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// 条件1に該当しない場合の処理

浪人

「やる気」を出すのに消耗している人へ

塾長です。

「今日、なんか、やる気が出ないんです。」

というテンプレ発言を口にしては、ダラダラしてしまう。
そんな生徒とお話ししました。

「やる気」って何!?

どうやったら「やる気」が出るのか・・・?

これを気にしている人には、たいへん申し訳ないのですが、結論から申します。

「やる気」なんてものは、存在しません!
気にするだけ時間のムダです!

というか、それを気にしている人が何かをやり遂げたという話を、私は聞いたことがありません。
存在しないものに、ひたすら時間や精神力を使ってしまうハメになります。
そりゃ、成績も偏差値も上がらないのは当然です。

例えば、何かのスポーツの試合にチームが負けたとします。
その理由を問われたときに、もしも監督が「やる気が不足していたからです」と答えたらどうでしょう?

例えば、仕事で期待する成果が出なかったとします。
その理由について上司が「君のやる気が無いからだ」と答えたらどうでしょう?

そんな無策で無能な監督や上司がいるところは、そもそもダメですよね。
正常な組織であれば「やる気がなかった」なんて分析は1つも出て来ません。

そういうのが出てくる所は、要するにブラックな部活や職場ということです。
「やる気」を重んじていると、ブラックな環境を引き寄せてしまいますよ。

「やる気」が無いから勉強しないのではなく、「やる気」なんてフワフワしたものを気にしているから勉強しないんですよ。

ウソばっかり言う悪い大人に要注意

やる気は最初から存在しません。

ちゃんと、このような現実を教えてくれる大人が、あなたの周りにいますか?

やる気がどうのなんて、ウソばっかり吹き込まれていませんか?

人間の脳は全身の神経とつながっていて、あらゆる刺激を処理しています。
体からの刺激の状態に連動して、無自覚に気持ちが「浮き沈み」してしまいます。
仮に「やる気」の正体があるとすれば、そのような気持の「浮き沈み」程度のものでしょう。

それは、大きな音がすれば、そっちを見てしまったり、
昆虫が光に向かって飛んでしまうような、
瞬間瞬間の反射運動みたいなものです。

単に、生身の体とはそういうものです。
日々の心の浮き沈みに、いちいち特別な意味を持たせても仕方がありません。

むしろ、生身の体とはそういうものだと受け入れて

「そんな体をどのように使いこなすべきか」

を考えて行動することに集中すべきでしょう。

ところが「やる気」という名前を付けてしまうと、あたかも特別な意味があるかのように錯覚します。
それがウソの始まりです。

体のコンディションは、生活のリズムや食事のとり方などを調整して、物理的に管理しましょう。
勉強に持ち込むような話ではありません。
ましてや勉強法の話でもなんでもありません。

自分の内面をいくら掘り返しても、新しい知識が得られることは無いですよ。
ゲームやアニメの世界では、やる気が出るとスキルや魔法が発揮されて何やら解決するストーリー展開もありますが、現実世界では違います。
気分が高揚しても、それは気分が上がるだけで、成績は上がりません。

騙されないでくださいね。

やる気は後悔のもと

日々の勉強を「やる気がある」「やる気がない」で決めてしまうと、後になって

「あー、もっと勉強しておけばよかった」

と後悔する羽目になります。

塾長は大学受験で2浪しました。
浪人というのは、同級生や世間の時間の流れから弾かれた状態で、まるで社会から孤立したような気分になります。

1年浪人しても合格できず、2浪目が決まったときは本当に落胆しました。
そして1浪目の勉強について、後悔をたくさんしたのです。

もっと努力できたはずだ・・・

そんな風に考えてしまい、グルグルと同じようなことを何度も振り返っては後悔するのです。

たとえ嫌いな科目だとしても、受験に必要だと分かり切っていたのだから、好きだと思い込んで前向きにすべきだった・・・
あの時、気分が載らずにダラダラしてしまった時間がもったいなかった・・・

自分のやって来たことは自分が一番よく知っています。
どうするのが理想だったのか、本当は分かっていたはずです。

やる気があろうがなかろうが、そんなことは重要ではなかった・・・
やるべきことを、1つでも多くやるべきだった・・・

けれども、やらなかった。
やらなかったことを自分は知っている。

だから後悔するのです。

結局、最後に残るのは、

  • やったのか
  • やらなかったのか

という「行動の実績」のみです。

フワフワして得体のしれない「やる気」を大切にしても、その末路は後悔だけですよ。

2浪目は、そういう無駄をそぎ落として勉強しました。
浪人生の半数は、むしろ現役時代よりも成績が下がります。

そんな中で、私は「やる気」を捨てることで成績を上げて合格できました。
最初から知っていれば、2浪なんてせずに1浪で済んだかもしれませんね。

大学受験に限らず、高校受験でも日々の勉強でも、みな同じです。

気分の変化をコントロールするのも勉強

少なくとも5教科のテストや入試の点数は「合理的な勉強」をしてきた人の方が有利です。
「合理的な」とは、具体的には、例えば、

  • 数の多い単語や漢字の暗記は、毎日の「コツコツ勉強」に分散する
  • テスト期間は「2周目の勉強」ができるよう、普段から1周目を終わらせておく
  • 勉強する単元の順番や時間配分を、点数の取りやすい順に組み替える
  • できると分かり切っている問題は飛ばす
  • 志望校に必要な内申を最短で取れるよう、教科に割り振る勉強時間の配分を最適化する
  • 本番を想定してランダムな順番で問題を解いてみる

というような取り組みのことです。
こうした取り組みを、どれくらい自分で考えて実施して来たのか。
それで成績の上がり方が決まります。

気持ちの状態が良かろうが悪かろうか、やるべきことは、やる!

成績に「やる気」は関係ありません。

  • やったのか
  • やらなかったのか

事実として存在するのは、その実績だけです。
そして成績に関係するのは、その実績の方です。

何かをすれば、その間は何かができなくなります。
体は1つしかありません。

「やる気」などというフワフワしたものに時間を割くのか、
事実として存在する「実績」を増やすことに時間を割くのか。

これは勉強に限ったことではありません。
1日24時間という時間枠は、自分の気持ちがどうであろうと変わらない条件です。

それをどのように使うかで、成績の上がり方に違いが出て来ます。

自分に与えらえれた体を、どこまで使いこなせるか。
そのことに、できるだけ集中しましょう。

できる子は「やる気」を話題にしない

成績の良い人たちの会話を聞いてみると「やる気」なんて言葉は、そもそも出て来ません。

学年で10番以内の生徒たちの会話を聞いたことがありますか?

難関大学に合格できるような生徒の会話を聞いたことがありますか?

いつまでに何をするか。
現状はどこまでできているか。
取りこぼしていることは無いか。

そういう話題が多いです。
勉強の内容1つ1つについて、具体的に明確に話をしています。

反対に、成績の悪い生徒たちの会話には「やる気」という言葉が多く飛び交います。

勉強に取り組んで、勉強の中身の詳細に目を向けて話をしているのか、
取り組まずに中身のないフワフワした話をしているのか。

あなたは今日「やる気」という言葉を何回くらい使いましたか?

1回でも使ったとすれば、ちょっとヤバいと思います。

実は、社会人になってからも同じです。

「やる気」とか「モチベーション」とか、そういう会話が多い人は、本当に仕事ができません。
いつまでたっても成果を出さない人が多いです。

そんな大人にならないようにね。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたります。生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、愛知工業大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、愛知教育大学附属高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校、菰野高校(三重)

私立高校

愛知高校、中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

「きっかけの一言」は何? 成績上昇、賢さアップ、悩み解決

きっかけ

塾長です。

人生を左右する一言ってありますよね?

友達や学校の先生から言われた何気ない一言。
それが励みになることがあります。
その後の人生を変えるきっかけになることさえも。

成績を上げるきっかけ

特に今回は、成績を上げたりスキルを上げたりした塾長の「きっかけ」を思い出してみます。

塾長が中学生だったとき、高校受験生で経験したこと。
塾長が高校生だったとき、浪人生だったとき。

生徒たちと同じ年頃だった時の経験。
もちろん時代も世の中も今とは違っていますから、解釈は様々でかまいません。

私の経験した中から、順に書いてみます。
何か感じ取ってもらえたら幸いです。

授業中に覚えろ。

これは高校受験生になった時、兄から言われた言葉です。

「授業中のことは授業中に覚えろ。」

受験生になれば、中1と中2の復習をしなければなりません。
しかし復習ばかりしていたら、目の前の中3の勉強がおろそかになります。

そこで兄から言われた対策が

  • 中3の今の勉強 → 学校の授業中に頭に詰め込む
  • 中2までの復習 → 家庭学習でやる

というものでした。

「中3の勉強は、とにかく学校の授業中に頭に詰め込め。」

という指令でした。

「できないと思うな。できると思ってやれば、できるようになる。」

という熱血そのままのアドバイスですが、とても役に立ちました。

そもそも学校の授業中に本気で勉強している生徒は少ないです。

授業に「真面目に参加」している生徒は多いでしょうが、「真剣に暗記」している生徒は少ないです。
ちゃんとノートを取っていても「あとで復習しよう!」という気持ちなのが普通です。

簡単だけど真似されにくい

このように、もしも授業中に暗記まで真剣にやったとしたら、その時点で他の生徒と差をつけたことになります。

しかも真似されません。

多くの人は「そんなのできっこない。」と思うからです。
できるようになる前に、たった3日くらいで簡単に諦めてしまうからです。

ずっと後で知ったことですが、人間は耳で聴いたことを頭に入れる方が、文字で頭に入れるより楽なようです。
人類の進化の過程で、会話は早くから獲得した能力ですが、文字列の読み書きは最近獲得したばかりだからです。
勉強が苦手ならば、なおさら先生の話を授業中にその場で暗記した方が良いです。

さらに、授業に集中できるようになったおかげで理解力もアップしました。
またさらに、英語、数学、理科は、中1や中2の復習した知識と結びついて、定着度も上がりました。

私は高校受験で、かなり偏差値を上げる必要があったため、効果がありました。

あなたは授業中に、脳みその何%を使っていますか?

線を引くのは甘え。読むからには覚えろ。

これは大学受験のときに、弟の友達のI君から教わりました。

「参考書に線を引いたら勉強の邪魔。」

Iくんは後に京都大学医学部へ進学する程の秀才で、年下ながら凄いヤツでした。

私はそれまで、参考書の大切な所に線を引くクセがありました。
しかし、線を引いて紙面を汚してしまうと、次に参考書を読むときに邪魔になります。
それが勉強に良くないというのです。

大切なポイントがギュッと濃縮されているのが参考書なのですから、すべて大切に決まっています。
そもそも線を引く必要なんてありません(引いたら全部になるので無意味)。

しかも線を引いた瞬間に、

「あとで覚えればいいや」

という甘えが生まれてしまい、その場で覚えようとしません。

線を引く = 問題の先送り

ということです。
線を引くたびに、無意識のうちに脳みそが「おサボりモード」になります。
その無意識が、本来の記憶力を殺してしまいます。

知識は一期一会。
その場で覚えなければ、次に見直すチャンスがいつ来るか分わかりません。
その間に、実力がどんどん落ちて行ってしまいます。

実力を付けたければ、

「読んだからには、見たからには、必ず覚える!」

です。
そのように実戦的に構えていなければ、そもそも記憶力なんてアップしません。

体を鍛えれば脳も発達する。

これは兄と親戚のおばさんから言われたことで、高校生になってから知りました。

  • 体を動かさないと、頭も働かないぞ
  • 何でもモリモリ食べて活力を切らすな

塾長は運動音痴だったので、中2後半からは、どちらかというと運動よりも勉強を優先させました。
それなりに一生懸命に勉強しましたが、公立高校には届かず、第二志望の私立高校へ進学しました。

もしかしたら、中2~中3の運動不足が、勉強の伸び悩みに影響していたのかもしれません。

一方、高校時代は、自転車で毎日12Kmの通学路を走りました。
中学まではサイクリングですら片道10Kmを越えたことが無かったです。
しかし高校生になったら、いきなり毎日12Kmでした。

それなりに体力がつきました。
ご飯をたくさん食べるようになりました。

天体観測に精を出し過ぎて浪人してしまいましたが、
浪人しても相変わらず、予備校まで片道8Kmを自転車で通いました。

勉強には「集中力を持続させるだけの体力」が必要です。
浪人した時に毎日13時間の勉強ができたのは、その体力があったからだと思います。
同じ13時間でも、体力の有無で集中時間が違ってきます。

また、体が大きく発達するときは、脳も大きく発達するのだそうです。
これは数年前に薬学部の講師さんから教えてもらいました。
薬学部でそのような講義があったのだそうです。

頭だけ鍛えるのではなく、体もよく動かして、たくさんモリモリ食べる方が良いです。

【国語】たとえ読解問題でも、同じ問題を繰り返しなさい。

これは中学2年生の時に、職員室へ行って、国語のT先生に質問して教えてもらいました。

「国語の勉強の仕方を教えてください。」

「ワークは何回やりましたか?」

「テスト前に、ひととおり解きました。」

「3回くらい繰り返した方が良いですよ。」

これに対して、私は素朴にも、よくある質問をしました。

「でも、1回やったら答えを覚えてしまいます。」

「いえ。なぜそう答えなければならないのかを考えながら何度も取り組んでください。毎回、新しい発見があるでしょう。」

なるほど、と思ったので、言われた通りにやりました。
それ以来、国語のテストはクラスで上位に入ることが多くなりました。

「先生に言われた通りにやったら、読めるようになりました。」

「あら、そう。偉いわね。私はみんなに同じアドバイスをしているのだけれど。」

言われた通りに本当にやってくれる生徒は少ないのだそうです。
あいかわらず漢字は苦手でしたが、読解力は向上しました。

【国語】ゆっくり読みなさい。

中学生の時に、S先生という人に国語の家庭教師に来ていただいたことがありました。
S先生は父親が経営していた本屋さんのお得意様でした。
中学校の先生を定年退職されたばかりで、時間はたっぷりあるからと来ていただけました。

その時に、

「ちょっと教科書を音読してみてください。」

と言われたので、声を出して読み始めました。
ところが、10秒もしない内に止められました。

読むスピードが速すぎると言われました。

「今から私が読みますから、それと同じスピードで読むようにしてください。」

そういって、先生は少しゆっくり、話すくらいのスピードで読んでみせました。
1行読み終わったら、間を置くようにして、それから次の行を読むのです。

自分が思っていたスピードの3分の1くらいのスピードでした。
意外でした。

正しい読み方

国語の先生は、一瞬で文章を理解してしまうだろうから、きっとスピーディに読めるに違いない。

そんな先入観が私にはあったのだと思います。
しかし逆でした。

それから1行1行を理解しながら読む、という当たり前の指導をしていただきました。
言葉1つ1つの意味を確認しながら読み取る、という指導をされました。

先生の読み方には、自分が思っていたような焦りは一切ありません。
分からない言葉は辞書を引き、じっくりとその意味を確認するのです。
言葉の意味を確認するために、腰を据えて、ちゃんと時間を使います。

時間の流れ方がどんどんゆっくりになっていくような、そんな緻密な読み方でした。

「文章を読むとは、こういうことなんだな。」

初めて文章を読んだ気がしました。
それだけで読解力が上がりはじめました。

国語の勉強時間を確保していますか?

文は1字1句をていねいに読むものです。
わからない言葉の意味は、慎重に、ゆっくり調べましょう。

ということは、それなりの勉強時間が必要です。

多くの人が、国語の勉強を漢字書き取りだと勘違いしています。
漢字や熟語の文字だけを見ていても、書き取りを繰り返しても、何も実力は伸びません。
漢字を含む言葉の意味を文章の中で調べて、初めて言葉を学んだことになります。

国語という教科は、テストや模試の直前に焦って勉強しても無意味なのです。

まず、国語の勉強時間をしっかり確保すること。

多くの子供たちは、そもそも国語の勉強時間を用意していません。

死ぬほどゆっくり熟読する予備校の講義

ゆっくり緻密に読む、という読み方は、大学受験で浪人した時に、ふたたび訓練することになりました。
地元のとある予備校で、O先生の現代文を受講したときです。

O先生のテキストはめっちゃ薄いのです。
ペラペラです。
表紙の厚紙の方が、本編の全ページ分よりも厚いくらいです。

それで半年分。
たったこれだけ。

という感じのテキスト。
中を開くと、ハードな読解問題が、たったの5問ほど載っていました。
しかも半年で講義が進んだのは結局3問くらいでした。

めっちゃくちゃ進みがゆっくりで、
もう、これでもか!
というくらいに緻密に読み進めていく講義でした。

例えば、文章中に出てきた

「抽象的」

という言葉の意味について解説するだけで講義が終わった日もありました。
「抽」と「象」と「的」の、それぞれの意味を「図解」したうえで、「抽象」がどんな意味で「抽象的」がどんな意味なのかを深く解説したのです。
もちろん私がそれまで思ってきた「抽象的=なんとなく」という程度の意味の捉え方などとは、まったく別物で、驚きましたよ。

そういう発見ばかりの講義でした。

文章中の言葉1つ1つは、自分が思っていた意味よりも100倍も200倍も深い意味があるんだ!

そういうことを思い知らされたワケです。

  • 読んだつもりで読めてない
  • サラッと読み流しているから理解できてない

そういうことが痛いほどに分かる講義でした。
自分の常識を新しい常識で上書きしていくような講義でした。

回答するときに本文を読み返す時点で負け

このようなきっかけを得て、自分で問題に取り組むときも

「遅く精密に読む」

というスタイルを心掛けて練習しました。
本文だけではなく、設問を読むときもそうしました。

しばらくすると、文章を読んだ後に、文章の構造や細かい意味の関係が頭の中にくっきり残るようになりました。
おかげでマーク式の問題や選択問題であれば、回答時に本文を読み返すことが無くなりました。

ちゃんと読めば本文の内容は、かなり細かいところまで頭に入ります。
設問を解くのに、いちいち本文を読み返す必要はありません。

もちろん訓練は相当しました。
英語や数学と同じうように国語にもちゃんと勉強時間を確保しました。

本文の読み返し(2度読み)がほとんど不要。

これは、センター試験のような問題数が多くて時間がタイトな試験には有効でした。

よく、

  1. 最初に本文を一通り読む(速く読む)
  2. 設問を読む
  3. 本文を読み返して答えを探す(速く読む)

などとやる人がいますが、これでは間に合うはずがありません。
それをするくらいなら、

  1. 最初に設問を読んで質問されることを把握する
  2. 本文をじっくり読みながら回答する

とした方が速いです。

【英語】語順どおりに読まないから英語ができない。

浪人して予備校に通うようになって、最初にショックを受けたのが英語の講義でした。
自分の勉強方法が、いかに無駄で間違っていたかを思い知らされたからです。

かんばん講師であった予備校のK先生の授業でした。

簡単な英文でも読めない!?

The police dog a thief until they catch him.

この例文は、その予備校のテキストの「最初の1問目」でした。
いきなり最初の1問目から和訳ができません。
頭がクラっときました。

この文が読み取れなかった時点で、自分の英語がめちゃくちゃだと知りました。

× 自分の読み方: 単語の意味をつなげて和訳する
〇 講師の読み方: 文の構造で訳が自動的に決まる

ネイティブの人が英文を理解するときは、単語が登場してくる順番に理解していきます。
これはあたりまえです。
日本人なら日本語を日本語の語順のまま理解するのですから。

この事実を無視して、英文を無理やり日本語の順番で見ようとしている限り、英語が読めるようになるはずがありません。

英語は主語が最初で、次に動詞!

SV~という5文型の語順は、高1で習います。
今や中3の教科書にも載っています。

こんな当たり前の知識ですら「ただ知っているだけ」で、「ちゃんと活かして読む」ことをしていませんでした。

さて、上の例文で「ちゃんと5文型の知識を活かして」読んだらどうなるでしょう。
まず主節だけ、つまり接続詞 until の前までを取り出せば、

The police dog a thief

となります。
とりあえず、この文の和訳に集中すればよさそうです。
(もっとも、接続詞すら真剣に注意していなければ、まずこの段階の分析から怪しかったかもしれません。)

とにかく、この文を

主語 (S) | 動詞 (V) | その他

という3つに分けるとすれば、その方法は1つしかありません。

The police | dog | a thief

こうなります。

もうお判りでしょう。
なるほど、dog が動詞だったというワケです。

dog (動詞)

追い掛け回す
つきまとう

もちろん、こんな特別な意味まで単語帳で覚える必要なんてありません。
主語の次は動詞、ということを徹底すれば dog の意味は前後から想像できます。
つまり、

英語の語順通りに意味を拾っていけば、必然的に品詞と意味が想像できる

というワケです。
このことを分からせる趣旨の講義でした。

ということで、この例文はとても示唆に富んでいました。

つまり、全ての英文に対いて、

英語は英語の語順のままに理解する

という心がけを「徹底して」読む必要があったのです。
これを徹底せず、ただ単語の意味を何となく繋げているだけだから英語が読めないのです。

ちなみに、この例文は簡単な問題としての出題だったとういことです。
なぜなら、主語、動詞、その他、に分割する方法が1通りしかないからです。
だからテキストの1問目だったんです。

それでも、当時の私には全く歯が立ちませんでした。
これがつまり、

英語ができない!

という状態です。
英語が苦手というのは、そういうことなんです。

英単語が出てきた順番に理解できるように徹底する

という姿勢を守れるように、5文型を強制ギブスのように使って勉強すべきです。
それを無視して独自の読み方をしている限り、英単語や文法をいくら覚えても、まったく役に立ちません。

英単語
英文法
英語長文

などをいくら学んでも、それらを活かさなければ実力になりません。
それぞれを別教科であるかのようにバラバラに取り組んでいる状態で、とても非効率です。

5文型の徹底

これは、ほんのちょっとの心がけかもしれません。
しかし、この心がけが1つあるか無いかで、英語の学習効率が全く変わってきます。

英語の苦手を克服できる参考書

ちなみに、私が予備校で受講したK先生の講義と同等の参考書があります。

「英文解釈教室」伊藤和夫著 研究社 です。

有名ですよね。
この参考書は高2ハイレベル~高3夏期のレベルです。

これが難しいという方は、基礎編があります。
こちらは高1~高2のレベルです。
上に比べると網羅性は下がりますが、取り組みやすいです。ただし相応の国語の読解力が必要です。

これでも難しいという人は、動画や塾などで、さらに分かりやすい説明を受けた方が良いでしょう。

【数学】自分の頭で考え抜かなければ問題を解く意味がない。

高校生までに、問題集を反復してやる習慣が身についていました。
しかし、それにも限界がありました。

何のための反復学習?

数研出版のチャートシリーズと言えば、今でこそ色々ありますが、当時は「赤チャート」と「青チャート」しかありませんでした。
私は兄の勧めで赤チャートをやっていました(現在の赤チャートは、現役生にはおススメしません)。


赤チャートは非常に難しかったのですが、浪人して時間があったので2周くらいできました。
(微積と確率は赤チャートがなかったので駿台の問題集をやりました)

しかし、模試の結果は思わしくありませんでした。

一方、同じ高校から一緒に浪人していた友人は、数学がとても得意でした。
そこで、その友人に聞いてみたのです。

「模試になると解けない。どうやって勉強したらよいかな。」

「松下くんは普段から、ちゃんと自分の頭を使って、自分で解法を考え抜いて、知恵を振り絞って解いているかい?」

「うーん、5分くらい考えて思いつかなかったら、解法やヒントをちょっとだけ見ちゃうかな。」

「それは諦めが速すぎるよ。少しは粘って、もっと考え抜かないと。」

「え、そうなの!?」

「そりゃそうだよ。何言ってるの!?」

長い間とても勘違いをしていました。
そもそも「考える」という意味が違っていたのです。

そこで、Z会の通信添削の問題を引っ張り出してきました。
現役時代にやってはみたものの、手も足も出ず、押し入れの奥にため込んでいたものです。

「考える」とは!?

今はどうか知りませんが、当時のZ会の通信添削は、とても難問ばかりでいた。
1問解くのに3日も4日も考え抜くことがある、なんていうウワサ話を聞いたことがありましたが、自分には雲の上の世界だと思っていました。

しかし違ったのです。
自分は諦めるのが速かったのです。

出し損ねた添削問題に、今度こそちゃんと向き合おうと思いました。
そして気づきました。

自分に足りなかったのは、

学んだことを即座に頭の中から引っ張り出してくる訓練
アウトプットの訓練

であったと。

最初の何十問かは、とても苦しみました。
1問解くのに30分も1時間もかかりました。
問題数が進まないので、とても焦りますが、そこは気持ちとの戦いでした。

ところが50問ほど解き進めていくと、だんだん解法を思いつくスピードが上がってきたのです。
赤チャート2周の知識を、やっと引き出せるようになってきたのです。

  • 今まで覚えてきた公式や解法を、高速に思いだしてトライ&エラーをする。
  • あるいは、それらを組み合わせてみる。
  • 似ているパターンを思い出してみる。
  • とにかく図を描きだしてみる。
  • とにかく全ての場合を分けてみる。

できる限りの全てを尽くして考え抜く。

今まで学んできた知識を組み合わせれば必ず解けるはずだ!
そういう姿勢で、とにかく手と頭を動かしまくる。

そのように勉強するようになってから、次第に解けない問題が無くなってきました。

時間さえかければ、どんな問題だって解ける!

そういう状態になれば、あとは制限時間との戦いだけです。
私は2浪にして、やっと、そうなることができました。

ちなみに数学が得意だったというその友人は、東北大学に合格しました。

【社会】情報を増やした方が頭に入る。

私は中学生のころから暗記が苦手でした。

そういえば小学校の時は漢字が苦手でした。
小3の時は、漢字のテストがいつもクラス最下位だったので、担任のT先生が壁に貼ってある「今週の漢字」というプリントを僕だけに毎週プレゼントしてくれたほどでした。

暗記の苦手を思い知らされたのが社会のテストでした。
漢字にしろ社会にしろ、とにかく暗記が苦手でした。

効率化という落とし穴

社会のテスト勉強では、とにかく暗記の負担を減らそうと、できるだけ覚えることの量や数を減らそうとしました。

「よく出る!」
「これだけは覚えろ!}

みたいな薄っぺらい参考書に飛びついて、それだけを覚えようとしました。
とにかく暗記の対策は「最小限の努力で」とか「効率的に」とかいう発想でした。

結局、高校3年間もずっと社会は苦手のままでした。

大学受験では、現役の時に日本史を選択していました。
有名な「一問一答」の1冊だけに絞って反復して学習しましたが、全く頭に入ってきませんでした。

浪人してからは、日本史はダメだと諦めて倫理・政治経済に変更しました。
浪人してから知ったことですが、国公立大学の理系コースでは、社会の負担を減らすために、倫理・政治経済を選択する人が多かったからです。

受験では常識ですが、当時の私は、そういう科目選択の常識も、浪人してから知りました。

成りきって学ぶ!?

予備校の同じコースで国立大学医学部志望のMくんがいました。
Mくんは意外にも、倫理・政治経済の分厚い参考書を持ち歩いていました。

社会で楽するために倫理・政治経済を選択したはずです。
それなのに、どうして、わざわざそんなに分厚い参考書を持っているのか?
理解できませんでした。

それだけではありません。
自習の時にMくんと一緒に勉強していると、何だかブツブツうるさいのです。

「ソクラテスは言った。よりよく生きる道を探し続けることが、最高の人生を生きることだ!」

「うるさいよ!」

どうやらソクラテスについて学ぶときは、ソクラテスに成りきっているようでした。
そんなMくんは、周囲からはちょっと変態呼ばわりされていました。
でも、面白いヤツだと思いました。

Mくんは社会の偏差値が予備校で1位だったので、
その変態ぶりが、きっと勉強のコツなのだろうと思いました。

そこで私もMくんと同じ分厚い参考書を購入しました(残念ながら今は絶版です。同等の参考書も無いようです。)。

さすがにMくんのように何者かに成りきれるほど変態には成りきれませんでしたが、
知識1つ1つにイメージを膨らませ、興味を持って調べるようにし、むしろ情報量を増やして勉強してみました。

すると、それから間もなく、センター・マーク模試で70点を超えるようになりました。
名古屋大学理学部が志望だったので、社会は70点で十分です。

日本史をやっていた時に比べたら、あっという間に目標点をクリアしました。

効率を上げようと知識を絞り込んでいたのが逆効果だったのです。

暗記が苦手なのは、情報量を絞り込んでいたからです。
むしろ情報量を増やした方が楽に覚えられます。

漢字も同じ

ちなみに漢字も浪人時代に少しだけ克服できました。

いつも自習席で

「寝たら死ぬ」

などといった自己暗示みたいな標語を、紙に書いて机に張っているヤツがいました。
Hくんです。
筆ペンを使って習字のような字体でビシッと書いてありました。

ときどき、その標語が状況によって変化しました。
私が読めない難しい漢字がよく使われていました。

例えば、

「←五月蝿い!」

などと変化するのでした。

「Hくん、これ、何て読むの?」

「ああ、これはMくんのことだよ。」

「なるほど、読めたよ。うるさい、だね。」

「正解!」

こんな風に、漢字が得意なHくんから教わることが何度かありました。
そうした小さなことがきっかけで、国語の辞書をまめに引いて漢字を調べるようにしていました。

Mくんの一人コントは面白かったです。
Hくんの標語はためになりました。

二人とも国立大学の医学部に合格しました。
今頃はどこかで立派なお医者さんになっていることでしょう。

数学は自然を厳密に記述できる「言語」だ!

これは大学に入ってからC言語のプログラミングを独学するようになってから知りました。
数学とは何か。
もっと早く知っていれば、勉強の効率がもっと上がっていたことでしょう。

プログラミング言語も数学も英語も楽譜もすべて同じ!?

大学のサークルには、プログラミングがめっちゃできる先輩が何人もいました。
特に1つ上のK先輩は、もっとも会うチャンスが多かったです。

それで色々な質問をしている中で、K先輩から教えてもらいました。

「C言語とかFortranとかPascalとか、プログラミング言語は色々あるけど、どれも言語論やブール代数といった基礎論がもとになっているんだよ。何かの世界を漏れなく正確に表現するためには、何種類の文字が必要で、どんな単語やどんな文法を用意したらよいかっていう理論があるんだよ。プログラミング言語も、日本語も英語も数学も、音楽の楽譜だって、みんな言語。そういう本質を勉強すると、みんな一緒に見えてくるから面白いよ。興味があったら勉強してごらん。」

そんなスゲー知の世界があるんだと、ビックリしたのを覚えています。

数学も日本語や英語と同じ言語です。
そればかりか、楽譜も言語らしいです。

そういえば、プログラムも楽譜も、どちらも共通して「コードを書く」なんて言います。
コンピューターの命令も、音を表す音符も、どちらも「コード」と呼ばれます。

最も精密に科学を表現できる言語

自然界の物理や化学の法則は、とても精密で再現性があり、おそらく宇宙のどこに行っても同じです。
磁石に釘がくっつくという現象は、ミクロな原子核と電子の間でも同じように働くし、マクロでは銀河の磁場で電子が加速される所でも同じです。
地球の重力で月が公転するように、太陽の重力で地球が公転し、木星の重力でガリレオ衛星が公転し、銀河の重力で太陽系全体が公転します。

このような厳密で再現性の高い現象は、人間の気持ちや行動とは全く関係なく起こります。
ですから自然科学を表現する方法も、同じように人間の気持ちや行動、文化などに左右されることなく記述できる方法でなければ、意味がありません。

人間の文明とともに発達してきた日本語や英語だからそこ、むしろ自然界を正確に表現できないのです。

ですから、科学者は数学で自然界の法則を表現することにしました。
時に科学者が数学を発明し、時に数学者が科学を発展させてきました。

では、

「数学=言語」だと気づいたことが、なぜ勉強の効率を上げるのか?

それについては、次の「F=ma は真理ではなく定義」で書きます。

大学のサークル室は、こんな会話が日常茶飯事。
毎日こんな話を無料で聞き放題の素晴らしい空間でした。
私は1日の半分以上をサークル室で過ごしていました。

#今の大学生はコロナ禍で大学に入り浸ることができません。本当に気の毒です。

【理科】F=ma は真理ではなく定義。

高校物理の教科書で、初期に学ぶことになる力学の公式

F=ma

これについて、ちゃんと説明できるか否かが先生の腕の見せどころ。
少なくとも、

「これが真理だ。だから覚えろ!」

みたいな説明をしてしまったら大失敗。
生徒はドン引きです、悪い意味で。

F=maのように数式で書かれた科学の公式。

他にも色々なものがありますよね。
しかし残念ですが、それらが自然界の真理かどうかは誰にもわかりません。

そもそも公式とは何でしょう?

そもそも数式は日本語や英語と同じ「言語」でしたね。
つまり「公式」とは、科学者が自然を観察して気が付いた法則性を記録した「説明文」なのです。

公式 = 説明文

自然界に何かの真理があったとしても、それのどこまでを人間が理解できているか。
これは永遠の謎です。
だから科学の探求は尽きることがありません。

科学者はそんな未知なる自然界の謎解きに挑戦します。
その末に理解できた範囲の法則性を表現したのが公式なのです。

人間が勝手に作ったもの

つまり公式は実験や観察をした科学者の創作物と言えます。
作家が創作した文学作品みたいなものと言えます。

私たちが小説を読んで、その内容を通じて作家の世界観を味わうように、
科学の公式を理解して、それを生み出した科学者の努力や業績を理解できます。

文学と科学が異なるのは「普遍的」あるいは「客観的」か否かです。
科学では「いつ誰がどこで実験しても同じ結果になる」というのが公式の価値です。
文学では読み手の状態によって解釈が変わってしまうことが、むしろ価値になります。

難しさの意識の正体

ところが、多くの学生は公式を真理だと勘違いしてしまうようです。
さらに悪いことに、公式から自然の真理を感じ取れることが理系の才能なのだとか、そんな勝手な妄想をしてしまうのです。

× 数式=自然界の真理
× 数式を見て真理が理解できる=理系の才能
× 数式を見ても何も感じない = 理解できない(理系の才能がない)

それでは、公式の正しい理解のしかたとは、どのようなことなのでしょうか?

これは冒頭の F=ma に戻って説明しましょう。

F=ma

F: 力 [N]
m: 質量 [Kg]
a: 加速度 [m/s²]

これはニュートンさんが、リンゴが落っこちるのを観察したり、色々な重さの物体を押したり引いたりして、精密に実験を行なった結果のレポートです(リンゴの逸話が本当かどうかは不明ですが)。
観察の結果、ニュートンさんが出した結論は次の通りでした。

  • 重さを2倍、3倍にすると、同じ速さで動かすのには、力が2倍、3倍と必要になる。
  • 速さを2倍、3倍のペースでスピードアップ(加速)させるには、力が2倍、3倍と必要になる。
  • おそらく俺(ニュートン)が人類で初めて、この性質を発見したっぽい。

つまり、

  1. 力(F)は質量(m)に比例する → F=比例定数×m と表せる
  2. 力(F)は加速度(a)に比例する → F=比例定数×a と表せる
  3. 人類で初めて数式に表すのだから、俺の好きに公式を決めて良い

などと考えたニュートンさんは、できるだけシンプルな数式で後世に残すことを決心しました。
シンプルな公式にした方が、きっと多くの人に受け入れられて有名になれでしょう。

ニュートンの宣言が公式になるまで

そこで、上の1の式の比例定数をaとし、2の式の比例定数をmとすることを考えました。
こうすれば、公式が1つで済みます。
それがもっともシンプルな「表現」です。
そこで、

F=ma

と書くことを「宣言」したのでした。

その後、多くの科学者が力の性質を詳細に調べましたが、質量と加速度の他に力の性質を左右する項目が見つかりませんでした。
かくして、この宣言は歴史とともに権威を増し、正式な定義として受け入れられていきました。

・・・ってことです。

所詮は比例と反比例の組合わせ

そして、上のような解釈ができるようになるコツは、次のたった2つしかありません。

  • Aの量がBの量に比例する → かけ算の式で表す
  • Aの量がBの量に反比例する → わり算の式で表す

たったこれだけです。
加えて中学3年生では「2乗に比例する」という関係も習います。
ですから、高校の物理や化学、地学や生物の公式は、中学生の数学で全て読むことができます。

だったら、最初から教科書にそのように書いてくれれば分かりやすいのですが、そう書いてはくれません。
きっと紙面の都合というヤツでしょう。

このように、

  • 数式は言語であり、科学者が気づいた自然の規則性を表すものだ!
  • たいていの公式の読み方は、比例と反比例だけで済む!

ということが分かってしまえば、何も怖くはありません。
凡人でも公式を読むことができるし、センスも不要です。

人類が自然を観察して規則性を見出し、それを「比例」や「反比例」で記録したレポートだと捉えれば、恐れることはありません。

人が「分からない」「理解できない」と思うこと。
その正体はたいてい「全体像がつかめない」という混乱にすぎません。

しかし難しいと思っていた科学の公式が、たいてい「比例」や「反比例」の説明にすぎないと思えば、公式の意味の全体像がつかめます。
「理解できない」という混乱はなくなることでしょう。

全体像さえつかめてしまえば、勉強の効率が上がるというものです。

# もちろん比例と反比例だけでは理解できない領域もあります。
# 三角関数がその1例ですが、主に大学の範囲です。

仕送りしてもらう内は、好きなことができない。

大学時代、私の周りには「貧乏学生」とか「苦学生」が多かったです。
昭和時代から続く木造2階建てのぼろアパートに住み、アルバイトで学費や生活費を自分で稼ぎます。
歩けばミシミシと音を立てて崩れそうな部屋には、食費を切り詰めて買い込んだ古本が何十冊も並び、寝床を圧迫します。

そういうセピア色で描かれるような、昔風の学生が多かったです。
そんな名古屋大学の学生を

本山原人(もとやまげんじん)

流行から取り残された原始人のような格好で本山付近に生息する生物

などと揶揄して呼ぶ言い方があったくらいです。
そんな彼ら彼女らから言われました。

自分のやりたいことをやるなら、自分の生活くらい自分で何とかするもんだ。

つまり、

  • 大学に通うのは、ぜいたくな趣味
  • 自分で稼いで通うのは当然

というわけです。
そんなことを当たり前のように言う人が多かったです。

親友のY君もその1人でした。

Y君は新聞配達で学費を稼いでいました。
それで大学でほとんど姿を見なかったし、クラスの親睦会にも来ませんでした。
ですからセミナーで一緒になるまで、実は同じクラスだったことすら知りませんでした。

新聞奨学生

今でもあるんですかね?
そうとうブラックだったので、もう無いとは思いますが。

新聞配達と学業の両立が不可能だと悟り、途中で他のアルバイトに変えたそうです。
それでセミナーには参加できるようになって、一緒に勉強することができました。
Y君の苦労話を聞くたびに、自分は幼いと感じました。

大学の英語の講義で、自由英作文の課題が出されました。
講師はアメリカ人かオーストラリア人か忘れましたが、とにかく外国人でした。
私はその課題で、

大学院に行きたいけれど、お金が無いから難しい

みたいな英文を書いて提出しました。
課題が返却されて見ると、講師のコメントが短くこう書いてありました。

Why?
You can earn by yourself!

海外では自分でお金を稼いで大学へ行くことが当たり前なのだそうです(当時は)。
私はろくに行動も努力もせず、ただ諦めようとしていたことに気付きました。

講師のコメントを見て、自分が恥ずかしくなってきました。

そのような経験を大学で何度かしました。
それで親に電話をして、

「もう、仕送りをしなくて良いから。」

と断りました。

塾長は兄弟が多かったから、実家が大変な思いをしているのを知っていました。
それでいながら、仕送りをしてもらっている自分が、いよいよ恥ずかしくなったのです。

もちろん、アルバイトを見つけて、奨学金を申請して、授業料の免除申請もして、色々準備をしました。
実際に自活ができたのは大学2年生の後期からです。

自活したおかげで、大学院に行くのも就職するのも、何をするのも、親に相談する必要が無くなりました。
というより、後ろめたいような気持ちが無くなりました。
自分の進路や趣味を、すべて自分の意思でできるようになりました。

もっとも大変だったのは何だと思います?

アルバイトや仕事が大変だとか、両立がどうとかではありません。

仕事を探すこと。

これがもっとも大変でした。
独学してきたプログラミングが役に立ちました。

プログラミングは仕事を家に持ち帰れるので、時間の自由が利きます。
アルバイト先の会社からパソコン一式を貸し与えられ、下宿でデーターベースシステムの開発やWindowsアプリの開発などをしました。
完成したものを納品すれば、10万とか20万とか、まとまった収入を得られました。

必要だから学ぶ。
お金のために学んだことを使う。

これも自分の能力を飛躍的に伸ばす手段です。

学生として学べることを、当たり前だと思わないでください。
学べるうちに、少しでも学んでおくべきです。

 


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大学受験はいつから? 部活は人生に得か、損か?

校庭と野球ボールの風景写真

塾長です。

この猛暑で愛知県は「熱中症警戒アラート」の発令を続けています。
ここ最近、確かに部活で熱中症になり体調を崩す塾生が出てきています。
塾生の様子を見る限り、毎日10人に一人はそうなります。

豊橋市は小学校の部活動を来年度から廃止します。
こちらは教員の働き方改革が主な理由です。

おやおや、健康面や教員の働き方の面からは、部活動は何かと邪魔者にされてしまいます。

受験という観点ではどうでしょうか?

国公立大学に行きたければ高2で部活を止めよう

まず自分の高校から

「毎年、何人が国公立大学に合格できているか?」

を確認してください。

最寄りの天白高校では、浪人生を含めて約40人です(*)。
もちろん現役合格ともなれば、その半数以下になります。
そこで多めに見積もって、

天白高校から国公立大学に現役合格できるのは上位20人

と仮定しましょう。

360人が入学し、5人が退学または留年し、355人が卒業します。
そのうちの上位20人です。

つまり、

20÷360×100=5.6%

ですから、国公立大学を目指す生徒たちのとって、

せいぜい上位6%の生徒しか、正しい勉強時間や勉強法をしていない!

ということになります。

94%の生徒は間違っている!

ということです。
つまり、

周りに合わせて勉強していたら合格できない!

ということです。
ほとんどの生徒は部活を引退してから本気で勉強をします。
その時点で間違っていることが、数字から明らかです。

よって、

誰よりも早く部活を引退!

というのが正解になります。
高3で部活を引退するのが間違いであれば、高2で引退することになります。
高1で引退するくらいなら、そもそも部活に入ってはいないでしょう。

ちなみに天白高校に限って言えば、

高校1年生は必ず何かの部活に入らなければならない

という校則があります。
それならば、高2で引退するしかありません。

注意事項

最初に書いた通り、あくまでもこれは一般受験で国公立大学を現役合格するための分析です。
なにも進路は国公立大学だけではありませんので、このような分析は進路の選択の種類だけ行う必要があります。

また上位20人というのは校内の定期テストの順位とは関係ありません。
河合塾や駿台模試などを5教科で実施した場合の順位を想定しています。
私の指導経験によれば、定期テストで学年1位をとっても国公立大学には合格できない生徒がいます。
定期テストの学年順位は上位1クラス以内で妥協し、受験科目の勉強に注力して模試の方で偏差値アップを狙う方が有利です。

(*) 参考資料
天白高校の公式ホームページ内「天白高校 卒業後の進路」における2020年度の実績など

生まれつき知能指数の高い子だけが有利になる「部活と勉強の両立」

それでも学年の上位ともなれば、部活動と勉強を本当に両立できてしまう生徒がいます。

しかし、それが手本になるかと言えば、そうとも限りません。

なぜなら、部活と勉強の両立をできる生徒は、とても限られているからです。
少ない時間で学習効果が得られる生徒は、文字通り知能指数の高い子です。

つまり、がんばって勉強して天白高校に合格してきた時点で、あなたは特別な存在ではありません。

天白高校を超楽勝で上位で合格したぜ
高校受験勉強?
なにそれ、やった記憶が無い

くらいの余裕で天白高校に来ている子でもなければ、部活のハードな練習と勉強の両立なんて不可能です。

従って、もしも

「Aさんは両立できているよ。頑張っているよ。もっと君も頑張ろう!」

などと慰留を押し通されてしまうとすれば、これはかなり危険です。
生まれつきの能力で生徒を選別しているという恐ろしい行為です。
人権無視です。

今時そんな先生はいないとは思いますが。

もしも万が一、不幸にも、部活の顧問の先生からしつこく慰留されるとすれば、それはご自身の出世のためです。
あるいは新興宗教です。
生徒の将来とは1ミリも関係が無いので、耳を貸す必要はないでしょう。

ほとんどの子にとって、部活動の時間をほどほどに制限する必要があります。

勉強するので部活の途中で帰宅します

平成時代までの異常に長い練習時間を考えれば、部活動は半分はサボるくらいがちょうどよいのです。
それを許さない「村意識」は生徒の将来性まで奪いかねません。

それでも部活は人生のプラスになる!?

それでは部活が悪いのかと言えば、決してそうではありません。

塾長は高校時代に、それはそれは部活で大いに充実した毎日を送りました。
自分がそんな思いをしておいて、生徒たちには部活を止めろなんて一方的に言うのはズルいです。
だから、そういう一方的話をしているワケではありません。

部活はやったほうが良いです。
もちろんやらなくても良いです。
入りたい部活が無ければ、自分で新しく作るのも良いです。

要するに、生徒の目標や現状の能力、使える時間などを考慮して、

全員一律ではなく、一人一人が参加の仕方を選択できる部活

にすることが大切だと言っているだけです。

その上で「現実をしっかりと認識」して部活に参加して欲しいと思います。

例えば、

最後まで部活を一生懸命やり切りたい!
高3の夏まで大会に出たい!

という強い希望があるなら、それも良いでしょう。
受験の方法は色々あります。
進路もいろいろあります。

そういうのも一緒に考えて、トータルで両立は可能です。

浪人する覚悟はありますか?

しかし現実を無視するのはダメです。

高3の夏まで大会に出て、秋から猛烈に勉強して、国公立大学を目指したい!

これはダメです。
これをしたいなら、浪人を覚悟してください。

高3の夏まで大会に出たい。
秋から猛烈に勉強しても、国公立大学には届かないだろう。
だから浪人も覚悟する。
とはいえ、お父さんやお母さんに理解してもらえるだろうか・・・

これが現実です。

ちゃんと保護者に浪人の可能性について、自分の口から自分の意思で話をして、そして理解をしてもらいましょう。
部活というわがままを押し通し、浪人の経済的な負担をもお願いするのです。
そのくらいの説明は、自分でしましょう。

その上で、部活を頑張ってください。

そのような意味で一生懸命にやった部活は、必ず人生のプラスになると思います。
きっと大学生活でも役に立つでしょう。

ちなみに塾長の経験から正直に言いますと、浪人は辛いです。
塾長は勉強が好きな方ですが、それでも辛かった・・・
それを乗り越える覚悟も忘れずに。

 


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科学者になりたい君へ 浪人してでも成りたいですか?

大学の卒業式の写真です

私は職業柄、毎年たくさんの相談を受けます。

  • 夢で大学に進学すべきか、就職を考えて進学すべきか
  • 大学院に進むべきか、内定を取れたから就職すべきか

その中から今日は大学進学の1例について書きます。
私がここで書いたことは、過去、生徒に実際に話した内容です。
ほとんど実話です。

大学院については、また別の機会に書きます。

続きを読む

合格!卒業生からの嬉しい報告

「大学に合格しました!

東京で一人暮らしです!」

一昨年前に赤池校を卒業した生徒です。

安達先生が連絡を受けて喜んでました。

 

「私立大学も国公立大学も合格しました!

地元の私立にしようか、国公立で下宿するか、相談したいです。」

昨年、植田一本松校を卒業して浪人していた生徒です。

私も浪人経験があります。

電話で報告を受けて感動しました。

 

もちろん、在校生の合格報告が飛び上がるほどうれしいです。

(すべて結果が出たら、毎年恒例、全公開します!)

更に加えて、卒業した生徒たちが、わざわざヒーローズに報告してくれるのですから、こんなに幸せなことはありません。

 

最近は受験指導と新学期の準備で目が回るほど忙しいです。

きっと保護者様や学校の先生方も同じでしょう。

そんな中、疲れを吹き飛ばしてくれる報告でした!

 

卒業したり退塾したりした生徒が、戻ってきたり、遊びに来てくれたりします。

なぜか退塾した生徒からの紹介で、新しく入塾してくる生徒がいます。

塾の先生が集まる会やセミナーでの話を聞くと、普通の塾では、そんなことはあり得ないのだそうです。

 

卒業生がまた1人、講師になってくれます。

講師からの紹介で、新しい講師も増えます。

 

生徒たちや卒業生が、ふらっと立ち寄れるような、そんな暖かく、そして一生懸命に頑張れる場にしたい。

大学生の講師にとっても、成長できる場でありたい。

個別指導ヒーローズを立ち上げた7年前に、そう思っていました。

今も変わりません。

 

新しいシステムや業務の改善をしながら、毎年何かしら教室を改造していくのが好きです。

毎年、この時期になると生徒や講師たちから「新しくなった」「変わった」と何かしら言われます。

 

でも、変えたくない大切なものも、ちゃんとありますよ。

生徒たちが歩む、全ての進路に拍手を送りたいです。

 

よし、公立高校の受験も残すところA日程!