塾長です。
生徒の皆さん、朗報です。
受験戦争が終わりつつあります。
しかも私立高校も公立高校も無償化されています。
みなさん、好きな高校へ行きましょう!
愛知県公立高校入試 過去4年間の平均点
愛知県のホームページ「高等学校への入学」に昨年度の平均点が掲載されました。
公立高校入試の平均得点(22点満点)について以下の通りです。
国語 | 数学 | 社会 | 理科 | 英語 | |||||||
A | B | A | B | A | B | A | B | A | B | ||
R02 | 受検者 | 14.1 | 14.2 | 10.8 | 9.7 | 12.8 | 12.4 | 10 | 10.7 | 10.9 | 10.8 |
合格者 | 14.7 | 14.7 | 11.5 | 10.1 | 13.4 | 13 | 10.7 | 11.3 | 11.5 | 11.4 | |
H31 | 受検者 | 13.6 | 13.5 | 12.7 | 12 | 12 | 12.6 | 8.5 | 9.6 | 11 | 11.2 |
合格者 | 14.1 | 13.8 | 13.1 | 12.4 | 12.5 | 13 | 9.1 | 10.1 | 11.7 | 11.5 | |
H30 | 受検者 | 13.8 | 14.2 | 12.4 | 11.2 | 13.4 | 11 | 10.3 | 10.8 | 11.1 | 11.4 |
合格者 | 14.5 | 14.8 | 13 | 11.8 | 13.8 | 11.6 | 10.8 | 11.4 | 11.6 | 12 | |
H29 | 受検者 | 15.3 | 13.6 | 10 | 13.5 | 13.9 | 11.6 | 11.4 | 11 | 11 | 12.3 |
合格者 | 15.7 | 14.1 | 10.3 | 13.9 | 14.4 | 12 | 11.9 | 11.5 | 11.3 | 12.8 |
※ 出典: 愛知県HP「高等学校への入学」-「(6) 学力検査得点の平均点(全日制課程)」
全体的な傾向としては、毎年どんどん平均点が下がってきているようです。
ただし表のままでは分かりにくいですね。
他の情報も含めて分析していきましょう。
過去5年の推移
科目別に平均点を見てしまうとバラツキが大きいです。
そこで5教科の合計点で見ることにします。
各方面や各先生のブログなどから次の情報を集めてみました。
- 公立高校入試5教科総合得点の平均点
個別学習のセルモ 日進西小学校前教室 西尾先生のブログ https://www.selmo-nisshin.jp/2019-06-21-enter-exam-average/ - 公立高校定員割れによる二次募集の人数(県の合計)
未来義塾 守田先生のブログ https://miraigijuku.com/2020/03/28/28-3/ - 中学生の人数(県の合計)
愛知県 令和元年度 学校基本調査結果「学校調査(PDFファイル)」P20 https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/321931.pdf - 普通科全体の受験倍率
2018~2019年度 愛知県ホームページ https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kotogakko/0000027366.html 2015~2017年度 さくら個別指導学院 國立先生のブログ https://sakura394.jp/aichi-hi-school/owari-kouritu/how-to-read
次の表にまとめました。
愛知県公立高校入試 年度推移
卒業年度 | 二次募集 人数 |
中学生数 (人) |
倍率 | 平均得点率 (%) | |
A日程 | B日程 | ||||
2015 | 420 | 216944 | 2.43 | 59.6 | 57.4 |
2016 | 550 | 213816 | 1.9 | 55.1 | 56.9 |
2017 | 789 | 210948 | 1.88 | 56.0 | 56.4 |
2018 | 1,064 | 206910 | 1.96 | 55.5 | 53.3 |
2019 | 1,560 | 206367 | 1.91 | 52.5 | 53.5 |
せっかくなので表にしました。
- 青色系が平均点の推移です。
- 赤色~オレンジ系が定員に関する動態です。
なぜ入試の平均点が下がり続けるのか?
上の青い折れ線のグラフを見れば、年々、入試の平均点が下がっているのは明らかです。
「脱ゆとり教育」や「高大接続教育改革」などで指導要領が増えて難易度も上がっていることは確かです。
ということは、やっはり、入試が難しくなってきたので平均点が下がっていると見るべきでなのでしょうか?
塾長は今年の入試問題について次のように分析してブログを書きました。
この中で全体的に問題文が長くなる傾向や、思考力を試す問題が増えている傾向をだと書きました。
確かに少しずつ問題が難しくなっているのだと思います。
ただし気になるのが赤い折れ線のグラフです。
公立高校の定員割れが、どんどん目立ってきているということです。
また、オレンジ色の折れ線のうち、上の折れ線は中学生の人数、下のは公立入試の競争倍率です。
生徒数が減少しているにもかかわらず、入試の倍率が2倍弱で安定しているのは、公立高校の定員が調整されているためです。
これについて考察してみましょう。
グラフには書いてないことも含めて、一昨年前から昨年にかけて、次の変化が分かっています。
- 中学生の人数が540人くらい減少した
- 公立高校の定員が320人減少した
- 私立高校の定員が約100人減少した
- 公立高校の二次募集人数が496人増加した
- 高校進学率は9割以上である
- 私立高校のほとんどが定員の50~80%を推薦入試としている
- 私立高校も含めて高校が無償になった
まず生徒数が540人減ったけど定員は420人しか減っていません。この時点で定員に余裕があります。
同時に、私立高校の推薦枠が増大し、私立も無償化されました。であれば入試日程の遅い公立高校の人気は下がります。
結果として公立高校は定員割れをおこして二次募集の人数が増えています。
志願時点までは受験倍率を2倍弱にキープできていますが、実際には途中から多くが私立高校に流れていることが浮き彫りになってきました。
公立高校は定員割れを起こしており、その人数が増加しいていることから、実質的な倍率は低下していると言えましょう。
つまり高校の受験競争は緩くなってきていると言えます。
これはもう確実でしょう。
つまり、そんなに難しい問題まで解けなくても合格できる状況にあると言えます。
受験生の学力が例年通りだと仮定しても、問題が難しくなれば平均点が下がるだけと予想され、実際に数字がその通りになっています。
つまり入試の問題を難しくしても平均点が下がるだけで、教育的な効果は無いと言えます。
受験や競争が勉強する理由にはならなくなってきた
上のことを簡単にまとめますと、
- 子供の数より高校の定員の方が多い
- 推薦入試の方が定員が多いし受験も早く終わる
- 私立高校も含めて高校は無償で行けることになった
という時代になりましたので、無理して勉強しなくても進学できるようになりました。だから、
- 入試の問題を難しくしても、だれもそこまで勉強しない
- 入試の難易度をx点分難しくすれば、平均点がx点分だけ下がる
という状況になりつつあります。
従いまして、
教育改革の方向性として、入試の問題を難しくする路線は間違い(意味ない)
という結論になりそうです。
そして、この状況は大学入試も同様です。
大学の方が、もっと定員が余っています。
おそらく大学入試の新テストはセンター試験よりも平均点が下がるでしょう。
同時に、新テストで導入された難しい問題は、受験生の学力を上げる効果には繋がらないでしょう。
意外に思われるかもしれませんが、実は塾長としては、それはそれで良いことだと思っています。
二極化が起こり、次に差別化が起こり、最後に個別化が起こる
このように全体としては大きく早い変化の最ただ中です。
しかし人々の価値観は、変化に気づいてから追従するかたちで、ゆっくりと変化します。
二極化のフェーズ
ですから当面は
「偏差値が高い高校」=「良い高校」
という価値観は存続するでしょうし、姿を変えて永続もすることでしょう。
つまり一生懸命3月まで勉強する生徒と、あまり勉強しない生徒で、学力の格差がものすごく開きます。
あくまで偏差値という見方をすれば、おそらく中堅クラスの高校という存在が無くなっていきます。
偏差値の難易度は、難関校はさらに偏差値が上がり、中堅以下はどんどん偏差値が下がります。
差別化のフェーズ
私立高校は推薦枠を広げて一般入試の定員を絞ることで、一応、偏差値ランクの維持を試みます。
しかし生徒数はさらに減ります。
そのような対策もすぐに限界が来るでしょう。
同時に、推薦で受け入れた生徒たちをしっかりモチベートし、勉強してもらうように導かなければなりません。
その子たちが卒業した後で、高校の名誉を上げてくれなければ、高校が続きません。
だからといって偏差値で競争して大学の進学実績を上げる作戦には無理があります。
推薦で受け入れた生徒たちは偏差値の競争が苦手だからです。
しかも大学はもっと二極化が進んでいて、名の通る大学は、さらに偏差値の難易度が上がっています。
では、どうするか?
進学実績以外で、高校の存在意義をアピール数しかありません。
他の高校との差別化です。
- 注目度の高い部活を強くする
- かるた部など新しい分野の部活で一気に有名になる
- 大学とのパイプを太くする
- 交換留学のパイプを太くする
- 資格試験に強い学校にする
- 特殊学科を増やす
などです。
すると今度は、推薦入試のマッチングがもっと大切になってきます。
高校の活動や特長に賛同してくれる生徒を1人でも多く一本釣りするような入試になります。
こうなると入試というよりは「お見合い」です。
高校全体としては、むしろ一般入試で偏差値の高い学生を受け入れるよりも良い結果をうむでしょう。
このように「お見合い」入試をする高校は現在どんどん増えています。
もちろん大学も同様です。
個別化のフェーズ
差別化はさらに細分化し、最終的には、生徒ひとり一人に合った教育をしていく所まで行きつくでしょう。
これまでは不可能だったかもしれませんが、ITSで可能になってきます。
個別化です。
しかし、このフェーズにある高校は、まだほとんどありません。
これからです。
これからの学力とは?
上のようなことを書くと、
学力の向上が置き去りにされてしまうのではないか?
と心配になる人もあるでしょう。
もちろん学力は大切です。
ただ「学力」の意味を問い直したうえで「新しい学力」の向上をはかる、という意味で大切です。
そういう時代に来ていることは確かだと思います。
難解な文章の読み書きが、本当に国語力なのか?
塾長は文を書くのが好きですが、分かりやすい文章で書こうと思うと、すごく書くのに苦労します。
こうしてブログを書くからには、多くの人に読んてもらわないと役に立ちません。
しかし難解な文章を書いていたら、だれも読んではくれません。
そのようなことに気を遣うと、作業の効率が悪くなるのです。
だから塾長は、文章力がないというか、本当の国語力がまだまだ足りないと思っています。
まだまだ国語を勉強しいてます。
そう考えますと、
あれ?
学校や入試対策では、今まで逆のことをやってきましたよね。
お偉い評論家の書いた難しい文章を、正確に緻密に読み解く訓練をしてきました。
生徒に現代文を指導するときも、そんな感じで指導すると点数が伸びます。
だからパズルのように深い意味が編み込まれた文章を書ける方が偉いのだと、何となく思わされてきました。
しかし社会に出て、
- ブログを書くとき、
- 広告を書くとき、
- 報告書を書くとき、
どうでしょう?
難しい文章を書こうものなら、
- 誰にも読んでもらえません、
- 注目されずに成果が出ません、
- 上司から「わからん!」などと怒られます
おかしいですよね。
今まで勉強してきた国語力とやらを発揮すればするほど、役に立ちません。
日本の国語の教育は、本当に正しいのでしょうか?
私は最近、難解な文章の読解を試すような教育は、正しくないと思うようになりました。
それどころか職場で使えない人間を量産してしまう危険性すらあります。
表現方法を多種多様にするべし!
上のような国語教育の失敗がなぜ起こってしまうのかを考えましょう。
次のことを考えてみてください。
これまでの偏差値教育の最大の欠点は何でしょうか?
これについて私なりに答えを持っています。
私がこの問題に名付けた名前からご想像ください。
「文字列依存症」
こうに呼びたいと思います。
※ 中二病でもよいですが、これには色々な意味がありすぎるようなので、別の名前にしました。
その問題とは、
教科が何であれ「読む」「書く」「聞く」「話す」という4技能のすべてが「文字列」だけに依存しているということです。
例えば、社会の試験なのに、漢字で書けなければ失点、とかは単なる罰ゲームです。
時間の無駄とは言いませんが、その採点基準をクリアするための努力は時間と体力の消耗でしかありません。
情報処理の資格試験でさえ、回答が漢字でないとダメみたいですから、もう病気ですね。
パソコンを使う技術者に漢字調べや漢字の自動変換を許さないと言っているようなものですから。
難しい文章で説明するより、図表を使った方が分かりやすいのであれば、図表を使うべきです。
情景を表現するのは文章だけではありません。
文章を読み書きする力と、絵や図表で読み書きする力は、教科を問わず等しく扱われるべきですよね。
既存のくだらない採点基準を一発で亡き者にできる方法があります。
試験には、辞書でもパソコンでも持ち込み可能にしてしまえばよいです。
これだけで教育のすべてが改善されるでしょう。
今までこれができなかったのは、情報の伝達手段が貧弱で高価だったからです。
本当の学力とは?
今は違います。
文でダメなら絵で、あるいはスピーチや動画で。
情報のインプットもアウトプットも、色々な手段があるので、どれか1つの手段で解釈に成功すれば〇がもらえれば良いでしょう。
そのような教育体系に早く進化させるべきでしょう。
試験の問題は多種多様な表現手段と膨大な情報量で構成されるべきでしょう。
回答形式も自由で良いと思います。
その前に、そもそも試験は不要になるという問題もあります。
ITSで生徒たちの学習過程の全てがロギングされていれば、評価のためにわざわざ試験を行うなんて必要がありませんから。
これからの学力は5感のどれかで、あるいは全てを使って回答を導く能力のことだと、塾長は思います。
しかも問題が複雑化する現代にあっては、模範解答ではなく、最適解が求められるのです。
ますます多様な表現手段が必要です。
これまでは、教育の世界で扱うことができた情報伝達手段がショボかったので、そのシュボさに合わせて文字列依存症の教育になっていました。
文字列というごく狭くて限られた世界で、文字列を扱う能力が伸ばせた人だけが高い偏差値をとって「優秀」とされてきました。
今もです。
早くその状態を脱するために、教育のITS化があるのだと思います。
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