塾長です。
2020年4月から高校の無償化が拡大します。申し込みは高校を通じて行ってくださいね。
実は1年前にも「同じテーマの記事」を書きました。そちらは古いので、こちらをご参照ください。
※ 2020/2/3 に記事を修正しました。愛知県の補助金が拡大されたのを反映しました。
主な変更差分
2020年4月からの改正ポイントをまとめると、次のようになります。
- 愛知県では、今まで授業料の補助が手薄だった世帯年収350~720万円の層も私立高校が無償化される
- 愛知県では、今まで入学金の補助が手薄だった世帯年収350~720万円の層も私立高校が無償化される
- 国が一律に支援するため、世帯年収590万円までは都道府県による支援格差が是正される
上記の条件に当てはまらないご家庭にとっては、大きな変更はありません。総じて、
年収720万円未満までなら一律に私立高校まで実質無償化!+入学金20万円まで補助
と考えればよいでしょう。
ただし月額33,000円よりも授業料が高い私立高校は、その差額分の自己負担が必要です。これは今まで通りです。
また年収720~910万円のご家庭で私立高校に通う場合は一部が自己負担になり、年収910万円以上では補助金の対象外です。これも今まで通りです。
この報道のインパクトは大きかったです。
県からの補助金拡大のニュースがあったのは2020/1/31でした。残念ながら、私立高校の願書を提出した後でした。つまり来年からは私立高校の志願者がさらに増えるでしょう。例えば少し通学に不便な公立高校などは、倍率が1倍を切って全員合格ということも出てきそうです。
さて、高校の授業料と補助金について、詳細にまとめます。1年前からの差分は赤で示しました。
高校の授業料(全日制)
ご存知、高校は義務教育ではないため、授業料を支払う必要があります。
高校の入学以降で必要になるお金は、受験料、入学金、授業料、PTA会費、施設費などの他、制服代や文房具代、教材費などがあります。
中でも大きな金額を占めるのが、入学金と授業料です。主にこの2つが補助の対象です。
もしも何も補助金が無かった場合、高校の授業料は、だいたい次の表のとおりです。
入学金 | 授業料(月) |
---|---|
5,650円 | 9,900円 |
入学金 | 授業料(月) |
---|---|
200,000円前後 | 30,000~40,000円 |
※私立高校の授業料は全国平均で年間約40万円と言われています
何が減免される?
現状、国や自治体などから受けられる主な支援は次の種類があります。
多くの人にとって公立高校および私立高校が実質無料、または減免となります。
※世帯年収によって補助金が変わり、約910万円以上は対象外です。
- 消費税の免除(高校に限らず学校全般)
・・・そもそも学校の授業料には消費税がかかりません - 国の「就学支援金」
・・・国から受けられる授業料の補助(金額は所得による) - 愛知県の「入学料補助金」
・・・愛知県から受けられる授業料の補助(金額は所得による) - 愛知県の「授業料軽減補助金」
・・・愛知県から受けられる授業料の補助(金額は所得による) - 高校独自の助成制度
・・・各高校が独自に用意した特待制度など(学校による) - 国の「高校生等奨学給付金」
・・・授業料以外も支援する給付金(生活保護・非課税の世帯のみ)
※ 国は「支援金」、県は「補助金」と呼びますが、ブログの本文中では便宜上「補助金」で統一します。
いくら減免される?
国からは授業料について支援金があります。2019年12月20日に閣議決定されました。
愛知県からは入学金と授業料について補助金の拡大がありました。2020年1月31日に発表されました。
両方を併用することができ、合計金額が実質的な補助金になります。
世帯年収 | 県の補助金 |
---|---|
350万円未満程度 | 200,000円 |
350万円~720万円未満程度 | 200,000円 |
720万円~840万円未満程度 | 100,000円 |
840万円以上程度 | 0円 |
世帯年収 | 国の支援金 | 県の補助金 | 減免の合計額 |
---|---|---|---|
270万円未満程度 | 33,000円 | 200円 | 33,200円 |
270万円~350万円未満程度 | 33,000円 | 200円 | 33,200円 |
350万円~590万円未満程度 | 33,000円 | 200円 | 33,200円 |
590万円~720万円未満程度 | 9,900円 | 23,300円 | 33,200円 |
720万円~840万円未満程度 | 9,900円 | 11,700円 | 21,600円 |
840万円~910万円未満程度 | 9,900円 | 0円 | 9,900円 |
※ 赤い表示は改訂された部分(確定部分)
※ 青い表示は予想です(まだ報道が無いので不明)
※ 黒い通常の表示は昨年度から変更がないと仮定した値
※ 世帯年収の算定方法が地方税の「所得割額」から「課税所得」に変更されました
※ 実際に高校へ支払った額が上限になります(差益が出ることはありません)
愛知県の発表はこれからか?
国が助成拡大を発表した2019年12月以降では、2020年1月31日に「年収720万円未満まで無償化」の報道がありました。しかし県議会で正式に予算が通るのはその後なので、具体的な金額の報道がまだありません。ですから愛知県からは何も正式な発表がありません。そのため2019年9月に愛知県が発表した水準から変更がないものと仮定するしかありません。
2020年2月の内に、また発表があるでしょう。少なくとも高校のホームページやパンフレットに同封されていた資料よりは多い補助機がもらえます。くれぐれも今後の報道や高校からの説明や高校から受け取る資料などをご確認くださいませ。
その上で、上表の青色のように予想しました。理由は次のとおりです。
国からの補助金の上限額は年間39万6,000円と決まりました。これを12カ月で割ると33,000円/月になります。これは愛知県が昨年まで基準にしていた33,200円/月に近い金額です。愛知県はこの基準額を引き上げるのか否か、まだ分かりませんので、現状維持を仮定しました。
ですから変更があるとしても数百円/月くらいだろうと予想しました。
また720万円~840万円未満の世帯がもっとも予想が難しいのですが、840万円~910万円未満の世帯に変化がないと仮定すれば、590万円~720万円未満の世帯との中間値くらいになるのが慣例です。
以上から、上記の青地のような推測をしました。あくまでも推測ですよ。
なお、申請用紙のフォーマットなど細かい手順も変更されるでしょうから、高校側の説明によく耳を傾けて注意してください(手続きは高校で行います)。
いつ、どうやって補助される?
ご家庭に現金が支給されたり口座に補助金が振り込まれるわけではありません。
あくまで高校に支払う時に減免される仕組みです。
そして実は、入学時から減免されるわけではありません。
少し遅れてから補助されます。
特に入学前は、入学金と授業料をいったん支払う必要があります。
手続きの流れ
助成金も補助金も申請しなければ得られません。
高校の入学手続き(4月)のときに、申請書に課税証明書(所得証明書)などを添えて高校へ提出します。
課税証明書は区役所や市役所で発行してもらいます。
この申請書を提出した後で減免される金額が決定されます。
いったん支払って、後から清算
入学した4月の時点では、まだ減免額が決定されていません。
そのため、いったん入学金や授業料を支払っておかなくてはなりません。
そして次に支払う時に、納めすぎた分が相殺された形で学校から請求されます(学校によっては請求が0円か、または過剰分が返還されます)。
あとがき
高校の授業料を減免する制度は、民主党政権時代に国会で「高校無償化」が議論され2010年度から始まりました。年収制限はあるものの、ほとんどの人にとって公立高校であれば授業料は無償になりました。私立高校も半額くらい減免されることになりましたが、その時はまだ無償にまで手が届いていませんでした。
それから私立高校の無償化まで支援枠を広げるよう訴える運動が続きました。自民党と公明党の連立政権に変わっても国会で議論が続きました。教育の機会に格差があってはならないという議論です。公立高校と私立高校の授業料の格差を、公的にどのように埋められるのか。しばらくは地方自治体の裁量で埋めることになりました。その結果、都道府県による格差が指摘されるようになりました。
愛知県は私学協会やNPOアスクネットを通じた市民活動などが盛んなこともあり、早くから独自に助成拡大に取り組み、他県よりも一足先に、私立高校無償化を実現しつつありました。
2016年12月、国が進める「人生100年時代構想会議」の中間報告で「私立高校の実質無償化」が盛り込まれました。
2019年1月の国会の施政方針演説で、また2019年12月13日の内外情勢調査会全国懇談会で、安倍首相は「来年4月から、公立高校だけでなく、私立高校も実質無償化を実現します」と明言しました。
2019年12月20日に令和2年度政府予算案が閣議決定され、同日中に萩生田光一文部科学大臣が記者会見を行い、今回の私立高校無償化を正式に発表しました。
2020年1月31日に愛知県の無償化が年収720万円程度まで拡大されるニュースがありました(中日新聞)
高校までの学習をしっかり行えば、多くの職場でスタートラインには立てます。
何かの専門性を高めるにしても、専門書を読んだり調べたりすることはできるでしょう。
スタートラインに立つまでの教育を無償化することには大賛成です。税の使い方は難しいですが、教育は守ってほしいですね
そして次に問題になるのは、生きがいや目的意識を持って、本人が一生懸命にやれるかどうか。
今後は「モチベーション格差」の時代がやってきます。
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