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科学者になりたい君へ 浪人してでも成りたいですか?

大学の卒業式の写真です

私は職業柄、毎年たくさんの相談を受けます。

  • 夢で大学に進学すべきか、就職を考えて進学すべきか
  • 大学院に進むべきか、内定を取れたから就職すべきか

その中から今日は大学進学の1例について書きます。
私がここで書いたことは、過去、生徒に実際に話した内容です。
ほとんど実話です。

大学院については、また別の機会に書きます。

少子化で大学入試は簡単になったか?

まず、全体的に見れば大学受験は簡単になってきています。
つまり、少子化や大学の増加で、定員割れするところが出ていますから、
(選ばなければ)必ずどこかの大学に入れる時代になりました。

一方で難関大学の受験は相変わらず狭き門のままです。
あるいは、あなたが何を目指すかで門の広さが変わります。

科学者を目指すなら、相変わらず狭き門

例えば、日本人が受賞してきたノーベル賞は、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞が多いです。
もしも、これらの分野で「科学者」になりたいと思ったら、どういうでしょうか。

旧帝国大学(東大、京大、北大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大)+ 東工大
国立大学の医学部

おそらく十中八九は、こうした難関大学を目指すことになるでしょう。
ヒーローズ植田一本松校や赤池校に通う生徒なら、名古屋大学かそれ以上を目指す、ということになります。

スタート地点の偏差値なんて、ぶっちゃけ何点でも良いです。
それよりも大切なことを質問します。

浪人してでも、あなたはそこへ行きたいですか?

なぜ理系の国公立大が難関なのか

最先端の研究には、実験装置に莫大な予算が必要です。
医学部は総合病院並みの施設を学生の実験や実習で使います。

私立大学では、こうした施設を開発、維持するのが至極困難です。
実際、私立大学の医学部に入学すると、初年度だけで1200万円くらいかかります。
高収入が見込める医者の卵だからこそ設定可能な学費で、他の学部では無理な設定です。

ましてや物理学や天文学に至っては、大掛かりな実験施設が必要な割には、すぐに産業に貢献できません。
企業と共同研究して予算を取って来ることができないので、国家予算が頼りです。

従って、国家予算が使える国立大学が、どうしても施設面で有利になります。
さらに私立大学に比べれば、国公立大学の定員は少ないです。

よって医学部や理工系では、国公立大学が狭き門となります。

逆に実験装置の不要な文系では、私立大学の多くも名門に名を連ねます。
というより、文系は教授のご活躍次第です。

理系でも、例えばデータサイエンスの分野なら実験装置が不要です。
同時に、産業にいち早く貢献できる分野なので産学官連携のプロジェクトが多く、就職にも有利です。
そういう分野なら、私立大学の理系でも良い環境があります。

どうしても科学者になりたいですか?

ノーベル賞に関係する分野で学んでも、就職に有利とは限りません。

例えば重力波の研究にお金を出してくれる企業や銀行なんて1つもありません。
研究が根本過ぎて、商品化までの道のりが長すぎるからです。

ということは、研究を続けるなら大学で研究者になるしか道がありません。
卒業して就職した場合、大学で研究したことを直接活用できる確率は極めて低くなります。

大学受験が厳しくて、社会に出てもつぶしが利かない。

それでも、興味が沸いて仕方がない、研究したい!

そんな夢や衝動がありますか?

「大学でしかできない事」を大切に

本当に科学者に成れるのか、卒業して就職するのか。
それは進学した先でチャレンジしてみなければ分かりません。

ただ、せっかく大学に行くなら「大学でしかできない事」をやるべきだと私は思います。

知識を得るだけなら大学でなくても学べます。
資格を取るだけなら専門学校や通信教育でも良いでしょう。

大学が高校や専門学校、通信教育と決定的に違うのは「研究をする」という点です。
人生の多感な時に、何かの研究に没頭する経験ができることです。

たとえ社会に出てから使われない研究内容だとしても、研究の仕方は必ず仕事の役に立ちます。
卒論を適当に書いてきた人と、本気で取り組んできた人の実力の差は、すぐに分かります。

だから今の時点で、

本当に科学者になりたい!

と思えるかどうか。それが大切なのです。

ですから、

「今はどうしても成りたい!」

と思うのなら、私は浪人してでも受験に挑戦すべきだと思います。
例えば、偏差値40の高校生が、

今から名古屋大学に行って科学者を目指したい!

と言うなら止めません。その代わり、

「今年は99%ダメかもしれないが、やれるだけやって、散ってこい。
来年に努力をつなげることが大切だ。」

と応援します。

頭をよぎる「才能」という問題

と同時に、必ず生徒から出てくる言葉がこれです。

「そもそも浪人している時点で、自分には才能がないのではないでしょうか?」

そういう生徒には逆に質問します。

「自分の才能を見極められるだけの努力を、今までにして来ましたか?」

たいていの生徒は、努力というスタート地点にすら立っていません。
あるいは合格者の努力を知らずに、自分は努力してきた方だと勘違いしています。

そんな生徒には、私のヘッポコだった受験経験を話してあげると、
努力の量を知ってもらうと同時に、自信を持ってもらえるようです。

「僕は名古屋大学に行きたいと思ったのは高校3年生のとき。
それで夏の名大オープン模試を受けたら、全国で下から2番目だった。
ちなみに数学の偏差値は24だった。
そんな僕でも最後には名古屋大学の数学科に進学したよ。
浪人中は毎日13時間勉強したけどね。」

それでも、本当に努力だけでは追いつけない才能というのは、確かに存在します。
大学へ行けば文字通りの天才がいます。

しかし努力して大学に行ってみなければ、自分の才能すら分からないのです。
自分に才能があるのか無いのかなんて、後で自動的に分かることです。

先に考えても何も答えは出てきません。

天才を支えるために多くの努力家が活躍している

例えば、理論物理学を目指すなら、確かに天才級の頭脳が必要です。
アインシュタインの相対性理論や、ホーキングの宇宙論、最近では超ひも理論など、
天才たちが提唱してきた世界だからこそ、難しいからこそ、憧れる分野です。

しかし理論物理学から提唱されたものは、必ず実験で証明する必要があります。
実際に、実験でノーベル賞を取ってきた科学者も大勢います。
実験の新しい手法が、まったく別分野で産業界の役に立つことだってあります。

そして実験で活躍する物理学者の方が、理論物理学者よりも、はるかに人数が多いです。
さらに、実験の物理学者に必要な最大の素養は「努力家」であることだそうです。

もちろん普通に就職するのに比べたら、実験系の物理学者でさえも狭き門です。
しかし人よりも努力を続けられるなら、その道も開けるでしょう。

だから、話しが最初にもどるのです。
その努力を続けられるために、今いちばん大切なこと。

あなたは浪人してでも科学者になりたいですか?

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