Scratch(スクラッチ)と言えば、NHKのEテレ「Why!? プログラミング」でおなじみです。
2020年度から始まる小中学校のプログラミング教育でも多くの学校で採用予定です。
そんなScratchが2019年1月3日にバージョンアップしました。
Scratch2.0からScratch3.0へのメジャーアップです!
期待を胸に、さっそく使ってみました・・・が、しかし・・・
バージョンアップしたScratchと言えども、マインクラフト機能がありませんでした。
チーン ・・・ LEGOはできるのに、なんでマイクラはできないの!?
ということで、塾長がマイクラのできるScratch3.0を用意しました!!
しかもフリーソフト!!
誰でも使えるようにしました。
みなさんもぜひ使ってみてください。
それではインストール方法の説明とチュートリアルを始めます!
※マインクラフトJava版(Minecraft Java-Edition)のみ対応。
※ Windows、Linux、Macで使えます。
※ フリーソフトには機能制限がありますが利用期限はありません。
Scratch3.0の概要
バージョンアップの背景
これまでのScratch2.0はブラウザにFlashという追加機能を組み込んで動かしていました。
Flashは一部のブラウザで使えないだけでなく、すでに開発が停止されています。
よってセキュリティの心配があり、昨年10月から注意が表示されるようになりました。
そして何よりタッチパネルにも対応していません。
Scratchに限らず、今後はFlashを使った機能はだんだん使えなくなっていきます。
ここ10年でブラウザが目覚ましい進化を遂げて、今や追加機能が無くてもかなり高度なことができます。
そこでFlashを使わない純粋なブラウザの機能だけで作り直したのがScratch3.0です。
Scratch3.0のリリース時期
リリースを知らせるメールが来たのは日本時間の1月4日の朝6時でした。
アメリカとの時差14時間を考えれば、現地では1月3日16時にメールを送信したわけです。
ということで遅くとも1月3日リリースということになります。
使ってみた
塾長もさっそく使ってみました。
Scratchの公式URL https://scratch.mit.edu/ をブラウザで表示させます。
今までのScratch2.0の画面よりも柔らかいイメージになりました。
「創作を始めましょう」をクリックすれば始められます。
初めてScratch3.0を使う場合はチュートリアルが表示されます。
使い方は今までと大差ないので経験者は閉じても困らないでしょう。
ステージ(猫の絵がある画面)が右側に移動したのが最も大きな変化ですね。
そして画面左下の赤丸で囲んだボタンが、拡張機能を使うボタンです。
押すと下のような画面が登場します。
新しいScratchでは、このように多くの拡張機能が搭載されました。
これまで通りのLEGOに加えて、micro:bitなどのハードウェア連携も増えました。
人工知能を利用した「音声合成」や「翻訳」まで手軽に使えるのには驚きですね。
しかし、Minecraft(マインクラフト、マイクラ)とつなげる拡張機能は、相変わらず見当たりません。
ま、そりゃそうですよね。
無いものは作るしかありません。
ということで作りました。
マイクラをプログラミングできるScratch3.0改
塾長がMinecraftに対応したScratch3.0(改)を発表したのは1月4日の夜22時前。
リリースからわずか6時間後のリリースです!
実は準備してましたからね。
おそらくScratch3.0でマイクラ対応を開発した人は、塾長が世界で初めてだと思います。
https://manaviva.github.io/scratch-gui/ にアクセスしてみてください。
誰でも使うことができます。
※ 起動に5秒ほどかかります。
※ ベータ版と表示されますが気にしないでください。
Scratchでマイクラをプログラミングってどういうこと?
マイクラを知っている、やったことがある、という人は多いでしょう。
でもマイクラをプログラミングしたことがある人はまだまだ少ないです。
下の絵を見て下さい。
Scratch3.0で金ブロックを直線状に並べるプログラミングした例です。
プログラムを実行するとマイクラのワールドに、それが実現されます。
このように、スクラッチでプログラムを実行すれば、それがマインクラフト上で瞬時に実現されます。
空中や地下に秘密基地をつくったり、巨大な建物を建築したり、
ブロックで美しい模様を作ったり、数学のグラフを描いたり、
プレイヤーを別の場所にワープさせたりできます。
手で1つ1つブロックを積み重ねて作ったら何日もかかるような建築を、プログラムは一瞬で行います。
またプログラムがマイクラを瞬時に操作することを利用すれば、動くものをマイクラの世界に作れます。
目にもとまらぬ速さでブロックを消す操作と置く操作を繰り返せば、あたかもブロックが動いて見えるからです。
そんな、何でもありの楽しい世界にご招待します。
インストール方法
Minecraft(マインクラフト、マイクラ)を新しいScratch(スクラッチ)でプログラミングする環境を作りましょう。
主にWindowsを想定して説明しますが、LinuxやMac-OSでも同様にインストールできます。
ただし iPhone版やNintendo-Switch版など、ゲーム機用のマイクラではできません。
マインクラフトJava版の購入とインストール方法
マインクラフトをお持ちでない方は購入する必要があります。
ただしWindows10をお持ちの方は必ずJava版を購入してください。
プリインストールされているWindows10版では動かないので気を付けましょう。
(Forgeという拡張機能がJava版にしか対応していないためです)
詳細は次のブログに譲ります。
とても詳しいので下のブログを見て下さい。
マインクラフトPC版のダウンロード方法!値段と購入方法を解説!
ブログ「ひなたんち」より
Forge1.12.2のインストールと設定
Forgeのインストールと設定について説明します。
その前に用語について解説しておきましょう。
Forge(フォージ)とは
マインクラフトの機能拡張版です。
マインクラフトにForgeをインストールすると、MOD(モッド)を使えるようになります。
MODはマイクラの拡張機能のことで、たくさんの種類と数があります。
宇宙旅行ができるMOD、家具を置けるようにするMOD、小さなブロックを使えるようにするMODなどが無料で公開されています。
マインクラフトが爆発的にヒットした理由の1つが、このForgeでMODが追加できることでしょう。
プロファイルとゲームディレクトリ
マインクラフトは好きなバージョンを選んでプレイすることができます。
マイクラには1つのバージョンにノーマル版とForge版の2つが存在し、しかもバージョン間の互換性があまり高くないため、バージョンを指定できることがとても重要だからです。
もしもバージョンを変えるごとに今までプレイしたデータが破壊されては困ります。
そこで、バージョン毎にデータの保存先を切り替えて使える機能がついています。
それがマインクラフトの「プロファイル」です。
プロファイルはマイクラの設定に名前を付けたもので、いくつでも作れます。
1つのプロファイルには、
- プロファイルの名前とアイコン
- マイクラのバージョン
- ゲームディレクトリ
を自由に指定することができます。
「ゲームディレクトリ」とは、マイクラのデータを保存するディレクトリのことです。
ゲームディレクトリが変われば、独立したゲーム環境がつくれます。
バージョンごとに環境を分ける、兄弟で環境を分ける、使うMODの種類で環境を分ける、などプロファイルの使い方は色々な応用が利きます。
プロファイルの設定
さて、今回のプロファイルは次のように想定します。
- プロファイル名 : hero_taro (好きな名前を指定)
- バージョン : release1.12.2-forge1.12.2-***
- ゲームディレクトリ: C:\minecraft\hero_taro (好きなフォルダを指定)
この設定を頭に入れてから下のリンクを見て、手順通りに進めてください。
※ ディレクトリを区切る文字 “\” は日本語のWindows環境では “¥” と表示されます。
Forge1.12.2のインストールと設定
さてインストールの実際は次のブログをご覧ください。
(他のブログのリンクばかりですみません。でも解りやすいので、そちらに譲ります。)
ただしプロファイルの設定は上記に従ってくださいね。
PC 版 Minecraft に MOD を導入する方法 【Forge 1.12.2 版リリース済み】
https://nj-clucker.com/minecraft-forge-mod-install/
ブログ「NJ-CLUCKER」より
上のリンクでも言われている通り、Forge1.12.2をインストールしてプロファイルを作成したら、必ず少なくとも1回はそのプロファイルでマイクラを起動し、ワールドを作成してプレイしてください。
そうしないと、後で説明するmodsフォルダが作成されません。
また、もしもForgeをインストールする時か、マインクラフトを起動するときに、Javaが必用という旨のエラー表示が出されたら、次の要領でJava SE 8 JRE(通称Java8)をインストールしてください。
Java8のインストール方法
アプリを起動するために Java が必要と言われた場合にインストールしなくてはいけないもの
https://nj-clucker.com/install-runtime-for-java-application/
ブログ「NJ-CLUCKER」より
こここまでで、一応Forge1.12.2のインストールが完了です。
Raspberry Jam MOD のインストール
Rasbberry Jam MODとは
このMODは、マインクラフトが他のアプリからの命令を受け取れるようにする拡張機能です。
スクラッチからの命令をマインクラフトが受け取れるようにします。
MODのインストール先
MODを入手する前にインストール先を確認しておきます。
プロファイルの作成で指定したゲームディレクトリが
C:\minecraft\hero_taro
の場合、MODをインストールするフォルダは、
C:\minecraft\hero_taro\mods
となります。
ただし作成したプロファイルで1度もゲームをプレイしていなければmodsフォルダは作成されません。
modsフォルダが無い時は、1度マイクラをプレイして終了させてください。
Raspberry Jam MODの入手とインストール
それではMODを入手しましょう。
ブラウザでURL https://github.com/arpruss/raspberryjammod/releases を指定して開いてください。
すると下のようになります。
最新のバージョン(2019年1月現在では0.94)の mods.zip をクリックしてダウンロードしましょう。
ダウンロードしたファイルはZIP形式です。
ダブルクリックする中を見ることができます。
その中にバージョン名のフォルダーがいくつも現れます。
Forge1.12.2のバージョンと同じ「1.12.2」というフォルダを選択し、その中にある「RaspberruJamMod.jar」を選んでコピーしてください。
そして、それをゲームディレクトリのmodsフォルダの中にペースト(貼り付け)します。
今回の例では次の位置になります。
C:\minecraft\hero_taro\mods\RaspberryJamMod.jar
コピーできたら、それでインストール完了です。
もしもmodsフォルダが見当たらない場合は次のことをチェックして修正してください。
- まだ1度もマイクラをプレイしていなかった
- マイクラを起動したけどワールドを作成していなかった
- 別のプロファイルで起動していた
- プロファイルに指定したフォルダが別の場所だった
マイクラの起動確認
正しくコピーできたら、マインクラフトを起動してみましょう。
正しいプロファイルを選びましょう。
もしも次の画面が表示されずに起動してしまった場合は、Forgeをインストールし忘れているか、またはプロファイルで指定したマイクラのバージョンがForge1.12.2になっていないか、のどちらかです。
無事に起動したら、下の画面になります。
赤丸部分のバージョンが正しく1.12.2であることを確認しましょう。
続いて「Mods」ボタンをクリックしてください。
インストールされているMODのリストを見ることができます。
リストを下の方へスクロールし、「Raspberry Jam Mod」があれば無事にインストールされている証拠です。
これでインストールは完了です。
お疲れ様でした。
チュートリアル
Scratch3.0改のはじめかた
それではプログラミングをはじめましょう!
ブラウザでURL https://manaviva.github.io/scratch-gui/ を指定します。
「Scratch3.0ベータ版」とありますが気にしないでください。
「試す」ボタンを押してください。
はい、これがScratch3.0改の画面です。本家のScratch3.0と同じですね。
拡張機能 Micramming の追加
さっそく、マインクラフトを操作するための命令ブロックを追加します。
画面左下の「拡張機能を追加」ボタンを押しましょう。
すると利用可能な拡張機能の一覧が表示されます。
一覧の最後に「Micramming」があります。
マインクラフトの世界で金の卵とプレイヤーが空中に浮いている絵です。
それをクリックしましょう。
するとスクラッチの命令ブロックに「マイクラミング」というグループが現れて、緑色の命令ブロックが追加されました。
命令ブロックの左端がマイクラミングのアイコンになっています。
なお、右端に「ヘルパー」と書いてある命令ブロックはフリー版では利用できません。
モードの切り替え
起動した直後のモードは「ヘルパーが(有る)モード」です。
このモードは有償版(受講生専用)ですから、無償版のモードに切り替える必要があります。
画面左の「マイクラミグ」の最初の命令ブロック「ヘルパーが(有る)モード」を見て下さい。
この命令ブロックの「有る▼」の▼部分をマウスでクリックして「無い」を選択します。
そのあとで「ヘルパーが(無い▼)モード」の命令ブロックを1クリックしましょう。
命令ブロックをクリックするときは、(無い▼)以外の部分をクリックしてください。
クリックすると、命令ブロックが一瞬ピカと光るように見えます。
それが命令実行の合図です。
実行されたか不安な場合は、もう一度クリックしておきましょう。
これでモードの切り替えが終わりです。
起動したら、毎回、最初にこのモード切替を実行するようにしてください。
地形を平地にならす
マインクラフトのワールドを作成すると、起伏の富んだ自然の風景になるでしょう。
しかしプログラミングで色々な建築を楽しみたいので、フラットな地形の方が都合が良いです。
そこで最初に山や谷を平地に整地してしまいましょう。
普通なら整地作業はとても大変です。
TNTで山を何回も爆発させたり、谷に土ブロックを大量に置いて埋めたりするなどします。
ところが、プログラムなら一瞬です。
命令ブロック「周囲をリセット」を1クリックしてください。
たったこれだけです。
山がちだった地形が、
あっという間に平地になりました!
1つの命令ブロックをクリックすると、それが実行されます。
実はこれは「1行だけのプログラミングをした」ことと同じです。
ちなみに今実行した「周囲をリセット」は、スクラッチからマインクラフトへ1万個のブロックを置いたり消したりするように指示する命令です。
そう考えると、プログラミングの破壊力を実感できるでしょう。
ハローワールド
多くのプログラミングの教科書では、最も簡単なプログラムの事例として、文字列を表示させるところから始めます。
表示させる文字列で「Hello world!」を使う人が多いので、初めてするプログラムを属にハローワールドと言います。
今回は「こんにちは!」という文字列をマインクラフトのチャットに表示させましょう。
命令ブロック「チャット(こんにちは!)」をクリックしてみましょう。
はい、表示されました。
他のプログラミング環境に比べて、いかに簡単かがわかるでしょう。
もちろん「こんにちは!」の部分を好きな文言に変えることができます。
ちなみに、これをPython(パイソン)というプログラミング言語で書くとこうなります。
print(‘こんにちは!’)
英語を覚えて打つのが大変ですね。
しかもカッコ( )やアポストロフィ ’ などが必要で、どの1文字でも打ち間違えたら動きません。
決まりごとが多くて、普通のプログラミングは大変ですね。
クリックしただけでプログラミングした気がしない。
という方は、次のようにしてみましょう。
「イベント」グループの命令ブロックから「(旗)がクリックされたとき」を真ん中の領域へドラック&ドロップします。
次に「マイクラミング」グループの命令ブロックから上で使った「周囲をリセット」ブロックと「チャット(こんにちは!)」ブロックをドラッグ&ドロップして、順にくっつけましょう。
これでプログラミングが完成です。
これは、緑色のハタ印をクリックするたびに、
「周囲をリセット」ブロックと「チャット(こんにちは!)」ブロック
が実行されるプログラムです。
金ブロックで直線を描く
最後に金ブロックを直線状に並べるプログラムを紹介します。
「作ったブロック」グループに「ブロックを作る」というボタンがあります。
これは新しく命令ブロックを作るボタンです。
詳細な使い方は別途スクラッチのチュートリアルなどを見て下さい。
これを新しく「line2」という名前の命令ブロックを作ります。
命令ブロックには7個の引数を追加します。
- block: テキスト
- X1: 数値
- Y1: 数値
- Z1: 数値
- X2: 数値
- Y2: 数値
- Z2: 数値
マインクラフトの世界で、座標(X1,Y1,Z1)と座標(X2,Y2,Z2)の2点間に blockで指定したブロックを直線状に配置するようにします。
細かい説明は省きますが、次のようになりました。
この「line2」を使えば建築のプログラミングも楽になるでしょう。
横の直線を5段積み上げれば壁になります。
斜めに積み上げれば屋根も作れるでしょう。
ブロックに「空気」を指定すれば地下に廊下や洞窟を掘ることもできます。
この様にフリー版でも「ブロックを作る」などを駆使すれば、かなりのプログラミングができます。
ただし速度は遅いです。
フリー版と生徒版(有償版)の違い
受講生が利用できる有償版は、これらを高速に行える命令ブロックを最初から備えています。
さらに円やおうぎ形、球や卵型など、2Dや3Dの様々な立体も描くことができるだけでなく、マイクラのブロックで巨大な文字を建築することも簡単にできます。
上の図は、「レッドストーンの円」「金の卵」「ラピスラズリの楕円体」そしてガラスと羊毛でできた「Great!」の文字列を描いたプログラミングです。
プログラムはたったの4行。
しかも1秒以内に描画が完了しています。
もちろん、これをフリー版で行うこともできます。
ただし大学レベルの数学が必要になります。
しかも計算量が大量になるので描き終わるまで何分も待たされるでしょう。
有償版は、そうした数学的な難しさを取っ払って高度なプログラミングができます。
「プログラミング的思考」の教育が目的だからです。
受講にご興味があれば、次のどれかでお問い合わせください。
または最寄りの教室にお声がけ下さい。
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