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読解力

共通テスト2021年を解いて分かった大学受験の勉強法(前半)

大学入学共通テスト2021年1月

塾長です。

大学受験のキミたち!
日本初の共通テスト、本当にお疲れさまでした。

特にコロナ禍でマスク着用やソーシャルディスタンスなど予定外の対策まで必要になってしまい、本当にご苦労様でございました。
まずは2日間の受験を終えました苦労をねぎらいたいと思います。

さっそく後輩たちのために塾長の所感を書きますが、気に障るようでしたらここから先は読まないでくださいませ。

やってみた教科

昨年同様、現代文、英語、数学1A、数学2B、を解いてみました。

それらのうち今回は英語と現代文について書きます。
数学1A、数学2Bについては次回のブログにします(こちらです)。

使ったのは中日新聞の朝刊です。つまり1日遅れて問題を目にしました。
字が小さいので老眼との戦いでした。塾長は視力が0.1未満で、さらに老眼。
眼鏡をはずし、紙面を20cmまでぐぐぐっと近づけ、背中を丸めるようにして1問、そしてまた1問・・・と解きました。

あらためて健康体でなければ受験が困難な試験だと思いました。

それでは教科ごとに中身を見ていきましょう。

難易度の表記

  • ★☆☆☆☆: 中2未満のレベル
  • ★★☆☆☆: 中2~中3レベル
  • ★★★☆☆: 高1~高2レベル
  • ★★★★☆: 高3レベル
  • ★★★★★: 教科書とは関係なく専用の訓練が必要

ただし塾長の感覚です。

英語

難易度など全体の所感

塾長の所感ですが、端的にまとめると次のようになります。
文章自体の難易度は例年通りかやや易しくなったものの、とにかく増量しすぎて解ききらない。
そんなテストになりました。

  • 英語の語彙力: ★★★★☆ 英検2級程度の単語力と熟語力
  • 文章の読解力: ★★☆☆☆ 中2~中3程度(同じ内容が日本語だった場合)
  • リスニング力: ★★★★☆ 英検2級以上
  • 事務処理能力: ★★★★★ ハイレベル。スピードと集中力を維持できること

文章の読みやすさ、つまり構文や単語、熟語のレベルはそれほど高くはないと感じました。
昨年と同じくらいか、むしろやや簡単になったと思います。
文法・語法の出題が無くなったことで、余計に語彙数の負担が減ったように感じたのかも知れません。

資料との対応が増えた、というか、そればっかりの出題になりました。
資料との対応を読み取る能力を含めた「読解力」は、せいぜい中3程度でした。
つまり同じ内容が日本語で書かれていたとすれば、中学2年生~3年生でも読解可能な内容でした。

ただし、長文と資料の対応を確認しながら読むため、平文を読むのに比べれば、どうしても時間がかかります。それだけ焦ると思います。
なにしろ分量が多いです。
とにかく文字数が多い、多すぎる!

つまり「思考力を試す」というよりも、相変わらず「事務処理能力を試す」ようなテストでした。
むしろ従来よりもその症状が悪化してしまいました。

ひたすら読解のスピード勝負!

そんな感じのテストです。

必要な対策

とにかく多読と音読です。
語彙力、読解力、リスニング力、スピード力(事務処理能力)のうち、自分の弱点がどこかを把握しましょう。

個々に考えてみましょう。

英語の語彙力

単語や熟語は、もちろん教科書だけでは不足です。

単語帳(熟語帳)は、学校から配布されてテストに使われているようなものがあれば、それでも十分だと思います。
あるいは偏差値55以上の私立の独自試験や、偏差値50以上の国公立の2次試験を対策している生徒であれば、その対策に用いている単語帳で十分でしょう。
マーク試験ですから、読めればよいですし、分からない単語が1つや2つあっても推測できます。

英検2級対策の単語・熟語集などもおすすめです。
多読を兼ねて速読英単語(Z会)を使うのも良いでしょう。「必修編」のレベルで対応可能です。

文章の読解力

英語以前に、もしも現代文の定期テストで赤点前後だったり、模試で現代文の偏差値が30台だったりする場合は、まず国語力から鍛える必要があります。
たとえば高校受験用の国語の過去問などを使って、文章読解の基礎を固めましょう。
高3でやることではありません。できれば高1、遅くても高2までに潰しておきましょう。

次に英語としての読解力について。

英語の全国模試で偏差値45未満、あるいは英語に苦手意識のある人は「英文解釈教室 伊藤和夫 著」などで強制的に思考回路をリセットすることをオススメします。
自分が「読めている」と思っていることが、実は「全く読めていない」という自覚を持つことが全ての出発点です。何もかもが変わります。

英語の偏差値が45以上ある人は、学校から配布されている英文解釈の参考書や問題集をやりこんでみましょう。
ただし進学校でない場合は、そもそも問題集が配られていなかったり、よく分からない問題集だったりするので、別途、定評のある問題数をオススメします。
「英語の構文150 鷹家秀史 著」がムダが無くておすすめです。

リスニング力

発音の聴き分けは英検2級くらいの実力で対応可能です。
しかし内容の把握には、それ以上の能力が必要だったと思います。これも英語というよりも読解力になります。

まず中3英語を1語も洩らさずにリスニングできること。これで5割くらい取れるでしょう。
リスニングが全然ダメ、という人は、中3の教科書と、教科書準拠のリスニングCDを購入して聞きこみましょう。
やるなら高1か遅くとも高2です。

語と語のつながりの発音

なお、語と語のつながりが聞き取れない、という人は、そもそもフォニックスが身に着いていません。
アルファベット25文字の基本的な発音をマスターしたうえで、できるだけそれに忠実に音読してください。
そうすれば、自然に語と語のつながりで発音が変わるようになります。

もちろん例外はありますが、そういう細かいことはやりながら見つければよいだけのこと。

リスニングは耳だけで聴いているイメージですが、実は運動神経にも問い合わせが行われているように感じます。
つまり、自分の体で発音できない音は聞き取りにくいですが、正しく発音できる音は聞き取りやすいです。

ですから、フォニックスで口の形や舌の位置をしっかり気を付けながら音読できるようになれば、必然的にリスニングの感度が上がります。

このあたりの基本がマスターできれば、あとは普通に共通テスト用のリスニング対策の教材が使えるようになると思います。

私の生徒に、速読英熟語のCDを使っている生徒がいました。熟語力アップとリスニング力アップの両方を兼ねてやっていたそうです。これはうまいやり方です。もちろん秋になれば別途、共通テスト用のリスニング対策をする必要がありますが、このように効率を上げるやり方も良いと思います。

4人の会話を聞き取る例の問題

ところで、今回話題になった第6問B。4人が会話する形式で「私は聖徳太子ではないので聞き取れません。」というような悲鳴がネット上で散見されました。聞いてみると流石に4人が同時にしゃべっているワケではなく、順番に話している形式でした。そりゃそうですよね。
こうした形式に依存した練習は高3になってからやれば大丈夫です。

事務処理能力

まず大前提として、高2までに英文解釈の問題集をやりこんでおきましょう。英文解釈がめちゃくちゃだと読解スピードを上げようがないからです。
英文解釈ができていれば、英語は英語の語順のままで理解できるはず。日本語の語順で英文を読むようでは論外です。スピードが上がりません。

英文解釈の基本ができたうえで、スピードアップの対策をやりましょう。
そしてスピードアップの練習は必須です。

高3の早い段階で、時間をはかってスピードを上げていく訓練です。
これは学校や予備校の授業とは関係なく、自分で時計と問題集を用意して訓練することです。

スピードを上げて多読するには、センター試験の過去問でも十分に役立ちます。
センター試験の過去問について、大問4~6の長文問題だけを使って、10年分を読みまくる、解きまくる、という訓練が手っ取り早いです。
大問1あたり15分以内を設定して取り組みます。そこから30秒とか1分とか、できるだけ短時間で解けるように練習してみてください。

なお、長文で有名な問題集として「やっておきたい英語長文」シリーズがありますが、これは多読の練習には不向きです。
個別試験対策と位置付けましょう。

出題傾向の予測は可能だったか?

初めての共通テストということで、出題形式を心配していました。

しかし、予備校が出版している予想問題パックと全く同じ形式でした。
塾長はZ会の「共通テスト予想問題パック」で事前に傾向を把握したのですが、ドンピシャでした。

お見事です!

ただ、twitter などネット上では

「模試とは全くちがった」

という悲鳴が散見されました。どこの模試だったのでしょうか?

一方、これまで文科省が高校で2回実施してきた試行調査の問題とは、かなり傾向が違っていたのは確かです。
民間試験や記述試験の導入が見送られ、途中で方針がだいぶ変わってしいましたから。

よって予備校のマーク模試も、回数を重ねるごとに精度が上がったものと思われます。
直前模試や予想問題で対策しなかった人は、予想外の出題形式だと面食らったのかもしれません。

イギリス英語に注意!?

今回はイギリス人が留学しているという場面設定がありました。
そのためイギリス英語の影響を少し受けていたように思います。

例えば、問3Bの中で「サクラ国際センター」を “Sakura International Centre” とつづっていました。センターはアメリカ英語では Center ですが、イギリス英語では Centre です。最後の「アー」を er とするか re とするかが違います。

日本の参考書の多くはアメリカ英語で解説されています。単語帳もそうでしょう。ですから

「イギリス英語とは少し違うものだ」

という知識が無いと、ちょっと戸惑ったかもしれません。
ただでさえ共通テストは時間が無い中で焦って解くようなテストですから、こうした些細な違いでも精神的なプレッシャーは大きかったことでしょう。

もしも今後、これがリスニングまで影響してくると、ちょっと高校生には対応が不可能なんじゃないかと思います。
例えば、walk 「歩く」は、アメリカ英語では「ウォーク」と発音しますが、イギリス英語では「ワーク」です。work「仕事」に聞こえてしまいます。

本当に高校の現場で、ここまで指導することを求めているのでしょうか?
不可能だと思うのですけれど・・・

現代文

難易度など全体の所感

塾長の所感ですが、端的にまとめると次のようになります。
昨年と同様に、共通テストという趣旨の問題としては、すでに難易度が上限に達していると思います。
本文の文字数は昨年と同程度でしたが、設問の文字数が大幅に増加したため、全体としては文字数が増加しました。

  • 国語の語彙力: ★★★☆☆ 高1~高2程度、漢字検定2級程度(読めればよい)
  • 文章の読解力: ★★★☆☆ 高1~高2程度
  • 論理的思考力: ★★★★☆ 高3程度
  • 事務処理能力: ★★★★★ ハイレベル。スピードと集中力を維持できること

昨年のセンター試験から継続して、論理的思考力や主体的な学びをテーマとした設問がありました。
難易度に大きな変更はなかったものの、生徒の主体的な学びについての出題が肉厚になりました。

必要な対策

次のようなことに注意して読む訓練をしましょう。それ以外は現代文の参考書や問題集の通りです。

  • 物事の変化を時系列に整理しながら読む
  • 論理的思考のプロセス(後述)に当てはめながら読む
  • 意見と事実(記載や引用)を区別して読む
  • 回答を決めるときは、単語単位の精度で消去法をおこなう
  • 抽象的な議論は、具体例をあてはめて解釈を簡単にしてみる

また英語と同様に、事務処理能力を鍛えるにはセンター試験の過去問も有効です。
現代文の問題を大問1あたり19分以内に設定して解けるように訓練してみましょう。

論理的思考力とは?

ところで「論理的思考力」って何よ?
「読解力」と何が違うのよ?

とツッコミたくなる人もいるでしょうから、塾長なりの説明で補足しておきます。

  • 読解力  : 語と語、文と文、段落と段落などといった文脈の枠踏みを意識しながら読み解く力
  • 論理的思考: 文脈の中身のあり方の1つ。次の1~5のプロセスを踏襲する科学的な行動パターン

論理的思考のプロセス

  1. 研究テーマを設定する
  2. 評価方法(見方や分析の手法)を宣言して現状を把握する
  3. 仮説を立てる
  4. 調査や実験をおこない、宣言した評価方法で分析する
  5. 結論をまとめる
  6. 発展や応用または課題をまとめる

※2と3は逆の順番になる場合もあります。
※6が無い時もあります。

つまり「論理的思考力」というのは、上のようなプロセスを徹底しながら物事を理解していく能力のことです。

文系にも理系にも使える世界共通の考え方です。

ただし、論理は万能ではありません。
例えば、論理的思考のプロセスを守ったからと言って、正しい結論が出るとは限りません。

しかし、プロセスを決めておくからこそ、後で検証したり改善したりすることができます。
前回より今回、今回より次回と、回数を重ねて、より良い方法を見つけていくことができます。
こうして論理的思考というプロセスを守ることで、たとえ正解が分からなくても、「正解に近づいていくような活動」ならばできます。

人間は神様ではないので答えの分からない問題がたくさんあります。
そのような問題にチャレンジするために論理的思考というプロセスが有効というワケです。

第1問

論理的思考の手本とも言える文章が出題されました。
文系だろうと理系だろうと、大学を卒業する際の「卒論」は、このような構成の文章を書きあげる必要があります。

みなさんは上の論理的思考のプロセスに、本文を当てはめることができますか?

  1. 妖怪がいつからどのようにフィクションになったのか?
  2. 「アルケオロジー」という手法で評価、とりわけ「物」「言葉」「記号」「人間」の関係でとらえていく
  3. 妖怪がフィクションになるためには、その認識が根本的に変容することがあったはずだ
  4. 中世は「物=記号=妖怪」、近世は「物≠記号=妖怪→キャラクター化」、近代は「人間の内面=記号=妖怪」
  5. 「近世まで妖怪は恐怖であり、近代は合理性でそれを消し去った」という一般的な認識とは、むしろ逆の結論になった。つまり中世後期までにフィクション化した妖怪は、近代になると人間の不安定な内面に住み着くようになり、リアリティな領域へ回帰した。
  6. 本文中にはなし。ただし問題の後半でNさんの「ノート3」がそれにあたる。発展を主体的な学びとして実施している。

このように物事の理解を論理的思考のプロセスに沿って整理しながら読む訓練が必須になりました。
まだまだ過去問の中で、このような文章を見つけるのは大変です。
しかし不完全でも良いですから、できるだけ説明文や論説文をこのプロセスに当てはめて読むように練習してみてください。

第2問

昨年は戦時中の生活様式を知らなければ場面を理解しにくい作品が出されましたが、今年はそのような前提知識は問われませんでした。
古臭さい作品ですが、特別な時代背景の知識が無くても読めたと思います。

問1~5の読解問題

例年通りの難易度だと思います。

相変わらず「消去法」というテクニックに依存した設問でした。
純粋に国語の問題というよりは「なぞなぞ」のようなゲーム的な要素を含みますから、受験生は消去法のテクニックを磨く必要があります。

例えば「問2」(回答番号16)の正解は③でしたが、それが完全に正解かと言えば、△くらいの正解です。
なぜなら「擽られるような思」をしたのがセリフを言った瞬間だけのことなのか、それ以前から思い続けていたことが表面化したことなのか、時間軸が読み取れないからでです。

仮に瞬間の想いだったと仮定すれば、「誤魔化した」ときの気持ちとなって③の「うれしさ」は不自然です。誤魔化すというのは1つの事実を別の事実で覆い隠すことですから、セリフの中で礼服を褒めていたとしても、それは別の事実にすぎません。
一方、長い間の想いだったと仮定すれば、前後の文脈から「うれしさ」と解釈するのもありでしょう。
つまり、正答の③は「×ではない」というものです。

「最も適当なもの」を選ぶのですから、どうしても消去法になるしかありません。
そういうゲームだと思って練習しましょう。

問6の「主体的な学び」の問題

本文に対する批評を紹介したうえで、

  • その批評文の解釈として正しいのはどれか
  • その批評とは別の見解として成立し得るものはどれか

をそれぞれ選ばせる問題でした。
とても良い問題だったと思います。

個人的には「初めからこのような設問にしておけばよかったのに」と思いました。
つまり受験生に消去法なんて使わせなくても、ちゃんと色々な解釈の可能性があることを、素直に問えばよいと思います。

文学作品を試験問題にするのは難しいところですが、今回の問題は、その好例を示したと言えます。

高校の授業でもこうなる!?

教育改革が、なぜ大学受験の改革を筆頭とした「高大接続改革」になったのか?

実は3年ほど前に、塾長がYouTubeで動画を出していました。

※古い情報なのでご視聴には注意ください。当初の計画から違って、英語の民間試験や数学の記述試験は導入が先送りされています。

指導要領や教科書を改訂しても、大学受験に出題されなければ学生は勉強しない。だから授業も変わらない・・・

それが現場からの声でした。そこで、

  • 大学受験を変えてやる!
  • 授業のあり方を受験問題で示してやる!

という発想で改革がスタートしたのでした。

つまり今後、英語の授業は資料たっぷりの授業をする必要があります。
英語を使ってスケジュールを立てたり、図表つきの解説書を読んだりするような実用的な活動がされるようになるでしょう。

現代文は、小説であれば色々な解釈の仕方を出し合って議論を行い、論説文であれば論理的思考のプロセスにそって物事を理解していくような活動がされるようになるでしょう。

高校の先生は大変そう・・・でも、その必要性は十分に示されたと思います。

共通テスト1日目について

1日目は語学と社会でした。

今回は特に英語と現代文を取り上げました。

語学に関しては難易度の表記が難しいです。
そこで今回は上のような表現で書かせてもらいました。

2日目については、あらためて別のブログにまとめます。
理系科目は難易度の表記を学年で表示しても仕方がないので、また別のモノを考えます。

ご期待くださいませ。

作品として問題文を鑑賞してみる

さて、ここからは完全に趣味?の話しです。

いま高校1年生や2年生のキミたち。受験という意味では、まだ少し余裕があるよね。
もしも「何となく勉強が好き」なら、読んでみてください。

せっかく文系科目なので、英語や現代文に出題された文章を「作品」として味わってみてください。

少し話が逸れますが、塾長は浪人を経験しています。
浪人生活は辛いので、できるだけ勉強の中に良いものを見出すように心がけていました。
そういう仲間が予備校にいました。

例えば、問題文を解くだけではなく、そこから人生の教訓をも学び取ろうと前向きに考えることにしていました。

そういう視点で、ちょっと問題文を作品として眺め、感想文を書いてみましょう。

現代文の第1問について

出典は「江戸の妖怪革命」香川雅信 著(2013年6月初版) からだそうです。

文章の構成としては、典型的な「論理的思考」のパターンでした。

では、その中身、つまり筆者が導いた結論については、皆さん、どう思われましたか?

私は純粋に「スゴイ!」と思いました。

確かに、科学や経済の発展に伴って合理性が浸透していく一方で、あいかわらず現代の人々の中にも消えずに残っていますよね。
人間の内面にこそ「人生や宇宙の心理」があるとする考え方や風潮が。
それはこんな問いかけで見えてくると思うのです。

もしも、いま自分が経験していることが、それまでの経験や教訓からでは理解できないとき、あなたはどんな風に行動しますか?

例えば、何か悩みを抱えてしまったとき、その答えを自分の心の内面に見つけ出そうとして、余計に悩みが深まってしまう経験は、誰にでもあるでしょう。
少なからず「きっと自分の中の、どこか奥の方に答えがあるに違いない」と思い込んでしまうクセが、現代人にもあるように思います。

もう少し肩を落として考えれば、

瞑想すれば空を飛べる

とか、

気合を入れればカメハメハが撃てる

とか、そういった可能性を0.001%くらい信じてしまう感覚です。

そのことを筆者は鋭く分析して見せたのだと思います。
そんなふうに感心したのと同時に、19世紀には現代社会のような風潮がもうすでに始まっていたのだという初耳にも感動しました。

今のところ、コンピューターには「心」は芽生える気配がありません。
それに比べれば、確かに人間の心がどのように生まれるのかは、不思議で仕方がありません。

しかし、だからと言って、人間の内面というものは、そんなに神秘的なものではありません。
こういう風に割り切って考えられるようになるには、30歳、40歳と年齢を重ねる必要があるでしょう。

若いうちは自分の可能性を信じていますから、そのことと「自分の内面に神秘的な何かが隠されている」という希望を混同しやすいのかもしれません。
うまくコントロールできれば想像力となりますが、過信しすぎれば視野が狭くなってしまい、自分をさらに苦しめます。

まさに不安定な内面にこそ妖怪が住みついていると言えます。
あるいは諸刃の刃です。

もちろん、こうした内面は否定する必要はなく「心の遊び」として上手に扱えばよいと思います。

念じれば技を繰り出せる。魔法や特殊スキル。

そういうアニメが大人気なのは、内面の不安定さを上手に遊びに変えている姿なのかもしれません。
日本人のアニメ文化は200年前から始まっていたのかもしれません。

さて、「出題者は絶対に『鬼滅の刃』ブームを意識したな」と思ったのは塾長だけでしょうか。

炭治郎が斬っている鬼の正体とは、いったい何なのでしょう。

英語リーディング第5問について

出典は何かのニュース記事みたいです。

角の生えた牛が、馬のような芸を覚えて成功するという、ほのぼのしたお話しでした。

主人公の世話をしていた牛が子牛を生みました。
しかしオスだったので精肉用の牛として売られる予定になってしまいました。
そこで主人公はその子牛を買い取りました。

少し後になって馬のポニーも買い取りました。
ポニーと牛は仲良くなりました。

ポニーに歩き方やジャンプなどの芸を教えていると、牛が真似するようになりました。
それどころか自主練までやるようになり、牛なのに、馬の芸がどんどん上達してしまいました。

そしてヨーロッパじゅうでその芸を見せて回るようになり、大人気になりました。

そんなサクセスストーリーです。

馬みたいな芸なんて、牛ができっこない。
牛に近づいたら危ない。
角が怖い。

こうした牛に対する人々の先入観が、次々にひっくり返されていきます。

これは人生に重ね合わせれば、色々な示唆に富んだ話ですね。

ちょっと変わったことをしようとすれば、色々な人から反対されたり、怪しいと思われたり、ときには非難されたりします。
しかし、少しずつ理解をしてもらえれば、良いこともある、ということでしょう。

塾長もプログラミング教室を始めた当時は、そんな感じでした。

プログラミングなんで小学生にやらせてどうするの?
仕事を増やすな!
民間から教育に余計な風を吹き込むな!

そういう厳しいご意見をいただいたものです。

今はだいぶ流行ってきて、良かったですよ。

 


ヒーローズ植田一本松校の進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたりますが、当塾の理念に反するので生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校

私立高校

中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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個別指導ヒーローズ 植田一本松校
〒468-0009
名古屋市天白区元植田1-202 金光ビル2F
TEL:052-893-9759
教室の様子(360度カメラ) http://urx.blue/HCgL

【教育再考】読解問題や文法問題の難問ってホントに必要?

読解力どこまで必要?

塾長です。

今年もよろしくお願いします。

2021年といえば今世紀が始まってから満20年です。21世紀の5分の1が過ぎました。
中学生の頃に読んだ科学雑誌によれば「宇宙旅行に誰でも行ける時代」になっているはずです。

ところが実際には、そこまで世の中は発展していません。
教育環境1つ見ても、プログラミング教育はおろか、端末を使うか使わないかで、まだ現場が揉めているレベルです。
いまだに古くさい環境や価値観を前提に教育論が語られています。

「未来に生きる生徒たちを、古臭い価値観でムダに消耗させないで欲しい」

今回はそんな疑問の投げかけです。
ちょっと先の将来に向けたお話なので、現役の中高生はまだ見ないでください。

大変そうなので国語に的を絞ります。

読解問題の難問は実用性ゼロ?

大学受験のレベルになると、それはそれは解読が難しい文章が出題されることがあります。
中には1つの段落がまるまる1文という強敵もいます。

そんな難解な文章でも、よく読めば解答できるし、解説を見れば納得できます。
個人的には、緻密に編み込まれた理路整然とした文章を読むのは好きです。

ただ、その種の問題が解けたからといって、何なのでしょう。
シューティングゲームをクリアした程度にしか満足できないです。

それよりも大きな大きな違和感の方が、ずっと心に残ってしまうんですよね。

このレベルの文章の解釈って、本当に役に立つの?

このような難問を解けるような能力を手に入れたとして、
それで生徒たちの能力が社会的な活動に発展していくのでしょうか?

そのような未来が見えてこないんですよね。

例えば、ブログを書いてその反響を観察したり、アクセス数の多い人のブログを読んで関心したりしていると、思うんですよね。

難解な文章なんて、誰も読まないなぁ・・・
読みにくい文章なんて、存在する価値がないなぁ・・・

って。

また、ネット上では文章の解釈ミスが原因で、意図しない意味で拡散されたり炎上したりすることがありますよね。
もっと身近に見れば、自分の投稿に対して文脈と無関係に絡まれたり、一方的な解釈で不満を言われたりすることって、ありますよね。

そういう現実の世界をたくさん見たり経験したりしてくると、こう思うんですよ。

分かりにくい文章を書く方が悪い・・・

って。

私の文章は長くて理屈っぽいものだから、無料で公開しているようなブログにも、文句をコメントしてくる人がいます。

長い、分かりにくい、理屈っぽい・・・

そういうお叱りを受けます。

現代文のハイレベルな読解問題。
きっとエライ人が書いた文章なのかもしれないけれど、世間でどれくらい読まれている文章なのでしょうか。
ぶっちゃけ、入試問題を作るためだけに存在しているような文章ですよね。

社会的には、そういう難解な文章って存在価値が無いんじゃないでしょうか。
本当に内容に価値があるというのなら、同じ内容で、もっと分かりやすく書けばよいじゃないですか。

個人的には、理路整然と編み込まれた文章を読むのは好きですよ。
でも、それは私個人の好みでしかなくて、教育基盤として無理強いするような読み方ではないと思ってくるわけです。

で、そんな文章を読む訓練を一生懸命させても、なんだか不毛だなぁという気がしてくるのです。

分かりやすい文章を書く。
分かりやすい文章をスピーディーに読む。

そういう訓練の方が実社会では価値が高いと思うんです。

国語の偏差値が高いほど「国語力がない」と思われてしまうリスク

これに反論する人がいたら、じゃぁ、試しに、こうしてください。

お客様に見せる提案書や、役員報告の資料。
あるいはブログでもよいです。

そのような資料を同じような文章で、ぜひ作ってみてください。
入試問題に引用されるような緻密で理路整然とした文章で。
論理的に正しくて緻密な文章で、読めば読むほど解釈が厳密にできる。

そんな難解な文章です。

ちゃんと仕事の要件を網羅していて、内容は論理的に正しく、隙がありません。
必要なことは全て書いてあります。
ちゃんと読めば、ちゃんと分かるはずです。

そういう文章で書いてみてください。

きっとレビューの段階で

「分かりにくい、書き直せ!」

って言われますよね。

せっかく大学受験で鍛えた緻密な読解力。
社会に出てから、その能力を使えば使うほど怒られてしまうワケです。

そして、歯切れの良い短い文で、情報を小分けにして、分かりやすく書き直すわけです。
社会人になってから、あらためて実用的な国語力を指導されちゃうわけです。

おまえ、国語力ねぇな!

ってね。

きっとエライ人の文章は、周りの人が「書き直せ」って言ってくれなかったんですよ。

難しくし過ぎれば文化の多様性に対応できなくなる

特に小説や随筆についての難問は、本当に悩ましいです。
どうしても感情の読み取りに

「普通はこう考えるよね」

という個人の主観が根拠になるからです。
そして「普通」とは、どういう人たちの何パーセントが同じように考えれば普通なのか、定義できません。

もちろん大枠としては、人によって解釈が分かれるような問題は出されないことになっています。

ところが、記号選択の問題になると、このルールが破られてしまいます。
選択形式の場合は「消去法」というワザで答えを絞り込めるからです。

「その選択肢が正しいことを説明しきれないけれども、消去法で、他の選択肢に比べれば最もベターだ」

という

「選び方」

を正答の根拠にしてしまう手法です。
この解答法を論拠として許しているので、かなり際どい主観ぎりぎりの模範解答も存在してしまうワケです。

まず率直な疑問として、

消去法というワザを前提にした出題が、本当に国語力を測る問題なのか?

というのがあります。
国語力ではなくて、受験力?、空気を読む力?、そんな印象を持ってしまうからです。

次に、主観ぎりぎりの解答を模範として示すのは、

文化の押し付けではないのか?

という疑問にもつながります。
読み手の国籍や文化や感情表現の方式によって、同じ文章でも、感情の読み取り方は変わります。

感情の読み取りをどう解釈したかは、感想文でも書かせて、それこそ芸術的に評価すればよいのではないでしょうか。

難問を解くために「これは消去法でしか解けないよ」みたいな判別能力を鍛えるために、学生生活の時間を消耗してしまうのは、もったいないですよね。

古典の原文を読ませる意味はあるのか?

続いて、古典の読解力を現代の全ての中高生に訓練させる必要があるのか否かについて考えてみます。

いや、その必要性は無いです。
即答ですみません。

理由は次の通り明白です。

  • 主語と述語の対応が取れていないなど文法的に不完全な文が多くて目に毒
  • 日本の文化を伝承するなら現代語訳を読んだ方がむしろ誤解が少ない
  • 好きな人だけが研究して現代語訳や解説書を作ってくれれば、社会全体としては十分にありがたい

教育改革のたびに教科書が分厚くなるので、そろそろ何かの単元を削ることも必要です。
となれば古典が最初に削除対象となるでしょう。

もちろん古典を研究することは日本国としては大切です。
しかし大部分の人は、その恩恵を現代語訳という形で享受すべきです。

教科書で紹介程度に掲載するのは賛成です。
しかし、それを出題して成績に反映させたり、ましてや入試の合否判定に使うなどは大いに疑問です。

大学に入った後で、必要な人たちだけがやればよいことです。

逆に聞きたいのですが、現代人が古典的な表現や古典文法を使って積極的に表現している世界って、あるんですかね?

あったとして、それが英語や手話や点字のように、一定の社会的なコミュニケーション手段として、ちゃんと浸透している集団があるんですかね?

古典の原文を読解できなえければ、日本の文化が学べないんですかね?

どれも無いですよね。

教科書の中で紹介したり、夏休みの自由研究に指定したりするのは良いと思います。
しかし中高生の試験対象にしたり、古典が成績や合否に影響してしまうのは、やり過ぎです。

文法問題の難問は実用性ゼロ?

中学や高校では、国文法の難問奇問を目にします。
一方で、入試にはサッパリ出題されません。

入試問題は一般公開されるので世間の厳しい目にさらされます。
文法問題なんてものを入試レベルの難易度で出題してしまった日には、

「こんな細かい問題を出す意味あるの?」

という非難や炎上にさらされてしまうでしょう。
容易に想像できます。

それでは逆に、どの程度まで学ばせて、どの程度までテストに出題すべきでしょうか。

文法をどこまで学ぶべきか

まず簡単な作文をするにしたって、主語、述語、修飾語、接続語(つなぎ言葉)の区別は必要です。
そして、情報伝達を漏れなく行うためには「修飾語」の部分をもう少し細分化できた方が良いです。
つまり、5W1Hの区別までは必要だと思います。

いつ、どこで、どんなふうに、どれくらい

という言葉の区別です。

実際、小学生の国語の教科書は、小3~小6まで、これについて繰り返し学習するようになっています。
とても良いと思います。

問題は、中学生になってからです。
この小学生の文法が、まだ不完全な生徒が多いのです。

にもかかわらず、中学生は分厚い文法問題集を渡されます。
なぜ分厚くなるかと言えば、品詞の全種類が細かく紹介され、その細かい見分け方をいちいち訓練するからです。

これが「ちょっとやり過ぎ」だと塾長は考えています。

では逆に、品詞の分類をどこまで教える必要があるのでしょうか?

私は

「文章の読み書きが正確にできる程度」
「英語と日本語の語順の違いを説明できる程度」

で良いと思っています。

もうすこし具体的に考えてみましょう。

名詞の種類を暗記する必要はあるか?

名詞は色々な役割の言葉に成れるので重要です。
なんといっても主語に成れます。

また、質問に対する受け答え方にも関わってくるため、どの言葉が名詞なのかを判別できるようにしておくことが大切です。
さらに英語との比較をするなどのために、名詞の中でも代名詞を他の名詞と区別できた方が良いでしょう。

一方で、名詞の全ての種類を覚えさえたり、その区別が正確にできるかどうかをテストしたりするのは、やり過ぎだと思います。
普通名詞、代名詞、数詞・・・など名詞が更に細かく分類される話は、紹介程度で十分でしょう。

形容動詞と形容詞を区別する必要はあるか?

これはグレーだと思います。説明に困ったら

「実は活用の形で2種類に分けられるんだけどね、まぁ細かいことは覚えなくていいよ。」

くらいでよいです。

両者の区別を厳密にさせることよりも、述語として機能することや名詞を修飾できることなど、色々な事例を見せた方が外国語を学ぶときに有利です。

しかし現状では、「名詞+だ」と「形容動詞」を判別するために、「~なもの」に続くか否かで判別するというテクニックを暗記させたりします。
そして判別できるかどうかをテストします。
これはやり過ぎだと思います。

接続詞を区別する必要があるか?

これは論理的思考と密接にかかわることなので、学ぶ必要があるでしょう。
文脈を作るためには必須です。

穴抜きに当てはまる接続詞を書かせたり選択させたりする問題を出すのも、やむを得ないでしょう。

ただし「順接」「逆接」「並立・累加」・・・という分類用語を覚えさせたり漢字で書かせたりするテストは、やり過ぎです。
この種の分類は、選択問題までが妥当でしょう。

助詞と助動詞を区別する必要はあるか?

これもグレーだと思います。
自立語の接着剤のようなものとして紹介すれば十分です。
その説明に困ったら

「実は活用する、しないなどで2種類に分けられるんだけどね、まぁ細かいことは覚えなくていいよ。」

くらいでよいです。

もちろん、わざわざ助詞を格助詞、接続助詞、副助詞などに分け、それぞれを暗記さえたり、細かい判別について出題したりするのはやり過ぎです。

しかし現状は、例えば助詞の区別を問われる問題を解くために、助詞を格助詞、接続助詞、副助詞ごとに全て暗記しなければいけない状況です。

意味だけでは説明がつかないからです。
例えば「が」は格助詞で「は」は副助詞です。
なぜ違う分類なのかの説明は、趣味レベルの話です。

こうした理不尽な問題を解くために、例えば格助詞を「部屋の戸から鬼が出より」という語呂合わせで覚えたりしますよね。
これはやり過ぎだと思います。

副詞を覚える必要があるか?

副詞が主に述語を修飾する言葉だというのは学ぶ必要があるでしょう。
英語の副詞を理解する上でも必須です。

日本語の構造を深く理解するために、例えば副詞が名詞を修飾してしまうことがあるなど、いくつかの例外を確かめるのも良いと思います。

しかし、さらに細かく「状態」「程度」「陳述」に分類させるような問題はやり過ぎです。
副詞の役割を説明する上で、副詞は3種類あるという事実を紹介するのは良いですが、わざわざその3種類を正確に分類できる能力を試す必要性はないです。

連体詞を覚える必要はあるか?

小学校で「こそあど言葉」を習うので、その正体として説明するのはありでしょう。
また、こそあど言葉以外のも同じような言葉の仲間が存在する、という事実も、言葉の構造を学ぶ視線としては大切です。

ただし、連体詞も暗記する必要はないと思います。

しかし現状は、問題を解くために連体詞を全て暗記しなければいけない状況です。
連体詞と形容動詞の見分け方も暗記しなければいけない状況です。

これはやり過ぎだと思います。

活用を覚えさせる必要はあるか?

言葉と言葉のつながり方を学ぶ上で、活用を確かめることは大切です。

活用表を埋めながら、活用の仕方を網羅的に観察することは大切な作業だと思います。
テストで活用表の穴埋めをさせるのも1つの手だと思います。

ただし活用表の形式まで暗記さえるのはやり過ぎです。
「五段活用」「サ行変格活用」などの活用の分類名を暗記させれることも、やり過ぎです。違いを説明するために紹介するのは良いですが、暗記までは不要です。

しかし実際には、例えば動詞の活用の問題を対策するために、未然形は「う、よう」に、連用形は「ます、た、て」に続く形、終止形は「。」に続く形・・・などという活用表のつくり方の知識まで丸暗記しなければ、活用表を埋める問題が解けない出題形式になっています。
活用の名前まで穴埋めさせています。
これらは、やり過ぎです。

活用表のつくり方は問題文に解説を載せたうえで、活用表を埋めさせる出題にすべきでしょう。

文法問題についてまとめ

このように文法問題について具体的に学習の必要性を見てきました。
ここで挙げた基準よりも難しい出題は、実用的な観点では「やり過ぎ」だと思います。

そして中学で既に国文法の十分条件を満たしてしまうので、高校でそれ以上細かい分類をしても仕方がないと思います。

むしろ中学までの知識を生かして、高校では作文や小論文などのアウトプット力を鍛えた方が良いと思います。
その方が文法の些末な知識を増やすよりも、よっぽど早く言葉の厳密な使い方が身に着くでしょう。

国語の全体について

今後も難解な文章を読解させる必要性はどこにあるのでしょうか?

文章が情報や意思の記録や伝達を担う限り、誤解のない記載方法が追及されるべきです。
学校の勉強も、むしろ難解な文章を悪い例として、それを分かりやすく書くように教えるべきだと思います。

すると時代とともに、分かりにくい文章は減っていく方向にあるはずです。
また文章を書く側も、できるだけ分かりやすく読みやすい文章を書くように心がけるべきでしょう。

そうしなければ、社会人になってから難解な文章を使ってしまい

「誰も読まない」
「国語力がない」

などとお叱りを受けてしまいます。

このように難解な文章を排除していくように社会が動いている以上、学校の勉強もそれに応じるべきだと思います。

そう考えると、21世紀になって、いまだに難解な文章の解読が必要なのは、社会システムがそれだけ未熟だからだと言えます。

例えば、法学部に進むなら、難しい文章の読解能力が必要だと言われます。
しかし、それも法曹のシステムが未熟だからと言えます。

なぜなら、法文の解釈が難しいなら、その解釈がより明確になるように、論理学や数学で使われる形式言語を導入したり、図表を並記する方法を開発したりすべきでした。
それを怠ってきたがゆえに、何でもかんでも文章だけで無理やり表現してきているので、難解な文になっているのです。
特許の申請には図表の添付が許されているように、法文の登録にも図表の添付や形式言語で解釈が一意になるような記載を許した方が良いでしょう。

このように国語の表現は、文字列だけにとどまらなくなります。

実際、教育改革により、読解力の中の1つとして「色々な資料を読み解く」ことが求められるようになりました。
この「色々な資料」とは、ポスターやチラシ、議事録や法文のほか、表やグラフなども含まれます。

つまり「読解力」のあるべき姿として、文字列だけに頼らない表現形態が教育に導入されて来たのです。
そして、コンピューターの発達で、図表たっぷりの文章を簡単に作れるようになりました。
今や写真や動画も文章中に貼り付けることができます。

逆に言えば、文字列だけで表現するから難解な文章が誕生してしまうのです。
他の手段があるのに文章だけで無理くり表現してしまえば、むしろ伝わらないし誰にも読まれません。
今後そのような文章は排除され、色々な資料を併記する形態に代わっていくでしょう。

難解な文章の排除は、もう始まっています。

塾長も読みやすいブログが書けるように日々精進です。

失礼しました。

 


進学実績

卒塾生(進路が確定するまで在籍していた生徒)が入学した学校の一覧です。
ちなみに合格実績だけであれば更に多岐・多数にわたりますが、当塾の理念に反するので生徒が入学しなかった学校名は公開しておりません。

国公立大学

名古屋大学、千葉大学、滋賀大学、愛知県立大学、鹿児島大学

私立大学

中央大学、南山大学、名城大学、中京大学、中部大学、愛知淑徳大学、椙山女学園大学、愛知大学、愛知学院大学、愛知東邦大学、同朋大学、帝京大学、藤田保健衛生大学、日本福祉大学

公立高校

菊里高校、名東高校、昭和高校、松陰高校、天白高校、名古屋西高校、熱田高校、緑高校、日進西高校、豊明高校、東郷高校、山田高校、鳴海高校、三好高校、惟信高校、日進高校、守山高校、愛知総合工科高校、愛知商業高校、名古屋商業高校、若宮商業高校、名古屋市工芸高校、桜台高校、名南工業高校

私立高校

中京大中京高校、愛工大名電高校、星城高校、東邦高校、桜花学園高校、東海学園高校、名経高蔵高校、栄徳高校、名古屋女子高校、中部第一高校、名古屋大谷高校、至学館高校、聖カピタニオ高校、享栄高校、菊華高校、黎明高校、愛知みずほ高校、豊田大谷高校、杜若高校、大同高校、愛産大工業高校、愛知工業高校、名古屋工業高校、黎明高校、岡崎城西高校、大垣日大高校

(番外編)学年1位または成績優秀者を輩出した高校

天白高校、日進西高校、愛工大名電高校、名古屋大谷高校

※ 成績優秀者・・・成績が学年トップクラスで、なおかつ卒業生代表などに選ばれた生徒

 


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もしも先生が人工知能だったら、賢くなる?アホになる?

人工知能の奴隷になってしまった人のイラスト

塾長です。

少し前に教材の展覧会みたいなイベントに参加したことがあります。
最近は人工知能を活用した教材やシステムの提案が増えてきました。
人工知能のおかげで、学ぶ環境がどんどん恵まれていきます。

日本の子供たちも、どんどん優秀になっていけばよいのですが・・・

本当にそうなるのでしょうか?

人工知能は先生の代わりに成れるのか?という素朴な疑問

このままいけば、

学校や塾の先生が人工知能におき代わる!?

なんてことを、思わず想像してしまいます。
しかし一方で、

人工知能には先生の真似なんてできっこない!

という人もいます。

人工知能は人間よりも良い先生に成れるのか?

今回は、これについて考えてみましょう。

人工知能について考えると、実は人間のことがよくわかります。
もしかしたら「勉強法の本質」も見えてくるかもしれませんよ。

人工知能と人の違い

人工知能といえば新井紀子先生。
著書「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」や、人工知能の開発プロジェクト「東ロボくん」などで有名です。

けっこう賢い人工知能

その先生によれば、人工知能が大学受験に挑んだ場合、かなり優秀なところまで行けたそうです。
理系であれば偏差値65くらいまで。
文系でも中堅私立大学と言われるMARCH(※)レベルの大学入試まで突破できたようです。

  • 出題形式がハッキリしている
  • 解法パターンの知識で勝負できる

こうした問題が得意です。
ちなみに人工知能が挑んだのは過去問ですから、すべて教育改革前の出題傾向です。
いわゆる

「知識詰込み型」

の問題であれば、人工知能でも高い確率で正解することができました。

(※)MARCH ・・・ 明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学のイニシャルを繋げた呼び方のこと

「知識」に比べ幼稚な「知性」!?

その一方で、まったく苦手だったものがありました。

「読解力」

です。特に、

  • グラフや図が混在した文章
  • 色々な書き方が混在したような文章

これらの読解は、まったく内容をつかめていないようでした。
どうやら人工知能は、文章と資料の対応をとることができなかったようです。
要するに、

人工知能は文章の内容を理解していたワケではない!

という事でした。

知性ではなく計算マシン

つまり今のところ、人工知能の正体とは、次のようなものです。

膨大な知識やデータから、確率・統計的に

「もっとも正解らしい回答」

を導き出す計算マシン

人工知能とはいえ、所詮は機械。
膨大な情報の重ね合わせを
「ひたすら計算」
しているだけです。

けっして考えているワケではありません。

人工知能に「主体性」はない

人工知能が人間のように、ものごとを理解しているワケでもありません。
ただし「理解している」ように「見せかける」ことは、かなりのレベルに来ています。

そこで、人工知能をもっと突き放してやりましょう。
「理解」のさらに1歩先にある知性。

自分から問題を設定する

これならばどうでしょう。
見せかけの理解の上にはできない芸当でしょう。
要するに、

主体的に行動できること

今のところ、これができるか否かが人と人工知能との違いなのかもしれません。

もちろん、人工知能の技術が進歩すれば、いずれは「主体的に見せかける行動」もできるようになるでしょう。
しかし当面の間は、まだまだ主体性が人間らしさと主張しても良いでしょう。

もしも人工知能が先生だったら?

そんな人工知能が、もしも先生になったらどうでしょうか?

苦手な所を分析して解説や類題を表示してくれる

上で見てきたように、人工知能は統計処理が得意です。
この能力は「教育の個別最適」には便利でしょう。

生徒が取り組んできた記録を分析して、生徒に合った説明や問題を提示する。

このような生徒一人ひとりに合った教材の取り組み方が実現できます。
学校や塾の勉強がそうなる日が近いのかもしれません。

計算ドリルや漢字ドリルなどは、既に多くのシステムが存在しています。

計算や漢字の問題は、類題や解法が明確なので人工知能の得意分野です。
この種の指導は、学習指導の中では初歩的ですから、なんとなくわかります。
やはり簡単な所から人工知能に置き換わっていきますね。

最近では英会話の発音もアドバイスしてくれるそうですよ。

ネイティブな発音を指導できる日本人はまだまだ貴重です。
それなのに人工知能がチェックしてくれるなんて。
これはスゴイですね。

人工知能が発達するにつれて、より複雑な教科や単元でも、学習が個別最適になっていくでしょう。

相談には応えられない

ただし、人工知能は会話や文脈を理解しているわけではありません。
そもそも感情や価値観というものを持たないので、ものごとの良しあしを判断できません。
ですから、

「AでもBでも良いけれど迷っている。どっちがいいかな?」

のような質問には何も答えることができません。
進路や何かの選択など、人が「迷う」部分について相談しても役に立ちません。

人工知能が対応できるのは、あくまでも次のようなことです。

  • 答えが1つに決まっているような演習問題の正解
  • 統計的に関連性が高いと思われる教材の表示

あまり過度な期待はしない方が良いでしょう。
便利な「道具」と割り切って、あくまでも「使いこなす」ことを考えた方がよさそうです。

生徒自身が考える機会を奪ってしまう可能性?

個別最適な勉強について、1つだけ心配なことがあります。

「便利」であることは「考えなくて済む」という事でもあります。。

自分の何が間違えで、何をしたらできるようになるのか?

これを自分で理解できるようになるのが勉強とも言えます。
学校で「習った知識」は仕事で使わないかもしれませんが「改善の知恵」はいつでも使います。
というか、社会に出れば「何ができるか」をコントロールするよりも「何ができないか」をコントロールする方が大切になります。

それを育むチャンスを、人工知能は奪ってしまうのかもしれません。

もちろん生徒がどうやっても苦手な分野では、改善の段階までやりたくてもできません。
そういう時はコンピューターのサポートが必要です。

コンピューターが人間の苦手分野をサポートしてくれる!

という考えには塾長はずっと前から大賛成です。
しかし、それは生徒が一定の努力をすることが前提です。

努力してもダメなものはサポートが必要

これが苦手の対処だと思います。
しかし何も努力しない内から、人工知能が提示する問題を、はい、はい・・・と処理していくだけなら、やっぱりそれは教育とは何か違うように思います。

  • 個別最適な勉強を導入する
  • 努力の基準をクリアする

この2つは両輪であるように思いますが、みなさんはどうお考えでしょうか。

もちろん努力の基準は人それぞれなのですが、それも人工知能が適切に設定してくれる日が来るのでしょうか。

人工知能に教われば本当に成績が上がるのか?

人工知能の導入で、教育の個別最適化が進んだとしましょう。
それだけ環境が便利になれば、もはや勉強に困る生徒なんていなくなりそうです・・・

さて、本当にそうでしょうか?
みなさんは、どう思われますか?

スマホでゲームに没頭する人は、そもそも人工知能で勉強しない?

この質問について、実はすでに答えが出ています。
現代の子供たちは、一昔前の子供たちよりも恵まれています。

  • 教科書が進化している
  • スマホやパソコンで何でも調べられる

さぁ、その便利になった環境を、当の子供たちは活用しているでしょうか?

教科書が進化しても、そもそもテスト前に教科書を読んでいる子供たちは、全体の半分もいません。
教科書を隅々まで頭に入れようとしている生徒の数は、相変わらず少ないままです。

スマホやパソコンで、何でも調べまくって勉強をどんどん進めている子供たちばかりでしょうか?

YouTubeやゲーム、SNSなど、およそ勉強に関係のないことに活用しまくっています。
むしろ勉強の邪魔ものになっているのではないでしょうか。

人工知能のような便利な環境を導入するとき、

「どう使いこなすか?」

を真剣に考えて実践していけるのは、残念ながら大人だけです。

逆に、それができるような子供であれば、すでに勉強ができていると思います。

「ドラえもん」が家に来ても、のび太くんのテストは0点のままでした。

「人工知能」が何でも答えてくれたとしても生徒の点数が変わるとは限らないでしょう。

人工知能のアイコンは押さずに、YouTubeやゲームのアイコンしか押さないかもしれないからです。

人工知能を使いこなす生徒だけが成績を伸ばす?

今度は逆に、

人工知能のおかげで全体的に学力は向上していく!

と仮定してみます。

実際、義務教育において、英語の環境はかなり改善されてきました。
塾長の世代に比べ、今の学生たちの方が、明らかに全体的に英語力が向上しているでしょう。
同じように、人工知能のおかげで全体的に学力そのものは向上するかもしれません。

しかし、そう仮定したとしても、やっぱり成績が上がるか否かは、また別問題です。

みんなが解けるようになった問題を、学校の先生はテストで出題しなくなります。
より解きにくい出題が増えるからです。

そうなれば、成績を付ける判断基準が変わります。

  • 人工知能の言いなりになって、その範囲だけで学習した人
  • 人工知能を使った学習を土台にして、応用や発展まで学習した人

結局のところ、人工知能を「使いこなして」基礎力を早く習得し、その先の訓練に行きついた人だけが成績を伸ばすようになります。

仮に人工知能のおかげで学力が向上したと仮定しても、評価の基準も一緒にスライドしてしまうため、やっぱり成績が伸びるわけではないということです。

能力は見につく。でも成績(相対評価)は変わらない。

まぁ、これはこれで教育行政としては成功なのかもしれません。

教育が変わってきた

人工知能やロボットの活躍を前提に、学校の教育が変わってきました。

教育改革です。

「頭が良い」の意味が変わった

かつて日本の学歴社会では、官僚になるため、国家試験に合格できるための学力が「優秀」の定義でした。
そして昔は高性能なコンピューターが無かったので、コンピューターのような人間が優秀という内容でした。

コンピューターのように、正解を早く正確に回答できる能力。
ルールを正確に覚えて守り、定型どおりに速く正確に行動できる能力。

これらが「頭が良い」の定義でした。

しかし高性能なコンピューターが当たり前になり、人工知能のような、もっと高度な処理まで簡単に利用できるようになりました。
もう人間自身がコンピューターになる必要はありません。

コンピューターにできることを身に着けても、価値が無くなってしまったのです。
かくして「頭が良い」の意味が次のように変わってきました。

  • 昔:  専門知識があり、事務処理能力が高い
  • 今:  答えのない問題の解決をはかれる

お子さんをコンピューターにしようとしていませんか?

それ、絶対にコンピューターには勝てない競争です。

人工知能の苦手分野に教育がシフト

教科を問わず「考えてみよう」「コンピューターで解いてみよう」「話し合ってみよう」みたいなページが教科書に増えてきました。

さらに、単純な暗記で解ける問題が、入試問題からどんどん姿を消してきています。
推薦入試の定員枠が増えて、論理的思考力や主体性が問われるようになってきました。

全体的に、人工知能が苦手とする次の領域に、教育の重点がシフトして来たからです。

  1. 読解力(理解する、解釈する、論理的に考える)
  2. 色々な種類の資料を読み解く力(他人の表現を理解する、科学的に考える)
  3. 自分の考えを表現して他人に伝える力
  4. 問題解決力(答えのない問題に対して最適解を出す)

これらのうち、1~2は既にマークセンス式のテストでも能力が測れるようになってきています。

3~4は学校ごとの個別試験や面接試験、あるいは体験型の試験などで測られることが多いです。プログラミング教育もこの領域です。

価値観で分かれる

ちなみに私立の学校では、6番目として

「教育理念や価値観を共有できること」

という所も見られます。
つまり、生徒だけではなく保護者の考え方も合否に影響してきます。

親子面接があるところや、願書に保護者の記入欄が多いところなどです。

偏差値の高い大学へ進学できる = 良い学校

という時代になります。
偏差値一辺倒の時代が終わりつつあります。
代わりに、

人間らしい教育 = 良い学校

という評価にシフトしてきます。
そうなれば当然のことですが、

学校の評価も人の感情に左右される

ようになります。
このような評価は、たいていは

口コミ
うわさ

になるからです。
こうなってくると、

価値観を共有できない人たちとは学べない

ということになります。

価値観が違う者同士は、お互いがお互いを肯定的に評価できないからです。
一緒にいるのは生徒にとっても学校にとっても、お互いに不幸です。

偏差値という無機的な評価で人が分けられることが無くなる代わりに、
価値観という有機的な評価で人がグループを形成していくことでしょう。

考えすぎですかね?

何が大事?

さて、

人工知能を利用して何をするか?

結局のところ使い方次第だと思います。

  • 考えて行動するように訓練する
  • 考えずに言われたことだけやる

せっかく人工知能で教育が便利に快適になったとしても、人工知能から指示された通りにしか勉強しないのであれば、考える力は見につきません。

自分の頭は自分の意思で動かすときにしか鍛えられません。

自ら考えずに反復行動だけで焼き付けられたような思考回路は、電卓の演算回路と同じです。
意思も価値観もなく、単純なパターン反応でしかありません。

いくら人工知能のテスト対策で点数が取れるようになったとしても、指示されないければ何もできない人間になってしまったら、それは賢くなったとは言えないでしょう。

  • 人工知能の指示通りにやって点数を上げる
  • ゲームにハマってスコアやレベルを上げる

この2つの区別がつかないような勉強は、やっても役には立たないでしょう。

人工知能も、学校のテストも、教育のための道具でしかありません。

人工知能は先生ではなく、道具です。

 


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「きっかけの一言」は何? 成績上昇、賢さアップ、悩み解決

きっかけ

塾長です。

人生を左右する一言ってありますよね?

友達や学校の先生から言われた何気ない一言。
それが励みになることがあります。
その後の人生を変えるきっかけになることさえも。

成績を上げるきっかけ

特に今回は、成績を上げたりスキルを上げたりした塾長の「きっかけ」を思い出してみます。

塾長が中学生だったとき、高校受験生で経験したこと。
塾長が高校生だったとき、浪人生だったとき。

生徒たちと同じ年頃だった時の経験。
もちろん時代も世の中も今とは違っていますから、解釈は様々でかまいません。

私の経験した中から、順に書いてみます。
何か感じ取ってもらえたら幸いです。

授業中に覚えろ。

これは高校受験生になった時、兄から言われた言葉です。

「授業中のことは授業中に覚えろ。」

受験生になれば、中1と中2の復習をしなければなりません。
しかし復習ばかりしていたら、目の前の中3の勉強がおろそかになります。

そこで兄から言われた対策が

  • 中3の今の勉強 → 学校の授業中に頭に詰め込む
  • 中2までの復習 → 家庭学習でやる

というものでした。

「中3の勉強は、とにかく学校の授業中に頭に詰め込め。」

という指令でした。

「できないと思うな。できると思ってやれば、できるようになる。」

という熱血そのままのアドバイスですが、とても役に立ちました。

そもそも学校の授業中に本気で勉強している生徒は少ないです。

授業に「真面目に参加」している生徒は多いでしょうが、「真剣に暗記」している生徒は少ないです。
ちゃんとノートを取っていても「あとで復習しよう!」という気持ちなのが普通です。

簡単だけど真似されにくい

このように、もしも授業中に暗記まで真剣にやったとしたら、その時点で他の生徒と差をつけたことになります。

しかも真似されません。

多くの人は「そんなのできっこない。」と思うからです。
できるようになる前に、たった3日くらいで簡単に諦めてしまうからです。

ずっと後で知ったことですが、人間は耳で聴いたことを頭に入れる方が、文字で頭に入れるより楽なようです。
人類の進化の過程で、会話は早くから獲得した能力ですが、文字列の読み書きは最近獲得したばかりだからです。
勉強が苦手ならば、なおさら先生の話を授業中にその場で暗記した方が良いです。

さらに、授業に集中できるようになったおかげで理解力もアップしました。
またさらに、英語、数学、理科は、中1や中2の復習した知識と結びついて、定着度も上がりました。

私は高校受験で、かなり偏差値を上げる必要があったため、効果がありました。

あなたは授業中に、脳みその何%を使っていますか?

線を引くのは甘え。読むからには覚えろ。

これは大学受験のときに、弟の友達のI君から教わりました。

「参考書に線を引いたら勉強の邪魔。」

Iくんは後に京都大学医学部へ進学する程の秀才で、年下ながら凄いヤツでした。

私はそれまで、参考書の大切な所に線を引くクセがありました。
しかし、線を引いて紙面を汚してしまうと、次に参考書を読むときに邪魔になります。
それが勉強に良くないというのです。

大切なポイントがギュッと濃縮されているのが参考書なのですから、すべて大切に決まっています。
そもそも線を引く必要なんてありません(引いたら全部になるので無意味)。

しかも線を引いた瞬間に、

「あとで覚えればいいや」

という甘えが生まれてしまい、その場で覚えようとしません。

線を引く = 問題の先送り

ということです。
線を引くたびに、無意識のうちに脳みそが「おサボりモード」になります。
その無意識が、本来の記憶力を殺してしまいます。

知識は一期一会。
その場で覚えなければ、次に見直すチャンスがいつ来るか分わかりません。
その間に、実力がどんどん落ちて行ってしまいます。

実力を付けたければ、

「読んだからには、見たからには、必ず覚える!」

です。
そのように実戦的に構えていなければ、そもそも記憶力なんてアップしません。

体を鍛えれば脳も発達する。

これは兄と親戚のおばさんから言われたことで、高校生になってから知りました。

  • 体を動かさないと、頭も働かないぞ
  • 何でもモリモリ食べて活力を切らすな

塾長は運動音痴だったので、中2後半からは、どちらかというと運動よりも勉強を優先させました。
それなりに一生懸命に勉強しましたが、公立高校には届かず、第二志望の私立高校へ進学しました。

もしかしたら、中2~中3の運動不足が、勉強の伸び悩みに影響していたのかもしれません。

一方、高校時代は、自転車で毎日12Kmの通学路を走りました。
中学まではサイクリングですら片道10Kmを越えたことが無かったです。
しかし高校生になったら、いきなり毎日12Kmでした。

それなりに体力がつきました。
ご飯をたくさん食べるようになりました。

天体観測に精を出し過ぎて浪人してしまいましたが、
浪人しても相変わらず、予備校まで片道8Kmを自転車で通いました。

勉強には「集中力を持続させるだけの体力」が必要です。
浪人した時に毎日13時間の勉強ができたのは、その体力があったからだと思います。
同じ13時間でも、体力の有無で集中時間が違ってきます。

また、体が大きく発達するときは、脳も大きく発達するのだそうです。
これは数年前に薬学部の講師さんから教えてもらいました。
薬学部でそのような講義があったのだそうです。

頭だけ鍛えるのではなく、体もよく動かして、たくさんモリモリ食べる方が良いです。

【国語】たとえ読解問題でも、同じ問題を繰り返しなさい。

これは中学2年生の時に、職員室へ行って、国語のT先生に質問して教えてもらいました。

「国語の勉強の仕方を教えてください。」

「ワークは何回やりましたか?」

「テスト前に、ひととおり解きました。」

「3回くらい繰り返した方が良いですよ。」

これに対して、私は素朴にも、よくある質問をしました。

「でも、1回やったら答えを覚えてしまいます。」

「いえ。なぜそう答えなければならないのかを考えながら何度も取り組んでください。毎回、新しい発見があるでしょう。」

なるほど、と思ったので、言われた通りにやりました。
それ以来、国語のテストはクラスで上位に入ることが多くなりました。

「先生に言われた通りにやったら、読めるようになりました。」

「あら、そう。偉いわね。私はみんなに同じアドバイスをしているのだけれど。」

言われた通りに本当にやってくれる生徒は少ないのだそうです。
あいかわらず漢字は苦手でしたが、読解力は向上しました。

【国語】ゆっくり読みなさい。

中学生の時に、S先生という人に国語の家庭教師に来ていただいたことがありました。
S先生は父親が経営していた本屋さんのお得意様でした。
中学校の先生を定年退職されたばかりで、時間はたっぷりあるからと来ていただけました。

その時に、

「ちょっと教科書を音読してみてください。」

と言われたので、声を出して読み始めました。
ところが、10秒もしない内に止められました。

読むスピードが速すぎると言われました。

「今から私が読みますから、それと同じスピードで読むようにしてください。」

そういって、先生は少しゆっくり、話すくらいのスピードで読んでみせました。
1行読み終わったら、間を置くようにして、それから次の行を読むのです。

自分が思っていたスピードの3分の1くらいのスピードでした。
意外でした。

正しい読み方

国語の先生は、一瞬で文章を理解してしまうだろうから、きっとスピーディに読めるに違いない。

そんな先入観が私にはあったのだと思います。
しかし逆でした。

それから1行1行を理解しながら読む、という当たり前の指導をしていただきました。
言葉1つ1つの意味を確認しながら読み取る、という指導をされました。

先生の読み方には、自分が思っていたような焦りは一切ありません。
分からない言葉は辞書を引き、じっくりとその意味を確認するのです。
言葉の意味を確認するために、腰を据えて、ちゃんと時間を使います。

時間の流れ方がどんどんゆっくりになっていくような、そんな緻密な読み方でした。

「文章を読むとは、こういうことなんだな。」

初めて文章を読んだ気がしました。
それだけで読解力が上がりはじめました。

国語の勉強時間を確保していますか?

文は1字1句をていねいに読むものです。
わからない言葉の意味は、慎重に、ゆっくり調べましょう。

ということは、それなりの勉強時間が必要です。

多くの人が、国語の勉強を漢字書き取りだと勘違いしています。
漢字や熟語の文字だけを見ていても、書き取りを繰り返しても、何も実力は伸びません。
漢字を含む言葉の意味を文章の中で調べて、初めて言葉を学んだことになります。

国語という教科は、テストや模試の直前に焦って勉強しても無意味なのです。

まず、国語の勉強時間をしっかり確保すること。

多くの子供たちは、そもそも国語の勉強時間を用意していません。

死ぬほどゆっくり熟読する予備校の講義

ゆっくり緻密に読む、という読み方は、大学受験で浪人した時に、ふたたび訓練することになりました。
地元のとある予備校で、O先生の現代文を受講したときです。

O先生のテキストはめっちゃ薄いのです。
ペラペラです。
表紙の厚紙の方が、本編の全ページ分よりも厚いくらいです。

それで半年分。
たったこれだけ。

という感じのテキスト。
中を開くと、ハードな読解問題が、たったの5問ほど載っていました。
しかも半年で講義が進んだのは結局3問くらいでした。

めっちゃくちゃ進みがゆっくりで、
もう、これでもか!
というくらいに緻密に読み進めていく講義でした。

例えば、文章中に出てきた

「抽象的」

という言葉の意味について解説するだけで講義が終わった日もありました。
「抽」と「象」と「的」の、それぞれの意味を「図解」したうえで、「抽象」がどんな意味で「抽象的」がどんな意味なのかを深く解説したのです。
もちろん私がそれまで思ってきた「抽象的=なんとなく」という程度の意味の捉え方などとは、まったく別物で、驚きましたよ。

そういう発見ばかりの講義でした。

文章中の言葉1つ1つは、自分が思っていた意味よりも100倍も200倍も深い意味があるんだ!

そういうことを思い知らされたワケです。

  • 読んだつもりで読めてない
  • サラッと読み流しているから理解できてない

そういうことが痛いほどに分かる講義でした。
自分の常識を新しい常識で上書きしていくような講義でした。

回答するときに本文を読み返す時点で負け

このようなきっかけを得て、自分で問題に取り組むときも

「遅く精密に読む」

というスタイルを心掛けて練習しました。
本文だけではなく、設問を読むときもそうしました。

しばらくすると、文章を読んだ後に、文章の構造や細かい意味の関係が頭の中にくっきり残るようになりました。
おかげでマーク式の問題や選択問題であれば、回答時に本文を読み返すことが無くなりました。

ちゃんと読めば本文の内容は、かなり細かいところまで頭に入ります。
設問を解くのに、いちいち本文を読み返す必要はありません。

もちろん訓練は相当しました。
英語や数学と同じうように国語にもちゃんと勉強時間を確保しました。

本文の読み返し(2度読み)がほとんど不要。

これは、センター試験のような問題数が多くて時間がタイトな試験には有効でした。

よく、

  1. 最初に本文を一通り読む(速く読む)
  2. 設問を読む
  3. 本文を読み返して答えを探す(速く読む)

などとやる人がいますが、これでは間に合うはずがありません。
それをするくらいなら、

  1. 最初に設問を読んで質問されることを把握する
  2. 本文をじっくり読みながら回答する

とした方が速いです。

【英語】語順どおりに読まないから英語ができない。

浪人して予備校に通うようになって、最初にショックを受けたのが英語の講義でした。
自分の勉強方法が、いかに無駄で間違っていたかを思い知らされたからです。

かんばん講師であった予備校のK先生の授業でした。

簡単な英文でも読めない!?

The police dog a thief until they catch him.

この例文は、その予備校のテキストの「最初の1問目」でした。
いきなり最初の1問目から和訳ができません。
頭がクラっときました。

この文が読み取れなかった時点で、自分の英語がめちゃくちゃだと知りました。

× 自分の読み方: 単語の意味をつなげて和訳する
〇 講師の読み方: 文の構造で訳が自動的に決まる

ネイティブの人が英文を理解するときは、単語が登場してくる順番に理解していきます。
これはあたりまえです。
日本人なら日本語を日本語の語順のまま理解するのですから。

この事実を無視して、英文を無理やり日本語の順番で見ようとしている限り、英語が読めるようになるはずがありません。

英語は主語が最初で、次に動詞!

SV~という5文型の語順は、高1で習います。
今や中3の教科書にも載っています。

こんな当たり前の知識ですら「ただ知っているだけ」で、「ちゃんと活かして読む」ことをしていませんでした。

さて、上の例文で「ちゃんと5文型の知識を活かして」読んだらどうなるでしょう。
まず主節だけ、つまり接続詞 until の前までを取り出せば、

The police dog a thief

となります。
とりあえず、この文の和訳に集中すればよさそうです。
(もっとも、接続詞すら真剣に注意していなければ、まずこの段階の分析から怪しかったかもしれません。)

とにかく、この文を

主語 (S) | 動詞 (V) | その他

という3つに分けるとすれば、その方法は1つしかありません。

The police | dog | a thief

こうなります。

もうお判りでしょう。
なるほど、dog が動詞だったというワケです。

dog (動詞)

追い掛け回す
つきまとう

もちろん、こんな特別な意味まで単語帳で覚える必要なんてありません。
主語の次は動詞、ということを徹底すれば dog の意味は前後から想像できます。
つまり、

英語の語順通りに意味を拾っていけば、必然的に品詞と意味が想像できる

というワケです。
このことを分からせる趣旨の講義でした。

ということで、この例文はとても示唆に富んでいました。

つまり、全ての英文に対いて、

英語は英語の語順のままに理解する

という心がけを「徹底して」読む必要があったのです。
これを徹底せず、ただ単語の意味を何となく繋げているだけだから英語が読めないのです。

ちなみに、この例文は簡単な問題としての出題だったとういことです。
なぜなら、主語、動詞、その他、に分割する方法が1通りしかないからです。
だからテキストの1問目だったんです。

それでも、当時の私には全く歯が立ちませんでした。
これがつまり、

英語ができない!

という状態です。
英語が苦手というのは、そういうことなんです。

英単語が出てきた順番に理解できるように徹底する

という姿勢を守れるように、5文型を強制ギブスのように使って勉強すべきです。
それを無視して独自の読み方をしている限り、英単語や文法をいくら覚えても、まったく役に立ちません。

英単語
英文法
英語長文

などをいくら学んでも、それらを活かさなければ実力になりません。
それぞれを別教科であるかのようにバラバラに取り組んでいる状態で、とても非効率です。

5文型の徹底

これは、ほんのちょっとの心がけかもしれません。
しかし、この心がけが1つあるか無いかで、英語の学習効率が全く変わってきます。

英語の苦手を克服できる参考書

ちなみに、私が予備校で受講したK先生の講義と同等の参考書があります。

「英文解釈教室」伊藤和夫著 研究社 です。

有名ですよね。
この参考書は高2ハイレベル~高3夏期のレベルです。

これが難しいという方は、基礎編があります。
こちらは高1~高2のレベルです。
上に比べると網羅性は下がりますが、取り組みやすいです。ただし相応の国語の読解力が必要です。

これでも難しいという人は、動画や塾などで、さらに分かりやすい説明を受けた方が良いでしょう。

【数学】自分の頭で考え抜かなければ問題を解く意味がない。

高校生までに、問題集を反復してやる習慣が身についていました。
しかし、それにも限界がありました。

何のための反復学習?

数研出版のチャートシリーズと言えば、今でこそ色々ありますが、当時は「赤チャート」と「青チャート」しかありませんでした。
私は兄の勧めで赤チャートをやっていました(現在の赤チャートは、現役生にはおススメしません)。


赤チャートは非常に難しかったのですが、浪人して時間があったので2周くらいできました。
(微積と確率は赤チャートがなかったので駿台の問題集をやりました)

しかし、模試の結果は思わしくありませんでした。

一方、同じ高校から一緒に浪人していた友人は、数学がとても得意でした。
そこで、その友人に聞いてみたのです。

「模試になると解けない。どうやって勉強したらよいかな。」

「松下くんは普段から、ちゃんと自分の頭を使って、自分で解法を考え抜いて、知恵を振り絞って解いているかい?」

「うーん、5分くらい考えて思いつかなかったら、解法やヒントをちょっとだけ見ちゃうかな。」

「それは諦めが速すぎるよ。少しは粘って、もっと考え抜かないと。」

「え、そうなの!?」

「そりゃそうだよ。何言ってるの!?」

長い間とても勘違いをしていました。
そもそも「考える」という意味が違っていたのです。

そこで、Z会の通信添削の問題を引っ張り出してきました。
現役時代にやってはみたものの、手も足も出ず、押し入れの奥にため込んでいたものです。

「考える」とは!?

今はどうか知りませんが、当時のZ会の通信添削は、とても難問ばかりでいた。
1問解くのに3日も4日も考え抜くことがある、なんていうウワサ話を聞いたことがありましたが、自分には雲の上の世界だと思っていました。

しかし違ったのです。
自分は諦めるのが速かったのです。

出し損ねた添削問題に、今度こそちゃんと向き合おうと思いました。
そして気づきました。

自分に足りなかったのは、

学んだことを即座に頭の中から引っ張り出してくる訓練
アウトプットの訓練

であったと。

最初の何十問かは、とても苦しみました。
1問解くのに30分も1時間もかかりました。
問題数が進まないので、とても焦りますが、そこは気持ちとの戦いでした。

ところが50問ほど解き進めていくと、だんだん解法を思いつくスピードが上がってきたのです。
赤チャート2周の知識を、やっと引き出せるようになってきたのです。

  • 今まで覚えてきた公式や解法を、高速に思いだしてトライ&エラーをする。
  • あるいは、それらを組み合わせてみる。
  • 似ているパターンを思い出してみる。
  • とにかく図を描きだしてみる。
  • とにかく全ての場合を分けてみる。

できる限りの全てを尽くして考え抜く。

今まで学んできた知識を組み合わせれば必ず解けるはずだ!
そういう姿勢で、とにかく手と頭を動かしまくる。

そのように勉強するようになってから、次第に解けない問題が無くなってきました。

時間さえかければ、どんな問題だって解ける!

そういう状態になれば、あとは制限時間との戦いだけです。
私は2浪にして、やっと、そうなることができました。

ちなみに数学が得意だったというその友人は、東北大学に合格しました。

【社会】情報を増やした方が頭に入る。

私は中学生のころから暗記が苦手でした。

そういえば小学校の時は漢字が苦手でした。
小3の時は、漢字のテストがいつもクラス最下位だったので、担任のT先生が壁に貼ってある「今週の漢字」というプリントを僕だけに毎週プレゼントしてくれたほどでした。

暗記の苦手を思い知らされたのが社会のテストでした。
漢字にしろ社会にしろ、とにかく暗記が苦手でした。

効率化という落とし穴

社会のテスト勉強では、とにかく暗記の負担を減らそうと、できるだけ覚えることの量や数を減らそうとしました。

「よく出る!」
「これだけは覚えろ!}

みたいな薄っぺらい参考書に飛びついて、それだけを覚えようとしました。
とにかく暗記の対策は「最小限の努力で」とか「効率的に」とかいう発想でした。

結局、高校3年間もずっと社会は苦手のままでした。

大学受験では、現役の時に日本史を選択していました。
有名な「一問一答」の1冊だけに絞って反復して学習しましたが、全く頭に入ってきませんでした。

浪人してからは、日本史はダメだと諦めて倫理・政治経済に変更しました。
浪人してから知ったことですが、国公立大学の理系コースでは、社会の負担を減らすために、倫理・政治経済を選択する人が多かったからです。

受験では常識ですが、当時の私は、そういう科目選択の常識も、浪人してから知りました。

成りきって学ぶ!?

予備校の同じコースで国立大学医学部志望のMくんがいました。
Mくんは意外にも、倫理・政治経済の分厚い参考書を持ち歩いていました。

社会で楽するために倫理・政治経済を選択したはずです。
それなのに、どうして、わざわざそんなに分厚い参考書を持っているのか?
理解できませんでした。

それだけではありません。
自習の時にMくんと一緒に勉強していると、何だかブツブツうるさいのです。

「ソクラテスは言った。よりよく生きる道を探し続けることが、最高の人生を生きることだ!」

「うるさいよ!」

どうやらソクラテスについて学ぶときは、ソクラテスに成りきっているようでした。
そんなMくんは、周囲からはちょっと変態呼ばわりされていました。
でも、面白いヤツだと思いました。

Mくんは社会の偏差値が予備校で1位だったので、
その変態ぶりが、きっと勉強のコツなのだろうと思いました。

そこで私もMくんと同じ分厚い参考書を購入しました(残念ながら今は絶版です。同等の参考書も無いようです。)。

さすがにMくんのように何者かに成りきれるほど変態には成りきれませんでしたが、
知識1つ1つにイメージを膨らませ、興味を持って調べるようにし、むしろ情報量を増やして勉強してみました。

すると、それから間もなく、センター・マーク模試で70点を超えるようになりました。
名古屋大学理学部が志望だったので、社会は70点で十分です。

日本史をやっていた時に比べたら、あっという間に目標点をクリアしました。

効率を上げようと知識を絞り込んでいたのが逆効果だったのです。

暗記が苦手なのは、情報量を絞り込んでいたからです。
むしろ情報量を増やした方が楽に覚えられます。

漢字も同じ

ちなみに漢字も浪人時代に少しだけ克服できました。

いつも自習席で

「寝たら死ぬ」

などといった自己暗示みたいな標語を、紙に書いて机に張っているヤツがいました。
Hくんです。
筆ペンを使って習字のような字体でビシッと書いてありました。

ときどき、その標語が状況によって変化しました。
私が読めない難しい漢字がよく使われていました。

例えば、

「←五月蝿い!」

などと変化するのでした。

「Hくん、これ、何て読むの?」

「ああ、これはMくんのことだよ。」

「なるほど、読めたよ。うるさい、だね。」

「正解!」

こんな風に、漢字が得意なHくんから教わることが何度かありました。
そうした小さなことがきっかけで、国語の辞書をまめに引いて漢字を調べるようにしていました。

Mくんの一人コントは面白かったです。
Hくんの標語はためになりました。

二人とも国立大学の医学部に合格しました。
今頃はどこかで立派なお医者さんになっていることでしょう。

数学は自然を厳密に記述できる「言語」だ!

これは大学に入ってからC言語のプログラミングを独学するようになってから知りました。
数学とは何か。
もっと早く知っていれば、勉強の効率がもっと上がっていたことでしょう。

プログラミング言語も数学も英語も楽譜もすべて同じ!?

大学のサークルには、プログラミングがめっちゃできる先輩が何人もいました。
特に1つ上のK先輩は、もっとも会うチャンスが多かったです。

それで色々な質問をしている中で、K先輩から教えてもらいました。

「C言語とかFortranとかPascalとか、プログラミング言語は色々あるけど、どれも言語論やブール代数といった基礎論がもとになっているんだよ。何かの世界を漏れなく正確に表現するためには、何種類の文字が必要で、どんな単語やどんな文法を用意したらよいかっていう理論があるんだよ。プログラミング言語も、日本語も英語も数学も、音楽の楽譜だって、みんな言語。そういう本質を勉強すると、みんな一緒に見えてくるから面白いよ。興味があったら勉強してごらん。」

そんなスゲー知の世界があるんだと、ビックリしたのを覚えています。

数学も日本語や英語と同じ言語です。
そればかりか、楽譜も言語らしいです。

そういえば、プログラムも楽譜も、どちらも共通して「コードを書く」なんて言います。
コンピューターの命令も、音を表す音符も、どちらも「コード」と呼ばれます。

最も精密に科学を表現できる言語

自然界の物理や化学の法則は、とても精密で再現性があり、おそらく宇宙のどこに行っても同じです。
磁石に釘がくっつくという現象は、ミクロな原子核と電子の間でも同じように働くし、マクロでは銀河の磁場で電子が加速される所でも同じです。
地球の重力で月が公転するように、太陽の重力で地球が公転し、木星の重力でガリレオ衛星が公転し、銀河の重力で太陽系全体が公転します。

このような厳密で再現性の高い現象は、人間の気持ちや行動とは全く関係なく起こります。
ですから自然科学を表現する方法も、同じように人間の気持ちや行動、文化などに左右されることなく記述できる方法でなければ、意味がありません。

人間の文明とともに発達してきた日本語や英語だからそこ、むしろ自然界を正確に表現できないのです。

ですから、科学者は数学で自然界の法則を表現することにしました。
時に科学者が数学を発明し、時に数学者が科学を発展させてきました。

では、

「数学=言語」だと気づいたことが、なぜ勉強の効率を上げるのか?

それについては、次の「F=ma は真理ではなく定義」で書きます。

大学のサークル室は、こんな会話が日常茶飯事。
毎日こんな話を無料で聞き放題の素晴らしい空間でした。
私は1日の半分以上をサークル室で過ごしていました。

#今の大学生はコロナ禍で大学に入り浸ることができません。本当に気の毒です。

【理科】F=ma は真理ではなく定義。

高校物理の教科書で、初期に学ぶことになる力学の公式

F=ma

これについて、ちゃんと説明できるか否かが先生の腕の見せどころ。
少なくとも、

「これが真理だ。だから覚えろ!」

みたいな説明をしてしまったら大失敗。
生徒はドン引きです、悪い意味で。

F=maのように数式で書かれた科学の公式。

他にも色々なものがありますよね。
しかし残念ですが、それらが自然界の真理かどうかは誰にもわかりません。

そもそも公式とは何でしょう?

そもそも数式は日本語や英語と同じ「言語」でしたね。
つまり「公式」とは、科学者が自然を観察して気が付いた法則性を記録した「説明文」なのです。

公式 = 説明文

自然界に何かの真理があったとしても、それのどこまでを人間が理解できているか。
これは永遠の謎です。
だから科学の探求は尽きることがありません。

科学者はそんな未知なる自然界の謎解きに挑戦します。
その末に理解できた範囲の法則性を表現したのが公式なのです。

人間が勝手に作ったもの

つまり公式は実験や観察をした科学者の創作物と言えます。
作家が創作した文学作品みたいなものと言えます。

私たちが小説を読んで、その内容を通じて作家の世界観を味わうように、
科学の公式を理解して、それを生み出した科学者の努力や業績を理解できます。

文学と科学が異なるのは「普遍的」あるいは「客観的」か否かです。
科学では「いつ誰がどこで実験しても同じ結果になる」というのが公式の価値です。
文学では読み手の状態によって解釈が変わってしまうことが、むしろ価値になります。

難しさの意識の正体

ところが、多くの学生は公式を真理だと勘違いしてしまうようです。
さらに悪いことに、公式から自然の真理を感じ取れることが理系の才能なのだとか、そんな勝手な妄想をしてしまうのです。

× 数式=自然界の真理
× 数式を見て真理が理解できる=理系の才能
× 数式を見ても何も感じない = 理解できない(理系の才能がない)

それでは、公式の正しい理解のしかたとは、どのようなことなのでしょうか?

これは冒頭の F=ma に戻って説明しましょう。

F=ma

F: 力 [N]
m: 質量 [Kg]
a: 加速度 [m/s²]

これはニュートンさんが、リンゴが落っこちるのを観察したり、色々な重さの物体を押したり引いたりして、精密に実験を行なった結果のレポートです(リンゴの逸話が本当かどうかは不明ですが)。
観察の結果、ニュートンさんが出した結論は次の通りでした。

  • 重さを2倍、3倍にすると、同じ速さで動かすのには、力が2倍、3倍と必要になる。
  • 速さを2倍、3倍のペースでスピードアップ(加速)させるには、力が2倍、3倍と必要になる。
  • おそらく俺(ニュートン)が人類で初めて、この性質を発見したっぽい。

つまり、

  1. 力(F)は質量(m)に比例する → F=比例定数×m と表せる
  2. 力(F)は加速度(a)に比例する → F=比例定数×a と表せる
  3. 人類で初めて数式に表すのだから、俺の好きに公式を決めて良い

などと考えたニュートンさんは、できるだけシンプルな数式で後世に残すことを決心しました。
シンプルな公式にした方が、きっと多くの人に受け入れられて有名になれでしょう。

ニュートンの宣言が公式になるまで

そこで、上の1の式の比例定数をaとし、2の式の比例定数をmとすることを考えました。
こうすれば、公式が1つで済みます。
それがもっともシンプルな「表現」です。
そこで、

F=ma

と書くことを「宣言」したのでした。

その後、多くの科学者が力の性質を詳細に調べましたが、質量と加速度の他に力の性質を左右する項目が見つかりませんでした。
かくして、この宣言は歴史とともに権威を増し、正式な定義として受け入れられていきました。

・・・ってことです。

所詮は比例と反比例の組合わせ

そして、上のような解釈ができるようになるコツは、次のたった2つしかありません。

  • Aの量がBの量に比例する → かけ算の式で表す
  • Aの量がBの量に反比例する → わり算の式で表す

たったこれだけです。
加えて中学3年生では「2乗に比例する」という関係も習います。
ですから、高校の物理や化学、地学や生物の公式は、中学生の数学で全て読むことができます。

だったら、最初から教科書にそのように書いてくれれば分かりやすいのですが、そう書いてはくれません。
きっと紙面の都合というヤツでしょう。

このように、

  • 数式は言語であり、科学者が気づいた自然の規則性を表すものだ!
  • たいていの公式の読み方は、比例と反比例だけで済む!

ということが分かってしまえば、何も怖くはありません。
凡人でも公式を読むことができるし、センスも不要です。

人類が自然を観察して規則性を見出し、それを「比例」や「反比例」で記録したレポートだと捉えれば、恐れることはありません。

人が「分からない」「理解できない」と思うこと。
その正体はたいてい「全体像がつかめない」という混乱にすぎません。

しかし難しいと思っていた科学の公式が、たいてい「比例」や「反比例」の説明にすぎないと思えば、公式の意味の全体像がつかめます。
「理解できない」という混乱はなくなることでしょう。

全体像さえつかめてしまえば、勉強の効率が上がるというものです。

# もちろん比例と反比例だけでは理解できない領域もあります。
# 三角関数がその1例ですが、主に大学の範囲です。

仕送りしてもらう内は、好きなことができない。

大学時代、私の周りには「貧乏学生」とか「苦学生」が多かったです。
昭和時代から続く木造2階建てのぼろアパートに住み、アルバイトで学費や生活費を自分で稼ぎます。
歩けばミシミシと音を立てて崩れそうな部屋には、食費を切り詰めて買い込んだ古本が何十冊も並び、寝床を圧迫します。

そういうセピア色で描かれるような、昔風の学生が多かったです。
そんな名古屋大学の学生を

本山原人(もとやまげんじん)

流行から取り残された原始人のような格好で本山付近に生息する生物

などと揶揄して呼ぶ言い方があったくらいです。
そんな彼ら彼女らから言われました。

自分のやりたいことをやるなら、自分の生活くらい自分で何とかするもんだ。

つまり、

  • 大学に通うのは、ぜいたくな趣味
  • 自分で稼いで通うのは当然

というわけです。
そんなことを当たり前のように言う人が多かったです。

親友のY君もその1人でした。

Y君は新聞配達で学費を稼いでいました。
それで大学でほとんど姿を見なかったし、クラスの親睦会にも来ませんでした。
ですからセミナーで一緒になるまで、実は同じクラスだったことすら知りませんでした。

新聞奨学生

今でもあるんですかね?
そうとうブラックだったので、もう無いとは思いますが。

新聞配達と学業の両立が不可能だと悟り、途中で他のアルバイトに変えたそうです。
それでセミナーには参加できるようになって、一緒に勉強することができました。
Y君の苦労話を聞くたびに、自分は幼いと感じました。

大学の英語の講義で、自由英作文の課題が出されました。
講師はアメリカ人かオーストラリア人か忘れましたが、とにかく外国人でした。
私はその課題で、

大学院に行きたいけれど、お金が無いから難しい

みたいな英文を書いて提出しました。
課題が返却されて見ると、講師のコメントが短くこう書いてありました。

Why?
You can earn by yourself!

海外では自分でお金を稼いで大学へ行くことが当たり前なのだそうです(当時は)。
私はろくに行動も努力もせず、ただ諦めようとしていたことに気付きました。

講師のコメントを見て、自分が恥ずかしくなってきました。

そのような経験を大学で何度かしました。
それで親に電話をして、

「もう、仕送りをしなくて良いから。」

と断りました。

塾長は兄弟が多かったから、実家が大変な思いをしているのを知っていました。
それでいながら、仕送りをしてもらっている自分が、いよいよ恥ずかしくなったのです。

もちろん、アルバイトを見つけて、奨学金を申請して、授業料の免除申請もして、色々準備をしました。
実際に自活ができたのは大学2年生の後期からです。

自活したおかげで、大学院に行くのも就職するのも、何をするのも、親に相談する必要が無くなりました。
というより、後ろめたいような気持ちが無くなりました。
自分の進路や趣味を、すべて自分の意思でできるようになりました。

もっとも大変だったのは何だと思います?

アルバイトや仕事が大変だとか、両立がどうとかではありません。

仕事を探すこと。

これがもっとも大変でした。
独学してきたプログラミングが役に立ちました。

プログラミングは仕事を家に持ち帰れるので、時間の自由が利きます。
アルバイト先の会社からパソコン一式を貸し与えられ、下宿でデーターベースシステムの開発やWindowsアプリの開発などをしました。
完成したものを納品すれば、10万とか20万とか、まとまった収入を得られました。

必要だから学ぶ。
お金のために学んだことを使う。

これも自分の能力を飛躍的に伸ばす手段です。

学生として学べることを、当たり前だと思わないでください。
学べるうちに、少しでも学んでおくべきです。

 


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国語はどうやって勉強しますか? どんな問題が出ますか?

国語

塾長です。

今日は国語の「読解力」について書きます。

3月は急に学校がお休みになってしまいました。時間を持て余すくらいなら、普段やらない勉強にも取り組んでみましょう。
そこで、ついつい後回しになりがちな国語の勉強。少し本気で取り組んでみてはいかがでしょうか。

  • 国語が苦手
  • 国語の対策がわからん

という人のために、国語の勉強の仕方について書きます。

※ 毎度のこと、長文注意です。

国語にS・F・Kはあり得ない!

塾長は中2まで国語はS・F・Kで解いていました。センスとフィーリングとカンです。もちろん悪い点数でした。何を勉強したらよいか、まったく解らなかったです。

今は得意ですよ。だって、

国語にはセンスやフィーリングは不要、むしろ邪魔!

ということを知っていますから。だから、そのことをズババッと書いていきます。

  • 勉強のやり方が良く分からない
  • ちゃんと勉強したことがない

国語と言えば、そんな感じの生徒が多いです。

  • センスやフィーリングで何となく解いている
  • 小説や物語は読めるけど、説明文や論説文は苦手

これも本質は同じですね。

こういう状態だと、ちゃんと勉強していないので、学年とともに点数が下がっていきまう。それが一般的です。センスやフィーリングで解いている限り、いくら問題集をこなしても点数は伸びません。

読解力とは?

そもそも「読解力」とは何でしょうか?

もちろん色々ありますが、一言でまとめるなら、

「一字一句を正確に読み取れる、書ける。」

ということです。これに尽きます。本当です。

逆に言えば、言葉の「意味の受け取り方」や「言葉の使い方」が少しでも雑だと、直ぐに減点されます。それがもっとも大きな目線での出題傾向です。国語のテストはそのように作られています。実はむしろ、そのようにしか問題の作りようがないのです。

センスやフィーリングで解くから間違える

逆に、国語の読解で出題されない問題というのがあります。次のようなことは問われません。

  • 読んだ感想を書け
  • この文の主旨をふまえて自分の考えを書け

このような問題は正答を1つに決めることができません。受験者が10人いたら10通りの答え方ができてしまいます。つまり答え合わせができません。だから出題されないのです。

あくまでも、

  • 書いてある通りに読み取れたか?
  • どこまで正確に読み取れたか?

ということが問われます。「言葉通りに読んだなら、こうにしか読み取れないはず。」そういう内容だけが問われます。それが読解問題です。

そして国語の問題の難易度は、語彙力の他に、読解の「正確さ」や「厳密さ」でも決まります。

筆者が使う言葉の1つ1つについて、細かいニュアンスまで読み取れたかどうか?

これで国語の実力に差がつくようになっています。

正解が1つに決まるような問題ですから、読み手の価値観や感情は関係ありません。読み手がだれであろうと答えは1つです。そのことを強く意識しなければ全く点数が取れません。

つまり、自分のセンスやフィーリングで解くから点数が取れなかったわけです。

自分の考えを脇に置くことから始めよう

次に対策を考えましょう。

書かれてある通りに答えれば正解する!

国語が得意な人からすれば、これは簡単に思えます。しかし苦手な人にとっては、これが難しいのです。なぜなら、

文章を最後まで集中して読めない

からです。読んでいる途中で気が散ってしまい他の事を考えてしまいます。文章を読み終える前に、どうしても自分の感情や考えに注意が移ってしまいます。

国語が苦手な人は、頭の中で、こうした注意散漫が頻繁に起こっています。

これを克服する必要があります。

文章を読んでいる間に、自分の考えを脇に置き続ける訓練

これが必要です。まず自分の考えを横に置いて、書かれている内容に最後まで集中する事から始めましょう。

「復唱」と「指さし呼称」を試してみよう

実は、こうした注意散漫への対策はすでに存在します。

工場や工事現場など、ケガをすることが許されないような現場で実践されています。交通安全も同じです。学校で自転車の乗り方を教わった時に、もしかしたら経験しているかもしれません。

それは次の2つの行動をすることです。

  • 復唱(ふくしょう)
  • 指さし呼称(ゆびさしこしょう)

安全にかかわる注意事項は、うっかり読み飛ばしたり、聞き漏らしたりすれば、ケガや事故になりかねません。注意散漫が命取りです。だから対策があるのです。

復唱とは

復唱とは、言われたことを自分の口で言い直すこと、オウム返しをすることです。

文章に書かれたことを黙読したら、文章を手でおおい隠して、声に出して言ってみましょう。一字一句正確に。きっと慣れない用語や言い回しがあると、うまく出てこないでしょう。そしたら、チラと文章を見て、また空で言ってみましょう。

練習ですから「1文字でも間違えたらやり直し」です。

ちゃんと「1文字でも間違えたらやり直し」を守りましょう。こういう小さいことをバカにせず、きっちりやることです。

指さし呼称とは

指さし呼称とは、注意すべきものを指さして、その名前や状態を声に出して言うことです。

例えば「信号が青になったら横断する」を徹底させるために、信号を指さして「信号が青」と声に出して確認させます。こうすると、青になる前の「見切り行動」や「飛び出し」が防止されて事故を防ぎやすくなります。

文章を読んでいる時に、新しい言葉や言い回しが出てきたら、その言葉を指でさして、声に出して言いましょう。そして、その意味が書かれている文章を指でなぞって、声に出して読んで確認しましょう。

体も動かして集中を持続させる

だれでも文章を読んでいる途中で気が散ってしまったら、もういちど読み直します。しかし、ただ読み直すだけでは、また気が散ってしまい、注意散漫の無限ループになってしまいます。

そこで「体も動かす」という工夫をします。頭と体は連動して動きやすいので、「読む」という頭の働きと並行して、「声に出す」「指でさす」という体の動きを加えれば、文章に集中しやすくなります。

家庭学習で、ぜひやってみてください。

  • 国語が苦手な人
  • 学校の先生の話が頭に残っていない人

は、こうした訓練から始めてください。

人の話を聞く時も「復唱」や「指さし呼称」は有効です。ただし相手に失礼にならないよう、あらかじめ断っておく必要があるので注意しましょう。

どんどん書き込もう!

復唱や指さし呼称にも欠点があります。周りに人がいる場所やテスト中に使えません。声を出したら恥ずかしいし、迷惑かもしれません。

そこで、代わりに文章に書き込むことをしてください。

  • 復唱する代わりに、指で文章をなぞりながら、頭の中で言い直します。
  • 指をさす代わりに、キーワードを〇で囲ったり、文の横に線を引いたりします。

教科書を汚したくなければ、コピーを取ってガンガン書き込みましょう。

文章のジャンルに左右されず、国語で満点ちかく取れる生徒は、だいたい文章に線やマークを多く書き込みます。苦手な生徒は、問題文が真っ白のままです。

文章に書き込むノウハウは色々あります。長くなるので、ここでは書きませんが、まず国語が苦手な人は、手を動かしてください。まずスタートラインに立ちましょう。

5W1Hを明確に

今回は「文章に集中する」ということをメインに書きました。読解の「正確さ」や「緻密さ」については、難問を解く次のステップと考えて、今回は書きませんでした。

それでも最低限の「正確さ」を体得するために、できることはあります。それは

会話の中で5W1Hを意識する

ということです。

そもそも日常の会話があいまいで、日本語をちゃんと使えていないかもしれません。会話しているようで会話になっていない。子供の会話というのは、往々にしてそういうものです。

そこで、「だれが」「だれに」「なにを」「いつ」「どこで」「どのように」を明確にして話すように心がけましょう。

お家で会話する時も、

  • × 今日は友達と遊んでから帰ってくる。
  • 〇 今日は3時に中央公園で待ち合わせて、花子ちゃん家でカードゲームで遊んでくる。4時30分になったらバイバイして家に帰ってくる。

のように正確な会話を心がけるようにしましょう。

「国語が苦手」=「先生の話を聞けてない」

最後に、ちょっと怖いことを書きます。

  • 文章を読み終える前に、注意が他に行ってしまう。
  • 自分の考えが邪魔をして文章の内容が頭に入ってこない。

こうした注意散漫は、文章に限らず、学校で先生の話を聞いている時にも起こります。

先生が話している最中に、他の事を考えてしまい、途中から先生の話が耳に入っていません。だから授業の内容が頭に残っていないのです。

好きな教科であれば、こうした注意散漫が起こりにくく、嫌いな教科であれば起こりやすい、とも考えられます。

  • 読解力があれば集中できる
  • 集中できるから読解できる

さて、どちらが先なのでしょうか。おそらく互いに相補的で、2つは同時に発達していくものだと想像しています。

何はともあれ、

文章を最後まで集中して読む

ということが全ての勉強の土台です。

今回は安全行動で実践されている「復唱」や「指さし呼称」を紹介し、そこから「問題文に線を引く、書き込む」という応用を紹介しました。

ぜひやって欲しいと思います。

1回や2回ではなく、継続的に習慣になるまでやりましょう。勉強の苦手な子は習慣になる前に止めてしまいます。1週間や1カ月だけ試して「やった」と言わないように。無意識に毎回やるようになるのが習慣です。

 


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「読解力」の伸ばし方。国語の勉強だけじゃダメだった!?

AIに負けない子供を育てる

塾長です。

週末は台風19号で塾をお休みにしました。幸い名古屋の被害は少なかったようですが、実家のある群馬をはじめ関東地方や長野県で被害が大きかったようです。とても心配です。

さて、その週末は何もできなかったので自宅で読書をしました。2019年9月の新刊「AIに負けない子供を育てる」(新井紀子著)です。超お勧めです。

それで、例によって感想を動画にしました。

「AIに負けない子供を育てる」新井紀子著を読んでみた塾長の感想(解説動画)

【書評】読解力がヤバイ!?「AIに負けない子供を育てる」新井紀子著を読んでみた塾長の感想

読解力を伸ばせはAIに負けない!?

筆者の新井紀子先生は、人工知能で東大合格を目指す「東ロボくん」プロジェクトのディレクタをされていました。人工知能の東ロボくんは、最終的には理系科目で合格点を達成しましたが、長文読解問題ではそこに至りませんでした。

つまり総合的には、高度な読解力を試される難関国公立大学の二次試験を突破できないということでした。ただし高度な読解能力を試されない出題形式である、関関同立やMARCHの入試問題は合格点を突破したそうです。

つまり、人工知能に勝つためには、読解力を鍛えればよい、ということです。ちなみに日本人は平均して、ほとんど読解力が無いらしいです。読めているようで、実は読めていない。確かに、いたるところでネットが炎上しているのも頷けます。そういうヤバイ現状もまた事実だそうです。

そして、この本では、読解力のテストと、読解力の鍛え方について書かれています。

読解力に必要な6つの能力

書籍の中で読解力は以下6つの能力で測るとあります。

  1. 係り受け解析
    文の構造(主語・述語・修飾語など)を正しく把握する。読解力の最も基礎となる能力。
  2. 照応解決
    代名詞が何を指しているかを正しく認識する。
  3. 具体例同定(辞書・理数)
    辞書の定義を用いて新しい語彙とその用法を獲得できる。
    または理数的な定義を理解し、その用法を獲得できる。
  4. 同義文判定
    与えられた二文が同義かどうかを正しく判定する。語彙力や論理力が必要。
  5. 推論
    既存の知識と新しく得られた知識から、論理的に判断する。
  6. イメージ同定
    文と非言語情報(図)を正しく対応づける。

出展:本の82ページ および RSTのホームページhttps://www.s4e.jp/ )より

国語だけ勉強しても読解力は伸びない

上の1~4の前半が、いわゆる国語力です。そして4の後半~6については、国語の授業では学ばない内容です。

そうです。なるほど、と思ったのは、国語の授業の範囲を超えて読解力を計っているという点です。

塾長は日ごろから「国語は万能ではない」とか「数学や理科や社会など他の教科も勉強しなければ読解力は上がらない」とかいう主張を、たびたびブログなどで言ってきました。それがビシッと上のように書かれていたものですから、とても納得がいきました。

教育改革で新設される「論理国語」とは!?

ところで、高校生の国語に新しく加わる「論理国語」ってご存知ですか?

ここで突然、そんなことを思うのは、この本でいう「読解力」が、まさに「論理国語」の一足先を行っているように思えるからです。

プログラミング教育必須化やセンター試験廃止、英語の民間試験活用を皮切り2020年度から始まる教育改革。高校生の教科書改訂は2022年度から実施されます。その時に高校生は「論理国語」なる新しい科目に出会います。

いったい何でしょうね、論理国語って。みんなで出口先生の論理エンジンを勉強しようって話でしょうか?
これとか。

しかし、そうではないようです(ただのネタです)。

正確には、国語の選択科目が変わります。従来の

「国語表現」「現代文A」「現代文B」「古典A」「古典B」

から、

論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探求」

に変更されます。単位数に変更はないようです。そして論理国語は選択科目の1つです。

選択科目なので学校やコースによっては全く選択されないケースも出てきます。ただし社会的な要請や大学入試の出題傾向を考えれば、「論理国語」を選択する人が増えていく流れになると思います。

文学作品が軽視されるのではないか、などと懸念の声があるようですが、私はそうなるとは思いません。そもそも文学的な価値があるか否かは読み手が自由に判断することです。いつまでも古い大先生の古典作品を「よいしょ」し続ける風潮は、逆にどうかと個人的には疑問に思います(あくまで個人の感想です)。

本の構成

話しを本の内容に戻します。本の構成は、ズバリ、科学的で実践的なアプローチです。本の章立て自体が、問題解決の手法手順と同じ順で構成されているのが分かりやすいです。つまり、

読解力の底上げという課題設定

「読解力」の計り方を6つの能力で定義

RSTでテスト

タイプ別分析と読解力アップの処方箋

という流れが一通り書かれています。このような文章構成そのものが勉強になります。

読解力をテストする!?

本の中で紹介されている読解力テスト「RST」は有料ですが、本の中にお試し版の28問があり、解答用紙もついています。
自己採点して自分の読解力を試せます。

詳細はRSTのホームページhttps://www.s4e.jp/ )をご覧くださいませ。

ホームページを見ると、読解力の6つの能力(分類)のうち「具体例同定」が更に2つに分かれた7分類で説明されています。
さらに、その7つは読解過程の11の読解プロセスからピックアップされた能力であることも分かり、興味深いです。
本に書かれていることは、理論体系のほんの一部だったんですね。

おすすめのポイント

この本はAIの本ではなくて、教育の本です。AIに負けないために読解力を伸ばそう、という本です。そして、かなり実践的な本です。学校の先生や塾の先生にはもちろん、お子様をお持ちの保護者様たちにもお勧めです。概ね、次の点で良かったと思います。

  • 読解力をテストするRSTのお試し版を体験できる
    自己採点すると自分のタイプが分かります。
  • 読解力を上げる方法が分かる
    上のテスト結果をもとに処方が書かれています
  • 学校や塾の先生向けに授業の進め方が書かれている(第8章)
    読解力を上げるための実践的な方法が具体的に書かれています
  • ご家庭向けにお子様への接し方が書かれている(第9章)
    幼少期、小学校低学年・・・中学生、など学齢別に子供への接し方や教育方針が書かれています

最後に、著者である新井先生の「ここまでやるのか」というほどの熱意を感じました。日本人に読解力が無い。その事実が分かったとして、普通の人は「ヤバイ」で終わってしまいます。この先生はその課題を克服すべく、ここまで仕組みを用意して活動されています。本当にスゴイと思いました。

 


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小説をたくさん読んでます。でも国語が得意になりません。

寝っ転がって読書する少年のイラスト

こんにちは、塾長です。

昨日は残業していたら、なんと夜23時過ぎに来客がありました。音大に進学した卒業生です。
大学の帰りにピアノのレッスンを受け、終電と最終バスで戻って来たところだそうです。いつもこんな感じで夜までレッスンだそうです。大学生活はとても充実しているようですね。20分ほど近況を話してくれました。
学業でも優秀な生徒だったので講師をお願いしたかったのですが、まだまだ忙しそうでした。「はい、先生、こんな時間までお疲れさまです。」と言って、お菓子をちょこんと置いて帰っていきました。

ありがとう!

さて、今日は国語の読解力についてです。

本をたくさん読んだら読解力が上がりますか?

そんな素朴な疑問にお答えします。もちろん読む本によります。そして残念ですが「ライトノベル」を読んでも国語力は上がりません。

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なぜ添削指導が読解力や記述力を伸ばすのか

高校英語の添削指導例の写真

長文問題が苦手です。
考えて書く問題が苦手です。

困っている学生が多い一方で、もっとも鍛えるのが難しい。
それが読解力と記述力です。

愛知県の公立高校入試では、国語の50文字要約をはじめ、理科、社会の記述問題があります。
また理科や社会は問題文そのものが長文で、読解力が無いと問題文の意味すらつかめません。

国公立大学を目指す生徒は、2次試験の記述力が必須です。
名古屋大学の理学部は、理系なのに2次試験で国語があります。

ヒーローズ植田一本松には、難関受験を目指す生徒のために添削指導があります。
半年~1年の指導で、最後までついてきた生徒は第一志望に合格します。

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