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// 条件1に該当しない場合の処理

成績

人に言われてやった分は勉強時間に含めない

塾長です。

今回は、これから受験生になる学生さんに向けた記事です。
「勉強の仕方」の超基本の部分ですが、決してあなどれません。
超重要です!

#小学校低学年など、まだ精神年齢が未発達なお子様には必ずしも当てはまりません。

勉強した量を何で測る?

受験勉強でもテスト対策でも、たくさん勉強した方が成績が上がります。
努力は大切です。

とはいえ「たくさん」とは、いったい何をどう測るのでしょうか?
何をもって「努力した」と言えるのでしょうか?

ここを間違えると、

「勉強したのに成績が上がらなかった。」

という状況になってしまうかもしれません。

もちろん「勉強方法」の良し悪しはあります。

しかし私から見ると、90%の生徒たちは、そもそも圧倒的に勉強時間が不足しています。
しかも近年、そういうお子様たちの割合が増えてきているように思います。

勉強法をどうこう言う以前に、まず勉強時間を増やした方が良いです。

白状しますが、私も学生時代はそういう状況でした。

「こんなもんかな。けっこう頑張った方だよね。」

などと自分では思っていました。
しかし、本当に頑張っている人から見れば、そんなの「頑張る」の「が」の字にもなっていません。
そういう状況でした。

それなのに頑張ったと言っていた自分が、後から恥ずかしくなるものです。
いつか、そういう時が来るものです。

そこで今回は「勉強時間とは何か?」についてお話します。

勉強時間と作業時間!?

勉強とは「できないこと」が「できること」に変化することです。
そのような取り組みをしている時間だけが「勉強時間」と言えます。

逆に、それ以外の時間は何でしょうか?

それは「できること」を繰り返しているだけの「作業時間」です。
つまりノイズ、雑音です。

勉強時間を正しく測るためには、この作業時間をいかに取り払うかがポイントです。

つまり「勉強」と「作業」の区別をハッキリと意識することです。
この区別が、正しい勉強時間を知る第1歩となります。

例えば「鬱陶しい」という漢字を覚えるために20回の書きとり練習をしたとします。
もしも11回目に覚えることができたとしたら、残りの9回は作業ということです。

英単語を覚えるために、ノートが真っ黒になるほど、びっしりと書き取りをする人がいます。
しかし注意しないと「ただ手を動かす作業をしていた」というリスクが大きくなります。
書き取り練習は有効な方法の1つですが、「勉強」と「作業」を区別しないと、それがムダになります。

さて、例えば「今日は10時間勉強した。」などと言った場合を考えましょう。

果たして、そのうちの何時間が本当に「できない」を「できる」に変える取り組みだったのでしょうか?
勉強する前とした後で、脳みその構造がちゃんと変化したのでしょうか?

勉強の効率を考えるなら、勉強と作業の区別は必須です。

勉強のフリ

もう少し精神年齢の低い話をします。

勉強のフリ

希ではありますが、そのような事をしているお子さんを見たことがあります。

少し目を離すと、解答冊子を見て丸写しし、できたことにします。
ページの進みが良く、いかにもたくさん勉強したように見せかけます。

しかし私がアドリブで質問すると、答えることができません。
答えだけではなく、図や途中の考え、計算過程なども書くよう指示しても嫌がります。
いつもノートはマルだらけなのに、学校のテストは30点くらいです。

これも勉強ではなく作業です。
「見たものを10秒くらい記憶して、近くの紙に書き写したら忘れる」
という既存の能力で手を動かしているだけだからです。

しかし、決して他人事ではありません。

似たようなことを思わずやってしまっている部分が、多かれ少なかれ誰にでもあるでしょう。

人に言われてやる(言われなければやらない)

大人から「勉強しなさい」「宿題しなさい」と叱られてからやる場合はどうでしょう?

そこで気が付いて自分からやり始めるケースなら目くじらを立てるような問題はないでしょう。

しかし何度も言われている様なら怪しいです。
早く終わらせるために「作業」をしている可能性が高くなります。

必要性に迫られたり強い興味関心を持ったりしたものにしか、人間の脳は記憶してくれません。
前にやったことを次の時に忘れているのは、自覚があるにせよ無いにせよ、

「こんなの要らない」

と思いながら作業をしていたということです。
一見すると、その場では「できる」が増えるかもしれませんが、すぐに忘れてしまうでしょう。

嫌だと思ってやらされたことは、寝ている間に忘れます。

嫌なことは早く忘れたいですよね。
人に言われてやらされた勉強は、むしろ忘れる努力を脳がしてしまうリスクがあります。

勉強時間の測り方

まとめましょう。

勉強時間 = 机に向かった時間 - 作業時間 - 言われてやった時間

もしも

「勉強したけど点数が上がらない」

という悩みをお持ちなら、このような観点で勉強時間を見直してみましょう。

自分で分からない場合は、学校の先生や塾の先生に相談して、チェックしてもらいましょう。

 

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校

私立高校

中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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中学校の教科書改訂 英語がヤバイことになっています

中学校の英語の教科書

塾長です。

しばらく作業が溜まっていてブログを書いていませんでした。
しかし、こんな記事を見てしまったら、そうも言ってはいられません。
これは皆さんにお伝えしなければ!

英語の長文化がヤバイ

来年度から中学校で使われる教科書が改訂されます。
数学、理科、社会、国語には「移行措置」が取られていて、もう変化が分かっています。
しかし英語には移行措置がありません。

いきなり4月から教科書が改訂されます。

これについて速報です。
ネクサスの伊藤先生のブログです。

2021年度から使う中学校の教科書を見てきました」(2010/6/29)

要点はこうです。

  • 長文が長くなる(現行の2~3倍)
    • 中1で50~60語
    • 中3で100~150語
  • 対話文が減って、説明文や随筆文が増える

何にどう影響するか?

英語の教科書が長文化すると、どんな影響が出てくるのでしょうか?

これは次のポイントを考えればわかります。

  • 愛知県の公立中学は全県で英語の教科書が統一(数学と国語も)
  • 公立高校入試の出題は、教科書の隅々からもれなく出題される
  • 教育改革は「入試が変われば現場も変わる」の「高大接続改革」

よって、教科書を隅々まで読ませて覚えさせるような出題が、学校の先生にとっても生徒にとっても正義なわけです。
今後もその傾向は続くわけです。

そうに考えれば、すべてが見えてきます。

英作文がヤバイ

まずテストの出題で英作文の量が増えると予想されます。
英作文の問題を作成するのは、学校の先生にとって楽ですし、生徒に対してもフェアだからです。

逆に、教育改革の意図にそって問題解決や主体的な学びを評価するような問題をつくるとなれば、これはかなり骨が折れます。
どうやっても難問になり過ぎて、解けない生徒が続出します。
英語という名の論理学のテスト、英語という名の知能指数テストになってしまっては、英語の意味がありません。

ですから教科書の本文に出てきた表現の範囲で出題する方がフェアだし、無難です。
特徴的な表現を教科書の本文から1つ1つ拾って、それを穴埋めにしたり英作文で出すのがもっとも無難なのです。

英語の定期テストは今に限らず、ずーっと緩やかに難化し続けてきました。
その最大の理由が「英作文の出題割合が増えてきたから」と言えます。

この傾向が続くと思われます。

テストの制限時間がヤバイ

中学の定期テストでは、初見文の長文はあまり出題されません。
たいていは教科書の本文や、授業中に扱われた副教材からの引用です。

つまり教科書を穴が開くほど読み混んでいれば解ける問題です。

公立高校の入試がそうなのですから、教科書の本文はめちゃ大切です。

となれば、教科書の本文が長文化したら、テストに引用される長文も長くなります。

長文を早く読めること。

これが大切になってきます。

難問を出さなくても学力に差がつく

定期テストは差をつけるためのテストです。
差がつかないと成績つまり内申点がつけられないからです。
40人いて全員が頑張ったから全員5というのが許されないからです。

これまでは差をつけるために出題の難易度を工夫してきました。

しかしこれからは量の問題で、授業について来れなくなる生徒が増えます。

語学、とくに「文字列を読む、書く」という能力は、とても差が付きやすい能力です。
「聞く、話す」よりも大きな差が付きやすいです。

つまり長文にするだけで成績に差が付きます。
学校の先生はトリッキーな難問を作る必要がなくなるでしょう。

無難な問題でも量で差が付きます。

「訳し下げ」で速く読む訓練を!

英語の語順を強く意識して勉強しないと話にならなくなります。

よくスラッシュリーディングを勧める先生がいますが、あれはよくありません。

スラッシュをどこに入れるのか、先生によってバラバラだからです。
正直に言いますと、私もどこにスラッシュを入れたらよいのか分かりません。

ちゃんとルールになっていない感覚的な手法は、かえって生徒が余計に混乱します。

ですから私は、小学校で教わった文法を大切にします。
小学4年生以降で何度となく教わってきた次のことを復習しましょう。

  • 主語、述語、修飾語の理解
  • 述語の2種類「○○です」「~する」を明確に区別

その上で、

英語は大まかに

  • 誰が、何を、どうする、どこで、いつ
  • 誰は、何だ/どんなだ、どこで、いつ

という語順で言葉が登場するので、それを予想しながら読め!

という指導を徹底していくのです。
そうやって速読できるようにしていくような指導です。

このような指導法が今後ますます大切になるでしょう。

I live in Tokyo.

〇 私は 住んでいる 東京に
× 私は 東京に 住んでいる

こんな感じです。

つまり小学校の主語、述語、修飾語が大切だった!

そうなると、小学校の勉強の時点で、かなり差が出てきてしまいそうです。

国語の文法。

小学校で習う範囲がめちゃ大切ということです。
小学校で習う文法は、英語にも日本語にも当てはまるからです。

助詞を覚えたり助動詞の活用を覚えたりするのは、正直、どうでもよいですが(言っちゃダメ)、

主語、述語、修飾語

これはちゃんと小学校のうちに勉強しておきましょう。
中学生でまだ理解できていない生徒は、必死に復習しましょう。

 


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成績の9割を決めるポイントで勉強を加速させる方法とは

あじさいを背景とした「6月の勉強」

塾長です。

小中学校では昨日から新学期の勉強が始まりました。

コロナ臨時休校の間に、家庭学習で予習を進めることができたお子さんもいるでしょう。
しかし、油断は禁物です。
できた「つもり」は危険です。

予習が進んでいるのは見せかけかもしれません。
おごらず、油断しないでください。
学校の授業を真剣に聞いて、勉強のヌケ、モレを見つけていくようにしましょう。

そこで6月の学習テーマとして、今回は

「勉強した『つもり』の総点検!」

というお題で書きます。

「勉強したのに点が取れない」

になってしまう理由と対処にいて、中学の英語と数学を例に書きます。

生徒が良い成績をとるためのサバイバル作戦として読んでほしい

最初にお断りしておきますが、今回のブログで書く指導法は、本当の勉強でもなければ、正しい学力の評価でもありません。
ちょっと残念な現状において、少しでも生徒が有利に評価されるための護身術です。

日本の教育は素晴らしいですが、次の観点で見ると、残念な欠陥もあります。
その欠陥が当面の間まだまだ運用されるのですから、その教育を受ける生徒としては護身術を覚えるしかありません。

成績の9割が決まるポイント

学校にしろ塾にしろ、日本の現状の教育においては、生徒の学力の測り方はとても偏っています。
非常に辛い現実として、子供たちの成績は次の観点で9割が評価されてしまいます。

  • 正確な暗記力(文字列の解析能力)
  • 文脈から答え方を正確に推測する力(空気を読む能力)
  • 短時間に多くの類題をミスなくこなす力(事務処理能力)

こうした能力は知性を鍛える「過程」においては欠かせない必要条件です。
しかし評価という「結果」の採点に使って良いのかといえば、それは話しが別です。

人工知能が得意な能力で人間を評価すべきか

人間の能力はもっと多様だからです。
第一これから先、上のような能力は、ほとんど人工知能がやってしまうようになるからです。

たとえ上のような能力に優れた人間を社会に排出しても、正直、あまり役に立たないです。
コンピューターの無かった時代は、人間が電卓になり、ワープロになる必要がありました。
しかし、もうそういう時代ではないのですよ。

人工知能と生身の人間を競争させ、優劣を競い合わせるのは、人工知能が勝つに決まっている出来レースであり、消耗にすぎません。

読み、書き、そろばん・・・もう終わりにしましょう。
どんどん学力の評価軸を「多種多様な表現」や「人間らしさ」に置き換えていきましょう。

国の教育が変わるまでの護身術

と言いたいのですが、残念ながら現場はすぐには変わりません。
残念ながら教育が変わるのには時間がかかり、その間に生徒はどんどん卒業していきます。
こうした辛い現実があるのは大人のせいであって子供のせいではありません。

従いまして、現状の評価で少しでも有利に点数が取れる「護身術」を生徒が身に着けるのは、決してズルいことではありません。
むしろ仕方のないことです。

ズルいのは、現状を変えず、自分の価値観さえ満足すれば良いと、その場しのぎで仕事をしている大人の方なのですから。
そういう大人たちは、学んできた学力を「できない理由を並べる」ために使っています。

誰がそうなのか。
子供たち、よく見ておきましょう。
そして16歳以上になったら、選挙権を行使してくださいね。

どんどん進む割には点数が取れない「作業癖」の子供たち

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

  • 間違えを隠して「できたことにする」
  • 勉強ではなく「作業」をしてしまう

このようなお子さんは、机に向かう時間が多い割には点数が取れません。
自宅学習がポンポン進んでいるとしたら逆に要注意です。

かわいそうなので何とかしてあげたいです。
単に何も考えずに突っ走っているなら心配ないのですが、中には・・・

できた時には褒められるかもしれないけれど、間違えた時には叱られる、馬鹿にされる。

そのような辛い経験を繰り返してしまったお子さんは、間違えることに後ろ向きな気持ちを持っています。
トラウマか、その一歩手前です。
その心の傷から自分を守るために、

  • たくさん書いたから褒められた
  • たくさん〇がついたから褒められた
  • たくさんページが進んだから褒められた

という評価を求めるような行動パターンが身についてしまっています。
しかも小学生までは、雰囲気やあいまいな暗記でも点数が取れました。
だから、それが勉強だと勘違いしやすいです。

なぜ中学生になると点数が取れなのか

しかし中学生からは1文字でもミスしたら減点です。
このような「作業」的な発想では、中学の勉強を正しく進めることができません。

小学校のテストとは違います。
中学校のテストは「正確な暗記」と「細かい暗記」をしておかなければ点数が取れません。

だから、特に中学1年生は要注意です。

だから、暗記を精密に鍛えることが勉強の大部分になります。

少なくとも、テストや受験で教科書やノート、電卓を持ち込んでもよくなる時代になるまでは・・・

とにかく現状において子供たちが点数を取るためには、テストのリハーサルを多くこなすことが必要です。
テストを受ける前に、できるだけ多くの間違いをたたき出し、それらを修正して弱点をつぶしておかねばなりません。

つまり問題を解いたら「間違い」を大切にし、それを周囲の人に知らせ、早くアドバイスをもらう姿勢が必要です。

中学生からの勉強とは、間違えを大切にし、共有し、改善することです。
間違えることに対して前向きな気持ちを持っていなければ勉強になりません。

小学校のときに身についてしっまった「作業癖」から脱却できず、勉強している「つもり」が「勉強」になっていない状態で中学生になってしまう。
このような意識のズレを「中1ギャップ」と呼ぶ人もいるそうです。

もちろん「中1」に限らず、成績が伸び悩むお子さんは何年生であろうと同じ課題を抱えています。

自宅学習では、このギャップを埋めることがなかなか難しいです。
指導経験者でないと子供がやっているのが「作業」なのか「勉強」なのか、なかなか見抜けないものです。

一字一句を正確に「言わせる」

したがって自宅学習で予習が進んだからと言って、それが順調とは限りません。
そうなると臨時休校が明けた、この6月にやっておくべきことは

「やったつもり」

の総点検となります。
理解が浅いまま「作業」だけで進んでしまった所を見直して、「勉強」としてやり直しましょう。

理解できているか否かのチェックは簡単です。

説明が正確にできるかどうか、子供に説明させればよいのです。

「太郎くん、数学はだいぶ予習が進んだようだね。」

「はい、学校課題の穴埋めプリントは教科書を見ればわかったので、自分で全部終わらせました。」

「けっこう、けっこう。それじゃ、『絶対値』の意味を言ってみてくれるかな?」

「絶対値・・・。ええと、例えば -10 なら10とか。」

「そうだね。教科書には絶対値の意味をなんて説明していたかな?」

「ええと、プラスとかマイナスとかを外した数のこと?」

「残念。新しい言葉が出てきたら、その意味を正確に覚えようね。「絶対値」を漢字で書かせたり、その意味を書かせるような用語の意味を問うような、国語みたいな問題が数学のテストでも出題されるよ。だから必ず用語の意味は正確に覚えてね。」

「あ、はい。」

「絶対値の意味は、数直線において原点0からの距離だよ。教科書でも塾のテキストでもいいから、絶対値の意味が載っている所をよく見てごらん。」

こんな感じチェックしていきましょう。

それでは中学生の数学と英語について、もう少し具体的な例で見ていきます。

数学の勉強の仕方

下の図は、中学2年生の数学です。
例年であれば5月の学習内容ですから、予習が順調に進んでいる生徒ならば学習済みかもしれません。

あなたなら、どのようにしどうしますか?

中2数学_文字式の利用_文理ー1

これを一字一句チェックできる子に指導していきましょう。

問題文をよく読む

まず問題文の意味をどれくらい正確に分析して理解できるか。これを生徒に言わせてください。

各位の数の和が9である3けたの自然数は9の倍数になる

この1文の採点ポイントは次の通りです。

  • 「各位の数」の意味と例を言わせる
  • 「各位の数の和」は、上で言わせた例ではいくつか言わせる
  • 「自然数」の定義を言わせる
  • 「9の倍数」を列挙させる
  • この一文から「仮定」と「結論」を抽出して言わせる

同様に問題文の2~3行目についてもチェックします。

  • 「百の位をx、十の位をy、一の位をzとする」は、上で言わせた例でどう対応するか言わせる

4~5行目について

  • 「3けたの自然数」をx、y、zで表した式を言わせる(書かせる)
  • 「各位の数の和が9である」をx、y、zで表した式を言わせる(書かせる)

回答形式をよく読む(空気を読む)

この問題は穴埋め形式ですから、出題者の意図する答え方の文脈が読み取れないと回答できません。

出題者の意図を読み解く一番の方法は「結論から逆算する」という読ませ方です。

  • 問題文の「仮定」と「結論」をもう一度言わせる
  • 「結論」の式がどんな形になっているべきかを言わせる
  • 「結論」の式が登場するのはア~オのどこだと思うか言わせる
  • その式の形式に向かって「9の倍数」と「その他」に式を変形するというヒントを与え、ア~オのどこがそうなっているか言わせる

こんな感じで問題文の解釈の仕方を言わせながら進め、どこが言えないか(勉強したつもりになっていたか)をチェックしながら復習を進めましょう。

このように問題文を定義通りに精密に読む力と、空気を読む力の両方を鍛えるのが勉強であると自覚させながら進めるのです。

英語の勉強の仕方

中学1年生の英語といえば、最初は「英語習字」と呼ばれるアルファベットの「書き方」の指導および英語の発音の指導がメインになるでしょう。

発音(フォニックス)は、アルファベットの数およびshなどの2文字発音の数だけチェックポイントがあるので、ここでは省略します。

少なくとも書き方については以下のチェックポイントがあります。

  • 大文字25文字の形、大きさ、位置のチェック
  • 小文字25文字の形、大きさ、位置のチェック
  • 文頭および名前の1文字目は大文字で書く
  • 単語と単語の間は1文字開ける
  • 文末はピリオドを打つ
  • YesとNoの後にはカンマをつける

などです。

これらを何か書くごとに生徒に言わせてみてください。
講師が説明してしまったら台無しです。
勉強した「つもり」をチェックするのですから、生徒に言わせてみてください。

それでは中学3年生ならどうでしょうか?

下の図は中3の受動態の問題です。
例年であれば5月の学習内容ですから、予習が順調に進んでいる生徒ならば学習済みかもしれません。

あなたはどのように指導しますか?

中3英語_受動態の穴埋め問題_文理ー1

これを一字一句チェックできる子に指導していきましょう。

問題文をよく読む

中学3年生であれば、まず大まかな語順を知っている必要があります。

  • 一般的な英語の語順について説明させる
  • 受け身の語順について説明させる

主語と述語から書けばよいことを確認したら、次に問題文の解釈に移りましょう。

  • 問題の日本文について「主語」と「述語」がどれか言わせる
  • 表現や文法のポイント(受け身、時制など)を言わせる
  • その「主語」と「述語」を英語に訳させる

基本的に英作文は主語と述語が訳せれば、もう半分は終わりです。

回答形式をよく読む(空気を読む)

あとは回答形式に合わせて、抜けもれなく答えを書くようにチェックさせましょう。

  • 問題の日本文と英文の対応を1語1語もれなく確認させる
  • 英文で欠けている部分に対応する日本語について、英語に直す
  • 複数の英訳を思いついたら、回答欄と語数の合うものを選ばせる

たった1行の穴埋め問題ですが、こうした基本問題ほど、内容をしっかりと言葉で説明できることが大切です。

結局のところ学力とは文字列の解析力

人間の表現手段は文字だけではありません。
顔の表情や声の抑揚、ジェスチャーなどによる体を使った表現も可能ですし、絵や図、楽器などによる表現もあります。

しかし、冒頭で書いたように、学校のテストで評価される対象は文字列での処理能力です。
なぜなら文字列のペーパーテストがもっとも実施しやすいからです。

だから文字列の解釈と文字列のアウトプットが優れてさえいれれば、5教科全体の成績が上がりやすいです。

いわゆる「国語力」とは違う

ちなみに、これを国語力とは呼ぶのは早計です。
教科ごとに文字列解釈の語彙やルールが違うので、教科ごとに訓練する必要があるからです。
国語だけ勉強していても、数学や理科の問題文を解釈できるようにはなりません。

いずれにせよ、こうした現状の成績評価は、人間の能力を測るにはあまりにも偏っています。
子供たちが持っているかもしれない、多くの才能を見つけることができず、評価できていないかもしれません。

そういう意味では、上で書いてある勉強の指導は、小手先のテクニックに見えるのかもしれません。
それには私自身も同意しています。

しかし今の時点で子供たちに広い視点で評価をしてあげたとしても、学校の成績が不利になるのであれば、結局は子供が不幸になります。
日本の教育がより進化するその日までは、子供たちに降りかかる火の粉をテクニックで防いであげるしかないでしょう。

たとえ学校でICT活用が進んだとしても、単に教科書の表示がPDFやパワーポイントに置き換わっただけであれば、当面、この状況は変わりません。

偏った成績評価を打開するために

論外のレベル

学校では数年前に、やっとのことで漢字や仮名の「とめ、はね、はらい」が採点基準から除外されました。
これに伴って学習塾でも、そこにこだわらない指導に変化してきました。

フォントによって異なる字体の表現を、先生の好き嫌いをルールにして採点しないように、ということになりました。

しかし似たような問題はまだまだ残存しています。

  • 英語のテストで筆記体で書いたら減点された
  • 社会や理科のテストなのに用語を平仮名で書いたら減点された
  • 数学の証明問題で、証明の過程がすべて正しいにもかかわらず、最後の合同条件の記述から「それぞれ」が漏れたので減点された

などなど、人間を「文字列編集マシン」に仕立て上げようとする「評価の暴力」が、まだまだ根強く存在しています。
学校だけではなく、模試など民間の採点基準も同様です。

テストは教科書を持ち込みOKにすべき

こうした悲しい現状を早く脱するためには、どうすべきでしょうか。

テストに教科書や授業ノートを持ち込み可能にしてしまえばよいと私は思っています。
たったのそれだけで、大部分の問題が解決されるでしょう。

何ならGoogle検索も許可してしまえばよいと思います。

もっともっと言ってしまえば、テスト不要です。
普段からの取り組みをちゃんとロギングできていて、それを集計できる環境さえあれば、むしろ評価のためにわざわざテストするなんて、時間の無駄でしかありません。

このような理想の教育を目指す過程でICTの導入があるわけです。

アフターコロナやGIGAスクール構想で、これから急ピッチに学校のICT化が進みます。
それを「やらされ感」で使うのであれば、何も良くなりません。

国家100年の計のスタートに私たち教育者は立っています。
そのような気持ちで教育の進化に取り組んでいきたいですね。

 


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スマホ依存で成績を下げない方法

家では勉強に集中できない様子の写真

進級や進学に際して、子供にスマートフォンを買い与えたくなる季節です。

同時に、

  • スマートフォンに依存しすぎて勉強がおろそかにならないか?
  • 友達とのコミュニケーションに問題が発生しないか?

などと心配にもなります。

私が多くの生徒を見てきた経験からズバリ言ってしまうと、

  • スマートフォンを休憩時間に使う子は成績が伸びない
  • 友達とのコミュニケーションは使い方しだい

です。

小学生や中学生は、親の心配や信頼に反して、確実にスマホ依存になります。

しかも巧みなので、親は使いこなせていると信じてしまいます。

もしも既に買い与えてしまったとしたら、今すぐに使い方を決めて、徹底させる仕組みを作ってほしいです。

具体的には、以下のように対処してください。

 

★『勉強の合間にスマートフォンを絶対に触らない』ための3か条

  1. 勉強の前後を含めた「時間帯」を具体的に決めること
    (例) 毎日 18:00~21:00 + 塾の時間帯 など
  2. その時間帯は親にスマートフォンを預けること
  3. その時間帯は連絡できない旨を友人に周知徹底させること

 

ポイントは、家族で決めたルールをお友達や関係者にも周知徹底しておく、です。

これは、友人に周知徹底しておくことで、

  • いじめ対策になる
  • 周りに宣言させて自覚を促す

という2つの効果を生みます。

この方法を友人が取り入れれば、その友人のためにもなります。

 

大人でも依存症になりやすいスマートフォン。

お子様が使いこなすには、これくらい明確で強制力のあるルールが必要です。

 

さて、スマートフォンの悪影響をもう少し詳しく解説します。

 

例えば、

50分間は勉強して、

10分間の休憩だけスマートフォン

これを4回繰り返して、だいたい3時間半の勉強をしたとしましょう。

 

中学生が普段から3時間半も勉強したとしたら、かなり多いと思います。

きっと褒めたくなるでしょうが、

残念なことに、

翌日には、勉強した内容をほとんど忘れてしまいます。

 

勉強の合間にゲームをしたり、スマートフォンを楽しんだりすると、勉強した意味が無くなります。

何もしないで休憩した場合に比べて、圧倒的に忘れ去られてしまうのです。

 

このことは以前にも少し書きました。

なぜでしょうか?

 

人間の脳は常に記憶の整理をしています。

そして不要な情報を忘れるのも立派な能力です。

何が必要な記憶で、何が不要な記憶なのかは、興味があるか無いかで決まります。

 

さて、子供にとって、

  • 50分間勉強したこと
  • 10分間スマートフォンを触ったこと

のうち、どちらが楽しかったでしょうか?

もちろん、スマートフォンの10分間でしょう。

すると、もう想像できますね。

子供の脳内では、

  • 50分間の勉強=つまらない=興味ない=不要な記憶
  • 10分間の休憩=楽しかった=興味ある=必要な記憶

という方程式になります。

この設定をされた脳が睡眠をとって記憶を整理したら、当然、勉強した内容は優先的に消去されていきます。

 

さらにスマートフォンは脳を疲れさせます。

休憩にはなりませんので、勉強の効率はさらに落ち込みます。

 

代わりに、ゲームやSNSの内容はよく覚えていることでしょう。

もちろん、それは成績には1点も貢献しません。

 

社会人でも、休憩時間や仕事の合間にスマートフォンやSNSに時間を割いている人が、仕事の効率を落としています。

顧客との話し合いや会議で話し合った結果を正確に覚えたりメモしておけない人がいます。

実は社会的な問題になっていて、各企業ではWebの閲覧制限やスマートフォンの私的利用の制限に乗り出しています。

 

こういう大人になったら迷惑です。

一生懸命働いている周囲の社員たちは相当な不満でしょう。

 

ましてや子供たちならば、大人のような自己管理を期待できるわけがありません。

 

冒頭で上げた3か条を、ぜひ、徹底させてほしいと思います。

スマホ依存も予防が大切です。

 

逆に、

スマートフォンを理性的に扱えるお子様はいるのでしょうか?

 

まれに「うちの子は使いこなせている!」みたいな著名人の記事を目にします。

しかし、どうしたらそうなれるかは書いてありません。

今のところ、ルール以外で、つまり子供の意思だけを尊重する方法で、

子供たちが理性的な大人のようにスマートフォンを使いこなせる教育方法を私は知りません。

 

もしも発見したら、もちろん、この場でアナウンスします。