夏休みに入り、梅雨も明けました。
夏休みの自由研究、もう決めましたか?

塾長は、宇宙を調べます!

ペルセウス座流星群を見よう

毎年、8月12日~13日は「ペルセウス座流星群」が見られます。
お盆休みと重なるため、話題になりやすい天文現象です。

なんと、今年は新月と重なり、流れ星が見やすいです!
もし晴れれば1時間に数十個の流れ星が見えるかもしれません。

詳細は、アストロアーツの「星空ガイド」が参考になります。

「2026年8月13日 ペルセウス座流星群が極大」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/14244_ph260813

帰省やキャンプなど、よく星が見える場所に出かけることがあれば、ぜひ観察してみてください。
各地で観望会も計画されているようです。

ちなみに、

  • 流星群とは、流れ星がたくさん見られること
  • ペルセウス座から広がる方向へ流れる

ということから「ペルセウス座流星群」と呼ばれます。

夏の天の川を見よう

天の川、見たことありますか?

夏の夜空と言えば、天の川。
小説「銀河鉄道の夜」はじめ、アニメや映画で描かれる天の川は、たいてい夏の夜空です。

とはいっても名古屋では、なかなか見るのが難しいでしょう。
山や海に行けば、見られるかもしれません。

下の図は「ステラリウム」というアプリの画面です。矢印の間に天の川があります。

夜9時ころ、南の空を見てください。
さそり座、いて座、の2つが見えているでしょう。

天頂ちかくには夏の大三角形が見えています。
こと座、はくちょう座、わし座です。

そして北の空には、カシオペア座が低く見えています。

それらの星座を通るように、南から北まで、天の川が雄大に流れているはずです。

特に南の空は、天の川がとても濃く見えます。
いて座とさそり座の間に、もしも雲があると思ったら、それが天の川です。

ところで、南の天の川の中には大きな星雲があります。上の図のオレンジ色の長方形のあたりです。
昨年の6月ころ望遠レンズで写真を撮ってきました。それが下の写真です。

干潟星雲と三裂星雲

天の川が黄金の雲のように写っており、中央には暗黒帯が広がっています。
その中に赤や青の星雲があります。

左下の赤い星雲が M8 です。「干潟星雲」と呼ばれています。
右上の小さな星雲が M20 です。上半分が青く、下半分が赤いです。「三裂星雲」と呼ばれています。

星雲は、宇宙をただようガスやチリの集まりです。
周囲の星の光を反射して、うっすらと輝いています。

実際にはとても希薄で、おそらく近くに行ったら何も見えないでしょう。

希薄とは言え、とても広く分布しているので、その一部でも集まれば新しい星になります。
実際、これらの星雲の中では、新しい星がいくつも誕生しています。

さて、干潟星雲の方は、肉眼でも見ることができます。

ただし、天の川がよく見えるような星空で、なおかつ、星を見慣れていること。
初見ではなかなか見つけられないかもしれません。
ぜひ視力の限界に挑戦してみてください。

星の残骸を観察しよう

星にも寿命があります。

私たちの住む銀河系には、2000億個の恒星があると言われています。
干潟星雲や三裂星雲のように新しい星が誕生している場所があれば、静かに一生を終えようとしている星の姿もあります。

太陽はどのように寿命を迎えるのでしょうか?

太陽のような星たちは、周囲にガスをまき散らしながら、ゆっくりと寿命を迎えていきます。
やがて、すっかりガスを放出しきってしまうと、核融合がストップし、中心核だけが余熱で輝く白色矮星になります。

まき散らされたガスは、白色矮星をとりまく小さな星雲になります。
このようにしてできた星雲は「惑星状星雲」と呼ばれます。

私たちの太陽は、あと50億年くらいで燃え尽きて白色矮星になり、その周囲には惑星状星雲が残るでしょう。

さて、夏の大三角形には、有名な2つの惑星状星雲があります。
リング状星雲と、亜鈴状星雲です。

リング状星雲

リング状星雲は、こと座にあり、M57 とも呼ばれています。
先週、写真を撮ってきました。

この星雲は小さいので、低倍率では小さな惑星のように見えます。
もちろん惑星ほど明るくはないですが、そう例えたくなる気持ちもわかります。

倍率を上げると、ドーナツのような輪に見えます。

よく見ると、ドーナツの周りに、ものすごく微かなガスが取り巻いているのが分かります。
上の写真でギリギリ映し出されているのですが、分かるでしょうか・・・

これは、中心の星が初期に放出した水素ガスです。
赤外線に近い微かな光であるため、ハッキリと映し出すためには、さらに何時間も露出を重ねて撮影する必要があります。

このように惑星状星雲は、星がガスの放出を何度も繰り返してきた痕跡です。

さらに大きな望遠鏡で拡大すれば、中心には寿命を迎えた白色矮星の姿があるはずです。

リング状星雲の場所は、以下です。こと座の平行四辺形をなす2つの星の真ん中あたり。
肉眼では見えません。惑星状星雲の観察には望遠鏡が必要です。

亜鈴状星雲

亜鈴状星雲は、こぎつね座にあり、M27 とも呼ばれています。
こちらは昨年、写真に撮りました。

リング状星雲よりも距離が近く、実際の直径も2倍ほどあるため、それだけ大きく見えます。
望遠鏡で見ると、筋トレに使う鉄アレイ、あるいは砂時計のような形に見えます。
亜鈴状星雲の亜鈴とは、鉄アレイの形のことです。

亜鈴状星雲の場所は、以下です。
こぎつね座ですが、はくちょう座とわし座の間と考えた方が分かりやすいでしょう。肉眼では見えません。

もう1つ、惑星状星雲を紹介しましょう。
こちらは夜半過ぎに昇ってきます。

らせん状星雲

らせん状星雲は、みずがめ座にあり、NGC7293 とも呼ばれています。
これも先週、写真を撮ってきました。

リング状星雲と同じ条件で撮影したのですが、とても巨大ですね。
なんと満月の半分くらいの大きさがあります。

とても大きいので、中心に青白く光る白色矮星を確認できます。

文字通り、らせん状に見えます。
3つの輪をずらしながら重ねたようにも見えます。
中心の星が放出したガスは球形に広がって殻となりますが、それが何度も繰り返されて重なった姿です。

らせん状星雲の場所は、以下です。
みずがめ座ですが、かなり低空です。深夜に南中しても35度くらいの高度にしかなりません。
サイズは大きいですが肉眼では見えません。とても希薄なので望遠鏡でも直接見るのは難しいかもしれません。

モブ扱いされる銀河は陰の実力者?

北の空にはカシオペア座があります。
北斗七星とならんで、北極星を探す目印として有名です。

そのカシオペア座と北極星の間に、ケフェウス座があります。ロケットの形です。

そのケフェウス座には、遠方の銀河 NGC6946 があります。
その大きさは、らせん状星雲に匹敵します。しかも立派な渦巻き構造をしています。

どうでしょう。

いかにも「銀河」という、堂々たる姿ではありませんか。
花火銀河(Firework Galaxy )という名前が付いているほど。
しかもケフェウス座は北極星に近いため、ほとんど1年じゅう観測できます。

しかし、その割には有名ではありません。
こういう人、いますよね。
目立たないのに、実はスゴイ!みたいな実力者。

SNS上で目立つ人、承認欲求丸出しの人、みんな面白いですが、
こういう地味な人も味があって良いですよね。
みんな違って、みんな良い。

個性は人それぞれ。

ピンボケと熱膨張

上で紹介した写真のうち、リング状星雲(M57)、らせん状星雲(NGC7293)、花火銀河(NGC6946)は、先週 2026/7/25 ~ 26 に撮影してきました。

リング状星雲 → 花火銀河 → らせん状星雲

の順に撮影したのですが、よく見ると、あとで撮影した写真ほど、ピントが少しボケています。
天体写真に詳しい人が見れば、すぐに分かるでしょう。

最初にリング状星雲を撮影するために、望遠鏡のピントを調整しました。
しかし、その後はいっさい調整しませんでした。

つまり、撮影している間に、勝手にピントがズレていったことになります。

なぜズレたのでしょう?

おそらく望遠鏡そのものが気温の低下とともに縮んだからでしょう。
「縮んだ」といっても、ほんの少しだけ、ごく僅かです。
それでもピントには効いてきます。

気象庁によると、この日の名古屋の最高気温は 39.8℃ で、正真正銘の猛暑日でした。
望遠鏡を車に積み込んだ 19:00 頃でも 36~37℃ くらいで、車の中はもっと暑かったです。

茶臼山高原に到着したのは 22時前。標高 1100m で 25℃ くらいでした。
とはいえ望遠鏡の本体は車の中で温かいまま、すぐには冷えません。
撮影が終わった午前03時過ぎには、22℃ くらいまで気温が下がりました。
望遠鏡は外に出しっぱなしなので、本体も同じ 22℃ くらいに冷えていたでしょう。

ピントのズレた量を概算してみます。

仮に、望遠鏡本体の温度が撮影開始時で 32℃、終了時で 22℃ だったと仮定しましょう。
計算しやすく、およそ 10℃の温度差があったと仮定します。

望遠鏡本体は鉄でできています。
鉄の熱膨張率は

$$ 約 1.2 \times 10^{-5} /℃ $$

です。つまり温度が1℃ 上がるごとに、長さが 1.000012 倍に膨張します。

撮影に使った望遠鏡の焦点距離は 760㎜ です。
これが気温の変化でどれくらい変化したかを計算しましょう。

$$ 1.2 \times 10^{-5} /℃ \times 760 mm \times 10℃ = 0.0912 mm \fallingdotseq 0.1 mm $$

ピントの位置が約 0.1 mm 変化したことが分かります。

写真のボケ具合から経験的に判断しても、だいたいそんなものだと思います。

もっと小まめにピント調整すべきでした。
この経験は次に活かしたいと思います。

こうしたレポートも自由研究みたいなものですね。

理科の自由研究の思い出

塾長は、天体観測で理科の自由研究を提出したことが2回ほどあります。
小学6年生と中学1年生の夏休みです。

小学6年生の時は、父親からカメラを借りて、初めての天体写真に挑戦しました。
撮影方法は、当時高校生だった兄から教わりました。
その様子や撮影した写真をまとめて発表しました。

中学1年生の時は、望遠鏡で木星のガリレオ衛星を観察しました。
時間を置いて木星を撮影し、4つの衛星が木星を公転する様子を調べました。

今でこそ、デジタルカメラやスマホは、その場で映像を確認しながら撮影できますよね。
それが当たり前ですが、当時は、その当たり前ができませんでした。

カメラで撮影してから写真を確認するまでに、何日もかかりました。早くて2日。
カメラ屋さんにお願いして、写真ができあがるまで待つ必要があったからです。
それまで本当にうまく撮れているのかさえ、確認できませんでした。

ですから「これだけ準備しておけば、うまく撮れるはずだ!」という事前準備がとても大切でした。
焦点距離や露出時間を計算し、撮影手順を確認するなど、シミュレーションを何度も行うことがとても重要でした。

とくに木星の観察では望遠鏡を使いました。
カメラだけで撮影する場合よりも、計算が複雑になります。
望遠鏡の「合成焦点距離」を計算しなければ、最適な露出を決めることができません。

ところが、その計算には平方根(√記号の計算)が必要でした。
平方根は昔も今も中学3年生で習います。
中学1年生の自分には、本に載っている公式の意味が分かりません。

そこで姉に√記号の意味を質問して教わりましたが、理解には限界がありました。
とりあえず電卓で計算する方法までは理解して、なんとか準備したものです。

今はデジタル機器が便利で、AIが多くの計算を精度よく答えてくれます。
ほんとうに便利になりました。

撮影データ

撮影地はすべて愛知県の茶臼山高原面の木園地です。
名古屋の中学生は「稲武合宿」という林間学校がありますね。その場所から更に山の上へ登ったところです。

M8 & M20 三裂星雲と干潟星雲

いて座

M8 (三裂星雲) 距離約4500光年 直径約70~100光年
M20(干潟星雲) 距離約5200光年 直径約30光年

2025/06/29(Sun) 01:14 – 02:01
露出45分46秒 (*)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放

(*) 露出詳細
01:14 – 01:24 299sec * 2
01:25 – 02:01 179sec * 12

 M57 リング状星雲

こと座 距離約1600光年 直径約1光年

2026/07/25(Sat) 22:26:29 – 23:51:54
露出50分 (*)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
30sec * 100 = 50m

M27 亜鈴状星雲

こぎつね座 距離約1200光年 直径約2光年

2025/08/30(Sun) 21:55 – 22:33
露出26分31秒 (*)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
21:55 – 21:56 047sec * 1
21:58 – 22:31 299sec * 5
22:32 – 22:33 049sec * 1

NGC7293 らせん状星雲

みずがめ座 距離約650光年 直径約3光年

2026/07/25(Sat) 26:26:37 – 27:04:45
露出15分 (*)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
180sec * 5 = 15m
26:26:37 – 26:29:37
26:49:55 – 26:52:55
26:55:25 – 27:04:45

 NGC6946 花火銀河

ケフェウス座 距離約1600万光年 直径約4万光年

2026/07/25(Sat) 23:56:31 – 25:31:27
露出69分 (*)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
180sec * 23 = 69m

 

あとがき

夏休みの自由研究。

最近は「出しても出さなくてもどちらでも良い」という学校が多いようです。
といっても昔から本当に自由研究を提出する生徒は、ほんの一部のみでした。
そう考えると、昔も今もそれほど変わりないですね。

ただし、昔と今は環境がまったく違います。

今はネットもあるし、AIも使えます。
はるかに調査がしやすい環境です。
チート級です。

つまり、やればチート級の研究成果を提出できるし、やらなければ何も成果が出せない。
やる人とやらない人の差が、とんでもなく開きます。

モチベーション格差や経験格差が加速していく予感です。
「主体性」が成績評価の対象となれば、残酷なほど差が付いてしまうのでしょうか・・・

いや、そんなつまらない未来なんて語りたくありません。

自由研究は、楽しくやりましょう。
人からの評価なんて考えず、自分の気になることを自由に調べてみてください。
学びとは、自由であるべきです。

 


進学実績

卒塾生が入学した学校の一覧です(※)。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

※ ここで卒業生とは、進路が確定するまで在籍していた生徒のことです。進路実績とは、その中でもさらに進路調査表を提出またはそれに準じた進路報告をした生徒分の進学先です。併願校は含みません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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