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相対性理論

【自宅学習ネタ】なぜ星がロマンなのか?星のヒミツを解説!

どうして星が見えるの?

塾長です。

みんなに週末の読みものを提供します。お家でやることがなくなってきたキミ。暇つぶしにどうぞ。

というのは建前で、新型コロナウィルスのことばっかり書いて、もう、ストレス。今日は好きなこと書くぞー!

ということで、星のロマンについて語ります。

星を見ると何が不思議なのか?

夜空に見える星たち。

昔の人は考えました。

あれって、いったい何?

ある人は言いました。

ものすごく高いところに天井があって、そこで神様が火を焚いているのだろう。

シルクロードで世界中を旅する人が言いました。

世界のどこからでも、夜空の星々は、同じように見える。

よく考えたら、とても不思議なことだ。

旅をすれば地上の景色は必ず変わる。はるか遠くに見える山脈でさえ、3日も歩けば向きも大きさも変わって見える。

こうして、我々が旅をする時、近くの景色より遠くの景色の方が、ゆっくり変わることを知っている。

ところが星は違う。私たちがどんなに遠くへ移動しても、どこまでも同じ姿で追いかけてくる。

いったい星はどれだけ遠くにあるのだろうか?

そこで、どれくらい高い場所にあるのか、距離を測ることにしました。

三角形で距離を測る!

距離を測るには、三角形の性質を利用しました。

ある1つの星を決めて、それを何Kmも離れた2つの場所(A地点とB地点)から同時に観測します。

星、A地点、B地点の3つを直線で結んだら、それは巨大な三角形になりますよね。

そこで、つぎの3つを精密に測定すれば、三角形の縮図が描けるはずです。

  • A-B間の距離
  • A地点から見た星の方向
  • B地点から見た星の方向

この観測結果を利用して、例えば、縮尺1万分の1の三角形の縮図を描きます。縮図の上で、底辺ABと星との距離を測ります。それを1万倍すれば、星までの実際の距離が計算できるというわけです。

例えば上の観測から、AB間が10Kmで、A地点から見た星の方向とB地点から見た星の方向が合わせて1度ズレていたとします。その場合は、星までの距離が約1146Kmになります。

遠すぎて計れない!

ところが、観測の結果は意外でした。

A地点から見た星の方向と、B地点から見た星の方向が、全く同じになってしまったのです。

方向が全く同じということは、平行線だということです。これでは、星、A地点、B地点の3つを結んでも三角形になりません。三角形が描けなければ距離が分かりません。

そもそも、普通はそんなことは起こりません。いったい、これはどういうことでしょうか?

平行線になる理由はただ1つです。

星までの距離が「無限の彼方」だということです。

上の例で10Km離れた2地点で星の角度が1度ズレていたら距離が1146Kmです。観測精度が2倍で0.5度のズレなら2292Kmくらいです。その観測できる距離の限界の最低10倍だと仮定しても星までの距離は数万Km以上です。もっと遠いかもしれません。当時の観測精度がどれくらいだったかは知りませんが、とにかく遠い彼方にあることになります。

少なくとも当時の観測精度では、とうてい測る事ができないくらい遠い!

という結論になりました。

どんだけ眩しいの?

すると、次の疑問が生まれました。

「そんなに遠くにあるのなら、たいまつの光なんて、弱すぎて届かないんじゃね?」

そこで当時の科学力を駆使して、

  • めっちゃ大規模に燃やす!
  • 火薬を爆発させる!

などの試行錯誤を行い、とにかくめっちゃ明るい光源を用意して、その明るさを計りました。

そして、その明るさを地球から計測できないくらい遠くに置いた時を想定して、地球から見える明るさを計算してみました。

その結果、

「暗すぎて全く見えない。話にならない。」

という結論になりました。

人類が作り出せる最高に明るい光でも、計測できないほど遠くに持っていけば、あっという間に見えなくなってしまうのです。

少なくとも当時の人類が作り出せる、あらゆる光よりも桁違いに明るい!

それが星の本当の明るさだ、という結論になってしまいました。

そのパワーはどこから湧いてくるの?

星が放っている光は、決して小さな点などではありませんでした。

当時の人類では全く理解できないレベルの明るさでだったのです。

つまり点にしか見えない星たちは、実は莫大なエネルギーを放っていたのです。

「そんだけのエネルギーを出し続けられる仕組みって、そもそも何なのよ?」

という疑問もわいてきてしまいました。

人類は何世代にもわたって星を観測してきた記録があります。少なくとも千年以上です。

それ以上に長い間、ずっと莫大なエネルギーを放ち続ける仕組みとは、いったい何なのでしょうか。

もちろん、そんな仕組みなんて人間には想像すらできませんでした。

観測するたびに人間の想像を超えてくる存在だった!

星を観測したら、観測しただけの疑問が新しく生まれてしまいました。すっかり観測結果はめちゃくちゃでした。

星の不思議まとめ

  • 観測できないくらい遠くにある
  • 人類の科学力では用意できないほど眩しい明るさを放つ
  • 無尽蔵のエネルギー源を持つ

昔の人は、これをロマンと呼ぶしかなかったでしょうね。

人間の想像力を超えた存在。

しかも、それが無数に夜空を埋め尽くしているのですから。

人類が総出でスーパーサイヤ人を1人やっつけたと思ったら、実は100万人いた、みたいな話です。

そこで太陽

莫大なエネルギーを出し続けている存在と言えば、すぐに太陽が思い浮かびますね。

太陽は、月と同じくらいの大きさで見えます。点なんかじゃありません。

「だから、きっと近くにあるのだろう。」

そう考えて、今度は太陽までの距離を測る事にしました。

ところが、大きく見える太陽までの距離も、実はめっちゃ遠かったのです。

その距離、なんと1億5千万キロメートル!

マッハ1の飛行機で行くとしても太陽まで17年以上かかります。

そんなに遠くからでも地球全体を温めるてしまうほどのエネルギー。

それを1日も欠かさずに放ち続けているのが太陽です。

もちろん、そんなエネルギーは人類の科学力ではつくりだせません。

さて、めちゃくちゃ遠くにある太陽だけど、それをもっともっと、計測できないくらい遠くまで飛ばしたら、きっと星のように見えるに違いありません。

「星は太陽の仲間なのだろう。」

ここまできて、やっと星と太陽が結びつきました。

アインシュタインの登場で分かった!

今から100年以上前。

アインシュタインという大天才が特殊相対性理論という物理の理論を考え出しました。

その中で、質量はエネルギーのかたまりであることが解明されました。

あの有名な $$ E=mc^2 $$ という公式です。

ほんの少しの質量からでも、莫大なエネルギーが得られることが分かったのです。

その後、別の物理学者たちが加速器を使って核融合を発見しました。原子と原子を激しく衝突させると2つがくっついて新しい原子が生まれます。それが核融合です。

そして核融合では、物質の質量の一部がエネルギーに変化します。つまり核融合で発生するエネルギーは莫大な量になります。

ところで原子と原子が激しく衝突して核融合を起こすためには、超高温で超高圧な環境が必要です。

太陽の中心は正にその状態です。

太陽は核融合反応によって、あの莫大なエネルギーを放出していたのでした。

だから、夜空に見える星々も核融合反応で輝いていたのです。

三角形でどこまで距離を測れるの?

地球と太陽の距離は1億5千万キロメートルでした。つまり地球は太陽を中心とした直径3億キロメートルの円周上を動いているわけです。

この直径3億キロメートルの両端を地点Aと地点Bにすれば、かなり遠くまでの距離を測れそうです。つまり1つの星を半年おきに観測するだけで、3億キロ離れた場所から観測することになるわけです。

  • A-B間の距離: 3億キロメートル
  • A地点: 〇月〇日に見た星の方向
  • B地点: 〇月〇日の半年後に見た星の方向

こうして同じ星を半年後に観測すると、その方向がわずかに変化します。この変化のことを年周視差と呼びます。

こうして底辺3億キロメートルの巨大な三角形を描いて測定します。しかも現代の技術で作られた機械の観測精度は超精密です。

現代の最先端の技術なら、1万光年くらいの距離までは測れるそうです。

逆に1万光年を超えると年周視差が小さくなり過ぎて0と区別ができなくなります。つまり平行線になって三角形が作れなくなってしまい、距離の計測ができなくなります。

ちなみに1光年は約10兆キロメートルです。

夜空を見上げた時に、ぱっと見える明るい星たちは、ほとんどが1000光年以内の距離にあります。

こうして多くの星までの距離が測れるようになり、核融合のエネルギーも計算できるようになりました。

計算すると、太陽を数光年の遠くに置いたとしても、その光が星のように見えることが分かりました。ただし100光年とか遠くに置くと、太陽でも目では見えないほど暗くなってしまいます。

ここまできて、やっと「星は太陽と同じ」ということがハッキリしました。

人類の科学は星を見た時から始まった!

このように考えてくると

「星って何?」

と考え始めた時から、人類の科学がスタートしたと言っても良いでしょう。

大昔の人は、季節によって星の見える位置が変わることを発見しました。

そこからカレンダーをつくり、自然界の周期性を知り、農作業に活かしました。

太陽の動きを精密に調べて、時計をつくり、時間を正確に測れるようになりました。

一部の種族は、地球と太陽と月の位置関係のヒミツに気が付きました。

そして日食や月食の予言をしては人々を驚かせ、彼らは預言者と呼ばれ、神のように畏れられました。

こうして権力を握り、地域の時間を支配し、国の生産性を支配し、時には周辺の国々までを支配しました。

星の動きを知ることが国家事業になりました。

神官は科学者となり、観測精度はどんどん高まっていきました。

正にロマンですな!

 


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ブラックホールの目!? 人類が初めて撮影に成功!!

ブラックホールのイラスト

こんにちは、塾長の松下です。

すごいニュースがありましたね。見ました?聞きました?・・・人類の科学力がとうとうここまで来たんですね。

ブラックホールの撮影に人類が初めて成功したんです!

これが国立天文台が発表した動画です。観測の簡単なまとめは28:40~29:35です。

ということで、今日は塾長の趣味で時事解説です。

ブラックホールとは?

ブラックホールは、何でも吸い込んでしまう恐ろしい「星」です。本当にこの宇宙に存在します。光すら吸い込んでしまうので姿形は全く見えません。周囲のものを何でも吸い込んでしまうため、そこだけまっ黒に空いた穴の様に見えることからブラックホールと言われています。

ブラックホールは星が超ぎゅうぎゅう詰めに押しつぶされて、超超超高密度になると誕生します。太陽の30倍くらい重い星が、直径50Kmくらいに押し固められるとブラックホールになるそうです。

もしも地球全体をスポンジのようにギュギューっと押し固めて、直径1cm未満の箱に押し込めることができれば、地球もブラックホールになるそうです・・・いやいや、道端にある石像ですら押しつぶして直径1cmに圧縮させることが想像できません。いったい何をどうしたら地球全体を1cm未満まで押しつぶせるのかって話です。

ところが宇宙には「超新星爆発」とか「重力崩壊」とかいう現象があって、星が超超超押しつぶされてしまうことが実際に起こるそうです。その結果ブラックホールが生まれます。

今から約100年前、アインシュタインという天才物理学者が「一般相対性理論」という理論を発表しました。その翌年、シュバルツシルトという別の物理学者がこの理論の方程式を使ってブラックホールの存在を予言しました。

更に、ブラックホール同士が合体して、より大きなブラックホールに成長することもあります。銀河の中心には、何度も合体を繰り返してできた超ド級にでっかいブラックホールがあるそうです。
実は今回のニュースで撮影されたというブラックホールは、その超大きなブラックホールのことでした。

ブラックホールはどこにある?

約100年前に方程式の計算から予言されたブラックホールでしたが、その後の観測で単なる空想上のものではなく、この宇宙に実在するらしいことが分かってきました。

約60年前の1960年台になると人工衛星の観測がさかんになり、はくちょう座の6000光年の彼方で、強力なX線を出している星が発見されました。X線は放射能の一種で、とても高エネルギーです。太陽からも出ていますが、6000光年先まで明るく届くほどの量は出ていません。普通の星からここまで強力なX線が出ることはありえません。何か特殊な仕組みが必要です。はくちょう座にあるこの天体は青い星ですが、だ円形にひしゃげていて、見えない星の周りを回っていることが分かりました。それでこの星の隣にはブラックホールがあるに違いないと言われるようになりました。星がブラックホールに吸い込まれているためにX線が出ているのだろうと説明されました。

1987年に地球から約2万光年離れた隣の銀河「大マゼラン星雲」で超新星爆発が起こりました。この時に放出されたニュートリノという物質を日本の岐阜県にある観測装置「カミオカンデ」が観測し、東大の小柴教授がノーベル物理学賞を受賞しました。この超新星爆発でブラックホールができたかもしれないと言われています。

2016年にはアメリカの研究チームが「重力波」の観測に人類で初めて成功しました。重力波もアインシュタインの相対性理論から予言されたものです。この観測で、約13億光年の彼方で太陽の29倍と36倍の質量を持つ2つのブラックホールが合体して1つのブラックホールが作られたことが分かりました。

このようにブラックホールを間接的に観測することにいくつも成功してきましたが、まだ誰もその姿を直接見たことがありません。とても小さくて遠くにあるため、世界最大の望遠鏡でも撮影できませんでした。いつしかブラックホールの姿を直接見ることが科学者の夢の1つになりました。

そして、2019年4月10日、日本の国立天文台が世界各国と協力して、ブラックホールの姿を人類で初めて撮影することに成功したと発表しました。

撮影されたブラックホールの住所は「おとめ座にあるM87銀河の中心」です。普通のブラックホールではなく、銀河の中心にある超大きなブラックホールです。

おとめ座といえば、春の夜空に見える星座です。1等星のスピカが目印です。おとめ座を形作る目に見える星々は、すべて私たちの銀河の中にある「星」たちです。距離はせいぜい1000光年か、それより近いところにあります。
一方、M87は地球から約6000万光年も離れた「銀河」です。私たちの天の川銀河より一回り大きな銀河ですが、その姿は望遠鏡でしか見えない上に、普通の星と比べて数10万倍くらい遠くにあります。

今から100年前、アインシュタインが相対性理論を発表して間もなく、アメリカのカーチスという天文学者が、この銀河の中心からジェットが噴き出していることを発見しました。そのジェットの長さは7000光年とも8000光年とも言われています。
2000年にはハッブル宇宙望遠鏡が、その姿を撮影して有名になりました。

「ハッブル、M87銀河の中心から遷光速で吹き出すジェットを観測」(アストロアーツ)

それだけ大きなジェットを吹き出すからには、M87の中心には巨大なブラックホールが存在していて、どんどん周囲の物質を吸い込んでいるに違いないと言われるようになりました。「宇宙ジェット」と言えばM87のジェットのことを指します。それくらい有名なジェットです。

特にここ数十年の間、日本の研究チームがM87の観測を継続的に行って来たそうです。

普通の望遠鏡では見えないブラックホールの姿を、どのようにして撮影できたのかは、どうぞ動画をご覧ください。研究者が誇らしげに成果を発表する姿も印象的です。

本当に素晴らしい成果だと思います。

M87の宇宙ジェットの撮影を試みるアマチュア天文家たち

今回ブラックホールが撮影されたM87のあるおとめ座は、他にもたくさんの銀河を観測することができます。春の星座である「おとめ座」から「しし座」にかけては、銀河系の外にある、何千万光年、何億光年先の銀河を観測しやすい領域です。

プロの研究者に限らず、世界中のアマチュア天文家たちもまた、その領域の銀河たちを自分の望遠鏡で撮影して楽しんでします。特に鎖のようにたくさんの銀河が並んで見える「マルカリアンチェーン」という領域が有名です。そして今回のM78銀河は、そのマルカリアンチェーンのすぐ横にあります。M87銀河は星好きな人の間では、もともと有名な銀河なのです。

M78銀河の宇宙ジェットを目で見るには大きな望遠鏡が必要です。しかし写真ならば、アマチュア天文家の持つ規模の望遠鏡でも撮影が可能です。宇宙ジェットの姿を自分の望遠鏡と写真テクニックでどこまで映し出せるか。それが1つのチャレンジになっています。はるか遠くの銀河にあるブラックホールの存在の証を自分の望遠鏡でも撮影できるのですから、とてもロマンがあります。

そもそも銀河とは

銀河とは、数千億個の星の大集団です。その姿はさまざまで、渦巻き状、棒状、楕円状などがあります。私たちの太陽も天の川という銀河の中の星の1つです。宇宙にはそうした銀河と呼ばれる星の大集団が、無数にあります。

1つの銀河の中に、太陽のような星が数千億個あります。1つの銀河の大きさは数万光年以上あります。
銀河と銀河の間は、数万~数百万光年くらい離れています。
そしてこの宇宙には銀河が数千億個あると言われています。

例えば、私たちの天の川の近所の銀河に、アンドロメダ銀河があります。そこまでの距離は約200万光年です。ですから一般に銀河を観測するとなると、めちゃくちゃ遠い天体を観測することになります。

そしてほとんどの銀河の中心には、巨大がブラックホールが潜んでいると言われています。もちろん私たちの天の川銀河の中心にもあります。幸い、天の川銀河の中心は地球から2万5千光年も離れているので、太陽や地球がそれに吸い込まれる心配はありません。

おわりに

ブラックホールなんて実生活には無関係でしょう。
しかし人類が積み重ねてきた理論が、非現実的ともいえるブラックホールの存在を予言し、それがまさか実在していること自体が凄いことだと思いませんか?
目で見えていることや手で触れていることだけが現実ではないということですね。
この世界にはまだまだ神秘が隠されているのかもしれません。

 


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