こんにちは、塾長です。
彼岸花の季節が終わり、台風も過ぎて、暑さが和らぎました。
夜になるとコオロギや鈴虫の鳴き声が聞こえるようになりました。
Contents
10月の星空とハロウィンの幽霊
秋が始まるこの季節の星空を調べましょう。
ハロウィンの季節ということで宇宙に浮かぶ幽霊も観察します。
いくつかの天体を紹介しながら、カシオペア座とケフェウス座に潜む幽霊たちの姿も暴いていきましょう。
ところで、毎月の星空を調べるなら国立天文台のホームページが便利です。下に2026年10月の星空を引用しました。

国立天文台 2026年10月中旬21時頃東京の星空より
夏の大三角が西へ傾いています。それでも、こと座の1等星「ベガ」の明るさが目立ちます。
天頂にはペルセウス座の四角形が見えるでしょう。そこから少し南には土星があり、これも明るいです。
北の空を見れば、北極星の右上にカシオペア座があります。
北東の低い位置にある明るい星は、ぎょしゃの1等星「カペラ」です。
西のベガ、南の土星、北東のカペラ。この3つの星はとても明るいので街中でも見えるでしょう。
秋の天の川
夏の天の川は色濃く見えることで有名でした。秋はどうでしょう?
秋も天の川が見えます。
西に残っている夏の大三角のあたりから、北のカシオペア座の方へ、うっすらと流れています。
もちろん、条件の良い山間部などへ行く必要があります。
次の写真は8月15日の深夜に撮影しました。10月なら22時くらいに相当します。

撮影した領域は、たいたい下の図の範囲です。

いろいろ写っています。解説を重ねると・・・

写真の中央からやや右上に見えるM31という天体は、アンドロメダ大星雲です。私たちの銀河系のお隣の銀河です。
その下、カシオペア座の右に見える星の集まりが、二重星団 h-χ (エイチ – カイ)です。ここから右側がペルセウス座です。
お盆のころには、ペルセウス座流星群が見えることで有名です。
他にもいろいろ写っています。
この秋に撮影できた天体
今年は8月15日と10月10日に撮影してきました。
仕事の都合や天候不順はもちろん、集中豪雨や台風などが連続して、9月はまったく観測できませんでした。
さて、撮影してきた天体を上の星図に書き込んでまとめました。
これを目次として説明していきましょう。

西から順に、M15(ペガスス座の球状星団)、NGC7331(超新星があった遠方の銀河)、NGC7023(アイリス星雲)、SH2-136(幽霊星雲)、M31(アンドロメダ大星雲)、IC63(幽霊星雲)、IC342(隠れ銀河)、Kemble’s Cascade(ケンブルの滝)、SH2-240(スパゲッティ星雲)、の主に9天体です。
順に紹介していきましょう。
ペガスス座の球状星団 M15
ペガスス座とは天馬のことで、架空の動物の姿をしています。
その口元には球状星団 M15 があります。それを望遠鏡で撮影したのが以下です。

双眼鏡で観察すると、ぼんやりした丸く小さな雲のように見えます。
中型の望遠鏡で見ると、その雲の周りに星が見え始め、大きな望遠鏡では星の大集団であることが分かります。
M15 の直径は150光年と大きいですが、距離が約33,000光年と遠く、私たちの銀河系の外縁に存在します。
この星団は超高齢化社会で、年老いた星の割合が高く、中には 120億歳の星もあるそうです。
球状星団とは
球状星団とは、数十万個の恒星が集まっている天体です。
その名の通り、全体が球または球に近い楕円の形をしていて、渦巻のような複雑な構造がありません。
銀河系の周辺に分布していて、地球からの距離は数万光年などと遠いです。
銀河系以外の遠くの銀河でも同様で、一般に球状星団は銀河の周りに分布しているようです。
球状星団の大きさは、だいたい100光年くらいと言われれています。
仮に恒星間の距離が1光年とすると、100×100×100=100万個の恒星を含む計算になりますから、それよりは密度が低いようですね。
とはいえ、とても密集した星の大集団です。
球状星団を構成する星は、ほとんど年老いています。
どうやら、球状星団は120憶年よりも前、つまり宇宙誕生の初期段階に、大量の星が一気に集団で生まれて形成されたようです。
星は巨大であるほど寿命が短いため、その長い長い歴史の中で、大きな星はすべて先に寿命を迎えていなくなりました。
ちなみに太陽サイズの星の寿命は 100億年くらいです。
そう考えると、球状星団に残っている星は、太陽よりも小さな星ばかり、ということになります。
また球状星団の中には、星の材料となる星雲がほとんど含まれないようです。
そのため、新しい星が誕生せず、高齢化が進む一方です。
ペガスス座の銀河 NGC7331 に現れた超新星
ペガスス座の足元に NGC7331 という渦巻銀河があります。約4,000万光年の彼方にあって観察には大きい望遠鏡が必要です。
2026年9月1日、この銀河で超新星が発見されました。つまり NGC7331 の星の1つが大爆発を起こしたのです。
発見当時は 15.7等の明るさで、その後9月中旬には11等まで明るくなりました。10月に入ってもまだまだ観測できる明るさを保っているとのこと。
さっそく撮影してきました。

写真の右上と左下に、いくつかの銀河が写っています。
右上の小さな銀河の集まりは「スレファンの五つ子」と呼ばれる小さな銀河の集まりです。詳細は昨年のブログ「【天体観測】望遠鏡を動かす装置「赤道儀」を作ったよ」をご覧ください。
そして注目の NGC7331 は左下の大きい方です。拡大したのが以下です。

上の写真で、2本の黄色い線が交わるあたりに移っている星が超新星です。
ネットで調べると、この時点の明るさは 13.5等くらいとのこと。この明るさを肉眼で観察するには、口径15cm 以上の望遠鏡が必要になるでしょう。
爆発の仕組み
この超新星は Ia 型とのことです。
Ia 型とは、燃え尽きたはずの白色矮星で、核融合の暴走が発生して爆発するタイプの超新星です。
2つの恒星がたがいの周りを回る連星で起こります。
恒星は主に水素の核融合で光っていますが、その水素が燃え尽きると、燃えカスの中心部が重力で潰れ、白色矮星という小さな天体が残ります。
小さいといっても元は恒星なので、超重い天体であり、その重力も太陽なみに半端ないです。
その重力が小さい範囲から発生してるため、その天体に近づくと急に重力が強くなります。
つまり白色矮星は、ダイソンの掃除機のような吸引力を持ちます。
さて、連星のうち、一方が先に寿命を迎えて白色矮星になり、もう一方はまだ現役の恒星だとします。
もしも両者の距離が近ければ、白色矮星が恒星の水素ガスを吸い込んでいきます。
すると白色矮星の表面に水素がどんどん蓄積していきます。
やがて臨界点を迎えると、ため込んだ水素が一気に核融合を起こし、星ごと吹き飛ばしてしまいます。
これが Ia 型の超新星爆発です。
昨年も超新星が発生
実は、この NGC7331 には昨年も超新星が発見されまています。
昨年は、2025年7月14日に発見されました。
塾長が 2025年8月30日に撮影したのが下の写真です。

昨年は銀河の中心の近くで発生しましたが、
今年は銀河の反対側で、中心から少し離れた場所で発生したようです。
超新星は超珍しい?
つまり、同じ銀河から2年連続で超新星が出現したということで、これはとても珍しい現象です。
もしも私たちの銀河系で超新星爆発が起これば、昼間でも見えるような明るさになります。
そういうことが2年連続で起こったら大騒ぎでしょう。
もちろん歴史上そのような記録はありません。
ちなみに、オリオン座のベテルギウスが、もうすぐ超新星爆発を起こすと言われています。
ただし、その「もうすぐ」は 10万年単位の話です。
私たちが生きている間に見れることは無いかもしれません。
超新星とは、それくらい珍しい現象です。
ところが宇宙には無数の銀河があるため、毎年どこかしらの銀河で超新星が発生します。
望遠鏡で何千万光年、何億光年という範囲を観測すれば、頻繁に観測できるというわけです。
宇宙はそれくらい広いということですね。
秋の星座の配置について
星座の多くがギリシャ神話から来ていることは有名です。
そして秋の夜空を代表する、カシオペア座、ケフェウス座、アンドロメダ座、ペルセウス座、ペガスス座、くじら座は、すべてギリシャ神話の一連の話でつながっています。
ちょっと説明しておきます。
かつて「ペルセウス」という勇者と、その母ダナエがいました。
2人は国を追い出されてしまい、地中海に浮かぶセリフォス島に漂着しました。
しかし、そこにはポリュデクテスという悪い王様がいました。

ギリシャ神話で王ボリュデクテスがダナエからペルセウスを遠ざけようとする場面 AI Gemini 作
ポリュデクテスはダナエの美しさに惚れ込み、息子のペルセウスを邪魔に思うようになりました。
しかしペルセウスは強いので排除できません。
そこで悪だくみをし「悪魔メデューサを退治せよ」という無茶な命令を出しました。
ペルセウスは準備を整えました。
ヘルメスという神から空が飛べる靴をゲットしたり、冒険して魔物退治に必要なアイテムをゲットしたりしました。
そしてメデューサという怪物を倒し、メデューサの首と「ペガスス」をゲットしました。
メデューサの首は、生き物を石にしてしまうアイテムです。
それでポリュデクテスを石に変えてしまい、ダナエを救い出しました。
悪い王様が退治されて、島は平和になりました。
一方、地中海を渡ったアフリカ大陸では、古代エチオピアが栄えていました。
エチオピアの王の名は「ケフェウス」で、妃の名は「カシオペア」。その2人の娘である姫の名は「アンドロメダ」です。

ギリシャ神話ケフェウス王カシオペア王妃アンドロメダ姫が王城で幸せそうに話している場面 AI Gemini 作
あるとき、カシオペアが娘のアンドロメダの美しさを自慢していると、神々の怒りを買ってしまいました。
海の神ポセイドンは、海の怪物である化けクジラを送り込んで、エチオピアの町を破壊しました。
困った王ケフェウスは神託を求め、アンドロメダを生贄として捧げることになりました。
こうして、アンドロメダは祭壇の岩に鎖でつながれてしまいました。
しばらくすると、化けクジラがアンドロメダの存在に気付きました。
そして彼女を食べるようと、だんだん近づいてきました。

ギリシャ神話でペルセウスがアンドロメダを助ける場面 AI Gemini 作
そのとき、空を飛んでいたペルセウスがその様子に気付きました。
空から舞い降りてはせ参じると、メデューサの首で化けクジラを石に変え、退治に成功しました。
そしてアンドロメダを救い出し、2人は結婚して幸せに暮らしましたとさ。
・・・というお話で、これらの星座は繋がっています。
そのため、これらの星座は近くに描かれています。
アンドロメダ座の銀河
さて、ペガスス座の東がアンドロメダ座です。
アンドロメダ座には、昔から「アンドロメダ星雲」と呼ばれる有名な天体があります。
正式には M31 という番号の銀河です。
月の6倍もある大きな天体です。
望遠鏡では大きすぎるため、望遠レンズで撮影しました。

天の川が見えるような空であれば、肉眼で存在を確認できます。
双眼鏡や小さな望遠鏡で観察すると、淡い雲のように見え、まるで星雲のようです。
アンドロメダ座に見える星雲ということで、昔は「アンドロメダ星雲」などと呼ばれていました。
やがて大きな天文台ができると、星雲などではなく、実は星の大集団であることが分かりました。
また天体までの距離を測る技術が発達すると、数百万光年という、とんでもなく遠い距離だと分かりました。
私たちの銀河系の直径が7万光年とも10万光年とも言われていますから、その遥か外側の天体です。
つまりアンドロメダ星雲は、私たちの銀河系を遠くから眺めたような姿であって、星雲ではなく銀河だったのだと分かりました。
今では正しく「アンドロメダ銀河」と教科書に書かれていますが、古い呼び名の「アンドロメダ星雲」も有名です。
塾長が子供の頃は、まだ多くの書籍で「アンドロメダ星雲」と書かれていました。
カシオペア座の幽霊
カシオペア座はMの字の形をしています。北極星の見つけ方でお馴染みですね。
そのMの字の真ん中の星のすぐ近くに、幽霊星雲と呼ばれる星雲があります。
望遠鏡で撮影してきました。

右上で強烈に輝いている星が、カシオペア座のMの真ん中の星です。
この星はカシオペア座のγ星(ガンマせい)という2等星で、「ナビ」という固有の名前もあります。
このような明るい星を望遠鏡で撮影すると、星の周りに光の筋が発生します。
この筋は望遠鏡の構造が原因で発生するため、本当の星の姿とは違います。また望遠鏡の種類によって形が変わります。
さて、ガンマ星を囲むように見えている赤くて淡い星雲が幽霊星雲です。
左の薄い方が IC59 で、下の濃い方が IC63 です。
IC59 と IC63 は、宇宙空間に漂うガスが、γ星の光を受けて輝いている反射星雲です。
γ星から噴き出すプラズマの勢いで、ガスがたなびいています。
とくに IC63 の方は、いかにも幽霊という姿に見えませんか?
試しに Chat GPT に幽霊の絵を描いてもらいました。どうでしょう?

ケフェウス座の幽霊
ケフェウス座にも幽霊星雲があります。
SH2-136 という、とても淡くて薄い星雲です。

本当に薄くて淡い星雲であるため、その姿を浮かび上がらせるだけでも苦労します。
上の写真は2時間ちかく露光して撮影したのですが、それでも全く姿がはっきり見えてきません。
補足するとこんな感じです。本当はこんな姿の星雲があるはず・・・

あと3倍くらい露出時間をかければ、上のような姿が見えるはずです。
画面中央より上の部分で、2人の人がバンザイしている姿がはるはずなのですが・・・
この姿を幽霊と呼ぶべきか、バンザイをしている人と呼ぶべきかは、見た人の好みにお任せしましょう。
塾長は個人的に「バンザイ星雲」とは呼んでいます。
この星雲にはもう1つ重要なところがあります。画面中央より下の部分です。
これも薄すぎて姿がはっきりしませんが、補足の絵にあるように、左右にジェットが噴き出ています。
このジェットは、星が新しく生まれている現場です。
星雲が渦を巻きながら1か所に集まると、やがて星が誕生します。
すると渦の中心から回転軸の方向へジェットが発生するのです。
その様子を撮影したかったのですが、まだまだ露出時間が足りませんでした。
今回使ったフィルターも相性が良くありませんでした。
また後でリベンジしたい撮影対象です。
ケフェウス座の花「アイリス」
幽霊ばかりではありません。ケフェウス座には王家に相応しい花もあります。
NGC7023 という星雲で「アイリス星雲」や「イリス星雲」などと呼ばれています。
150mm望遠レンズで撮影したのが下の写真ですが、どこに星雲があるか分かりますか?

写真の中央より左手にある、青くて小さな星雲がアイリス星雲です。ちなみに右下に光る青い星はケフェウス座β星です。
さて、アイリス星雲の部分を少し拡大しましょう。

この青白く輝く様子が、アイリスという青い花に似ていることから、そう呼ばれています。
青いガスと黒いガスが複雑な形を作っています。
星雲の中心の明るい部分は、実はいくつかの星の集まりで、NGC7023 はその星団を指します。
その星団をとりまくガスが星の光に照らされて星雲として見えています。
なお、星雲の部分は SBN487 というカタログ番号で呼ばれています。
他にも、いろいろな星雲が写っています。

画面の中央にある小さな星雲が、先ほど見た幽霊星雲 SH2-136 です。
アイリス星雲の隣にありますが、とても暗いため、ほとんど気付かれません。
ちなみに、右上の NGC7129は「バラのつぼみ星雲」と呼ばれていて、これまた花のようにきれいな星雲です。
どの星雲もまた機会があれば望遠鏡で大きく拡大して、じっくりと撮影してみたいですね。
ケフェウス座には宿題が多く残った気がします。
さて、古代エチオピア王の家族にまつわる星座については、これで終わりです。
ここからはさらに東の星座。
きりん座とぎょしゃざ座のあたりについて紹介します。

きりん座の滝
きりん座という星座を知っていますか?
カシオペア座やペルセウス座ほど有名ではありません。聞いたことない、という人もあるでしょう。
きりん座は4等星や5等星からなる暗い星座です。暗くて都会の夜空では見ることができません。
条件の良い空であれば下の写真のような位置に見えます。
大きな二等辺三角形が特徴で、そこがキリンの胴です。そこから北極星の方へ首が伸びています。

上の写真は10月11日の明け方に撮影した北西の空です。
しかし、きりん座を望遠レンズや望遠鏡で撮影したのはもっと早い時間で、こんな向きでした。

きりん座で有名な天体は、二等辺三角形の部分にあります。
赤い枠のあたりを 150㎜望遠レンズで撮影したのが次の写真です。

天の川に近い領域ですから、とにかく星がたくさんあります。
注目すべきは、画面の右上の星の並びと、やや左下のぼんやりした天体の2か所です。

右上が「ケンブルの滝」と呼ばれる、星の並びです。双眼鏡で観察すると、きれいに星が並んでいるのが分かります。
知る人ぞ知る見どころポイントです。
偶然にしては、並び過ぎている気がしますが、果たして天文学的な意味があるのか否か分かりません。
左下が IC342 というカタログ番号の銀河です。望遠鏡での写真撮影は、こちらの方が主役となります。
これも面白い天体なので、ちょっと説明します。
隠された銀河 IC342
下の写真は望遠鏡で IC342 を撮影したものです。
画面いっぱいに写るほど大きな銀河ですが、実際の大きさは、ちょうど私たちの銀河系と同じくらいです。
もしも私たちの銀河系を上から見たら、きっとこのような姿なのでしょう。

ウィキペディアによると、超新星が発生した銀河 NGC7331 は、直径約12~14万光年、距離約4,000万光年でした。
一方この IC342 は、直径約7.5万光年、距離約1000万光年です。
1000万光年とは気の遠くなるような距離ですが、銀河の中ではむしろ近い方で、IC342 は私たちのご近所の銀河です。
トップ5の大きさ
近いだけあって、このように画面いっぱいに写ります。
満月より一回り小さい大きさで、銀河の中ではトップ5にランクイン。
日本から見える銀河の中では、M31、M33 に次いで3番目の大きさを誇ります。
この大きさだけで言えば、肉眼で見えてもおかしくない銀河です。
しかし全く見えません。
なぜか、とっても暗いのです。
なぜ暗いのか
IC342 は双眼鏡でも見えません。
普通サイズの望遠鏡を使っても、肉眼ではほとんど見えません。
上の写真は120分間もかけて撮影しましたが、それでもまだまだ露出が不足しています。
どうしてこんなに暗いのでしょうか?
実は、私たちの地球と IC342 の間に、チリやガスがたくさんあって、光の多くが遮られているからです。
つまり IC342 は霧の向こうに霞んで見えているような状態なのです。
IC342 の方向は、私たちの銀河系で星が多い場所なんです。
この記事の最初に秋の天の川について説明しましたが、その天の川にちかい場所なんですね。
だから、天の川のチリやガス、つまり私たちの銀河系に含まれるチリやガスが、IC342 の姿を隠しているわけです。
そのため IC342 は「隠された銀河」と呼ばれています。
これもある意味で幽霊みたいなものですね。
隠れされ過ぎです
一般に、小さな望遠鏡でも発見できるような天体には、M1, M2 のような M* という番号が付けられています。
M* は、シャルル・メシエという人が小さな望遠鏡を使って見つけた天体のカタログに付けられた番号で、M1~M110まであります。
次に有名な天体には、NGC7331 のようにたいてい NGC* という番号が付けられています。
NGC* は、New General Catalogue のことで、より大きな望遠鏡で探索して作られた天体のカタログで、7840個の天体が載っています。
この 7840個の中にはM*の天体も含まれます。
そして IC342 は IC* というカタログ番号です。
これはNGCカタログの完成後に、さらに追加で作られたカタログの番号です。
IC342 ということは、7840+342=8182 番目に、やっとカタログに載せてもらえた、という順番になります。
つまり、ベスト5の大きさなのに、
8000個以上の天体が次々に見つかっていく間ず~っと見つけてもらえなかった・・・。
存在感がないにもほどがあります。
現代は観測技術が向上し、好感度のデジタルカメラがあります。
塾長のようなアマチュアでもその姿を観測できるようになりました。
超新星爆発の成れの果て
ペガスス座の銀河 NGC7331 に発生した超新星爆発。
爆発した星は、そのあとどうなってしまうのでしょうか?
その40000年後の姿が、おうし座とぎょしゃ座の間にあります。

それが SH2-240 という星雲です。スパゲッティ星雲とも呼ばれています。
その直径は満月の約6倍、アンドロメダ銀河 M31 と同じくらいです。

この星雲は IC342 よりも、もっと淡くて薄いです。
シャボン玉のように丸い形をしているはずですが、分かりますか?
こんな感じです。141分間も露出したんですけどね、まだまだ淡いです。

SH2-240 は超新星爆発の残骸です。
およそ40000年前、その中心で超新星爆発が発生しました。
吹き飛ばされた星のガスやかけらが、このような星雲になっています。
実際の大きさは直径約150光年。地球からの距離は約3000光年と言われています。
つまり、この超新星爆発が地球で観測されたとすれば、それは約43000年前ということになります。
アフリカで誕生した人類が、ちょうど世界中に広まったころです。
昼間でも見えるような星が突然あらわれて、さぞ驚いたことでしょう。
中心には中性子星が見つかっていて、電波望遠鏡で観測すると周期的な電波が発生しています。
太陽の数10倍の質量を持つ巨大な星が超新星爆発を起こすと、その中心に誕生します。
中性子星とは、ブラックホールになりそこねた星です。
自分の重力があまりにも強すぎて、原子核の陽子と電子すら押しつぶされてくっつき、中性子にされてしまいます。
そして中性子だけの巨大な塊になった、という凄まじい星です。
撮影データ
撮影地は愛知県の茶臼山高原面の木園地です。
赤道儀:
・Vixen R200SS: Zero (自作の赤道儀)
・150mm F2.8: Sky-Watcher Star Adventurer GTi
・15mm F2.8: Sky-Watcher Star Adventurer GTi
秋の天の川
はくちょう座からペルセウス座まで
2026/08/15(Sun) 01:49 – 01:59
露出10分 (299sec * 2)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放 フードによるケラレあり
M15 球状星団
ペガスス座 距離約33,000光年 直径約150光年
2026/08/14(Sat) 23:42 – 24:26
露出30分 (30sec * 60)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)
NGC7331 と超新星 銀河
ペガスス座 距離約4,000万光年 直径約12~14万光年
2026/10/10(Sat) 20:25 – 22:55
露出70分 (60sec * 70)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)
M31 アンドロメダ銀河
アンドロメダ座 距離約250光年 直径約22万光年
2026/08/15(Sun) 00:33 – 01:38
露出60分 (299sec * 12)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放
IC59 と IC63 反射星雲 カシオペア座の幽霊
カシオペア座 距離約550光年 直径約8光年(カシオペア座γ星から数光年の距離)
2026/08/15(Sun) 00:58 – 01:40
露出30分 (30sec * 60)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)
(*) 露出詳細
180sec * 23 = 69m
SH2-136 反射星雲 ケフェウス座の幽霊
ケフェウス座 距離約1,200光年 直径約2光年
2026/10/10(Sat) 22:59 – 25:40
露出116分 (60sec * 116)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)
NGC7023 アイリス星雲
ケフェウス座 距離約1,300光年 直径約6光年
2026/10/10(Sat) 20:45 – 23:24
露出90分 (180sec * 30)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放
ペルセウス座、カシオペア座、きりん座の付近
2026/10/11(Sun) 04:55 – 04:58
露出3分 (180sec * 1)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 15mm F2.8→F4.0 フードによるケラレあり
IC342 とケンブルの滝
きりん座
2026/10/10(Sat) 23:49 – 24:51
露出60分 (180sec * 20)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放
IC342 隠れ銀河
きりん座 距離約1,000光年 直径約7.5万光年
2026/10/11(Sun) 01:44 – 04:21
露出120分 (60sec * 120)
ZWO Asi585MC-Pro, Gain 200, -10℃,
Antlia Quadband Anti-Light Pollution Filter
Vixen R200SS + CORRECTOR PH (760mm F3.9)
おうし座とぎょしゃ座の付近
2026/10/11(Sun) 03:58 – 04:13
露出15分 (180sec * 5)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 15mm F2.8→F4.0 フードによるケラレあり
IC342 スパゲッティ星雲 (超新星爆発の残骸)
おうし座とぎょしゃ座 距離約3,000光年 直径約150光年
2026/10/11(Sun) 01:03 – 03:43
露出141分 (180sec * 47)
Canon EOS 60Da, ISO 2000
IDAS LPS-P2 Filter
SIGMA 150mm F2.8 開放
あとがき
今回は幽霊と呼ばれる星雲、幽霊のように淡い銀河や超新星爆発の残骸について紹介してきました。
もっともっと時間をかけて撮影しなければ、なかなかハッキリした姿をとらえることができません。
天体写真の中でも、とくに撮影には根気の要る対象ばかりでしたが、まだまだ露出不足でした。
それにしても、この季節は天気が晴れること自体が難しいですね。
今年も夏から秋にかけて、ずっと大気中の水分が多いです。昨年もそうでしたっけ。
晴れたとしても、なかなか空気が透明になりません。
8月15日に観測へ出かけた時は、真夜中でも暑くてカメラの冷却が追い付きませんでした。
そしてすごい湿気。少しでも風向きが変わるとすぐに雲ができるような感じでした。
9月は集中豪雨や台風で雨ばかりでした。
晴れないどころか、雨の降り方が異常でした。
9月8日の集中豪雨はほんとうに大変でした。恐怖を感じるほどの雨。
9月9日は名古屋市立の全学校が休校となりました。
ヒーローズ植田一本松校は安全を優先して8日と9日の2日間を休校としました。
その後も何度か台風の影響が続きました。
10月に入ってようやく暑さが和らぎはじめ、晴れ間も出てきました。
とはいえ、10月10日に観測へ出かける前は、台風28号や29号が来やしないかと焦りました。
幸い台風は日本から逸れて晴れてくれました。
そしてまた、どうやら台風30号が北上しているらしいです。
30号まで発生したのは13年ぶりらしく、今年は台風が多いです。
安全に星空を眺めることができる
安全に勉強することができる
とても幸せなことです。
進学実績
卒塾生が入学した学校の一覧です(※)。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。
※ ここで卒業生とは、進路が確定するまで在籍していた生徒のことです。進路実績とは、その中でもさらに進路調査表を提出またはそれに準じた進路報告をした生徒分の進学先です。併願校は含みません。
国公立大学
名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学
私立大学
中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学
公立高校
菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)
私立高校
愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校
(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校
天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校
※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒
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教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL
