しました。最後には無事に完成できて良かったです。膝の上にいた2歳の子が完成品をいちいち壊して邪魔された、というのは体の良い言い訳です。

名大生がつくったiPhoneアプリ

子供が「ゲームをしたい」というので、今度はアプリ開発団体 jackによる「IT Fes-アプリ展示・体験会」に行きました。

何という名前のゲームか聞きそびれましたが、かなりハマるゲームのようでした。パパは暇でした。

名大祭で大学生が作ったゲームにチャレンジしている子供たちの写真

大学生が作ったゲームにチャレンジ!

締めは本格マジック!

最後に、名古屋大学奇術研究会による「クロースアップマジックショー」に行きました。10人以上が並ぶ大盛況でした。

並んでいる途中で、2歳の子がまさかの2度目のう〇ち。上の子に列に並んでもらっておきながら、急いでオムツ交換へ走りました。なんだかんだ時間がかかってしまいました。列に戻ると上の子がポツンと列の先頭で本を読んで待っていました。私たちが戻るのが遅くて、2回くらい飛ばしてもらったそうです。寂しい思いをさせてしまいました。実は午前中に名大祭のイベントの1つ「古本市」にも立ち寄って、そこで「最新の宇宙像」(ジョージ・ガモフ著、小尾信彌訳、1959年)という宇宙の本を100円で買ってあげていました。それが暇つぶしになったのが幸いでした。

マジックはプロなみのものでした。コインのマジックとカードを使ったマジックを目の前の直ぐ近くで披露してもらいました。目の前にある4枚のエースが次々に消えて、それが箱の中に揃っていた時には、びっくりしました。本当に不思議でした。どうなってるのかサッパリわかりません。上の子はカードや箱を手に取って何度も確かめ、何とか種明かししようとしましたが、何とも成りません。パパも全く分かりません。

とても楽しかったです。

何かに夢中になることは素敵なこと

研究でも趣味でも、何でも夢中になることは良いことです。普通の人では気づかないような面白いことをたくさん発見できます。そして、そういう人の話を聴くと、ただの石ころにも興味が持てたり、目の前の手さばきが魔法のように感じられて感心するものです。そうやって人に新しい知見や驚き、喜びを与えることができます。

分野は問いません。子供達にも何か夢中になれるものを見つけて欲しいと思います。

 


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