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高校数学

高校生から数学の質問「 e って何ですか?」

ネイピア数について考えている男性

塾長です。

みなさん、進学、進級おめでとうございます!

さて、ちょっと前まではインフルエンザやコロナが大流行しましたね。
3学期は学校を欠席する生徒がとても多かったです。

そんな中、とある高校3年生からこんな質問を受けました。

数Ⅲのeって何ですか?

近隣の公立高校は、高2の3学期ころから数Ⅲに入ります。
そこで関数の微分を習ったはずですが、そのころにインフルエンザで学校を休んでいたようです。
かわいそうに。

この数の説明をググって調べてみたのですが、意外と出てこない。
そこで説明しました。
ここにも備忘録として書いておきますので、忘れたらまた見てください。

高校で習うネイピア数

高校数学で初めて出てくる $e$ という文字は「ネイピア数」と呼ばれる数です。
円周率 $\pi$ と同じように小数点以下が無限に続くので文字 $e$ で表します。

今どきの高校生が、ネイピア数に初めて出会うのは数Bの統計です。
正規分布の確率密度関数として間接的に e が紹介されます。

標準正規分布 $ N(0, 1) $ に従う確率変数zの確率密度関数

$$ f(x) = \frac{1}{ \sqrt{2\pi} } e^{- \frac{z^2}{2} } $$

ただし数Bでは紹介だけで「ふーん、そういう数があるんだー」くらいです。
ネイピア数の性質には触れず、この関数を直接計算するわけでもなく、実際には正規分布表を見て問題を解くからです。

次にネイピア数を目にするのは、数Ⅲです。
導関数の単元で習います。

ネイピア数を定義せよ

ネイピア数は、対数関数の導関数を求めるときに、必要性に迫られて定義します。
(少なくとも数Ⅲではそういうモチベーションでの導入だったと思います)

導関数の定義に従って対数関数

$$ f(x) = log_e x  (x>0) $$

の導関数を導きましょう.

ここで $e$ を何かしらの正の実数定数とします。
(この段階ではまだネイピア数を知りません。たまたま e という文字を使っただけ、という体裁です)

$$ \begin{eqnarray}
f'(x) &=&  \lim_{h \to 0} \frac{ log_e (x+h) – log_e (x) }{ h } \\
&=& \lim_{h \to 0} \frac{ log_e ( \frac{x+h}{x} ) }{ h } \\
&=& \lim_{h \to 0} \frac{1}{h}  log_e ( \frac{x+h}{x} ) \\
&=& \lim_{h \to 0} \frac{1}{h}  log_e ( 1 + \frac{h}{x} ) \\
&=& \lim_{h \to 0}  log_e ( 1 + \frac{h}{x} )^{ \frac{1}{h} } \\
\end{eqnarray} $$

ここから計算を進めるにあたり、$ x $ がカッコの中にあるのはやりずらいです。
そこで次のように置換しましょう。

$$ \frac{h}{x} = \frac{1}{t} $$

すなわち

$$ \frac{1}{h} = \frac{t}{x} $$

とすれば、

$$ h \to 0  のとき  t \to \infty $$

ですから、

$$ \begin{eqnarray}
\lim_{h \to 0}  log_e ( 1 + \frac{h}{x} )^{ \frac{1}{h} } &=& \lim_{t \to \infty}  log_e ( 1 + \frac{1}{t} )^{ \frac{t}{x} } \\
&=& \lim_{t \to \infty}  log_e ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t \frac{1}{x} } \\
&=& \lim_{t \to \infty} \frac{1}{x} log_e ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } \\
\end{eqnarray} $$

となります。
めでたくカッコの外に $ x $ を追い出せました。
あとは、

$$ \lim_{t \to \infty} log_e ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } $$

の値、もっと言えば、

$$ \lim_{t \to \infty} ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } $$

の値がどうなるか?
という問題だけに集中できます。

実は、この極限値は収束することが知られています(※)
そこで、あらためて次のように定義します。

$$ e \stackrel{\rm{def}}{\equiv} \lim_{t \to \infty} ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } $$

そして対数の底をこの $e$ だということにすれば、

$$ \begin{eqnarray}
\lim_{t \to \infty} \frac{1}{x} log_e ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } &=& \frac{1}{x} log_e e \\
&=& \frac{1}{x}
\end{eqnarray} $$

とできてキレイにまとまります。
計算の結論をまとめます。

$$ (log_e x)’ = \frac{1}{x} $$
$$ e \stackrel{\rm{def}}{\equiv} \lim_{t \to \infty} ( 1 + \frac{1}{t} )^{ t } $$

このように対数関数の導関数をキレイに表すことができる数がネイピア数なのでした。

※ 収束することの証明は大学数学になります。ただし「少なくとも3未満」であることは高校生でも二項定理を使えば示せるでしょう。

ネイピア数の性質

対数関数 $ y = log_e x$ と指数関数 $ y=e^x $ は逆関数の関係です。

ネイピア数を底とする対数関数の導関数がキレイになるであれば、指数関数もキレイになるかもしれません。
実はこれも以下のような公式が知られています。

$$ (e^x)’ =  e^x $$

証明は難しいですが、高校数学では必須の公式です(※)。
これが分かると、底が $e$ でない対数関数や指数関数の導関数も計算できます。

$$ log_a x = \frac{ log_e x }{ log_e a} = \frac{ 1 }{ log_e a} log_e x $$

ですから、

$$ (log_a x)’= \frac{1}{ log_e a} \frac{ 1 }{ x } $$

です。
また指数関数 $ y=a^x$ の導関数についても

$$ a = e^k \Leftrightarrow k = log_e a $$

および

$$ a^x = (e^{k})^{x} = e^{kx} $$

を考えあわせれば、

$$ \begin{eqnarray}
(a^x)’ &=& (e^{kx})’ \\
&=& e^{kx} (kx)’ \\
&=& e^{kx} k \\
&=& e ^{kx} log_e a \\
&=& (e ^{k})^{x} log_e a \\
&=& a^{x} log_e a
\end{eqnarray} $$

と公式を導けます。

※ 逆に $ (a^x)’ =  a^x $ となるような指数関数の底を $ e $ と定義する考えもあります。
導関数の定義に従って計算すると以下のように、その条件式が出て来ます。

$$ \begin{eqnarray}
(e^x)’ &=&  \lim_{h \to 0} \frac{ a^{x+h} – a^x}{ h } \\
&=&  \lim_{h \to 0} \frac{ a^{x} (a^h – 1) }{ h } \\
&=&  \lim_{h \to 0} a^{x} \frac{  (a^h – 1) }{ h } \\
\end{eqnarray} $$

ここで $ (a^x)’ =  a^x $ となるためには

$$ \lim_{h \to 0} \frac{  (a^h – 1) }{ h } = 1 $$

であることが必要。ここで逆説的ではありますが、

$$ \frac{  (a^h – 1) }{ h } = 1 $$

を変形してみましょう。両辺に $ h $ をかけて移項したりします。

$$ a^h – 1 = h $$
$$ a^h = 1 + h $$
$$ a = (1 + h)^{\frac{1}{h}} $$

となりますから、再び極限を取ることを考えて、

$$ e \stackrel{\rm{def}}{\equiv} \lim_{h \to 0} ( 1 + h )^{ \frac{1}{h} } $$

となりそうなことは直感的に理解できます。
さらに $ h = \frac{1}{t} $ とすれば最初と同じ定義になります。

少しだけ大学の数学へ

ネイピア数を底とした指数関数の性質を使えば、多くの「微分方程式」を解くことができます。
高校生にとって微分方程式は聞きなれない言葉かもしれません。
学校によっては積分法の発展として「主体的な学び」のネタとして、ちょっとだけ紹介する先生がいるかもしれませんが、せいぜいそのくらいでしょうか。

一方、国際高校でバカロレアの教育課程を学んでいる生徒たちは、高校3年生の数学で微分方程式を解く必要があります。

そんなわけで、少しだけ微分方程式の話をしておきます。

微分方程式とは、未知の関数とその導関数の関係を表す方程式のことです。
微分方程式の解は関数になります。

高校生の知識では、不定積分の計算がその1例と言えます。
たとえば微分方程式 $ y’=x^2  $ を満たす関数は、不定積分で $ y=\frac{1}{3}x^3+C $ と分かります。

微分方程式の視点で、あらためて次の式の意味を考えてみましょう。

$$ (e^x)’ =  e^x $$

これは、

「ネイピア数を底とする指数関数は、微分しても積分しても式が変わらない!」

と言う意味です。そんな関数があるのですね。

そして上の式をyで書き換えた微分方程式

$$ y’=y  $$

は「微分した後の式 y’ が元の式 y と同じで変わらないような関数を求めよ」と言う意味になります。
上の公式から、これを満たす式の1つ(微分方程式の解)が

$$ y = e^x $$

と言えるのです。
さらに一般には $C$ を定数として(以後も同様にCを定数とします)、

$$ y = C e^x $$
$$ y’ = C e^x $$

と言えます。
これが他の微分方程式を解く上で大きなヒントになります。
例えば、少しだけ変えて微分方程式

$$ y’=ay  $$

を満たす関数は何でしょうか?
合成関数の微分を想像すれば、

$$ y=C e^{ax} $$

分かります。なぜなら

$$ y’ = (C e^{ax})’ = C e^{ax} (ax)’ = C e^{ax} a = ay $$

と確かめられるからです。さらにもう少し変えて

$$ y’=\frac{1}{x} y  $$

ならばどうでしょう?
これも合成関数の微分の発想で、

$$ y=C e^{log_e x} $$

だろうと分かります。

$$ y’ = (C e^{log_e x})’ = C e^{log_e x} (log_e x)’ = C e^{log_e x} \frac{1}{x} = \frac{1}{x} y $$

と確かめられます。
$ \frac{1}{x} $ の部分をもう少し一般化して $ g(x) $ と表し、

$$ y’ = g(x) y $$

としておきます。さらに

$$ \int g(x) dx  = G(x) $$

とすれば、きっとこの微分方程式 $ y’ = g(x) y $ を満たす関数は、

$$ y = C e^{G(x)} $$

なのだろうとわかってきます。そこで $ g(x) $ を見やすい形に変形した微分方程式

$$ \frac{y’}{y} = g(x) $$

すなわち

$$ \frac{1}{y} \frac{dx}{dy} = g(x) $$

の形を1つの解法パターンにしよう・・・

という具合に、微分方程式を解けるパターンを増やしていけます。

このように、ネイピア数はとても偉大なのでした。

最後に有名な関係式を1つ紹介して終わりましょう。

$$ e^{i \pi} = -1 $$

$ i $ は虚数単位 $ i^2 = -1 $ の $ i $ です。
数学で重要とされる2つの超越数 $ e, \pi $ および実数単位と虚数単位の $ 1,i $  そしてマイナスの符号だけが成る関係式です。

塾長が浪人生だったとき、予備校の数学の先生からいただいた本に、この式が載っていました。
とても衝撃を受けたのを覚えています。
ところが今の時代の教科書には、オイラーの公式

$$ e^{i \theta} = cos \theta + i sin \theta $$

がちゃんと載っていますね。

※ 一般に、微分方程式を解くのはとても難しいです。むしろ解けない方が普通です。解けない場合は方程式が分からないのですが、微分方程式のままコンピューターで計算してしまう、というアプローチが取れるときもあります。

あとがき

塾長が大学受験生だった頃は、物理の難問を解くときに微分方程式を少し解ける必要がありました。
その頃の教科書では、高校数学で簡単な微分方程式を少しだけ習いましたが、物理に出てくる微分方程式の方が難しかったです。
数学は数学で、高校で習わないような行列の固有値問題や、直交座標系を固有ベクトルを用いた座標系に変換するような問題が出題されていました。

何にせよ、塾長が高校生のころは「受験戦争」と言われたブラックな時代でした。
入試は「多すぎる受験生を切り落とすため」の意味あいがとても強く、高校で習っていないことが普通に出題されました。
予備校に通っていない生徒や、受験情報が希薄な田舎の生徒たちが、学校の勉強だけで難関大学へ挑戦するなど、ほとんど無理ゲーでした。

あれからウン十年か経ちまして・・・

かつて予備校で習ったような裏技や定理の多くが、今や教科書にきちんと載っています。
教科書が厚くなったのは大変ですが、予備校に行かなくても出題範囲を網羅できるという意味では、かなりフェアな時代になったと思います。

しかもインターネットで入試情報が簡単に調べられます。
予備校へ行かなくても、良い参考書や大学の出題傾向などを調べることができます。
ガチで一般受験に挑戦するにしても、自分の決意次第でできることが多く、とても羨ましい時代になったと思います。

あるいは、少子化で「受験戦争」という雰囲気は薄れ、受験らしい受験をせずとも、過半数の生徒たちは大学まで進学できるようになりました。
ガチで入試へ挑まなくても進学できてしまいます。

このような状況ですから、もっと伸び伸びと学んでほしいと思います。

たまたま今回は生徒からの質問をきっかけに数学の話を紹介しました。
しかし何の教科や何の分野であれ、自分が興味関心の強いことに関しては、教科書の範囲にとらわれず、つき進めて良いと思います。
そういうのが1つでも見つかれば、それはとても幸せなことでしょう。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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1=2が証明されたってホント!? ウソを見破れるかな?

数式を見つめる少女の写真

塾長です。

たまに虚構新聞の記事を見て爆笑しています。
ある虚構新聞のファンから次のアドバイスをいただきました。

科学面の「『2と1は等しい』数学界で論議」という記事が面白いよ。これ教育に使えるんじゃない?

2008年の記事です。
こんな素晴らしい記事を見過ごしていたとは。

1=2の証明!! ホント?ウソ?

まず問題となっている「1=2」の証明を見てみましょう。

問題となった証明

上の記事からの抜粋と補足です。中3以上の知識で読めるでしょう。

因数分解を使いますが、数学の好きな生徒ならば、中学2年生でも何とか読むことはできるでしょう。

$$ a=b $$
両辺に $a$ をかけて
$$ a^2=ab $$
両辺から $b^2$ を引いて
$$ a^2-b^2=ab-b^2 $$
両辺を因数分解して
$$ (a+b)(a-b)=b(a-b) $$
両辺を $(a-b)$ で割って
$$ a+b=b $$
ここで $a=b$ であったから
$$ 2b=b $$
両辺を $b$ で割って
$$ 2=1 $$

むむむぅ・・・確かに結論が「2=1」となってしまいました。

どうでしょう?

大真面目な質問

この証明は正しいと思いますか?

数学では、たった1つでも反例を言えれば間違いと言えます。
逆に言えば、何も間違えを指摘できなければ「正しい」ことになってしまいます。

もしも上の証明の間違いを言えなければ、みなさん、大変ですよ。

1=2が正しいとなれば、また小学校から勉強のやり直しです。

それは嫌です。

何とかして証明の間違いを見つけたいところです。

いかがでしょう?

証明のどこが間違いなのか、みなさんは分かりますか?

どうしてこうなった?

計算のルール。たくさんあります。

その1つでも無視して計算してしまうと、このような詭弁が生まれてしまいます。

もちろん冗談としては、なかなか面白い証明です。

やってはいけないルール

それはさておき、

上の証明で無視したルールが1つあります。

それは何でしょうか?

このルールを無視してしまうと「何でもあり」の結論を好きなだけ導くことができます。

そのルールとは、

0で割ってはいけない

です。
このルールに違反してしまった計算のことを、

ゼロ除算

と呼びます。まるで犯罪名のような名前までついています。

教科書で明記されているか?

ゼロ除算

これについて、いつ学校で教わるのでしょうか?

割り算は小学3年生で習います。
しかし小学校では「指導しなくてよい」というスタンスです。
ただし一部の教科書では、国語的な意味で「答えは0」と解釈できる場合を紹介しています。

中学の教科書でも「0で割ることは考えない」としています。
これも、あまり明確に「0で割らないように注意しろよ!」と教えることはないようです。

このルールを明確に意識するのは、高校数学からです。
ゼロ除算を特別に取り上げるページは無いものの、式の証明や場合分けの過程で何度となく教わります。

どこでゼロ除算をしてしまったのか?

さて、話しを戻しましょう。

冒頭の証明のどこでゼロ除算を犯してしまったのでしょうか。

これは証明の式に、具体的な数字を当てはめれば分かりやすいでしょう。
特に次の式以降に着目です。

証明の中で、次の行に注目です。
$$ (a+b)(a-b)=b(a-b) $$
ここで $(a-b)=0$ ですから、この式は、
$$ (a+b)\times 0=b\times 0 $$
ということです。
ここで両辺を $(a-b)$ で割る、つまり $0$ で割ってしまいました。

このように、0で割ってしまうルール違反をしていました。

なぜ0で割ってはいけないの?

それでは、そもそも0で割ってはいけない理由、なぜでしょうか?

破壊的だから

数学者の厳密な説明はさておき、まずは良くないことが起こる様子を経験しましょう。
上の式で見たようなことを、具体的な数字に置き換えてみれば分かりやすいです。

$$ (a+b)\times 0=b\times 0 $$
この部分をさらに
$$ 100\times 0=5\times 0 $$
などと書いてみましょう。
これは右辺も左辺も確かに $0$ となって正しいです。
しかし両辺を $0$ で割ったらどうでしょう。
$$ 100=5 $$
とたんに話がおかしくなります。

このように

「0で割る」

を許してしまうと、33=101 のような詭弁をいくらでも作れてしまいます。
0で割ることに

「意味が定まらない」

ので、それを逆手に取って

「どのような意味にも設定できてしまう」

とできてしまうからです。
これは、かなり破壊的です。
一般に、

$$ x\times 0=y\times 0 $$
を満たすような $x, y$ は「何でもよい(不定)」

です。
よって

「0で割る」

を許してしまうと、上で見たように

何でも=何でも

という関係をいくらでも作れてしまい、おかしくなります。
数の世界が破壊されてしまいます。

よって、0で割ることを安易に許してはいけません。

そういうルールです!

意味が分からないから

そもそも「0で割る」とは、どういうことでしょうか?

例えば

$100\div 5$

は、

「100を5等分にした内の1つ」
または
「100の中に5がいくつ入るか」

などという意味になります。
試しに後者の意味だとします。

では、

$100\div 0$

の計算は、どうなるのでしょうか。

「100の中に0はいくつ入るか?」

なぞなぞなら「2つ」というトンチも許されますが、割り算の答えにはなっていません。
かと言って、答えが分かりません。

「そもそも0の何個分?」

という意味が分かりません。
0は何個集めても0だからです。

計算が終わらないから

そこで100歩譲って、

$100\div 5$

から出発して、「割る数」の5を、どんどん小さくして0に近づけようと思います。

$100\div 5 = 20$
$100\div 0.5 = 200$
$100\div 00.5 = 2000$
・・・
$100\div 0.00000000 \dots 005 = 2000000000 \dots 00$

このように、割る数を0に近づければ近づけるほど、答えは無限に大きくなってしまいます。
これを繰り返していけば、いつか「0の何個分」か答えらえれそうです・・・

・・・しかし、割る数はどこまでも小さくできます。
出てくる答えも、どこまでも大きなります。

この作業は、いくらでも続けられます。
終わりません。
永遠に続きます。

結論が出ないから禁止

そして、いくら続けても、

「0で割る」

の結論が出ません。

宇宙が終わる頃には結論が出るのでしょうか?

それも分かりません。

さらに、良くないことがあります。
割られる数が100であろうと1であろうと、2であろうと、とにかく

「答えが無限に大きくなり続ける」

ことに変わりがありません。
だからといって、

100÷0

3÷0

無限の先で同じ答えになっているのか、あるいは違う答えになっているのか、それも分かりません。

このように「0で割る」という計算は、いくら考えても答えを特定できませんでした。
だから「0で割る」という計算の定義ができないことになります。

「0で割る」

とは

「わからない」

または

「永遠に計算が終わらない」

または

「そもそも計算の定義ができない」

ということになるわけです。

だから、

「0で割るな!」

となったわけです。

プログラミングでも禁止

プログラミングの世界、もっと言えば、コンピューターを使う世界でも、

「0で割ってはいけない!」

というルールが徹底されています。
プログラマーならだれでも

ゼロ除算

という悪魔を知っています。
これが出てきてしまうプログラムを書いてはいけません。

さて、実際にやったらどうなるのでしょうか?

試しに、Pythonというプログラミング環境で

$5 \div 0 $

を計算した結果が次の画面です。

ちなみにプログラミングでは「5÷0」のことを「5/0」と書きます。

ゼロで割れない

パイソンで0除算エラー

 

“ZeroDivisionError: division by zero” (0で割ったというエラー)

というエラーが表示されて、怒られてしまいました。

近代的なプログラミング環境では、コンピューターに「÷0」を計算させる前に、その式を検出してエラーを出すようになっています。
コンピューター全体が止まってしまったら大変ですからね。

このようにコンピューターの世界でも「0で割る」は禁止です。
ですからプログラマーの世界では「ゼロ除算」と言ったら、それはバグ(*)の1つを指します。

これが本当に計算されてしまうと、最悪の場合、コンピューターが止まってしまいます。

(*) プログラムの不具合のこと

勉強したことを笑いに活かす

今回は虚構新聞の昔の記事から数学のお話をしました。

虚構新聞はフェイクニュースのサイトです。
このようにウィットの利いた面白いニュースをでっち上げるジョークサイトです。

文字通り「虚構」の新聞ですね。
このような分野では有名で、すでに不動の地位とも言えます。

本当のことを知っている人だけが楽しめます。

勉強したことをジョークに活用する。

そんな勉強の応用もあるんですね。
虚構新聞の記者たちの仕事は楽しそうです。

何に価値があるのか、何が仕事になるのか。

やってみないと分からないものです。

キャリア教育のネタにもどうぞ。

ゼロで割ったら答えが0?

最後に少し補足です。

特定の文脈において「0で割った」ときの答えを定義することは可能です。
例えば、

300gのケーキを100gずつ分けました。何人に配れるでしょう?

という文脈があったとします。この計算は、

$300 \div 100 = 3$

ですから、答えは

3人

となります。
つまり、この文脈では「割り算の答え」は「配れる人数」を意味します。
この文脈を前提として、

300gのケーキを0gずつ分けました。何人に配れるでしょう?

を考える場合はどうでしょう。同じように計算式は、

$300 \div 0 = ?$

となりますね。
もちろん式だけ見れば計算に困りますが、文脈から答えを決めることはできます。

答えが分からない → 配れる人が決まらない → 配れない → 配れる人数は0人

このように社会的な意味から答えを導いて、それに合わせて

$300 \div 0 = 0$

と無理やり決めてしまうことができます。
こうして、この文脈の中では、

「0で割った答えは0人」

と決めることができるでしょう。

実際、小学3年生の一部の教科書では、このような考え方を紹介しているコラムがあります。
ただし、あくまでも考え方の1つにすぎません。
こうした教科書の影響かどうか分かりませんが、中には、

「0で割ったら0だよ。」

と覚えてしまっている人もいます。
もちろん、これは早とちりです。
常には成り立たないからです。

これはあくまでも、上のような文脈だけに通用する決め方です。
数式に対して常に言えるものではありません。
つまり、

「ローカルルール」
にすぎません。

このように、0で割ったときの答えを決めるのは「特定の文脈上の都合」です。

それは数学というよりは、国語や社会、あるいは工学のお話しになります。

 


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【高校数学】数B 群数列の解き方! テスト・入試の対策

群数列わからん女生徒のイラスト

塾長です。

高校生もテスト期間です。高2までは、やっぱり定期テストが忙しいですね。高2までは辛抱強く基礎固めです。

さて、その高校2年生の今の時期と言えば、数学で苦労する生徒が続出します。数列、軌跡、ベクトル・・・「わかりません!」

特に数列の後半で扱う「群数列」で気持ちが打ち砕かれるようです。そこで今回は群数列について解説します。

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