今回は、テスト対策の勉強法についてまとめました。
5月中旬から下旬にかけて1学期中間テストがあります。
ヒーローズ植田一本松校と赤池校では、すでにテスト対策プリントを配っています。
さて、今年は例年より1週間ほど早く、ほとんどの中学・高校が5月中にテストを終えます。
ということは、少しですが、
- 中間テストの出題範囲が狭くなる
- 期末テストの出題範囲が広くなる
という事になります。
ちなみに、出題範囲が狭いと、難問・奇問が出題されやすくなりますよ。
ほとんどの生徒にとって「難問・奇問の捨て方」も大切です。
なぜ捨てるべきかは、後で説明します。
ただし、それはテスト当日でのお話し。
今から2~3週間の準備期間でやるべきことは他にあります。
Contents
教材の使い方
やることが多すぎて焦るのがテスト期間です。
何を勉強したら良いか、混乱しますよね。
そこで、テスト勉強の考え方とやり方を見ていきましょう。
忘れがちな原理原則
最初に、原理原則をおさらいします。
学校のテストは学校の先生がつくる!
あたりまえに思われるかもしれませんが、意外にも、これを忘れている人がものすごく多いのです。
たとえば、テスト直前になると、
「絶対に出る! ○○のまとめ」
みたいな参考書を新しく買ってきて、それをやりだす人が出てきます。
中にはテストのたびに参考書が変わる人もいます。
そんなの意味がありません。
学校の先生が問題を作るのですから、学校のノートや教科書、今まで出されたプリントや宿題を見直した方が良いに決まっています。
学校に関係ない人が書いた本なんて、効率が悪いに決まっています。
これを踏まえた上で、次に進みましょう。
教材の優先順位
- 学校の教材(教科書、ノート、プリント類、ワーク類)
- 塾の教材(テキスト、チェックテスト)
- 塾の対策プリント(今週くばったもの)
実際には、1と2は並行で進めることになるでしょう。
この時期、多くの生徒は塾で予習が済んでいます。
ちゃんと真面目にやっていれば、すぐに1も進められるでしょう。
1と2は、できない問題やカンニングして解いてしまった問題に×を付けます。
そして2回目は × のついた問題をやります。
同様にして、できない問題が無くなるまで繰り返しましょう。
それが済んでから、3に進みましょう。
なお教科によっては1や2を持っていないこともあるでしょう。
その場合は3について、同様にやりましょう。
できればノートに、無理ならコピーを
できれば1周目はノートにやってほしいものです。
書き込んでしまうと、1回しかできないからです。
1回目でマスターできたら天才です。
そういう生徒は100人に1人しかいません。
安心してください、あなたは違います。もちろん私もです。
ただし、学校に提出の義務がある場合は、書き込むしかありません。
その場合は、塾のコピー機を使うなどして、事前にコピーを取っておいてください。
または、答えだけを上手に隠しながら2回目をやるなど、工夫しましょう。
そして発見したことや気づいたことを、どんどん書き込んでください。
学校の先生が見れば、どれくらい真剣にやったのか、それを見れば分かります。
当然、内申への加算があるかもしれません(見ない先生もいます)。
やってはいけないこと
次のはダメな例です。
この一連の作業の結果をただ提出するだけだと、減点されます。
- 問題を解き、分からなかければ飛ばす。
- 野生のカンも使ってできるだけ埋める。
- 赤ペンで〇付けをして、間違ったら正解を赤で上書きする。
あれ、けっこう皆さん、やっちゃってますか?
私が学校の先生なら、内申マイナスです。
(そこまで見ない先生もいます)
何がダメなんでしょう?
これ「ただやりました」なんです。
「勉強」ではなくて、ただの「作業」。
時間の無駄でしたね、みたいに見えてしまうんです。
やり方を次のように修正してください。
学校の課題はこうに取り組め!
- まず基本を見直す(教科書、ノート、塾テキストの要点ページなど)
- 上記の資料を閉じて、何も見ずに問題を解き、分からなければ飛ばす
- 赤で採点し、間違った問題、飛ばした問題の番号に印をつける
- 解き直し、間違いの原因が分かったら、それを問題または解答欄の近くに書き込む
- 印をつけた問題を解き直す
- 青など色を変えて採点し、間違ったら問題の番号に違う印をつける
- できるようになるまで、解き直しを繰り返す
提出する頃には、自分の弱点分析と対策をやった軌跡が、びっしりと書き込まれた1冊になっているはずです。
努力を認めてあげたくなり、内申を上げる価値があります。
なにより、本人ができるようになっています。
なぜ難問・奇問を捨てるのか?
冒頭で、テストの難問・奇問は捨てた方が良いと書きました。
自分の実力通りに点数を取るために、難問・奇問を捨てることが必要です。
理由は大きく2つあります。
1.出題量的に、捨てろ!
定期テストは、模試に比べて、問題量が多すぎるという特徴があります。
模試とはちがい、定期テストでは、最近の1か月で授業中に扱った内容の類題を出します。
よく勉強している生徒にとっては、やり慣れた問題ばかりになりがちです。
すると差がつかないため、制限時間内では解き切れない問題量にしてくるのです。
そういう種類のテストですから、
ほとんどの問題は、1問あたり30秒~2分以内で解く必要があります。
これに対して難問・奇問は、たまたま思いついてスラスラ解けたとしても3分、思いつくのに時間がかかれば10分以上を要します。
1問にそれだけ時間をかけてしまったら、できたはずの他の問題が、間違いなく犠牲になります。
これでは自分の実力すら出せません。
時間配分的に無理なんです。
2.難易度的に、捨てろ!
難問・奇問の難易度は、具体的にどれくらいなのでしょうか。
たとえば数学では、中学3年生なのに高校数学の二項定理を出題した例があります。
中学3年生は、2次式までの展開を学びます。
それを5次式までやらせて、学年上位しかついていけない状態です。
いえ、冗談ではなくて、本当にあった怖い話し、です。
残念ながら、そういう難易度になってしまうと、
たとえ事前にプリントが配られていたとしても、
IQ120未満の生徒(全体の約90%)はテスト期間内にマスターできません。
仮に、他の教科を捨てて、それだけやれば、できるようになるでしょう。
しかし、定期テストは5教科+副教科です。
さらに、内申点は9教科の合計です。
普段は部活と両立させながら1日1~2教科の勉強を少しずつ進め、1週間前に6~7教科の全体を見直さなければなりません。
多くの生徒にとって、部活がない1週間は、弱点の見直しだけで手いっぱいです。
このような「急」を迫られるテストでは、難易度が上がるほど、生まれつきの能力に、それだけ大きく左右されます。
悲しいことに、興味関心や努力とは、あまり関係がありません。
定期テストは実力テストとは違うのです。
長い時間をかけて積み上げてきた能力のテストではなく、
短期間でマスターできた能力を評価するテストなのです。
そして短期間で難易度の高いものをマスターできるかどうかは、才能に依存します。
難問・奇問を捨てるのは、他に解くべき問題を犠牲にしないためです。
自分の実力通りの点数を取りたいなら、他の問題に時間を使うべきでしょう。
「あ、この問題、やっとけば解けたのに。」
という悔しい思いをしないようにするためです。
なぜ難問・奇問が出されるのか?
ここで見てきたように、90%の生徒にとって、ほとんど出題の意味すらないのが難問・奇問です。
それでも必ず、こういう問題は出されます。
公教育の存在価値は、全体の底上げです。
日本の教育水準を保つ責任が、学校の先生にはあります。
それだけ考えると、まるで上位10%の生徒を優遇するような出題は、違うように思われます。
それより90%を見る方が先だ、と思えてきます。
だた、そこが教育の難しいところです。
だからと言って、才能のある生徒が前に進むのを邪魔してはいけないんです。
すごい生徒はすごい、それで良いと思います。
ただし、ここからは私個人の意見になりますが、
方法として、定期テストで難問・奇問を出題するのは、やっぱり違和感があります。
才能があって高校の内容まで進んでいるような生徒がいたなら、
その内容を別の機会で発表させたり提出させるなどして、
個別に加点すればよいだけと思うからです。
学校の現場では、いろいろと難しいことがあるのでしょう。
学問の広がりを多くの生徒に知ってもらいたい先生の熱い想いもあると思います。
難しい問題だとは思います。
少なくとも、多くの生徒が難問・奇問を潔く捨てなければならない事実は、ちゃんと認めてあげて欲しいものです。