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天の川

【天体観測】秋の夜空 2026 ギリシャ神話も

こんにちは、塾長です。

彼岸花の季節が終わり、台風も過ぎて、暑さが和らぎました。
夜になるとコオロギや鈴虫の鳴き声が聞こえるようになりました。

10月の星空とハロウィンの幽霊

秋が始まるこの季節の星空を調べましょう。

ハロウィンの季節ということで宇宙に浮かぶ幽霊も。
実は、カシオペア座とケフェウス座には幽霊が潜んでいます。その姿も暴いていきましょう。

ところで、毎月の星空を調べるなら国立天文台のホームページが便利です。下に2026年10月の星空を引用しました。

国立天文台 2026年10月中旬21時頃東京の星空より

夏の大三角が西へ傾いています。それでも、こと座の1等星「ベガ」の明るさが目立ちます。
天頂にはペルセウス座の四角形が見えるでしょう。そこから少し南には土星があり、これも明るいです。
北の空を見れば、北極星の右上にカシオペア座があります。
北東の低い位置にある明るい星は、ぎょしゃの1等星「カペラ」です。

西のベガ、南の土星、北東のカペラ。この3つの星はとても明るいので街中でも見えるでしょう。

秋の天の川

天の川と言えば夏が有名ですが、秋はどうでしょう?

夏ほどではありませんが、秋も天の川が見えています。
西に沈みかけているはくちょう座から、北のカシオペア座の方へ、うっすらと流れています。
もちろん、条件の良い山間部などへ行く必要があります。

次の写真は8月15日の深夜に撮影しました。10月なら22時くらいに相当します。

撮影した領域は下図の枠線の範囲です。

いろいろ写っています。解説を重ねると・・・

写真の中央からやや右上にM31とあります。これはアンドロメダ大星雲です。私たちの銀河系のお隣の銀河です。
その下、カシオペア座の右に見える星の集まりが、二重星団 h-χ (エイチ – カイ)です。ここから右側がペルセウス座です。
毎年お盆のころにはペルセウス座流星群が話題になります。

他にもいろいろ写っています。

この秋に撮影できた天体

今年は8月15日と10月10日の2回だけ撮影できました。
撮影した天体を星図に書き込んだのが下図です。
これを地図(目次)の代わりとして順に説明していきましょう。

以下9天体を撮影しました。

  • M15(ペガスス座の球状星団)
  • NGC7331(超新星があった遠方の銀河)
  • M31(アンドロメダ大星雲)
  • IC63(カシオペア座の幽霊星雲)
  • SH2-136(ケフェウス座の幽霊星雲)
  • NGC7023(アイリス星雲)
  • IC342(隠れ銀河)
  • Kemble’s Cascade(ケンブルの滝)
  • SH2-240(スパゲッティ星雲)

この順に紹介していきます。

ペガスス座の球状星団 M15

ペガスス座とは天馬のことで、架空の動物の姿をしています。
その口元には球状星団 M15 があります。それを望遠鏡で撮影したのが以下です。

双眼鏡で観察すると、ぼんやりした丸く小さな雲のように見えます。
中型の望遠鏡で見ると、その雲の周りに星が見え始め、大きな望遠鏡では星の大集団であることが分かります。

M15 の直径は150光年と大きいですが、距離が約33,000光年と遠く、私たちの銀河系の外縁に存在します。
この星団は超高齢化、つまり年老いた星の割合が高く、中には 120億歳の星もあるそうです。

球状星団とは

球状星団とは、数十万個の恒星が集まっている天体です。
その名の通り、全体が球または球に近い楕円の形をしています。渦巻のような複雑な構造はありません。

銀河系の周辺に分布していて、地球からの距離は数万光年などと遠いです。
なお、銀河系以外の遠くの銀河にも球状星団があります。一般に球状星団は銀河の周りに分布しているようです。

球状星団の大きさは、だいたい100光年くらいと言われれています。
仮に恒星間の距離が1光年とすると、100×100×100=100万個の恒星を含む計算になりますから、それよりは密度が低いようですね。
とはいえ、とても密集した星の大集団です。

球状星団を構成する星は、ほとんど年老いています。
その秘密は、球状星団が生まれた時期にあります。

球状星団は120憶年よりも前、この宇宙が誕生して間もない頃に、大量の星が一気に集団で生まれて形成されたようです。
120億年以上という長い長い歴史の中で、大きな星はすべて先に寿命を迎えて爆発し、姿を消して行きました。
巨大な星であるほど、寿命が短いからです。

こうして、小さくて寿命の長い星ばかりが生き残ってきた。
それが球状星団の今の姿というわけです。

ちなみに太陽サイズの星の寿命は 100億年くらいです。
そう考えると、球状星団に残っている星は、太陽よりも小さな星ばかり、ということになります。

また球状星団の中には、星の材料となる星雲がほとんど含まれないようです。
そのため新しい星が誕生せず、ひたすら高齢化が進んでいきます。

ペガスス座の銀河 NGC7331 に現れた超新星

ペガスス座の足元に NGC7331 という渦巻銀河があります。約4,000万光年の彼方にあって観察には大きい望遠鏡が必要です。
2026年9月1日、この銀河で超新星が発見されました。NGC7331 の星の1つが大爆発を起こしたのです。
発見当時は 15.7等の明るさでしたが、その後9月中旬には11等まで明るくなりました。

10月に入ってもまだまだ観測できる明るさと聞いたので、さっそく撮影してきました。

写真の右上と左下に、いくつかの銀河が写っています。
右上の小さな銀河の集まりは「ステファンの五つ子」です。小さな銀河の集まりです。詳細は昨年のブログ「【天体観測】望遠鏡を動かす装置「赤道儀」を作ったよ」をご覧ください。

そして注目の NGC7331 は左下の大きい方です。拡大したのが以下です。

上の写真で、2本の黄色い線が交わるあたりに見えている星が超新星です。
2026/10/10の時点の明るさは 13.5等くらいとのこと。肉眼で観察するには口径15cm 以上の望遠鏡が必要でしょう。
今後どんどん暗くなり、近いうちに見えなくなってしまうでしょう。

爆発の仕組み

この超新星のタイプは Ia 型とのこと。
Ia 型とは、白色矮星が核融合の暴走を起こして大爆発するタイプです。

白色矮星が爆発する、というのは変な話です。
特殊なメカニズムがあるので、少し説明します。

白色矮星とは、太陽くらいの大きさの星が、寿命を迎えてしまった後の姿です。

恒星は核融合で光っています。
その核融合では、主に水素からヘリウムが作られます。
つまり、燃料が水素で、燃えカスがヘリウムです。

同時に、核融合は星の大きさも決めています。
核融合の熱で膨張する力と、星自身の重力とが釣り合ったところが、星の大きさとなるからです。
星の大きさは核融合で保たれています。

もしも水素が燃え尽きてしまったら、どうなるでしょうか?

核融合の熱が無くなり、熱膨張で膨らむ力が重力に負けてしまいます。
すると星は自分の重力で潰れてしまいます。

燃えカスのヘリウムが重力で潰され、超高密度な塊になります。
それまで持っていた熱も凝縮されて高温になるため、白く眩しく輝きます。
こうして超高密度で白く輝く小さな天体ができあがります。

それが白色矮星です。

燃えカスの塊ですから、もう二度と核融合は起こりません。
爆発も起こりようがありません。

しかし、白色矮星が連星だった場合は、話が変わってきます。

小さいといっても元は恒星なので、超重い天体であり、その重力も太陽なみに強いです。
その重力が小さい範囲から発生してるため、その天体に近づくと急に重力が強くなります。
つまり白色矮星は、ダイソンの掃除機のような吸引力を持ちます。

さて、連星のうち、一方が先に寿命を迎えて白色矮星になり、もう一方はまだ現役の恒星だとします。
もしも両者の距離が近ければ、白色矮星が恒星の水素ガスを吸い込んでいきます。
すると白色矮星の表面に水素がどんどん蓄積していきます。

やがて臨界点を迎えると、ため込んだ水素が一気に核融合を起こし、星ごと吹き飛ばしてしまいます。
これが Ia 型の超新星爆発です。

昨年も超新星が発生

実は、この NGC7331 には昨年も超新星が発見されています。

昨年は、2025年7月14日に発見されました。
塾長が 2025年8月30日に撮影したのが下の写真です。

昨年は銀河の中心の近くで発生しましたが、
今年は銀河の反対側で、中心から少し離れた場所で発生したようです。

超新星は超珍しい?

このNGC7331 では、同じ銀河から2年連続で超新星が出現したことになります。
これはとても珍しい現象です。

もしも私たちの銀河系で超新星爆発が起これば、昼間でも見えるような明るさになります。
それほどの現象が2年連続で起こったら大騒ぎでしょう。
もちろん歴史上そのような記録はありません。

ちなみに、オリオン座のベテルギウスが、もうすぐ超新星爆発を起こすと言われています。
しかし天文学の「もうすぐ」は 10万年単位の話です。
私たちが生きている間に見られることは無いかもしれません。

超新星とは、それくらい珍しい現象です。

ただ「1つの銀河内」で2年連続は珍しいのは確かですが、宇宙には多くの銀河があります。

超新星爆発が発生した銀河は、毎年、いくつも発見されています。
それだけ多くの銀河があり、それだけ宇宙は広い、ということです。
望遠鏡で何千万光年、何億光年という範囲を観測すれば、頻繁に観測できるというわけです。

秋の星座の配置について

星座の多くがギリシャ神話に由来しています。
秋の夜空を代表する、カシオペア座、ケフェウス座、アンドロメダ座、ペルセウス座、ペガスス座、くじら座は、すべてギリシャ神話の一連の話でつながっています。

ここで、そのギリシャ神話を簡単に説明しておきましょう。

かつて「ペルセウス」という勇者と、その母ダナエがいました。
2人は国を追い出されてしまい、地中海に浮かぶセリフォス島に漂着しました。
しかし、そこにはポリュデクテスという悪い王様がいました。

ギリシャ神話で王ボリュデクテスがダナエからペルセウスを遠ざけようとする場面 AI Gemini 作

王様のポリュデクテスはダナエの美しさに惚れ込み、息子のペルセウスを邪魔に思うようになりました。
しかしペルセウスは勇者です。とても強いので排除できません。
そこで悪だくみをし「悪魔メデューサを退治せよ」という無茶な命令を出しました。

ペルセウスは準備を整えました。
ヘルメスという神から空が飛べる靴をゲットしたり、冒険して鏡の盾をゲットしたりしました。
そしてメデューサという怪物を倒し、メデューサの首と「ペガスス」をゲットしました。

メデューサの首は、生き物を石にしてしまうアイテムです。
ペルセウスは帰国すると、メデューサの首でポリュデクテスを石に変え、母ダナエを救い出しました。
悪い王様が退治されて、島は平和になりました。

一方、地中海を渡ったアフリカ大陸では、古代エチオピアが栄えていました。
エチオピアの王の名は「ケフェウス」で、妃の名は「カシオペア」。その2人の娘が「アンドロメダ」という姫です。

ギリシャ神話で王ケフェウス、王妃カシオペア、姫アンドロメダが王城で幸せそうに話している場面 AI Gemini 作

あるとき、カシオペアが娘のアンドロメダの美しさを自慢していると、神々の怒りを買ってしまいました。
海の神ポセイドンは、海の怪物である化けクジラを送り込んで、エチオピアの町を破壊しました。
困ったケフェウスは神託を求め、アンドロメダを生贄として捧げることになりました。

こうして、アンドロメダは祭壇の岩に鎖でつながれてしまいました。
化けクジラがアンドロメダを食べるようと、だんだん近づいてきました。

ギリシャ神話でペルセウスがアンドロメダを助ける場面 AI Gemini 作

そのとき、空を飛んでいたペルセウスが、危機に瀕しているアンドロメダを見つけました。
すぐに空から舞い降りると、メデューサの首で化けクジラを石に変え、退治に成功しました。
そしてアンドロメダを救い出し、2人は結婚して幸せに暮らしましたとさ。

・・・というお話で、これらの星座は繋がっています。

そのため、これらの星座は近くに描かれています。

アンドロメダ座の銀河

さて、ペガスス座の東がアンドロメダ座です。
アンドロメダ座には、昔から「アンドロメダ星雲」と呼ばれる有名な天体があります。
正式には M31 という番号の銀河です。

月の6倍もある大きな天体です。
望遠鏡では大きすぎるため、望遠レンズで撮影しました。

天の川が見えるような空であれば、肉眼でM31の存在を確認できます。

双眼鏡や小さな望遠鏡で観察すると、淡くぼーっとした星雲のように見えます。
アンドロメダ座に見える星雲ということで、昔は「アンドロメダ星雲」などと呼ばれていました。

やがて大きな天文台ができると、星雲ではなく、実は星の大集団であることが分かりました。
また距離を測る技術が発達すると、数百万光年という、とんでもなく遠い天体であることが分かりました。

私たちの銀河系の直径が7万光年とも10万光年とも言われています。
数百万光年は、銀河系の外側の、ずっとずっ遥か遠くの天体ということです。

つまりアンドロメダ星雲は、私たちの銀河系と同じような、また別の銀河だったと分かったのです。
逆に、私たちの銀河系を外から眺めたら、このような姿なのだろうと想像できるようになりました。

こうしてアンドロメダ星雲は「星雲」ではなく「銀河」だったのだと分かりました。

今では正しく「アンドロメダ銀河」と教科書に書かれていますが、古い呼び名の「アンドロメダ星雲」も有名です。
塾長が子供の頃は、まだ多くの書籍で「アンドロメダ星雲」と書かれていました。

カシオペア座の幽霊

カシオペア座はMの字の形をしています。北極星の見つけ方でお馴染みですね。
そのMの字の真ん中の星のすぐ近くに、幽霊星雲と呼ばれる星雲があります。
望遠鏡で撮影してきました。

右上で強烈に輝いている星が、カシオペア座のMの真ん中の星です。
γ星(ガンマせい)という2等星で、「ナビ」という固有の名前も与えられています。

このような明るい星を望遠鏡で撮影すると、星の周りに光の筋が発生します。
この筋は望遠鏡の構造が原因で発生するため、本当の星の姿とは違います。また望遠鏡の種類によって形が変わります。

さて、γ星を囲むように見えている赤くて淡い星雲が幽霊星雲です。
左の薄い方が IC59 で、下の濃い方が IC63 です。

IC59 と IC63 は、宇宙空間に漂うガスが、γ星の光を受けて輝いている反射星雲です。
γ星から噴き出すプラズマの勢いで、ガスがたなびいています。

特に IC63 の方は、いかにも幽霊という姿に見えませんか?

試しに Chat GPT に幽霊の絵を描いてもらいました。どうでしょう?

ケフェウス座の幽霊

ケフェウス座にも幽霊星雲があります。
SH2-136 という、とても淡くて薄い星雲です。

本当に薄くて淡い星雲であるため、その姿を浮かび上がらせるだけでも苦労します。
上の写真は2時間ちかく露光して撮影したのですが、それでも全く姿がはっきり見えてきません。

補足するとこんな感じです。本当はこんな姿の星雲があるはず・・・

あと3倍くらい露出時間をかければ、上のような姿が見えるはずです。
画面中央より上の部分で、2人の人がバンザイしている姿がはるはずなのですが・・・

この姿を幽霊と呼ぶべきか、バンザイをしている人と呼ぶべきかは、見た人の好みにお任せしましょう。
塾長は個人的に「バンザイ星雲」とは呼んでいます。

この星雲にはもう1つ重要なところがあります。画面中央より下の部分です。
これも薄すぎて姿がはっきりしませんが、補足の絵にあるように、左右にジェットが噴き出ています。

このジェットは、星が新しく生まれている現場です。
星雲が渦を巻きながら1か所に集まると、やがて星が誕生します。
すると渦の中心から回転軸の方向へジェットが発生するのです。

その様子を撮影したかったのですが、まだまだ露出時間が足りませんでした。
また後でリベンジしたい撮影対象です。

ケフェウス座の花「アイリス」

幽霊ばかりではありません。ケフェウス座には王家に相応しい花もあります。
NGC7023 という星団を囲んでいる青い星雲で「アイリス星雲」や「イリス星雲」などと呼ばれています。
150mm望遠レンズで撮影したのが下の写真ですが、どこに星雲があるか分かりますか?

写真の中央より左手にある、青くて小さな星雲がアイリス星雲です。ちなみに右下に光る青い星はケフェウス座β星です。
さて、アイリス星雲の部分を少し拡大しましょう。

この青白く輝く様子が、アイリスという青い花に似ていることから、そう呼ばれています。
青いガスと黒いガスが複雑な形を作っています。

星雲の中心の明るい部分は、実はいくつかの星が集まっている星団で、NGC7023 はその星団を指します。
その星団をとりまくガスが星の光に照らされて星雲として見えています。
なお、星雲の部分は SBN487 というカタログ番号で呼ばれています。

他にも、いろいろな星雲が写っています。

画面の中央にある小さな星雲が、先ほど見た幽霊星雲 SH2-136 です。
アイリス星雲の隣にありますが、とても暗いため、ほとんど気付かれません。

ちなみに、右上の NGC7129は「バラのつぼみ星雲」と呼ばれていて、これまた花のようにきれいな星雲です。

どの星雲も、また機会があれば望遠鏡で大きく拡大して、じっくりと撮影してみたいです。
ケフェウス座は興味深いですね。しかし撮影には多くの時間が必要でしょう。
ケフェウス座の撮影には、いろいろと宿題が残った気がします。

さて、古代エチオピア王の家族にまつわる星座については、これで終わりです。

ここからはさらに東の星座。
きりん座とぎょしゃざ座のあたりについて紹介します。

きりん座の滝

きりん座という星座を知っていますか?
カシオペア座やペルセウス座ほど有名ではありません。聞いたことない、という人もあるでしょう。

きりん座は4等星や5等星からなる暗い星座です。都会の夜空では見えないでしょう。

条件の良い空であれば下の写真のような位置に見えます。
大きな二等辺三角形が特徴で、そこがキリンの胴です。そこから北極星の方へ首が伸びています。

上の写真は10月11日の明け方に、広角レンズで撮影しました。きりん座が北極星の北西にあります。
一方、望遠レンズや望遠鏡で撮影したのは、もっと早い時間帯です。きりん座はまだ北極星の東にありました。
こんな向きでした。

きりん座で有名な天体は、二等辺三角形の部分にあります。
上の赤い枠のあたりを 150㎜望遠レンズで撮影したのが次の写真です。

天の川に近い領域ですから、とにかく星がたくさんあります。
注目すべきは、画面の右上の星の並びと、やや左下のぼんやりした天体の2か所です。

右上が「ケンブルの滝」と呼ばれる、星の並びです。双眼鏡で観察すると、きれいに星が並んでいるのが分かります。
知る人ぞ知る見どころポイントです。5度以上に長く続いていて、しかもNGC1502という散開星団がアクセントになっています。
偶然にしては、きれいに並び過ぎている気がします。
天文学的な意味があるのか、あるいはただの偶然なのか、真相はいかに?

さて、写真の左下が IC342 というカタログ番号の銀河です。望遠鏡での写真撮影は、こちらの方が主役となります。
これも面白い天体なので、ちょっと説明します。

隠された銀河 IC342

下の写真は望遠鏡で IC342 を撮影したものです。
画面いっぱいに写るほど大きな銀河ですが、実際の大きさは、ちょうど私たちの銀河系と同じくらいです。
もしも私たちの銀河系を上から見たら、きっとこのような姿なのでしょう。

ウィキペディアによると、超新星が発生した銀河 NGC7331 は、直径約12~14万光年、距離約4,000万光年でした。
一方この IC342 は、直径約7.5万光年、距離約1000万光年です。
1000万光年とは気の遠くなるような距離ですが、銀河の中ではむしろ近い方で、IC342 は私たちのご近所の銀河です。

トップ5の大きさ

近いだけあって画面いっぱいに写ります。
満月より一回り小さい大きさで、銀河の中ではトップ5にランクイン。
日本から見える銀河の中では、M31、M33 に次いで3番目の大きさを誇ります。

この大きさだけで言えば、肉眼で見えてもおかしくない銀河です。
しかし全く見えません。
なぜか、とっても暗いのです。

なぜ暗いのか

IC342 は双眼鏡でも見えません。
普通サイズの望遠鏡を使っても、肉眼ではほとんど見えません。

上の写真は中型の望遠鏡を使い、しかも120分間もかけて撮影しましたが、それでもまだまだ姿がハッキリと写し出せませんでした。

どうしてこんなに暗いのでしょうか?

実は、私たちの地球と IC342 の間に、チリやガスがたくさんあって、光の多くが遮られているからです。
つまり IC342 は霧の向こうに霞んで見えているような状態なのです。

IC342 の方向は、私たちの銀河系で星が多い場所なんです。
天の川がよく見える方向に少し重なっているのです。
だから、天の川のチリやガス、つまり私たちの銀河系に含まれるチリやガスが、IC342 の姿を隠しているわけです。

そのため IC342 は「隠された銀河」と呼ばれています。

これもある意味で幽霊みたいなものですね。

隠れされ過ぎです

一般に、小さな望遠鏡でも発見できるような天体には、M1, M2 のような M* という番号が付けられています。
M* は、シャルル・メシエという人が小さな望遠鏡を使って見つけた天体のカタログに付けられた番号で、M1~M110まであります。

次に有名な天体には、NGC7331 のようにたいてい NGC* という番号が付けられています。
NGC* は、New General Catalogue のことで、より大きな望遠鏡で探索して作られた天体のカタログで、7840個の天体が載っています。
この 7840個の中にはM*の天体も含まれます。

そして IC342 は IC* というカタログ番号です。
これはNGCカタログの完成後に、さらに追加で作られたカタログの番号です。

IC342 ということは、7840+342=8182 番目に、やっとカタログに載せてもらえた、という順番になります。

つまり、ベスト5の大きさなのに、
8000個以上の天体が次々に見つかっていく間ず~っと見つけてもらえなかった・・・。

存在感がないにもほどがあります。

現代は観測技術が向上し、好感度のデジタルカメラがあります。
塾長のようなアマチュアでもその姿を観測できるようになりました。

超新星爆発の成れの果て

ペガスス座の銀河 NGC7331 では超新星爆発が発生しました。
爆発した星は、そのあとどうなってしまうのでしょうか?

その40000年後の姿が、おうし座とぎょしゃ座の間にあります。

それが SH2-240 という星雲です。スパゲッティ星雲とも呼ばれています。
その直径は満月の約6倍、アンドロメダ銀河 M31 と同じくらいです。

この星雲は IC342 よりも、もっと淡くて薄いです。
シャボン玉のように丸い形をしているはずですが、分かりますか?

こんな感じです。141分間も露出しのですが、まだまだ淡いです。

SH2-240 は超新星爆発の残骸です。
およそ40000年前、その中心で超新星爆発が起こりました。
吹き飛ばされたガスやチリなどが広がり続け、このような星雲になっています。

実際の大きさは直径約150光年。地球からの距離は約3000光年と言われています。

40000年前の地球で、この超新星爆発を見たのは誰でしょうか。
アフリカで誕生した人類が、ちょうど世界中に広まったころです。
原始時代の人たちは、昼間でも見えるような星が突然あらわれて、さぞ驚いたことでしょう。

スパゲッティ星雲の中心には中性子星が見つかっています。
しかも電波望遠鏡では周期的な電波が観測されていて、パルサーと呼ばる状態です。

中性子星とは、ブラックホールになりそこねた星です。
太陽の数10倍の質量を持つ巨大な星が超新星爆発を起こすと誕生します。

自分の重力があまりにも強すぎて、原子核の陽子と電子すら押しつぶされてくっつき、中性子にされてしまいます。
つまり、物質の概念も原子の概念も原子核の概念もなくなってしまい、中性子だけでできている、という凄まじい星です。

撮影データ

撮影地は愛知県の茶臼山高原面の木園地です。

赤道儀:
・Vixen R200SS: Zero (自作の赤道儀)
・150mm F2.8: Sky-Watcher Star Adventurer GTi
・15mm F2.8: Sky-Watcher Star Adventurer GTi

秋の天の川

はくちょう座からペルセウス座まで

2026/08/15(Sun) 01:49 – 01:59
露出10分 (299sec * 2)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放 フードによるケラレあり

 M15 球状星団

ペガスス座 距離約33,000光年 直径約150光年

2026/08/14(Sat) 23:42 – 24:26
露出30分 (30sec * 60)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

NGC7331 と超新星 銀河

ペガスス座 距離約4,000万光年 直径約12~14万光年

2026/10/10(Sat) 20:25 – 22:55
露出70分 (60sec * 70)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

M31 アンドロメダ銀河

アンドロメダ座 距離約250万光年 直径約22万光年

2026/08/15(Sun) 00:33 – 01:38
露出60分 (299sec * 12)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放

 IC59 と IC63 反射星雲 カシオペア座の幽霊

カシオペア座 距離約550光年 直径約8光年(カシオペア座γ星から数光年の距離)

2026/08/15(Sun) 00:58 – 01:40
露出30分 (30sec * 60)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
180sec * 23 = 69m

SH2-136 反射星雲 ケフェウス座の幽霊

ケフェウス座 距離約1,200光年 直径約2光年

2026/10/10(Sat) 22:59 – 25:40
露出116分 (60sec * 116)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

NGC7023 アイリス星雲

ケフェウス座 距離約1,300光年 直径約6光年

2026/10/10(Sat) 20:45 – 23:24
露出90分 (180sec * 30)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放

ペルセウス座、カシオペア座、きりん座の付近

2026/10/11(Sun) 04:55 – 04:58
露出3分 (180sec * 1)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 15mm F2.8→F4.0 フードによるケラレあり

IC342 とケンブルの滝

きりん座

2026/10/10(Sat) 23:49 – 24:51
露出60分 (180sec * 20)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放

IC342 隠れ銀河

きりん座 距離約1,000万光年 直径約7.5万光年

2026/10/11(Sun) 01:44 – 04:21
露出120分 (60sec * 120)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

おうし座とぎょしゃ座の付近

2026/10/11(Sun) 03:58 – 04:13
露出15分 (180sec * 5)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 15mm F2.8→F4.0 フードによるケラレあり

IC342 スパゲッティ星雲 (超新星爆発の残骸)

おうし座とぎょしゃ座 距離約3,000光年 直径約150光年

2026/10/11(Sun) 01:03 – 03:43
露出141分 (180sec * 47)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放

あとがき

今回は幽霊と呼ばれる星雲、幽霊のように淡い銀河や超新星爆発の残骸について紹介してきました。
もっともっと時間をかけて撮影しなければ、なかなかハッキリした姿をとらえることができません。
天体写真の中でも、とくに撮影には根気の要る対象ばかりでしたが、まだまだ露出不足でした。

それにしても、この季節は天気が晴れること自体が難しいですね。
今年も夏から秋にかけて、ずっと大気中の水分が多いです。昨年もそうでしたっけ。
晴れたとしても、なかなか空気が透明になりません。

8月15日に観測へ出かけた時は、真夜中でも暑くてカメラの冷却が追い付きませんでした。
そしてすごい湿気。少しでも風向きが変わるとすぐに雲ができるような感じでした。

9月は集中豪雨や台風で雨ばかりでした。
晴れないどころか、雨の降り方が異常でした。

9月8日の集中豪雨はほんとうに大変でした。恐怖を感じるほどの雨。
9月9日は名古屋市立の全学校が休校となりました。
ヒーローズ植田一本松校は安全を優先して8日と9日の2日間を休校としました。
その後も何度か台風の影響が続きました。

10月に入ってようやく暑さが和らぎはじめ、晴れ間も出てきました。
とはいえ、10月10日に観測へ出かける前は、台風28号や29号が来やしないかと焦りました。
幸い台風は日本から逸れて晴れてくれました。

そしてまた、どうやら台風30号が北上しているらしいです。
30号まで発生したのは13年ぶりらしく、今年は台風が多いです。

安全に星空を眺めることができる
安全に勉強することができる

とても幸せなことです。

 


進学実績

卒塾生が入学した学校の一覧です(※)。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

※ ここで卒業生とは、進路が確定するまで在籍していた生徒のことです。進路実績とは、その中でもさらに進路調査表を提出またはそれに準じた進路報告をした生徒分の進学先です。併願校は含みません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

【天体観測】夏の星空観察 2026

夏休みに入り、梅雨も明けました。
夏休みの自由研究、もう決めましたか?

塾長は、宇宙を調べます!

ペルセウス座流星群を見よう

毎年、8月12日~13日は「ペルセウス座流星群」が見られます。
お盆休みと重なるため、話題になりやすい天文現象です。

なんと、今年は新月と重なり、流れ星が見やすいです!
もし晴れれば1時間に数十個の流れ星が見えるかもしれません。

詳細は、アストロアーツの「星空ガイド」が参考になります。

「2026年8月13日 ペルセウス座流星群が極大」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/14244_ph260813

帰省やキャンプなど、よく星が見える場所に出かけることがあれば、ぜひ観察してみてください。
各地で観望会も計画されているようです。

ちなみに、

  • 流星群とは、流れ星がたくさん見られること
  • ペルセウス座から広がる方向へ流れる

ということから「ペルセウス座流星群」と呼ばれます。

夏の天の川を見よう

天の川、見たことありますか?

夏の夜空と言えば、天の川。
小説「銀河鉄道の夜」はじめ、アニメや映画で描かれる天の川は、たいてい夏の夜空です。

とはいっても名古屋では、なかなか見るのが難しいでしょう。
山や海に行けば、見られるかもしれません。

環境省の「観察シート」を使おう!

環境省が星空の観察を呼びかけています。
「令和8年度夏の星空観察について」(環境省の「星空観察」ページより)

このページからダウンロードできる「観察シート」が便利なので使ってみましょう。

「肉眼観察シート」(環境省)

自分たちの地域で、どれくらい星がよく見えるのか調べてみましょう。
これもすぐに自由研究になりますね。

天の川はどこ?

下の図は「ステラリウム」というアプリの画面です。矢印の間に天の川があります。

夜9時ころ、南の空を見てください。
さそり座、いて座、の2つが見えているでしょう。

天頂ちかくには夏の大三角形が見えています。
こと座、はくちょう座、わし座です。

そして北の空には、カシオペア座が低く見えています。

それらの星座を通るように、南から北まで、天の川が雄大に流れているはずです。

濃く見えるのは南

特に南の空は、天の川がとても濃く見えます。
いて座とさそり座の間に、もしも雲があると思ったら、それが天の川です。

ところで、南の天の川の中には大きな星雲があります。上の図のオレンジ色の長方形のあたりです。
昨年の6月ころ望遠レンズで写真を撮ってきました。それが下の写真です。

干潟星雲と三裂星雲

天の川が黄金の雲のように写っており、中央には暗黒帯が広がっています。
その中に赤や青の星雲があります。

左下の赤い星雲が M8 です。「干潟星雲」と呼ばれています。
右上の小さな星雲が M20 です。上半分が青く、下半分が赤いです。「三裂星雲」と呼ばれています。

星雲は、宇宙をただようガスやチリの集まりです。
周囲の星の光を反射して、うっすらと輝いています。

実際にはとても希薄で、おそらく近くに行ったら何も見えないでしょう。

希薄とは言え、とても広く分布しているので、その一部でも集まれば新しい星になります。
実際、これらの星雲の中では、新しい星がいくつも誕生しています。

さて、干潟星雲の方は、肉眼でも見ることができます。

ただし、天の川がよく見えるような星空で、なおかつ、星を見慣れていること。
初見ではなかなか見つけられないかもしれません。
ぜひ視力の限界に挑戦してみてください。

星の残骸を観察しよう

星にも寿命があります。

私たちの住む銀河系には、2000億個の恒星があると言われています。
干潟星雲や三裂星雲のように新しい星が誕生している場所があれば、静かに一生を終えようとしている星の姿もあります。

太陽はどのように寿命を迎えるのでしょうか?

太陽のような星たちは、周囲にガスをまき散らしながら、ゆっくりと寿命を迎えていきます。
やがて、すっかりガスを放出しきってしまうと、核融合がストップし、中心核だけが余熱で輝く白色矮星になります。

まき散らされたガスは、白色矮星をとりまく小さな星雲になります。
このようにしてできた星雲は「惑星状星雲」と呼ばれます。

私たちの太陽は、あと50億年くらいで燃え尽きて白色矮星になり、その周囲には惑星状星雲が残るでしょう。

さて、夏の大三角形には、有名な2つの惑星状星雲があります。
リング状星雲と、亜鈴状星雲です。

リング状星雲

リング状星雲は、こと座にあり、M57 とも呼ばれています。
先週、写真を撮ってきました。

この星雲は小さいので、低倍率では小さな惑星のように見えます。
もちろん惑星ほど明るくはないですが、そう例えたくなる気持ちもわかります。

倍率を上げると、ドーナツのような輪に見えます。

よく見ると、ドーナツの周りに、ものすごく微かなガスが取り巻いているのが分かります。
上の写真でギリギリ映し出されているのですが、分かるでしょうか・・・

これは、中心の星が初期に放出した水素ガスです。
赤外線に近い微かな光であるため、ハッキリと映し出すためには、さらに何時間も露出を重ねて撮影する必要があります。

このように惑星状星雲は、星がガスの放出を何度も繰り返してきた痕跡です。

さらに大きな望遠鏡で拡大すれば、中心には寿命を迎えた白色矮星の姿があるはずです。

リング状星雲の場所は、以下です。こと座の平行四辺形をなす2つの星の真ん中あたり。
肉眼では見えません。惑星状星雲の観察には望遠鏡が必要です。

亜鈴状星雲

亜鈴状星雲は、こぎつね座にあり、M27 とも呼ばれています。
こちらは昨年、写真に撮りました。

リング状星雲よりも距離が近く、実際の直径も2倍ほどあるため、それだけ大きく見えます。
望遠鏡で見ると、筋トレに使う鉄アレイ、あるいは砂時計のような形に見えます。
亜鈴状星雲の亜鈴とは、鉄アレイの形のことです。

亜鈴状星雲の場所は、以下です。
こぎつね座ですが、はくちょう座とわし座の間と考えた方が分かりやすいでしょう。肉眼では見えません。

もう1つ、惑星状星雲を紹介しましょう。
こちらは夜半過ぎに昇ってきます。

らせん状星雲

らせん状星雲は、みずがめ座にあり、NGC7293 とも呼ばれています。
これも先週、写真を撮ってきました。

リング状星雲と同じ条件で撮影したのですが、とても巨大ですね。
なんと満月の半分くらいの大きさがあります。

とても大きいので、中心に青白く光る白色矮星を確認できます。

文字通り、らせん状に見えます。
3つの輪をずらしながら重ねたようにも見えます。
中心の星が放出したガスは球形に広がって殻となりますが、それが何度も繰り返されて重なった姿です。

らせん状星雲の場所は、以下です。
みずがめ座ですが、かなり低空です。深夜に南中しても35度くらいの高度にしかなりません。
サイズは大きいですが肉眼では見えません。とても希薄なので望遠鏡でも直接見るのは難しいかもしれません。

モブ扱いされる陰の実力者?

北の空にはカシオペア座があります。
北斗七星とならんで、北極星を探す目印として有名です。

そのカシオペア座と北極星の間に、ケフェウス座があります。ロケットの形です。
北極星に対して、北斗七星の反対側、カシオペア座の上くらいの場所です。

このケフェウス座には、遠方の銀河 NGC6946 があります。

花火銀河

この NGC6946 には「花火銀河」という呼び名があります。
回転花火のような、立派な渦巻き構造をしているからです。
これも写真を撮って来たのでご覧ください。その大きさは、らせん状星雲に匹敵します。

どうでしょう。

いかにも「銀河」という、堂々たる姿ではありませんか。
花火銀河(Firework Galaxy )という名前に相応しいと思いませんか。
しかもケフェウス座は北極星に近いため、ほとんど1年じゅう観測できます。

しかし、その割には有名ではありません。
こういう人、いますよね。
目立たないのに、実はスゴイ!みたいな実力者。

SNS上で目立つ人、承認欲求丸出しの人、みんな面白いですが、
こういう地味な人も味があって良いですよね。
みんな違って、みんな良い。

個性は人それぞれ。

ちなみに場所は下図です。

三日月星雲

最後にオマケとして三日月星雲( Crescent Nebula )を紹介します。
はくちょう座にある星雲で正式なカタログ名は NGC6888 です。

濃い部分が三日月のような形にも弓のような形にも見えます。
とても淡く赤外線に近い光で輝いているため、写真で撮影しなければ存在が分かりません。

近年、天体観測用の特殊な光学フィルターが数多く開発されています。
中には、この星雲のような赤外線に近い波長の赤い光のみを透過するフィルターもあります。

そのようなフィルターを使えば、たとえ都会の中でも、こうした星雲の写真を撮影することができます。
フィルターが街の明かりをカットし、星雲の光だけをカメラに届かせるため、写真が撮れるのです。
この星雲は、それを試すのによく撮影されます。

しかも内部の構造が繊細であるため、長時間の露出をかけて、より詳しい構造まで映し出そうと挑戦する人もいます。
教科書に載るような派手な星雲ではありませんが、天体写真家の中には一定のファンがいます。
そういう意味では、こちらも陰の実力者かも。

場所は下図です。

ピンボケと熱膨張

上で紹介した写真のうち、リング状星雲(M57)、らせん状星雲(NGC7293)、花火銀河(NGC6946)は、先週 2026/7/25 ~ 26 に撮影してきました。

リング状星雲 → 花火銀河 → らせん状星雲

の順に撮影したのですが、よく見ると、あとで撮影した写真ほど、ピントが少しボケています。
天体写真に詳しい人が見れば、すぐに分かるでしょう。

最初にリング状星雲を撮影するために、望遠鏡のピントを調整しました。
しかし、その後はいっさい調整しませんでした。

つまり、撮影している間に、勝手にピントがズレていったことになります。

なぜズレたのでしょう?

おそらく望遠鏡そのものが気温の低下とともに縮んだからでしょう。
「縮んだ」といっても、ほんの少しだけ、ごく僅かです。
それでもピントには効いてきます。

気象庁によると、この日の名古屋の最高気温は 39.8℃ で、正真正銘の猛暑日でした。
望遠鏡を車に積み込んだ 19:00 頃でも 36~37℃ くらいで、車の中はもっと暑かったです。

茶臼山高原に到着したのは 22時前。標高 1100m で 25℃ くらいでした。
とはいえ望遠鏡の本体は車の中で温かいまま、すぐには冷えません。
撮影が終わった午前03時過ぎには、22℃ くらいまで気温が下がりました。
望遠鏡は外に出しっぱなしなので、本体も同じ 22℃ くらいに冷えていたでしょう。

ピントのズレた量を概算してみます。

仮に、望遠鏡本体の温度が撮影開始時で 32℃、終了時で 22℃ だったと仮定しましょう。
計算しやすく、およそ 10℃の温度差があったと仮定します。

望遠鏡本体は鉄でできています。
鉄の熱膨張率は

$$ 約 1.2 \times 10^{-5} /℃ $$

です。つまり温度が1℃ 上がるごとに、長さが 1.000012 倍に膨張します。

撮影に使った望遠鏡の焦点距離は 760㎜ です。
これが気温の変化でどれくらい変化したかを計算しましょう。

$$ 1.2 \times 10^{-5} /℃ \times 760 mm \times 10℃ = 0.0912 mm \fallingdotseq 0.1 mm $$

ピントの位置が約 0.1 mm 変化したことが分かります。

写真のボケ具合から経験的に判断しても、だいたいそんなものだと思います。

もっと小まめにピント調整すべきでした。
この経験は次に活かしたいと思います。

こうしたレポートも自由研究みたいなものですね。

理科の自由研究の思い出

塾長は、天体観測で理科の自由研究を提出したことが2回ほどあります。
小学6年生と中学1年生の夏休みです。

小学6年生の時は、父親からカメラを借りて、初めての天体写真に挑戦しました。
撮影方法は、当時高校生だった兄から教わりました。
その様子や撮影した写真をまとめて発表しました。

中学1年生の時は、望遠鏡で木星のガリレオ衛星を観察しました。
時間を置いて木星を撮影し、4つの衛星が木星を公転する様子を調べました。

今でこそ、デジタルカメラやスマホは、その場で映像を確認しながら撮影できますよね。
それが当たり前ですが、当時は、その当たり前ができませんでした。

カメラで撮影してから写真を確認するまでに、何日もかかりました。早くて2日。
カメラ屋さんにお願いして、写真ができあがるまで待つ必要があったからです。
それまで本当にうまく撮れているのかさえ、確認できませんでした。

ですから「これだけ準備しておけば、うまく撮れるはずだ!」という事前準備がとても大切でした。
焦点距離や露出時間を計算し、撮影手順を確認するなど、シミュレーションを何度も行うことがとても重要でした。

とくに木星の観察では望遠鏡を使いました。
カメラだけで撮影する場合よりも、計算が複雑になります。
望遠鏡の「合成焦点距離」を計算しなければ、最適な露出を決めることができません。

ところが、その計算には平方根(√記号の計算)が必要でした。
平方根は昔も今も中学3年生で習います。
中学1年生の自分には、本に載っている公式の意味が分かりません。

そこで姉に√記号の意味を質問して教わりましたが、理解には限界がありました。
とりあえず電卓で計算する方法までは理解して、なんとか準備したものです。

今はデジタル機器が便利で、AIが多くの計算を精度よく答えてくれます。
ほんとうに便利になりました。

撮影データ

撮影地はほとんど愛知県の茶臼山高原面の木園地です。
名古屋の中学生は「稲武合宿」という林間学校がありますね。その場所から更に山の上へ登ったところです。
ただし三日月星雲だけは南知多で撮影しました。知多半島の豊浜海釣り公園の駐車場です。

M8 & M20 三裂星雲と干潟星雲

いて座

M8 (三裂星雲) 距離約4500光年 直径約70~100光年
M20(干潟星雲) 距離約5200光年 直径約30光年

2025/06/29(Sun) 01:14 – 02:01
露出45分46秒 (*)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放

(*) 露出詳細
01:14 – 01:24 299sec * 2
01:25 – 02:01 179sec * 12

 M57 リング状星雲

こと座 距離約1600光年 直径約1光年

2026/07/25(Sat) 22:26:29 – 23:51:54
露出50分 (*)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
30sec * 100 = 50m

M27 亜鈴状星雲

こぎつね座 距離約1200光年 直径約2光年

2025/08/30(Sun) 21:55 – 22:33
露出26分31秒 (*)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
21:55 – 21:56 047sec * 1
21:58 – 22:31 299sec * 5
22:32 – 22:33 049sec * 1

NGC7293 らせん状星雲

みずがめ座 距離約650光年 直径約3光年

2026/07/25(Sat) 26:26:37 – 27:04:45
露出15分 (*)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
180sec * 5 = 15m
26:26:37 – 26:29:37
26:49:55 – 26:52:55
26:55:25 – 27:04:45

 NGC6946 花火銀河

ケフェウス座 距離約1600万光年 直径約4万光年

2026/07/25(Sat) 23:56:31 – 25:31:27
露出69分 (*)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
180sec * 23 = 69m

NGC6888 三日月星雲

はくちょう座 距離約5000光年 直径約20光年

2026/07/23(Thu) 01:23:02 – 02:10:39
露出40分 (*)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃(実際には -8.0~-6.8℃),
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)

(*) 露出詳細
60sec * 40 = 40m (薄曇や霞あり)

あとがき

夏休みの自由研究。

最近は「出しても出さなくてもどちらでも良い」という学校が多いようです。
といっても昔から本当に自由研究を提出する生徒は、ほんの一部のみでした。
そう考えると、昔も今もそれほど変わりないですね。

ただし、昔と今は環境がまったく違います。

今はネットもあるし、AIも使えます。
はるかに調査がしやすい環境です。
チート級です。

つまり、やればチート級の研究成果を提出できるし、やらなければ何も成果が出せない。
やる人とやらない人の差が、とんでもなく開きます。

モチベーション格差や経験格差が加速していく予感です。
「主体性」が成績評価の対象となれば、残酷なほど差が付いてしまうのでしょうか・・・

いや、そんなつまらない未来なんて語りたくありません。

自由研究は、楽しくやりましょう。
人からの評価なんて考えず、自分の気になることを自由に調べてみてください。
学びとは、自由であるべきです。

 


進学実績

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公立高校

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私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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【天体観測】天の川の写真を撮って来たよ

週末は珍しく休みだったので天体観測に出かけました。

今回は三重県です。

三重県の天の川

先月とある用件でING進学塾の飯田先生とお話ししたのですが、その時に「三重県は天の川がよく見えるよね。」という話題で盛り上がりました。

といっても、塾長が三重県へ天体観測に行ったのは、もう、今から18年も昔のこと。
あの時は、雲かと見間違えるほど、天の川がよく見えたのでした。
懐かしくなって、また行ってみることにしました。

三重県と言っても南北に長いです。
星がよく見えるのは南側。
私の経験では、松阪市よりも南下すると星空がキレイになった記憶があります。

なぜ天の川がよく見えるのか

三重県の南は海。
その方向には街の明かりがなく、夜空にあるのは星の光だけ。
だから三重県では南の星空が特にキレイに見えます。

そして南の夜空といえば、春の深夜から夏にかけて天の川がよく見えます。
ちょうど、さそり座やいて座が見える方向です。

この写真は当日の帰り際に撮影しました。
三重県の天の川の見え味。
18年たっても健在でした。

逆に北は松阪市、津市、鈴鹿市、四日市市、そして名古屋市と街並みが続いています。
北の空は、夜空が街並みの明かりにかき消されてしまい、星がよく見えるとは言えません。

星をよく見るためには、こうした都会の光の影響から逃れる必要があります。

より良い星空を求めて

北は諦めるとして、問題は東西です。

西には奈良、その先に大阪。東には渥美半島の田原、その先に浜松。
少なくとも、これらの市街地よりも南の緯度まで南下しなければ、東西の星空が良くなりません。

とは言え、一晩で日帰りするとなれば、あまり遠くまでは行けません。

おまけに、三重県と言えばクマもいます。

検索すると、昨年からツキノワグマが頻出していて、過去最多の目撃情報とのこと。
ちょっと怖いので、山間部は避けることにしました。
逆に海沿いの港なら夜釣りの人たちもいて安全だろうと考えました。

そういえば大学生のころ、天体研究会というサークルに所属していたのですが、
そのサークルが利用していた合宿所が、かつての南島町にあったのでした(※)。
そのあたりまで南下すれば東西の星空も期待できます。

検索してみると、南伊勢町の贄浦漁港(にえうらぎょこう)が夜釣りで有名だそうです。
調べると夜間も自由に出入りできる広い駐車場があるようです(※)。
それなら観測もできそうです。

※南島町は平成17年に東隣の南勢町と合併して、今は南伊勢町になったそうです。
※夜釣りの可否や夜間の出入り可否については常に最新の情報を確認してください。

いざ、贄浦漁港へ

車のナビは地図が古くて途中のジャンクションを案内できず、道に迷ってしまいました。
いったん知らない土地で高速をおりて軌道修正。
30Kmほど遠回りしてしまいました。

なんだかんだあって伊勢市の手前までは高速で2時間強で行けました。
しかし、そこから下道で山を越えるのに、さらに1時間かかりました。

結局、到着したのは23時前でした。
夜釣りの人たちが2、3グループいらっしゃいました。
彼らの邪魔にならない所に車を停め、さぁ、撮影の準備です。

この写真は帰り際に撮りました。現場の雰囲気が伝わるでしょうか。
到着したときは、北斗七星がもっと高い位置にありました。

春は銀河の季節

今回の撮影テーマは「銀河」です。

宇宙の入れ子構造を大きい順に並べると、およそこんな感じです。

宇宙 > 無数の銀河 > 銀河系 > 太陽系 > 地球

私たちの太陽系は「銀河系」とよばれる1つの銀河の中にあります。
天の川は、その銀河系を内側から見た姿でした(中3理科)。
そのため銀河系のことを「天の川銀河」とも呼びます。

一方、夜空の小さな領域を望遠レンズで拡大して撮影すると、宇宙のはるか遠くにある小さな銀河が写り込むことがあります。
こうした、私たちの銀河系の外にある別の銀河のことを「系外銀河」と呼びます。
あまりにも遠くにあるため、望遠レンズや望遠鏡でしか見えないほど系外銀河は小さいのですが、実際には銀河系の仲間です。

つまり言葉の意味としては、

銀河 = 私たちの銀河系 + その他無数の系外銀河たち

ということが言えます。

春は「しし座」「おとめ座」「かみのけ座」などが見えますが、それらの方向はとくに系外銀河がたくさん写ることで有名です。
また北斗七星のある「おおぐま座」も系外銀河がよく見える領域です。

今回は身近な銀河系である天の川と、はるか遠方にある系外銀河。
その両方を撮影していきましょう。

撮影準備

贄浦漁港に到着したとき、天の川はまだ見えていませんでした。
いて座や天の川がよく見えるのは深夜3時ころです。
先にしし座やおおぐま座の銀河から撮影していくことにしました。

カメラに望遠レンズをセットしました。

塾長が持っている望遠レンズは 150㎜ F2.8。
双眼鏡より少し倍率が低いくらいのレンズです。

系外銀河の撮影には、もっと拡大したい所ですが、これしか持っておりません。
実は望遠鏡も持ってはいますが、今は故障中。

少し力不足ですが、
150㎜の望遠レンズで、どこまで銀河の姿をとらえられるのか?
挑戦してみましょう。

しし座のトリオ銀河

しし座には3つの銀河が仲良く並んでいる「トリオ銀河」という領域があります。

場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。

2025/4/26(土) 23:37 ~ 4/27(日) 00:17 露出 36分(6分×6枚)

中央に小さく3つの銀河が写っているのが分かりますか。それがトリオ銀河です。
もう少し拡大してみましょう。

それぞれの正式な名前は、右から時計回りに、NGC3628、M65、M66 です。
3つとも地球から約3500万光年の彼方にあるそうです。

つまり、この写真の姿は3500万年前の姿。
地球では南極大陸ができはじめたころ。
ちょうど哺乳類の中からサルに似た動物が出はじめた時代です。

ところで、NGC3628 は「ハンバーガー星雲」とも呼ばれています。
確かに、ちょっと潰れたハンバーガーみたいです。

しし座が西の空に低くなってしまいました。
本当は60分以上たっぷりと露出時間を取りたかったのですが、到着が遅かったこともあり、撮影を打ち切りました。
近くのおとめ座も系外銀河がたくさんあるのですが、その領域も諦めました。

ボーデの銀河と葉巻銀河

ここからは、おおぐま座です。北斗七星の周りを狙います。
最初は2つの大きな銀河がハの字に並んでいる有名な領域です。

場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。
北斗七星と北極星の間くらいです。

2025/4/27(日) 00:33 ~ 01:45 露出 72分(6分×12枚)

写真の中央付近に、渦を巻く銀河と、棒状の銀河が写っています。
中心部を拡大しましょう。

左の渦巻の銀河が M81 であり、別名「ボーデの銀河」と呼ばれます。発見したドイツの天文学者の名前が由来らしいです。

右の棒状の銀河は M82 で、別名「葉巻銀河」です。これは見た目の形が葉巻のようだからでしょう。
個人的には葉巻というよりはゾウリムシ。何やら中がぐちゃぐちゃしています。

M82 は中心部で激しい星の形成と爆発が繰り返されていることで有名です。
だから、ぐちゃぐちゃした構造に見えるのでしょう。
もしも赤外線で撮影すれば、爆発で生じた赤いフィラメントが銀河の外へ飛び出している様子が写るでしょう。

どちらも地球から約 1200万光年の距離にあります。
この2つの銀河はお隣同士で、互いに重力的な影響をおよぼし合っているそうです。

よく見ると、他にも小さな銀河がいくつか写っているのが分かります。
もっと高性能な望遠鏡で撮影すれば、たくさんの銀河が写り込むことでしょう。

これらの銀河から光が出発し、私たちに向かって旅を始めたのが1200万年前。
そのころ地球では、サルが人類に続くヒト亜科とオランウータン亜科に分かれたそうです。
また地球上では生物の大量絶滅が発生しました。隕石衝突などの説があるそうです。

回転花火銀河

北斗七星の柄の部分にも有名な銀河があります。
見かけのサイズは上で見てきたどの銀河よりも大きいはずですが、とても淡くて暗い銀河です。

具体的な場所は上の星図の青い四角枠の中です(星図はステラリウムから作成)。

2025/4/27(日) 02:02 ~ 03:05 露出 60分(5分×12枚)

画面の中央に、きれいな渦巻き構造の銀河が見えます。
M101 と呼ばれますが、その見た目から「回転花火銀河」あるいは「風車銀河」などとも呼ばれています。

渦から伸びる腕は、ぐるりと1周以上にわたって確認できます。
M101 までの距離は約 2100万光年くらいです。

よく見ると、周囲に小さな銀河も写り込んでいます。
この領域も多くの系外銀河が撮影できることで有名です。

系外銀河は、宇宙のあらゆる方向に無数に存在しています。
しかし実際に夜空を望遠鏡で観察すると、系外銀河が多い所と少ない所があるように見えます。
これは、私たちの銀河系の中で、方向によって遠くの光を遮るガスや塵の量が異なるからです。

系外銀河がよく見える方向というのは、光を遮るチリやガスが少ない方向、ということです。
そのため、銀河系の外からやって来た系外銀河の光が、途中で遮られることなく地球まで届く、というワケです。

夏の天の川

夜明けが近づいてきました。さそり座が西に傾いていました。
いて座の「矢」にあたる「南斗六星」が南中してきました。
そして、いて座の背景には天の川が広がっていました。

最後は天の川。私たちの銀河系の姿を狙います。
南の空にカメラを向け、広角レンズで撮影しました。

2025/4/27(日) 03:37 ~ 03:49 露出 12分(1分×12枚)

実際には人間の目では天の川の色は分かりません。
私の目には全体的に白く淡く見えました。
それでも、天の川を左右に分ける闇黒帯や、M20星雲、トレミー星団などは、肉眼でも見ることができました。

天文シミュレーターソフト「ステラリウム」で星座の位置を表示すると、こんな感じです。

写真と見比べて見ると面白いと思います。

夜明けとともに撤収

天の川は何通りかの構図で撮影したかったのですが、諦めました。
空がどんどん明るくなってきたからです。

東の空(写真の左手)が明るくなってきました。
港の向こうで船が動き出しました。
もうすぐ夜が明けます。

この日の天の川も、そろそろ見納めです。
さて、機材を片付けて帰りましょう。
帰りも長距離運転です。

天体写真の撮影は

今回はツキノワグマを避けて海沿いで撮影しました。

この日は水蒸気が多く、春霞の季節ということもあって、空の透明度はいまいちでした。
全体的に白っぽいベールがかかったような空でした。

それでもさすがは三重県、天の川はよく見えました。

今回の天体写真は、あまり出来が良くなかったです。
空の透明度が低かったので、写真がノイジーになってしまいました。

春霞の季節は、標高を稼いで空の透明度を上げた方が、撮影にとっては良いでしょう。
標高を上げるとなると山中に入ることになりますが、まぁクマ次第ですね。
安全第一です。

名古屋から3時間かかることを考えると、標高を稼げる茶臼山高原やしらびそ高原も選択肢に入ります。
何はともあれ、星がよく見える場所は、名古屋からとても遠いです。

天体写真の共通データ

撮影地: 贄浦漁港 (三重県度会郡南伊勢町)
撮影時刻:2025/4/26(土) 23:30 頃 ~ 4/27(日) 03:50 頃
カメラ本体: Canon EOS 60Da(天体写真用カメラ) ISO2000 + IDAS LPS-P2フィルタを内蔵装着
望遠レンズ: SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM(絞り開放)
広角レンズ: SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE(絞りF4.0)
赤道儀: Sky‐Watcher Star Adventurer GTi
画僧処理ソフト: Siril Ver. 1.2.4

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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