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暗算

今すぐ暗算を止めて筆算を極めよう!

塾長です。

今回は中学生の「数学の勉強の仕方」についてです。

1学期の数学は「計算力」と言えます。
ただし、それを「暗算力」のことだと勘違いすれば、痛い目を見ます。
数学の苦手な子は、筆算をないがしろにして暗算に走ります。

まずは筆算を極めましょう。
特に中学1年生は要注意です。

計算のルールが増えていく

たとえば1学期の期末テストの範囲は、およそ次の単元です。

  • 中1数学 式の値、文字式の計算
  • 中2数学 連立方程式の計算
  • 中3数学 平方根

このように「計算のルールが増える」単元が並びます。
さらに次の単元、つまり、中1は方程式、中2は連立方程式の利用、中3は二次方程式に入っている学校があるかもしれません。

どちらにしても、

新しいルールを使っててスラスラ計算ができるように練習する!

ことが大切な時期です(それが全てじゃないですが)。

計算力は数学の基礎の1つです。
計算がおぼつかなければ、その先にある文章題や関数の単元などが、さらに難しくなってしまいます。

#数学の定理としての「ルール」の他に、指導要領に沿った「手順」も含まれます。
#今回は便宜上、どちらも「ルール」という言葉でまとめます。

途中の式が書けない子供たち

後で説明しますが、計算を深く理解したり、忘れにくくしたりするためには、計算の「途中の式」を上手に書けることが必須です。
途中の式を書けば、ルールを正しく使っているか否かを、明確に確認できるからです。

ところが、その途中の式が書けない中学生が多いです。

分かりやすい例を出しましょう。
たとえば、こんな計算の書き方です。

問題例: a=3、b=-2のとき、式 ab の値を求めよ
誤り①: 3×-2=6

この計算の書き方、何がまずいのか分かりますか?

もちろん計算結果も間違えています。
もっと数学が苦手な場合は、こんな間違いも起こります。

問題例: a=3、b=-2のとき、式 ab の値を求めよ
誤り②: 3-2=1

これは何のルールを無視した結果だか、言えますか?

笑い事ではありません。
中学生になってから数学が苦手になる理由の1つが、正にこれ、と言っても過言ではないでしょう。

問題例: a=3、b=-2のとき、式 ab の値を求めよ
正答例: 3×(-2)=-6

もちろん、これを分かってて省略するなら良いですが、そうでないから間違える。
途中の式をちゃんと書いてルールを見える化しなければ、「分かったつもり」から脱却できないと思います。

計算ルールを1つ残らず意識する

上の計算問題の例でいえば、次のようなルールを守る必要がありました。

  1. 文字式で省略された、かけ算の「×」記号を補足してから代入する
  2. 負の数はカッコをつけてから代入する(マイナス記号も含めて1つの数)
  3. 乗除算は、先に符号を決めてから絶対値の計算をする

これらは中学1年生の1学期で習います。

例えば「マイナス記号をつけ忘れた」という計算ミスは、上の2や3の手順を忘れていることが多いです。

学校の授業をよく聞いていないと、独自の手順であてずっぽうに計算して、ミスの確率が上がります。

途中の計算式を正しく書けるように努めること

が、

新しいルールを守りながら計算の練習をする

という勉強につながります。
だから暗算するよりも先に、筆算をちゃんと極めることが重要です。

逆に、計算の過程を正しく書く努力もしないで、いったい、どうやって計算が身につくのでしょう。

途中の式を書けますか?

計算のルールを1つでも破ってしまえば、すぐに間違えます。
計算問題は、ミスが出やすいように作ってあるからです。

ましてや、テストで配点が2点~3点の計算問題ともなれば、1つのルールだけでは計算できません。
1行やそこらの記述だけでは、計算のルールを使う過程をすべて「見える化」できません。

つまり、難しい問題が解けるとは、

それだけ何行にもわたって「途中の過程」を正しく書き続けられること!

とも言えます。

計算の過程が見えないのであれば、修正ができません。
間違いがあってもちゃんと見抜くことができない、ということです。

そうなれば、勉強しても効率が上がりません。

答え合わせのとき、赤で正答を書き写すだけになっていませんか?

それしかできないのは、そもそも途中の式を書く努力をしていないからです。

そういう状態では、むしろ間違えた計算方法を覚えてしまう危険性すらあります。

途中の式を書くと計算が遅くなるのか?

途中の式を書くのがめんどう!
筆算に時間がかかってしまう!

という言い分もあるでしょう。

もちろん、すべてマスターした生徒が、あえて途中の式を省略して暗算するのは問題ないですよ。

つまり、

すべてのルールを反射的に正しく計算できるくらい練習してきた上で、
途中式の展開もすべて頭の中でやってしまい、
結果的に紙に書く式の量が少ない、

という生徒であれば問題ありません。

そこまで努力を積み重ねた生徒は、そもそも今回の話題の対象外です。

そうでない初学者には、まだ早いです。
暗算で答えが速く出せることに、いきなり挑戦するのは無謀です。

それに暗算のスピードが速いということに、それほど大きな価値を置かないでください。
そんなものは、コンピューターや人工知能にどうしたって負けますから、極めるようなことじゃないですよ。

また、暗算には不安がつきものです。
暗算と並行して、頭の中で何度も検算をする羽目になります。

だから自己流で暗算している生徒の多くは、むしろ計算が遅いんですよね。

急がば回れ。
紙に途中式を書きだして、一発で正当を得た方が、結果的には速いというものです。

計算が熟練するにつれて自然にスピードアップしていくことが大切なのであって、
逆に、ルールをないがしろにした、中身のないスピードアップは暴走にすぎません。

#そろばんマスターで、手のひらで指をチャカチャカできる人は別ですよ。
#そういう人は本当に暗算が速いですが、でも手のひらで途中の計算を心で見ているんですよね、結局のところ。

教科書をマネするのが基本

それでは、どうしたら正しく計算の過程を書けるようになるのでしょう?

実は、何も特別な環境など必要ありません。

「いつも見ていること」

をマネすれば良いだけです。

全てのルールが正しく使えるかどうかを確認しならが計算する方法。

いつも見ていますよね?

途中の式の書き方。
筆算のお手本。

いつも見ていますよね?

  • 学校の先生が黒板に書く計算
  • 教科書の例題に記載されている計算

これです。
これらを手本としてマネすればよいのです。

教科書や板書をよく見てください。
途中の計算過程がすべて書き出されているでしょう。

それらは説明のためだけに書かれたものではありません。
ふんふん、と聞き流してはいけないのです。

生徒自身が、あなた自身が、

同じように書いて、先生と同じように説明できるようにならなければならない、

そういう書き方なのです。

さらに塾生なら、

  • フォレスタプラスの導入解説

でも単元ごとに細かく説明されています。

  • 塾のテキスト

にも書かれていますよね。

学校でノートにメモをとり忘れたり、教科書を学校に忘れて来てしまったりしたら、塾の教材を手本にマネしましょう。

写経ではなく、自分で計算問題を解くときも、手本と同じように途中の式を書いてみましょう。

勉強のできる子は、これが自然にできています。
数学が苦手な子は、これができていないのです。

勉強の基本は「手本をマネすること」です。

頭だけではなく、ちゃんと手も動かしましょう。

暗算で通用するのは「算数」まで。
「数学」をやるなら、途中の式にこそ価値があります。

小学生の計算も忘れている可能性が高い

ちなみに、中学1年生で、途中の式が書けない生徒たちは、およそ

  • 小数のひっ算
  • 分数の割り算

などもできない可能性が高いです。
(割合などは別の話になるので割愛)

小学4年生くらいから、2~3個のルールを全て守らないと計算できない問題が出て来ます。

そのような問題を解くときに、

  • 途中の過程をすっ飛ばして「問題の解き方」だけを覚えて乗り切る
  • めんどくさがって、途中の計算式を書かない
  • せっかく書いた途中の式を消しゴムで消して答えだけ書き残す
  • 練習せずに諦めて過ごす

というような間違った習慣で過ごし方をして来てしまったのでしょう。
要するに、問題文をちゃんと読まないで解くようなやり方です。

「計算過程の、どこでどのルールを使ったか?」

という自覚も記憶もありません。

中には文章中の数字だけ見て、

前の問題がかけ算なら今回の問題もかけ算、割り算なら割り算、

という「自己流の方法」(事故流の方法)で過ごしてきた子供たちもいます。
入塾してからビックリです。

つまり、勉強の積み上げが無い、基礎が身についてない、という状態です。

この状態は、けっこう深刻です。

計算間違えを軽く見てはいけない

定期テストや模擬試験において、計算問題は配点が低く、初歩的な問題と見られがちです。

しかし、計算問題を軽く見てはいけません。

上で見たように、その間違え方を詳しく見ると、とても奥が深いのです。
中学生の計算問題ができないことから、小学生の勉強がどこまで身についているか、まで分かってしまいます。

できればテストを受ける前までに、1つでも多く改善しておきたいものです。

#なお、文字列を正確に読み書きできることが大前提です。
#仮にそれができない発達障害がある場合は塾長の指導力ではカバーしきれません。
#専門医の指導が必要で、今回のテーマからは外れます。

さて、話を戻します。

しつこいようですが、計算の途中の式を正しく書けるようにしましょう。

途中の過程をすっ飛ばして、
「問題の解き方」だけを暗記して、
最短の計算を暗算で解いて答えを得ている、

なんて状態では、近い将来、数学は本当にできなくなってしまいます。
そのような調子では何かの「解き方」を1つ忘れただけで、全てができなくなってしまいます。

途中の過程がすべて説明できるような生徒は、1つや2つの記憶が無くなっても、その他の記憶から正しい手順をすぐに復元できるでしょう。

人間の記憶は1つの記憶が他の多くの記憶と連動しています。またその方が忘れにくいと言えます。
面倒くさがって短絡的な覚え方を知れば、忘れてしまうのも早いです。

計算は途中の式も、ちゃんと書きましょう。
それを書く努力をしましょう。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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数学ってそうだったの!? だから暗算が数学を苦手にする!

勉強が好調な女の子のイラスト

塾長です。

今回の定期テストの個表が返って来ています。

中2から通っている高校2年生が、ついに学年1位を達成しました。おめでとうございます!
ある中3男子が総合点で自己最高点をマークした一方、前回自己最高点だった中3女子は、前回ほどではないものの目標点+7点をマークしました。
また、詳細は伏せますが、数学が12点から67点にハイジャンプした生徒もいました。

これからスパイラル学習法で学んでいく新入生たちは、先輩たちの姿を見て、しっかり着いて来てください。

常識の中にあるウソ!?

さて、生徒を指導していると「教育の間違った常識」というものに遭遇することがあります。例えば前回のブログ「できる子は、教科書に線を引かない、ノートをまとめない」もそうでした。教科書に線を引いたりノートをキレイにまとめた方が成績が上がりそうな気がします。しかし現実は反対で、テスト期間にそういう作業をしている生徒ほど点数が伸び悩むものです。

今回は「暗算」についてぶった切ります!

「算数」の計算は得意。でも「数学」は苦手。

例えば、数学で次のような悩みがある場合。きっと、あることが原因です。いったい何だと思いますか?

  • 計算は速いけどミスが多い
  • 関数、図形、文章問題が苦手
  • 中学校の数学から苦手になった
  • 数学は意味が分からない
  • 小学校の時に公文で中学まで予習したけど全部忘れた

算数や数学がいつから苦手になるのかは人によります。小学校5年生くらいから、あるいは中学1年生になってから。人それぞれですが、苦手になりやすい人の共通点は、およそ決まっています。それは、

  • 途中の式を書かない
  • 図表を自分で書かない

という習慣です。こんな状態も同じです。

  • 途中の計算過程を書かない
  • ノートに答えしか書いてない
  • わざわざ途中の計算を消しゴムで消す
  • 間違った過程を残さない

こうした習慣があると「算数」から「数学」へ発展しません。中学生になっても算数しかやっていないので、数学が苦手になってしまうのです。逆に言えば、その習慣を改善すれば数学を克服する道が開けます。

「算数」と「数学」の違いとは!?

『いつまでも「算数」しかやっていない』と書きました。そもそも算数と数学は何が違うのでしょうか。

算数とは!?

小学校までの算数は、主に、整数、小数、分数を使った「算術」について学びます。要は、目に見える物を数で表し、計算を通じて色々な視点で物の個数や量を測れるようにする訓練です。

基本的に、数には「個」「匹」「リットル」「円」などの単位が必ず付きます。具体的な「経験」を通じて「数」の基本概念を抽象化していく「過程」にいるからです。したがって教科書の構成は、

  • 基礎(大部分): 物の数や量、単位などの具体的な内容
  • 発展(部分的): 数の性質やグラフなどの抽象的な内容

となっています。

例えば小学1年生の初期では、まだ「ペン1本」の1本と「パイナップル1個」の1個は、別のものだと認識しています。それを「合わせていくつ買いましたか?」という計算を経験させると、単位を外して抽象的に考えるようになります。つまり「ペン1本だろうがパイナップル1個だろうが、数が1であることに変わりはない!」と考えて「合わせて2つ」と答えられるわけです。

このように、

具体的な経験 → 整数、小数、分数への抽象化

を繰り返しながら学びます。とても大変な経験時間を要するので、小学校の算数では、これ以上の数の拡張をしません。ちなみに余談ですが、この抽象化に失敗すると、例えば「ウン、と合わせて、ペン・パイナップルが1つ」と答えてしまうわけです。

したがって、算数の世界では「数」と言えば、整数、小数、分数でしかなく、その範囲に限って加減乗除を学ぶだけです。そのため数の「性質」や「法則」の種類が少なく、計算が単純なだけに、暗算がし易いです。

数学とは!?

中学生以降の数学は、数の概念に「負の数」「文字式」「多項式」「無理数」が仲間入りします。単位のないものばかりです。そして数と数を足したり掛けたりしたように、例えば、式と式を足したり掛けたりします。

  • 負の数の導入と、その加減乗除、指数の導入
  • 文字式の加減乗除(単項式の計算)、方程式
  • 定数、変数、関数、座標
  • 多項式の加減乗除(中学は因数分解まで、除算一般は高校)、連立方程式
  • 無理数の導入と指数の拡張
  • 座標とベクトル、虚数と複素数、合成関数や微分方程式、集合など

このように、数と同じように計算できるものが学年と共に増えていきます。整数、小数、分数に限られていた算数の世界とは違い、数の概念がどんどん広がります。正に「数」の広がりを「学ぶ」ので「数学」と呼ぶわけです。それゆえ、何のどこが「数としての性質」なのかという「法則」や「定理」が重要になってきます。

したがって教科書の構成は、

  • 基礎(大部分): 数の性質や定理の説明や証明
  • 発展(部分的): 実社会にあてはめた利用問題

となっています。例えば中1なら最初に「方程式」という単元で、定理を使って「移項する」「分母を払う」などの抽象的な計算練習をします。その後「方程式に利用」という単元で、買い物や速さを扱う具体的な問題を解きます。

定理を使った抽象的な訓練 → 具体的な問題にあてはめる

これは算数とは真逆の構成です。

したがって、式の変形(計算)には必ず定理(理由)が当てはまります。そして1行の式変形に複数の定理が複雑に当てはまることさえあります。逆に定理に当てはまらないた式変形は、たまたま数字があっていたとしても間違いです。これを放っておくと計算ミスが多発するようになります。

つまり、算数の計算に比べたら「なぜそうできるのか」の理由付けが複雑なんです。それゆえ計算が速いことよりも、論理的に正しいかどうかを確認する方が、よっぽど重要になってきます。むしろ暗算はミスを生むリスクでしかありません。

中1の数学で最初にやるべき「脱!暗算」

このように算数と数学は、まったく視点の異なる学問です。中学から学ぶ数学は「数の性質」に注目し、その性質をあてはめる対象を「負の数」や「式」にまで拡張していくわけです。

1つ1つの計算(式変形)には、それぞれ理由があります。その理由は教科書に「定理」や「法則」としてすべて書いてあります。数はそれほど多くありませんが、組み合わせて使ったり、直ぐに思いつけるようにする訓練が必要です。

そして、もしも計算が間違っていたら、その理由を必ず言えるようになっています。ですから数学では丁寧に「なぜ、どうして」と確認していくことが大切です。

そうやって注意深く計算していれば、自然と「途中の式を書いて確かる」という手順の繰り返しになるはずです。

逆に「なぜ、どうして」を確認せず、とにかく速く答えを出すことにこだわり過ぎると、計算の「理由」を無視することが多くなり、分からないことがどんどん増えてしまいます。そうすると、暗算でできるような単純な計算だけを好むようになり、新しい定理を取り入れた数の拡張ができません。

これが数学が苦手になる理由です。つまり、

暗算にこだわる → 理由を無視する/暗算ができる簡単な問題だけ好む → 数の拡張ができない → 数学が苦手になる

というメカニズムです。

速くたくさん計算できれば良いとは限らない

数学の計算には全て理由がありますが、実際には、いちいち理由を確かめるのもしんどいです。そこで色々な計算パターンを網羅した問題集を何周かした方が、手っ取り早く計算力が身に着きます。これはアウトプット型の勉強なので、私も大部分は賛成です。ただし注意点があります。それは必ず次のことを守る、ということです。

  • 少なくとも間違えたところだけは理由(教科書)を確認すべし!
  • 確認できるように途中の計算式や図表はできるだけ書くべし!

この注意点を守らないと、ある日、全て忘れてしまいます。理由のないものは頭に残らないんです。

とにかく問題集を何百ページ、プリントを何十枚もこなし、数多くの暗算パターンを覚えてスピーディに計算をしていく生徒。一見、数学が得意のように見えますが、そうとも限りません。中には少しでも応用問題になると、ポキッと折れたようにできなくなってしまう生徒が出てきます。

もちろん本当に計算もできないほど苦手な生徒からしたら、こうした生徒は「数学できるじゃん」と思うかもしれません。しかし数学は「数」の概念を広げていく学問です。基本定理を自覚せず、パターン認識だけで計算ができるようになったとしても、それはいつか破綻してしまいます。

進学校でも高校から数学が苦手になる理由とは?

高校で「数学が苦手」というレベルはまちまちですが、それでも赤点や赤点ギリギリならば、かなり苦手と言えるでしょう。

「数学を何とかしたい!」

そう言って高校コースから入塾して来る生徒たちの多くは、実は数学が苦手なわけではありません。ちゃんと教えると、意外とすんなり理解してくれます。点数からは想像できないくらい早く解けるようになってしまいます。ほんと、そんな子が多いんです。ただ、

自分でどう勉強したらよいか分からない!

そう悩んで入塾して来るのです。

そういう生徒たちは、とにかく大量の問題集や大量のプリントで中学の数学を乗り切ってきたタイプの生徒たちばかりです。公式の暗記やパターンの認識はとても速いです。しかし教科書の読み方を知りません。

高校の数学では定理の数が増えます。しかし何十枚もプリントを出してくれるわけではありません。学校で配られる問題集の解説は簡素なものが多いです。それで、自分で何をしたら良いのか分からなくなってしまい、数学ができなくなってしまうのです。

例題のパターンごとに解き方を教えれば、直ぐ解けるようになってくれますが、それだけでは根本解決にはなりません。定期テストはしのげても、模試や入試では歯が立ちません。それじゃ不十分だという事を私は高校生の時に思い知らされています。浪人してから気が付かされました。

だから、そういう生徒たちに指導することだって同じです。

  • 途中の計算式をちゃんと書こう
  • 計算過程は消しゴムで消さず全て残しておこう
  • プリントや問題集だけで勉強しない(教科書を大切に)!

数学が得意な生徒は、ゆっくり計算するけど結果的に速い

高校生になっても数学が得意な生徒は、むしろ、ゆっくり取り組みます。取り組む問題集も限られています。その代わり、1つ1つ、自分の頭で考え、手を動かし、納得するまでじっくり取り組むのです。

中学生でも、数学で80点以上をコンスタントに取ってくる生徒は、やっていることが意外に多くありません。忙しい部活と勉強を両立してしまう生徒は、取り組む内容を絞ることができています。その代わり、細かいところの隅々まで納得いくまで、じっくり取り組んでいます。

ノートを見ると、途中の計算式や、考えに必要な数直線や表などが、ちゃんと書かれています。

それでは計算が遅いかというと、そんなことはありません。定理が良く身に着いているので、無駄な計算が少なく、ミスも少なく、消しゴムをほとんど使わないので、結果的に暗算が得意な生徒よりも早く終わります。これは学年が上がるほど、そうなります。

ですから数学を始める中1の段階で、できるだけ暗算を捨てる方が良いのです。

何度も書きますが、数学は数の性質が大切です。計算の根拠となる「数の性質」を正しく使わないと答えも間違えます。つまり論理が正しくないと答えが間違うようになっています。論理を確かめるには途中の式を書くしかありません。暗算はミスを生むリスクでしかありません。

「最終的な答えさえ合っていればいいや」

という短絡的な考え方では、あっという間に限界がきてしまいます。

競争相手は電卓ですか?

さて、ここであらためて問いたいのです。

人より速く計算できることが、そんなに大切な事ですか?

江戸時代は速く計算できる人が希少だったでしょう。昭和時代もそうだったかもしれません。でも今はどうでしょうか。電卓が100円ショップで買えたり、スマフォの電卓アプリが使えたりする時代です。人の手で計算するスピードに、それほど大きな価値はないと思います。

そしてコンピューターが安くなり、これから人工知能が身近になっていくことを考えれば、複雑な計算もコンピューターに任せればよくなるでしょう。

ですから、私たち人間のやることは、数の性質を良く知り、その性質を応用した命令をコンピューターに与えることです。電卓と競争するのではなく、コンピューターと会話できるような数学的な素養を養ってほしいと思います。

もちろん、数の性質や多様性を多く知っていて、その結果として計算が速くなるのは、積極的に良いことだと思います。教育的な意味として良いと思います。そしてコンピューターを使いこなせる、という意味でも良いことです。

まとめ

数の概念を狭い範囲に限定して「計算の速さを競う」ような価値観は、間違っていると思います。「暗算が速い方が優れている」と子供たちに思わせることは、むしろその後の数の広がりを邪魔してしまう危険性があるので要注意です。

子供たちを電卓と競争させてはいけません。算数から数学へステップアップできるように、

「途中の式をちゃんと書きましょう。」
「計算に使った数の性質を確認しましょう」

と、正しく子供たちに教えるべきだと思います。

 


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