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銀河

2つのアトラス彗星を撮影して来たよ

塾長です。

10月はレモン彗星とスワン彗星を追いかけてきました。
それで今年の彗星祭りは終わりかと思っていたのですが・・・

なんと、11月も2つの彗星が注目されていることが分かりました。
しかも1つは太陽系の外から飛来しているとか。
なんでもエイリアンの宇宙船だと疑う人がいるなど、世間を騒がせているそうですよ。

さっそく観測しきました。

2つのアトラス彗星

11月中旬の深夜に日本から見える彗星は2つ。

  • C/2025 K1 (ATLAS) 彗星
  • 3I/ATLAS 彗星 (太陽系の外からやって来た恒星間彗星。恒星間彗星は史上3番目の発見)

2025年11月15日AM4時ころの位置は、下図の通りです。
どちらも望遠鏡でやっと見えるか見えないか、というくらい暗くて小さいです。

なお図はフリーソフト「ステラリウム」の画面を使って作成しました。

下の写真は当日の明け方、北東の夜空です(観測の終わりごろに撮影)。
2つの彗星がある方面をスマホで撮影したのですが、街が明るいので小さい星は写ってくれません。
上の星図と見比べて、およその彗星の位置を水色でマークしてみました。

写真のとおり名古屋市郊外なので星はそれほど見えません。
周囲の街明かりで空が照らされ、暗い星はかき消されてしまいます。

写真を撮るときには、「街の明かりをカットし、星の光だけをよく通す」という特殊なフィルターを使って撮影します。

ところで、2つの彗星の名前には、どちらもATLAS(アトラス)が含まれています。
昨年の「紫金山・アトラス彗星」にも「アトラス」がついていました。

アトラスとは、NASAとハワイ大学が運用している小惑星地球衝突最終警報システム(Asteroid Terrestrial-impact Last-alert System) のことです。
地球に衝突しそうな隕石がないかどうか、いつも監視しているため、そのついでに彗星を多く発見します。
このシステムが発見した彗星には ATLAS の名が付く、というわけです。

C/2025 K1 彗星と遠くの銀河たち

夜12時前に機材のセットをひととおり終えました。
他の天体を撮影しながら、待つこと2時間・・・
最初に昇って来たのは、C/2025 K1 (ATLAS) 彗星です。

ステラリウムには事前に彗星の軌道データを追加しておきました。
ステラリウムで望遠鏡の視野をシミュレーションすると、彗星の近くに銀河が複数があるようです。
この場所は、おおぐま座の端っこです。

これらの銀河と彗星を一緒にねらって撮影したのが下の写真です。
この1枚を撮影するのに3分間かけています(露出60秒×3枚)。

彗星の動きはとても速く、この3分の間にも動いていきます。
彗星の中心部が点ではなく、横にズレた線になっているのは、それだけ彗星が動いたからです。

よく見ると彗星の下に淡い斑点がいくつか写っています。
これは銀河でしょうか、それともボケた星やノイズでしょうか。
いったい何が写っているのかを、コンピューターに判定させたのが下の写真です。

やった、銀河でした!

コンピューターが判定した上の画像について、少し説明します。

いくつかの星が赤く色づけされています。
これはコンピューターが星の配置パターンを認識するために使った星たちです。
星の配置パターンをデーターベースと照合し、望遠鏡の向きや視野の角度などを自動的に判定しています。

緑色の円で囲まれているのが遠くの銀河です。
7つの銀河が検出されたようですね。緑の字で銀河名も表示されています。
これら7つは Abell 1185 という銀河団です。

何兆倍という距離の差!

もっとも大きく写っていた銀河が NGC3550 です。
距離は4億光年~4億9千万光年。

つまり4億年以上前の姿を見ているわけです。

4億年前の地球といえば、植物が陸上に進出し始めたころ。
動物はまだ海の中で暮らしていました。

C/2025 K1 (ATLAS) 彗星までの距離は、約4光分(光の速さで4分弱、約6800万キロメートル)。
一緒に写っている銀河群までの距離は、約4億光年以上(光の速さで4億年以上)。
50兆倍以上も距離のちがう天体が1枚の写真に収まっているのは、なんとも不思議な光景です。

別の星から来た 3Iアトラス彗星

明け方の4時を過ぎると 3I/ATLAS 彗星も昇ってきました。
おとめ座の1等星「スピカ」は、また地平線付近ですが、その上の方に彗星があるはずです。

下の図はステラリウムでシミュレーションした望遠鏡の視野です。

とくに目立つ星や天体がない領域です。
こういう場所にある天体は見つけるのが大変なんですよね。

もしも望遠鏡に自動導入の機能がなかったら、見つけることができなかったかもしれません。
昔は彗星を探しているうちに夜が明けてしまった、などという経験が何度かありました。

文明の利器で難なく導入に成功し、撮影しました。
こちらは10分露出しました(60秒×10枚)。

写真の中央に、ぼうっとした天体があります。
それが 3I/ATLAS 彗星です。

この彗星までの距離は約3億Km。
地球と太陽の距離が1億5000万Kmですから、その約2倍です。
上の C/2025 K1 (ATLAS) 彗星と比べると4~5倍くらい遠いのですから、暗くて当然でしょう。

彗星らしく尾を引いている姿を期待しましたが、尾は写ってくれませんでした。
この彗星は、その姿が日々変わると言われており、尾がある日もあれば、ない日もあります。
あるいは、この日は空の透明度が悪かったため、単に暗い尾まで写せなかっただけかもしれません。

彗星の軌道がおかしい

3I/ATLAS 彗星は2025年7月1日に発見され、世界中の天文学者の注目の的となりました。
軌道が楕円ではなく双曲線だと判明するや否や、すぐにハッブル宇宙望遠鏡による追加観測が行われました。
予約でいっぱいの宇宙望遠鏡が使われたということは、それだけ重要な発見だったということです。
なぜなら、この彗星が太陽系の外からやってきた天体だと判明したからです。

NASAは 3I/ATLAS 彗星の専用サイトを設けて、観測の詳細を公開しています。
その一部を紹介しましょう・・・

ハッブル宇宙望遠鏡が7月21日に撮影した映像です(NASAのサイトのリンクを埋込表示)。
少し尾が確認できます。

At the center of the image is a comet that appears as a teardrop-shaped bluish cocoon of dust coming off the comet’s solid, icy nucleus and seen against a black background. The comet appears to be heading to the bottom left corner of the image. About a dozen short, light blue diagonal streaks are seen scattered across the image, which are from background stars that appeared to move during the exposure because the telescope was tracking the moving comet.

NASAが発表している、この彗星の軌道です(NASAのサイトのリンクを埋込表示)。

火星軌道の内側を通り抜け、地球には12月19日ころに最接近します。
そのあと木星方面へ進んでいきます。
そのまま太陽系を後にして、やがて別の星へ旅立っていくようです。

NASAによれば、この彗星は普通の彗星と比べて、スピードがとても速いそうです。
発見当時の時点で秒速58Kmという猛スピード!
太陽に最接近する10月29日には秒速68Kmに達すると見積もられました。

ちなみに地球を出発点とした脱出速度は、

  • 太陽系からの脱出速度: 秒速16.7Km
  • 銀河系からの脱出速度: 秒速300Km

らしいです。
※ 脱出速度の式 $ v=\sqrt{\frac{2GM}{R}} $ は高2物理で習います。

太陽の重力を振り切り、太陽系を抜け、また別の星まで飛んでいくでしょう。
わずか1年たらず、2026年のうちに太陽系から脱出するようです。

例えば1977年に打ち上げられた探査機「ボイジャー1号」のスピードは秒速17Km。
太陽系を脱出するのに約40年かかっています。
それに比べると3I/ATLASがどれだけ爆速であるかが想像できます。

また電波観測から、この彗星が太陽系の外で作られたことが示唆されています。
その成分から、太陽系ができるよりも前、もっとずっと昔から存在していた可能性も示唆されています。

銀河系内の恒星をいくつか訪れるたびに尾をなびかせ、質量を失い、やがて宇宙の塵になるのかもしれません。

実は、このような天体は初めてではありません。
太陽系の外から飛来してきた天体を人類が観測するのは、これで3つ目。

たった3つですから、とても珍しい天体。
天文ファンなら、これだけでご飯3杯はいけます。

なお、彗星の名前 3I/ATLAS のI は Interstellar 「恒星間」の I です。
広大な宇宙の中で、星と星の間を旅する彗星であることから、このような記号が付いています。
3I とは「3番目に発見された恒星間の天体」という意味になります。

3Iアトラス彗星は宇宙船かもしれない?

3I/ATLAS 彗星は珍しい、というだけではありません。
実は、想定外の加速をしていたことが観測されています。

彗星ですから、太陽の重力で加速するのは当然なのですが、
どうも、それだけでは説明のつかない加速をしていたようです。

彗星の表面は、太陽光で物質が蒸発してガスを噴射します。
そのガスがロケット噴射のような役割をして加速した、ということが考えられます。
しかし、その仮説で噴射されたガスの総量を計算すると、彗星自身の重さを超えてしまいました。
つまりガスの噴射では説明できません。

また、太陽系の外から飛来した彗星であれば、惑星の公転軌道面とは大きく異なる角度でやってくるのが普通です。
わざわざ太陽系の公転軌道面に沿ってやってくる確率は低く、少ない事例の中で、そういう天体に出会える確率はとても低いはず。
それなのに、たった3つ目の発見にして、もう出くわしたともなれば、本当に偶然の中の偶然でしょう。

つまり、

ロケット並みに強力な加速ができて、
ご丁寧に太陽系の公転面に合わせて侵入して来た、

ということで、そんな稀有な天体なんて、なかなか見られません。
それだけに、

きっとロケット噴射をしたに違いない!
宇宙船が太陽系を観察しにやって来たのだ!

そんな憶測が飛び交っています。

果たして真相はいかに!?

実は、このような憶測でお祭り騒ぎになるのは、今回が初めてではありません。

最初に発見された恒星間天体「オウムアムア」が 2017年に飛来した時も、謎の加速が観測されました。
さらにオウムアムアは極端に細長い形をしていたため、それこそロケットだと思われたのでした。
ちなみに、オウムアムアのNASA専用サイトもあります。

その後ほどなくして、オウムアムアの謎の加速を説明できる理論が発表されたのでした。
3I/ATLAS 彗星の加速も、いつか説明できる理論が登場するでしょう。

※NASAは11月19日に正式見解を発表し 3I/ATLASと知的生命体との関係を否定しています

北斗七星の周りには銀河がいっぱい

さて、無事に2つの彗星を写真に収めることができました。

実は、2つの彗星を待っている間とても暇でした。
この日の最低気温は6℃。そんな寒い中、ただ待っているだけというのは辛すぎます。

幸い、2つの彗星の近くには、おおぐま座の北斗七星があります。

北斗七星のまわりには、たくさんの銀河が観測できます。
特に早くから昇って来るのが M81とM82のペアです。

そこで彗星を待っている間、ひたすらM81とM82を撮影しました。
それが下の写真です。

右上の銀河がM81です。ボーデの銀河とも呼ばれ、きれいな渦巻き銀河です。
左下の銀河はM82です。葉巻銀河とも呼ばれ、構造が不規則な銀河です。

この2つの銀河については、以前こちらのブログでも紹介しました。
詳細は4月29日のブログ「【天体観測】天の川の写真を撮って来たよ」をご覧ください。

あとがき

仕事の都合がつき、なおかつ晴れる日ともなると、観測できるチャンスは本当に少ないものです。
今回は塾の仕事を終えてから観測に出かけたため、遠くまで出かけることができませんでした。
名古屋市近郊とはいえ、観測をスタートできたのは夜12時頃からでした。

秋と言えば、スッキリ晴れた天気に夕焼け、というイメージですが、今年はどうも違います。
空気中の水蒸気が多く、空気が霞んでいます。

この日も透明度が悪く、4等星がやっと見える程度でした。
秋の夜空とは思えない、スッキリしない夜空でした。

それでも話題の彗星を観測できたのは幸運でした。

街の明かりに邪魔されて、ほとんどの星は見えませんが、
特殊なフィルターを使って撮影したため、なんとか天体の姿を映し出すことができました。

とはいえ、フィルターも万能ではありません。
街の光と一緒に天体の光もカットしますから、どうしても露出が不足しがちになります。
銀河のように天の中で動かない天体であれば、露出を増やせますが、
彗星のように天の中を動いていく天体となれば、それができません。

やはり山奥のきれいな星空が恋しいです。

とはいえ、山はクマが出るし、冬は雪で閉鎖される所も多いです。
自然の変化に対して、技術だけでは全てを解決できません。
正常な自然の状態に戻って欲しいものです。

撮影データ

撮影の共通データ

写真や機材の共通データです。

  • 赤道儀 ゼロ(自作の零号機、本体重量5.2Kg ジュラルミン製、OnStepX による制御)
  • 三脚  INNOREL RT90C
  • 電源  DABBSSON 600L(半固体電池 768Wh, AC出力600W(純正弦波, 瞬間1200W, Boost 900W))
  • ガイド ZWO 30F5ミニスガイドコープ、 ZWO ASI120MM、ZWO ASI-Air mini
  • 画像処理  Siril 1.4.0-beta3 による画像処理、必要に応じてペイントによるトリミング・回転・解説記入・名入れ

 

観測風景 しし座と2つのアトラス彗星

  • 日時 11/15(土) 04:36
  • 場所 日進市内の田園地帯
  • カメラ Google Pixel 10
  • 露出 1/3秒(夜景モード)

観測風景 北斗七星と3Iアトラス彗星

  • 日時 11/15(土) 04:41
  • 場所 日進市内の田園地帯
  • カメラ Google Pixel 10
  • 露出 1/3秒(夜景モード)

C/2025 K1 彗星(素の写真と解説入りの2枚)

  • 日時 11/15(土) 02:37 – 02:40
  • 場所 日進市内の田園地帯
  • カメラ ZWO ASI585MC Pro、Gain200、-10℃、Antlia Quad Band Anti Light Polutionフィルタ
  • 望遠鏡 Vixen R200SS + コマコレクターPH
  • 露出 3分(60秒×3枚)、トリミング
  • 解説 Siril によるアノテーション(銀河の検出と名入れ処理)

3Iアトラス彗星

  • 日時 11/15(土) 05:06 – 05:15
  • 場所 日進市内の田園地帯
  • カメラ ZWO ASI585MC Pro、Gain200、-10℃、Antlia Quad Band Anti Light Polutionフィルタ
  • 望遠鏡 Vixen R200SS + コマコレクターPH
  • 露出 10分(60秒×10枚)、トリミング

M81とM82

  • 日時 11/15(土) 00:39 – 02:24, 02:53 – 04:08
  • 場所 愛知池
  • カメラ ZWO ASI585MC Pro、Gain200、-10℃、Antlia Quad Band Anti Light Polutionフィルタ
  • 望遠鏡 Vixen R200SS + コマコレクターPH
  • 露出 2時間27分(60秒×147枚)

 

以上です!

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

【天体観測】天の川の写真を撮って来たよ

週末は珍しく休みだったので天体観測に出かけました。

今回は三重県です。

三重県の天の川

先月とある用件でING進学塾の飯田先生とお話ししたのですが、その時に「三重県は天の川がよく見えるよね。」という話題で盛り上がりました。

といっても、塾長が三重県へ天体観測に行ったのは、もう、今から18年も昔のこと。
あの時は、雲かと見間違えるほど、天の川がよく見えたのでした。
懐かしくなって、また行ってみることにしました。

三重県と言っても南北に長いです。
星がよく見えるのは南側。
私の経験では、松阪市よりも南下すると星空がキレイになった記憶があります。

なぜ天の川がよく見えるのか

三重県の南は海。
その方向には街の明かりがなく、夜空にあるのは星の光だけ。
だから三重県では南の星空が特にキレイに見えます。

そして南の夜空といえば、春の深夜から夏にかけて天の川がよく見えます。
ちょうど、さそり座やいて座が見える方向です。

この写真は当日の帰り際に撮影しました。
三重県の天の川の見え味。
18年たっても健在でした。

逆に北は松阪市、津市、鈴鹿市、四日市市、そして名古屋市と街並みが続いています。
北の空は、夜空が街並みの明かりにかき消されてしまい、星がよく見えるとは言えません。

星をよく見るためには、こうした都会の光の影響から逃れる必要があります。

より良い星空を求めて

北は諦めるとして、問題は東西です。

西には奈良、その先に大阪。東には渥美半島の田原、その先に浜松。
少なくとも、これらの市街地よりも南の緯度まで南下しなければ、東西の星空が良くなりません。

とは言え、一晩で日帰りするとなれば、あまり遠くまでは行けません。

おまけに、三重県と言えばクマもいます。

検索すると、昨年からツキノワグマが頻出していて、過去最多の目撃情報とのこと。
ちょっと怖いので、山間部は避けることにしました。
逆に海沿いの港なら夜釣りの人たちもいて安全だろうと考えました。

そういえば大学生のころ、天体研究会というサークルに所属していたのですが、
そのサークルが利用していた合宿所が、かつての南島町にあったのでした(※)。
そのあたりまで南下すれば東西の星空も期待できます。

検索してみると、南伊勢町の贄浦漁港(にえうらぎょこう)が夜釣りで有名だそうです。
調べると夜間も自由に出入りできる広い駐車場があるようです(※)。
それなら観測もできそうです。

※南島町は平成17年に東隣の南勢町と合併して、今は南伊勢町になったそうです。
※夜釣りの可否や夜間の出入り可否については常に最新の情報を確認してください。

いざ、贄浦漁港へ

車のナビは地図が古くて途中のジャンクションを案内できず、道に迷ってしまいました。
いったん知らない土地で高速をおりて軌道修正。
30Kmほど遠回りしてしまいました。

なんだかんだあって伊勢市の手前までは高速で2時間強で行けました。
しかし、そこから下道で山を越えるのに、さらに1時間かかりました。

結局、到着したのは23時前でした。
夜釣りの人たちが2、3グループいらっしゃいました。
彼らの邪魔にならない所に車を停め、さぁ、撮影の準備です。

この写真は帰り際に撮りました。現場の雰囲気が伝わるでしょうか。
到着したときは、北斗七星がもっと高い位置にありました。

春は銀河の季節

今回の撮影テーマは「銀河」です。

宇宙の入れ子構造を大きい順に並べると、およそこんな感じです。

宇宙 > 無数の銀河 > 銀河系 > 太陽系 > 地球

私たちの太陽系は「銀河系」とよばれる1つの銀河の中にあります。
天の川は、その銀河系を内側から見た姿でした(中3理科)。
そのため銀河系のことを「天の川銀河」とも呼びます。

一方、夜空の小さな領域を望遠レンズで拡大して撮影すると、宇宙のはるか遠くにある小さな銀河が写り込むことがあります。
こうした、私たちの銀河系の外にある別の銀河のことを「系外銀河」と呼びます。
あまりにも遠くにあるため、望遠レンズや望遠鏡でしか見えないほど系外銀河は小さいのですが、実際には銀河系の仲間です。

つまり言葉の意味としては、

銀河 = 私たちの銀河系 + その他無数の系外銀河たち

ということが言えます。

春は「しし座」「おとめ座」「かみのけ座」などが見えますが、それらの方向はとくに系外銀河がたくさん写ることで有名です。
また北斗七星のある「おおぐま座」も系外銀河がよく見える領域です。

今回は身近な銀河系である天の川と、はるか遠方にある系外銀河。
その両方を撮影していきましょう。

撮影準備

贄浦漁港に到着したとき、天の川はまだ見えていませんでした。
いて座や天の川がよく見えるのは深夜3時ころです。
先にしし座やおおぐま座の銀河から撮影していくことにしました。

カメラに望遠レンズをセットしました。

塾長が持っている望遠レンズは 150㎜ F2.8。
双眼鏡より少し倍率が低いくらいのレンズです。

系外銀河の撮影には、もっと拡大したい所ですが、これしか持っておりません。
実は望遠鏡も持ってはいますが、今は故障中。

少し力不足ですが、
150㎜の望遠レンズで、どこまで銀河の姿をとらえられるのか?
挑戦してみましょう。

しし座のトリオ銀河

しし座には3つの銀河が仲良く並んでいる「トリオ銀河」という領域があります。

場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。

2025/4/26(土) 23:37 ~ 4/27(日) 00:17 露出 36分(6分×6枚)

中央に小さく3つの銀河が写っているのが分かりますか。それがトリオ銀河です。
もう少し拡大してみましょう。

それぞれの正式な名前は、右から時計回りに、NGC3628、M65、M66 です。
3つとも地球から約3500万光年の彼方にあるそうです。

つまり、この写真の姿は3500万年前の姿。
地球では南極大陸ができはじめたころ。
ちょうど哺乳類の中からサルに似た動物が出はじめた時代です。

ところで、NGC3628 は「ハンバーガー星雲」とも呼ばれています。
確かに、ちょっと潰れたハンバーガーみたいです。

しし座が西の空に低くなってしまいました。
本当は60分以上たっぷりと露出時間を取りたかったのですが、到着が遅かったこともあり、撮影を打ち切りました。
近くのおとめ座も系外銀河がたくさんあるのですが、その領域も諦めました。

ボーデの銀河と葉巻銀河

ここからは、おおぐま座です。北斗七星の周りを狙います。
最初は2つの大きな銀河がハの字に並んでいる有名な領域です。

場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。
北斗七星と北極星の間くらいです。

2025/4/27(日) 00:33 ~ 01:45 露出 72分(6分×12枚)

写真の中央付近に、渦を巻く銀河と、棒状の銀河が写っています。
中心部を拡大しましょう。

左の渦巻の銀河が M81 であり、別名「ボーデの銀河」と呼ばれます。発見したドイツの天文学者の名前が由来らしいです。

右の棒状の銀河は M82 で、別名「葉巻銀河」です。これは見た目の形が葉巻のようだからでしょう。
個人的には葉巻というよりはゾウリムシ。何やら中がぐちゃぐちゃしています。

M82 は中心部で激しい星の形成と爆発が繰り返されていることで有名です。
だから、ぐちゃぐちゃした構造に見えるのでしょう。
もしも赤外線で撮影すれば、爆発で生じた赤いフィラメントが銀河の外へ飛び出している様子が写るでしょう。

どちらも地球から約 1200万光年の距離にあります。
この2つの銀河はお隣同士で、互いに重力的な影響をおよぼし合っているそうです。

よく見ると、他にも小さな銀河がいくつか写っているのが分かります。
もっと高性能な望遠鏡で撮影すれば、たくさんの銀河が写り込むことでしょう。

これらの銀河から光が出発し、私たちに向かって旅を始めたのが1200万年前。
そのころ地球では、サルが人類に続くヒト亜科とオランウータン亜科に分かれたそうです。
また地球上では生物の大量絶滅が発生しました。隕石衝突などの説があるそうです。

回転花火銀河

北斗七星の柄の部分にも有名な銀河があります。
見かけのサイズは上で見てきたどの銀河よりも大きいはずですが、とても淡くて暗い銀河です。

具体的な場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。

2025/4/27(日) 02:02 ~ 03:05 露出 60分(5分×12枚)

画面の中央に、きれいな渦巻き構造の銀河が見えます。
M101 と呼ばれますが、その見た目から「回転花火銀河」あるいは「風車銀河」などとも呼ばれています。

渦から伸びる腕は、ぐるりと1周以上にわたって確認できます。
M101 までの距離は約 2100万光年くらいです。

よく見ると、周囲に小さな銀河も写り込んでいます。
この領域も多くの系外銀河が撮影できることで有名です。

系外銀河は、宇宙のあらゆる方向に無数に存在しています。
しかし実際に夜空を望遠鏡で観察すると、系外銀河が多い所と少ない所があるように見えます。
これは、私たちの銀河系の中で、方向によって遠くの光を遮るガスや塵の量が異なるからです。

系外銀河がよく見える方向というのは、光を遮るチリやガスが少ない方向、ということです。
そのため、銀河系の外からやって来た系外銀河の光が、途中で遮られることなく地球まで届く、というワケです。

夏の天の川

夜明けが近づいてきました。さそり座が西に傾いていました。
いて座の「矢」にあたる「南斗六星」が南中してきました。
そして、いて座の背景には天の川が広がっていました。

最後は天の川。私たちの銀河系の姿を狙います。
南の空にカメラを向け、広角レンズで撮影しました。

2025/4/27(日) 03:37 ~ 03:49 露出 12分(1分×12枚)

実際には人間の目では天の川の色は分かりません。
私の目には全体的に白く淡く見えました。
それでも、天の川を左右に分ける闇黒帯や、M20星雲、トレミー星団などは、肉眼でも見ることができました。

天文シミュレーターソフト「ステラリウム」で星座の位置を表示すると、こんな感じです。

写真と見比べて見ると面白いと思います。

夜明けとともに撤収

天の川は何通りかの構図で撮影したかったのですが、諦めました。
空がどんどん明るくなってきたからです。

東の空(写真の左手)が明るくなってきました。
港の向こうで船が動き出しました。
もうすぐ夜が明けます。

この日の天の川も、そろそろ見納めです。
さて、機材を片付けて帰りましょう。
帰りも長距離運転です。

天体写真の撮影は

今回はツキノワグマを避けて海沿いで撮影しました。

この日は水蒸気が多く、春霞の季節ということもあって、空の透明度はいまいちでした。
全体的に白っぽいベールがかかったような空でした。

それでもさすがは三重県、天の川はよく見えました。

今回の天体写真は、あまり出来が良くなかったです。
空の透明度が低かったので、写真がノイジーになってしまいました。

春霞の季節は、標高を稼いで空の透明度を上げた方が、撮影にとっては良いでしょう。
標高を上げるとなると山中に入ることになりますが、まぁクマ次第ですね。
安全第一です。

名古屋から3時間かかることを考えると、標高を稼げる茶臼山高原やしらびそ高原も選択肢に入ります。
何はともあれ、星がよく見える場所は、名古屋からとても遠いです。

天体写真の共通データ

撮影地: 贄浦漁港 (三重県度会郡南伊勢町)
撮影時刻:2025/4/26(土) 23:30 頃 ~ 4/27(日) 03:50 頃
カメラ本体: Canon EOS 60Da(天体写真用カメラ) ISO2000 + IDAS LPS-P2フィルタを内蔵装着
望遠レンズ: SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM(絞り開放)
広角レンズ: SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE(絞りF4.0)
赤道儀: Sky‐Watcher Star Adventurer GTi
画僧処理ソフト: Siril Ver. 1.2.4

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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ブラックホールの目!? 人類が初めて撮影に成功!!

ブラックホールのイラスト

こんにちは、塾長の松下です。

すごいニュースがありましたね。見ました?聞きました?・・・人類の科学力がとうとうここまで来たんですね。

ブラックホールの撮影に人類が初めて成功したんです!

これが国立天文台が発表した動画です。観測の簡単なまとめは28:40~29:35です。

ということで、今日は塾長の趣味で時事解説です。

ブラックホールとは?

ブラックホールは、何でも吸い込んでしまう恐ろしい「星」です。本当にこの宇宙に存在します。光すら吸い込んでしまうので姿形は全く見えません。周囲のものを何でも吸い込んでしまうため、そこだけまっ黒に空いた穴の様に見えることからブラックホールと言われています。

ブラックホールは星が超ぎゅうぎゅう詰めに押しつぶされて、超超超高密度になると誕生します。太陽の30倍くらい重い星が、直径50Kmくらいに押し固められるとブラックホールになるそうです。

もしも地球全体をスポンジのようにギュギューっと押し固めて、直径1cm未満の箱に押し込めることができれば、地球もブラックホールになるそうです・・・いやいや、道端にある石像ですら押しつぶして直径1cmに圧縮させることが想像できません。いったい何をどうしたら地球全体を1cm未満まで押しつぶせるのかって話です。

ところが宇宙には「超新星爆発」とか「重力崩壊」とかいう現象があって、星が超超超押しつぶされてしまうことが実際に起こるそうです。その結果ブラックホールが生まれます。

今から約100年前、アインシュタインという天才物理学者が「一般相対性理論」という理論を発表しました。その翌年、シュバルツシルトという別の物理学者がこの理論の方程式を使ってブラックホールの存在を予言しました。

更に、ブラックホール同士が合体して、より大きなブラックホールに成長することもあります。銀河の中心には、何度も合体を繰り返してできた超ド級にでっかいブラックホールがあるそうです。
実は今回のニュースで撮影されたというブラックホールは、その超大きなブラックホールのことでした。

ブラックホールはどこにある?

約100年前に方程式の計算から予言されたブラックホールでしたが、その後の観測で単なる空想上のものではなく、この宇宙に実在するらしいことが分かってきました。

約60年前の1960年台になると人工衛星の観測がさかんになり、はくちょう座の6000光年の彼方で、強力なX線を出している星が発見されました。X線は放射能の一種で、とても高エネルギーです。太陽からも出ていますが、6000光年先まで明るく届くほどの量は出ていません。普通の星からここまで強力なX線が出ることはありえません。何か特殊な仕組みが必要です。はくちょう座にあるこの天体は青い星ですが、だ円形にひしゃげていて、見えない星の周りを回っていることが分かりました。それでこの星の隣にはブラックホールがあるに違いないと言われるようになりました。星がブラックホールに吸い込まれているためにX線が出ているのだろうと説明されました。

1987年に地球から約2万光年離れた隣の銀河「大マゼラン星雲」で超新星爆発が起こりました。この時に放出されたニュートリノという物質を日本の岐阜県にある観測装置「カミオカンデ」が観測し、東大の小柴教授がノーベル物理学賞を受賞しました。この超新星爆発でブラックホールができたかもしれないと言われています。

2016年にはアメリカの研究チームが「重力波」の観測に人類で初めて成功しました。重力波もアインシュタインの相対性理論から予言されたものです。この観測で、約13億光年の彼方で太陽の29倍と36倍の質量を持つ2つのブラックホールが合体して1つのブラックホールが作られたことが分かりました。

このようにブラックホールを間接的に観測することにいくつも成功してきましたが、まだ誰もその姿を直接見たことがありません。とても小さくて遠くにあるため、世界最大の望遠鏡でも撮影できませんでした。いつしかブラックホールの姿を直接見ることが科学者の夢の1つになりました。

そして、2019年4月10日、日本の国立天文台が世界各国と協力して、ブラックホールの姿を人類で初めて撮影することに成功したと発表しました。

撮影されたブラックホールの住所は「おとめ座にあるM87銀河の中心」です。普通のブラックホールではなく、銀河の中心にある超大きなブラックホールです。

おとめ座といえば、春の夜空に見える星座です。1等星のスピカが目印です。おとめ座を形作る目に見える星々は、すべて私たちの銀河の中にある「星」たちです。距離はせいぜい1000光年か、それより近いところにあります。
一方、M87は地球から約6000万光年も離れた「銀河」です。私たちの天の川銀河より一回り大きな銀河ですが、その姿は望遠鏡でしか見えない上に、普通の星と比べて数10万倍くらい遠くにあります。

今から100年前、アインシュタインが相対性理論を発表して間もなく、アメリカのカーチスという天文学者が、この銀河の中心からジェットが噴き出していることを発見しました。そのジェットの長さは7000光年とも8000光年とも言われています。
2000年にはハッブル宇宙望遠鏡が、その姿を撮影して有名になりました。

「ハッブル、M87銀河の中心から遷光速で吹き出すジェットを観測」(アストロアーツ)

それだけ大きなジェットを吹き出すからには、M87の中心には巨大なブラックホールが存在していて、どんどん周囲の物質を吸い込んでいるに違いないと言われるようになりました。「宇宙ジェット」と言えばM87のジェットのことを指します。それくらい有名なジェットです。

特にここ数十年の間、日本の研究チームがM87の観測を継続的に行って来たそうです。

普通の望遠鏡では見えないブラックホールの姿を、どのようにして撮影できたのかは、どうぞ動画をご覧ください。研究者が誇らしげに成果を発表する姿も印象的です。

本当に素晴らしい成果だと思います。

M87の宇宙ジェットの撮影を試みるアマチュア天文家たち

今回ブラックホールが撮影されたM87のあるおとめ座は、他にもたくさんの銀河を観測することができます。春の星座である「おとめ座」から「しし座」にかけては、銀河系の外にある、何千万光年、何億光年先の銀河を観測しやすい領域です。

プロの研究者に限らず、世界中のアマチュア天文家たちもまた、その領域の銀河たちを自分の望遠鏡で撮影して楽しんでします。特に鎖のようにたくさんの銀河が並んで見える「マルカリアンチェーン」という領域が有名です。そして今回のM78銀河は、そのマルカリアンチェーンのすぐ横にあります。M87銀河は星好きな人の間では、もともと有名な銀河なのです。

M78銀河の宇宙ジェットを目で見るには大きな望遠鏡が必要です。しかし写真ならば、アマチュア天文家の持つ規模の望遠鏡でも撮影が可能です。宇宙ジェットの姿を自分の望遠鏡と写真テクニックでどこまで映し出せるか。それが1つのチャレンジになっています。はるか遠くの銀河にあるブラックホールの存在の証を自分の望遠鏡でも撮影できるのですから、とてもロマンがあります。

そもそも銀河とは

銀河とは、数千億個の星の大集団です。その姿はさまざまで、渦巻き状、棒状、楕円状などがあります。私たちの太陽も天の川という銀河の中の星の1つです。宇宙にはそうした銀河と呼ばれる星の大集団が、無数にあります。

1つの銀河の中に、太陽のような星が数千億個あります。1つの銀河の大きさは数万光年以上あります。
銀河と銀河の間は、数万~数百万光年くらい離れています。
そしてこの宇宙には銀河が数千億個あると言われています。

例えば、私たちの天の川の近所の銀河に、アンドロメダ銀河があります。そこまでの距離は約200万光年です。ですから一般に銀河を観測するとなると、めちゃくちゃ遠い天体を観測することになります。

そしてほとんどの銀河の中心には、巨大がブラックホールが潜んでいると言われています。もちろん私たちの天の川銀河の中心にもあります。幸い、天の川銀河の中心は地球から2万5千光年も離れているので、太陽や地球がそれに吸い込まれる心配はありません。

おわりに

ブラックホールなんて実生活には無関係でしょう。
しかし人類が積み重ねてきた理論が、非現実的ともいえるブラックホールの存在を予言し、それがまさか実在していること自体が凄いことだと思いませんか?
目で見えていることや手で触れていることだけが現実ではないということですね。
この世界にはまだまだ神秘が隠されているのかもしれません。

 


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