夏期講習の案内が届くようになりました。
お申し込み済みの方、部活のスケジュールが出るまで待っている方、いろいろです。
一方、
「夏期講習の取り方が分からない」
という方も多いでしょう。
今日は夏期講習の取り方、受け方について、
キレイごと抜きの本音で!
考えます。
前半は受講のポイント、後半は「現実」についてです。
Contents
夏期講習の目的
まず夏期講習は「復習」がメインです。
「基礎の徹底」
つまり、
「教科書で知らないことを無くす」ための「復習」
です。
これは受験生か否かによらず共通です。
偏差値58~60くらいの生徒と言えども、夏の時点では、まだまだ基礎が抜けています。
秋以降で更に伸ばすためには、夏の内に基礎を徹底しておくことが大切です。
基礎の徹底とは?
たとえば、中学3年生の3割くらいしか「割合」を正しく理解できていません。
意外ですか?
しかしそれが中学3年生の6月~7月のレベルです。
小学校の算数で「単位あたりの量」や「速さと距離」をやりました。
中1では方程式、中2では連立方程式や一次関数をやってきました。
それなのに、中3理科の加速運動になると、実験結果から「平均の速さ」を計算できません。
一方、「割合」をちゃんと理解している生徒にとっては、これらは全て同じ問題に見えるでしょう。
特に何が新しいと思うこともなく、自然に解けていると思います。
「基礎の徹底」というのは、つまり、そういう状態になることです。
どのように受講するか
受験生
- 模擬試験や実力テストで合格判定を上げる
- 入試教科を全て復習する必要がある
- 受験問題の3割は、まだ習ってない
これらを総合的に考えると、夏までは基礎徹底、秋以降から応用力を伸ばすのが自然です。
非受験生
- 英・数・国は復習すれば2学期への基礎になる
- 社会と理科の基礎は国語と数学
- 部活との両立で時間が限られている
これらを総合的に考えると、英数国を優先して復習するのが自然です。
さらに、独学に自信がない、あるいは効率が悪い、と思われるものを優先して受講するとよいでしょう。
長文解釈と暗記科目は映像教材を活用
最近では動画やアプリを使った教材も多くなりました。
予備校の先生が授業を配信しているタイプが最も多いでしょう。
映像教材の長所と短所
長所
- 解説が分かり易い
- 目と耳の両方で情報を頭に叩き込める
短所
- すぐに質問できない
- すぐに中身を検索できない
こうした映像教材の特性を総合的に考えると、
- 長文の読解や解釈
- 暗記系の刷り込み学習
で活用するのがよいでしょう。
よって、おすすめは次のようになります。
映像教材でお勧めする講座
長文の解釈系
- 英語長文
- 英語構文
- 現代文
- 古文解釈
- 漢文解釈
暗記の刷り込み系
- 日本史
- 世界史
- 地理
- 公民
- 化学
- 生物
量は質の変化を生む
ここからは、夏の勉強量についてです。
勉強の「効率」は、たくさん勉強している人にしか意味を成しません。
たとえば勉強の効率が10%アップしたとします。
1日10時間も勉強している人には、1時間分の効果です。
1日 1時間の人では、たった6分の効果にすぎません。
たくさん勉強する人は、効率も上がり、その恩恵も多く受けるので、時間の差以上に、どんどん勉強が進んでいくのです。
さらに人間の脳みそは、知識が増える程、新しい知識を覚えやすくなります。
知識が知識を呼び、更に吸収がスピードアップします。
中途半端は体にも心にも毒
受験は競争です。
勉強が己との戦いですから、このことを、ついつい忘れてしまいます。
しかし受験者の上位から合格が決まっていくのですから、やっぱり競争です。
受験生を指導してきた私の経験から言うと、
夏休み40日間の勉強時間が150時間未満の生徒は、ほとんど偏差値が上がりません。
周囲の子と差がつかなかった、という事でしょう。
ですが、40日間で150時間は多いですよね。
きっと本人にとっては、今までの人生の中で、もっとも勉強した夏かもしれません。
しかし、そこが競争の怖いところ。
多くの受験生が「今までの夏休みで最も勉強した」という状態なのです。
つまり、受験生の中では「普通」ということなのです。
それなら今までどおりの成績になるのは、当たり前です。
しかし、他人の努力は目に見えません。
しかも努力を隠す子が多いです。
だから、他人の努力に気が付かず、考えようともしないまま、
「自分としては、ものすごく頑張ったのに・・・でも上がらなかった。」
という疲労感と悲しさだけが残ります。
中途半端は毒なのです。
やるなら200時間以上でないと意味がありません。
300時間以上やった高校受験生は、第一志望の合格率がぐっと上がります。
もちろん、これは高校受験でのお話し。
大学受験の場合なら、400時間未満はお話しになりません。
自分の中の「あたりまえ」をバージョンアップ
いかがでしたか?
成績を伸ばすということは、自分の中の「あたりまえ」を、より高いレベルへ引き上げる事だと言えます。
今まで1日3時間でギブアップしていたなら、それを5時間や6時間に引き上げること。
さらに受験生なら、「自分として」ではなくて「周りよりも」高いレベルまで引き上げることです。
自分の中で最高でも、周囲がもっと高い最高を更新していたら、それは普通ということです。
そして夏期講習は、そういう努力の中で10%~30%の時間となります。
夏期講習は、その前後の学習時間やチャレンジも含めて、総合的に活用しましょう。
高校受験は最低200時間、めざせ400時間!
大学受験は最低400時間、めざせ500時間!
この夏は、熱い40日間にしましょう!