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数学

成績の9割を決めるポイントで勉強を加速させる方法とは

あじさいを背景とした「6月の勉強」

塾長です。

小中学校では昨日から新学期の勉強が始まりました。

コロナ臨時休校の間に、家庭学習で予習を進めることができたお子さんもいるでしょう。
しかし、油断は禁物です。
できた「つもり」は危険です。

予習が進んでいるのは見せかけかもしれません。
おごらず、油断しないでください。
学校の授業を真剣に聞いて、勉強のヌケ、モレを見つけていくようにしましょう。

そこで6月の学習テーマとして、今回は

「勉強した『つもり』の総点検!」

というお題で書きます。

「勉強したのに点が取れない」

になってしまう理由と対処にいて、中学の英語と数学を例に書きます。

生徒が良い成績をとるためのサバイバル作戦として読んでほしい

最初にお断りしておきますが、今回のブログで書く指導法は、本当の勉強でもなければ、正しい学力の評価でもありません。
ちょっと残念な現状において、少しでも生徒が有利に評価されるための護身術です。

日本の教育は素晴らしいですが、次の観点で見ると、残念な欠陥もあります。
その欠陥が当面の間まだまだ運用されるのですから、その教育を受ける生徒としては護身術を覚えるしかありません。

成績の9割が決まるポイント

学校にしろ塾にしろ、日本の現状の教育においては、生徒の学力の測り方はとても偏っています。
非常に辛い現実として、子供たちの成績は次の観点で9割が評価されてしまいます。

  • 正確な暗記力(文字列の解析能力)
  • 文脈から答え方を正確に推測する力(空気を読む能力)
  • 短時間に多くの類題をミスなくこなす力(事務処理能力)

こうした能力は知性を鍛える「過程」においては欠かせない必要条件です。
しかし評価という「結果」の採点に使って良いのかといえば、それは話しが別です。

人工知能が得意な能力で人間を評価すべきか

人間の能力はもっと多様だからです。
第一これから先、上のような能力は、ほとんど人工知能がやってしまうようになるからです。

たとえ上のような能力に優れた人間を社会に排出しても、正直、あまり役に立たないです。
コンピューターの無かった時代は、人間が電卓になり、ワープロになる必要がありました。
しかし、もうそういう時代ではないのですよ。

人工知能と生身の人間を競争させ、優劣を競い合わせるのは、人工知能が勝つに決まっている出来レースであり、消耗にすぎません。

読み、書き、そろばん・・・もう終わりにしましょう。
どんどん学力の評価軸を「多種多様な表現」や「人間らしさ」に置き換えていきましょう。

国の教育が変わるまでの護身術

と言いたいのですが、残念ながら現場はすぐには変わりません。
残念ながら教育が変わるのには時間がかかり、その間に生徒はどんどん卒業していきます。
こうした辛い現実があるのは大人のせいであって子供のせいではありません。

従いまして、現状の評価で少しでも有利に点数が取れる「護身術」を生徒が身に着けるのは、決してズルいことではありません。
むしろ仕方のないことです。

ズルいのは、現状を変えず、自分の価値観さえ満足すれば良いと、その場しのぎで仕事をしている大人の方なのですから。
そういう大人たちは、学んできた学力を「できない理由を並べる」ために使っています。

誰がそうなのか。
子供たち、よく見ておきましょう。
そして16歳以上になったら、選挙権を行使してくださいね。

どんどん進む割には点数が取れない「作業癖」の子供たち

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

  • 間違えを隠して「できたことにする」
  • 勉強ではなく「作業」をしてしまう

このようなお子さんは、机に向かう時間が多い割には点数が取れません。
自宅学習がポンポン進んでいるとしたら逆に要注意です。

かわいそうなので何とかしてあげたいです。
単に何も考えずに突っ走っているなら心配ないのですが、中には・・・

できた時には褒められるかもしれないけれど、間違えた時には叱られる、馬鹿にされる。

そのような辛い経験を繰り返してしまったお子さんは、間違えることに後ろ向きな気持ちを持っています。
トラウマか、その一歩手前です。
その心の傷から自分を守るために、

  • たくさん書いたから褒められた
  • たくさん〇がついたから褒められた
  • たくさんページが進んだから褒められた

という評価を求めるような行動パターンが身についてしまっています。
しかも小学生までは、雰囲気やあいまいな暗記でも点数が取れました。
だから、それが勉強だと勘違いしやすいです。

なぜ中学生になると点数が取れなのか

しかし中学生からは1文字でもミスしたら減点です。
このような「作業」的な発想では、中学の勉強を正しく進めることができません。

小学校のテストとは違います。
中学校のテストは「正確な暗記」と「細かい暗記」をしておかなければ点数が取れません。

だから、特に中学1年生は要注意です。

だから、暗記を精密に鍛えることが勉強の大部分になります。

少なくとも、テストや受験で教科書やノート、電卓を持ち込んでもよくなる時代になるまでは・・・

とにかく現状において子供たちが点数を取るためには、テストのリハーサルを多くこなすことが必要です。
テストを受ける前に、できるだけ多くの間違いをたたき出し、それらを修正して弱点をつぶしておかねばなりません。

つまり問題を解いたら「間違い」を大切にし、それを周囲の人に知らせ、早くアドバイスをもらう姿勢が必要です。

中学生からの勉強とは、間違えを大切にし、共有し、改善することです。
間違えることに対して前向きな気持ちを持っていなければ勉強になりません。

小学校のときに身についてしっまった「作業癖」から脱却できず、勉強している「つもり」が「勉強」になっていない状態で中学生になってしまう。
このような意識のズレを「中1ギャップ」と呼ぶ人もいるそうです。

もちろん「中1」に限らず、成績が伸び悩むお子さんは何年生であろうと同じ課題を抱えています。

自宅学習では、このギャップを埋めることがなかなか難しいです。
指導経験者でないと子供がやっているのが「作業」なのか「勉強」なのか、なかなか見抜けないものです。

一字一句を正確に「言わせる」

したがって自宅学習で予習が進んだからと言って、それが順調とは限りません。
そうなると臨時休校が明けた、この6月にやっておくべきことは

「やったつもり」

の総点検となります。
理解が浅いまま「作業」だけで進んでしまった所を見直して、「勉強」としてやり直しましょう。

理解できているか否かのチェックは簡単です。

説明が正確にできるかどうか、子供に説明させればよいのです。

「太郎くん、数学はだいぶ予習が進んだようだね。」

「はい、学校課題の穴埋めプリントは教科書を見ればわかったので、自分で全部終わらせました。」

「けっこう、けっこう。それじゃ、『絶対値』の意味を言ってみてくれるかな?」

「絶対値・・・。ええと、例えば -10 なら10とか。」

「そうだね。教科書には絶対値の意味をなんて説明していたかな?」

「ええと、プラスとかマイナスとかを外した数のこと?」

「残念。新しい言葉が出てきたら、その意味を正確に覚えようね。「絶対値」を漢字で書かせたり、その意味を書かせるような用語の意味を問うような、国語みたいな問題が数学のテストでも出題されるよ。だから必ず用語の意味は正確に覚えてね。」

「あ、はい。」

「絶対値の意味は、数直線において原点0からの距離だよ。教科書でも塾のテキストでもいいから、絶対値の意味が載っている所をよく見てごらん。」

こんな感じチェックしていきましょう。

それでは中学生の数学と英語について、もう少し具体的な例で見ていきます。

数学の勉強の仕方

下の図は、中学2年生の数学です。
例年であれば5月の学習内容ですから、予習が順調に進んでいる生徒ならば学習済みかもしれません。

あなたなら、どのようにしどうしますか?

中2数学_文字式の利用_文理ー1

これを一字一句チェックできる子に指導していきましょう。

問題文をよく読む

まず問題文の意味をどれくらい正確に分析して理解できるか。これを生徒に言わせてください。

各位の数の和が9である3けたの自然数は9の倍数になる

この1文の採点ポイントは次の通りです。

  • 「各位の数」の意味と例を言わせる
  • 「各位の数の和」は、上で言わせた例ではいくつか言わせる
  • 「自然数」の定義を言わせる
  • 「9の倍数」を列挙させる
  • この一文から「仮定」と「結論」を抽出して言わせる

同様に問題文の2~3行目についてもチェックします。

  • 「百の位をx、十の位をy、一の位をzとする」は、上で言わせた例でどう対応するか言わせる

4~5行目について

  • 「3けたの自然数」をx、y、zで表した式を言わせる(書かせる)
  • 「各位の数の和が9である」をx、y、zで表した式を言わせる(書かせる)

回答形式をよく読む(空気を読む)

この問題は穴埋め形式ですから、出題者の意図する答え方の文脈が読み取れないと回答できません。

出題者の意図を読み解く一番の方法は「結論から逆算する」という読ませ方です。

  • 問題文の「仮定」と「結論」をもう一度言わせる
  • 「結論」の式がどんな形になっているべきかを言わせる
  • 「結論」の式が登場するのはア~オのどこだと思うか言わせる
  • その式の形式に向かって「9の倍数」と「その他」に式を変形するというヒントを与え、ア~オのどこがそうなっているか言わせる

こんな感じで問題文の解釈の仕方を言わせながら進め、どこが言えないか(勉強したつもりになっていたか)をチェックしながら復習を進めましょう。

このように問題文を定義通りに精密に読む力と、空気を読む力の両方を鍛えるのが勉強であると自覚させながら進めるのです。

英語の勉強の仕方

中学1年生の英語といえば、最初は「英語習字」と呼ばれるアルファベットの「書き方」の指導および英語の発音の指導がメインになるでしょう。

発音(フォニックス)は、アルファベットの数およびshなどの2文字発音の数だけチェックポイントがあるので、ここでは省略します。

少なくとも書き方については以下のチェックポイントがあります。

  • 大文字25文字の形、大きさ、位置のチェック
  • 小文字25文字の形、大きさ、位置のチェック
  • 文頭および名前の1文字目は大文字で書く
  • 単語と単語の間は1文字開ける
  • 文末はピリオドを打つ
  • YesとNoの後にはカンマをつける

などです。

これらを何か書くごとに生徒に言わせてみてください。
講師が説明してしまったら台無しです。
勉強した「つもり」をチェックするのですから、生徒に言わせてみてください。

それでは中学3年生ならどうでしょうか?

下の図は中3の受動態の問題です。
例年であれば5月の学習内容ですから、予習が順調に進んでいる生徒ならば学習済みかもしれません。

あなたはどのように指導しますか?

中3英語_受動態の穴埋め問題_文理ー1

これを一字一句チェックできる子に指導していきましょう。

問題文をよく読む

中学3年生であれば、まず大まかな語順を知っている必要があります。

  • 一般的な英語の語順について説明させる
  • 受け身の語順について説明させる

主語と述語から書けばよいことを確認したら、次に問題文の解釈に移りましょう。

  • 問題の日本文について「主語」と「述語」がどれか言わせる
  • 表現や文法のポイント(受け身、時制など)を言わせる
  • その「主語」と「述語」を英語に訳させる

基本的に英作文は主語と述語が訳せれば、もう半分は終わりです。

回答形式をよく読む(空気を読む)

あとは回答形式に合わせて、抜けもれなく答えを書くようにチェックさせましょう。

  • 問題の日本文と英文の対応を1語1語もれなく確認させる
  • 英文で欠けている部分に対応する日本語について、英語に直す
  • 複数の英訳を思いついたら、回答欄と語数の合うものを選ばせる

たった1行の穴埋め問題ですが、こうした基本問題ほど、内容をしっかりと言葉で説明できることが大切です。

結局のところ学力とは文字列の解析力

人間の表現手段は文字だけではありません。
顔の表情や声の抑揚、ジェスチャーなどによる体を使った表現も可能ですし、絵や図、楽器などによる表現もあります。

しかし、冒頭で書いたように、学校のテストで評価される対象は文字列での処理能力です。
なぜなら文字列のペーパーテストがもっとも実施しやすいからです。

だから文字列の解釈と文字列のアウトプットが優れてさえいれれば、5教科全体の成績が上がりやすいです。

いわゆる「国語力」とは違う

ちなみに、これを国語力とは呼ぶのは早計です。
教科ごとに文字列解釈の語彙やルールが違うので、教科ごとに訓練する必要があるからです。
国語だけ勉強していても、数学や理科の問題文を解釈できるようにはなりません。

いずれにせよ、こうした現状の成績評価は、人間の能力を測るにはあまりにも偏っています。
子供たちが持っているかもしれない、多くの才能を見つけることができず、評価できていないかもしれません。

そういう意味では、上で書いてある勉強の指導は、小手先のテクニックに見えるのかもしれません。
それには私自身も同意しています。

しかし今の時点で子供たちに広い視点で評価をしてあげたとしても、学校の成績が不利になるのであれば、結局は子供が不幸になります。
日本の教育がより進化するその日までは、子供たちに降りかかる火の粉をテクニックで防いであげるしかないでしょう。

たとえ学校でICT活用が進んだとしても、単に教科書の表示がPDFやパワーポイントに置き換わっただけであれば、当面、この状況は変わりません。

偏った成績評価を打開するために

論外のレベル

学校では数年前に、やっとのことで漢字や仮名の「とめ、はね、はらい」が採点基準から除外されました。
これに伴って学習塾でも、そこにこだわらない指導に変化してきました。

フォントによって異なる字体の表現を、先生の好き嫌いをルールにして採点しないように、ということになりました。

しかし似たような問題はまだまだ残存しています。

  • 英語のテストで筆記体で書いたら減点された
  • 社会や理科のテストなのに用語を平仮名で書いたら減点された
  • 数学の証明問題で、証明の過程がすべて正しいにもかかわらず、最後の合同条件の記述から「それぞれ」が漏れたので減点された

などなど、人間を「文字列編集マシン」に仕立て上げようとする「評価の暴力」が、まだまだ根強く存在しています。
学校だけではなく、模試など民間の採点基準も同様です。

テストは教科書を持ち込みOKにすべき

こうした悲しい現状を早く脱するためには、どうすべきでしょうか。

テストに教科書や授業ノートを持ち込み可能にしてしまえばよいと私は思っています。
たったのそれだけで、大部分の問題が解決されるでしょう。

何ならGoogle検索も許可してしまえばよいと思います。

もっともっと言ってしまえば、テスト不要です。
普段からの取り組みをちゃんとロギングできていて、それを集計できる環境さえあれば、むしろ評価のためにわざわざテストするなんて、時間の無駄でしかありません。

このような理想の教育を目指す過程でICTの導入があるわけです。

アフターコロナやGIGAスクール構想で、これから急ピッチに学校のICT化が進みます。
それを「やらされ感」で使うのであれば、何も良くなりません。

国家100年の計のスタートに私たち教育者は立っています。
そのような気持ちで教育の進化に取り組んでいきたいですね。

 


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(余談)教科書に全角カンマ「,」を使うのを止めて欲しい

なぜ全角カンマ?

塾長です。

今日は国民の祝日「昭和の日」らしいです。休日ということなので余談を書きます。
もっとも外出の自粛やら臨時休校やらで、いつがお休みなのかよく分かりません。

教科書のナゾ。国語は「、」で他の教科は「,」

塾長が心の中で勝手に思っている日本の問題。それが

全角カンマ問題

です!

国語の教科書を開いてみてください。
句読点は点「、」とマル「。」ですよね。日本語なのですから、当たり前です。
ちなみに漢文も点「、」とマル「。」です。

よし!

数学、社会、理科の教科書を見てください。
句読点はカンマ「,」とマル「。」です。

あれ、おかしくないですか?

日本語なのにカンマ??

これが

「全角カンマ問題」

です!

(塾長が勝手にそう呼んでいるだけです。休日なので。)

ちなみに英語の教科書は、英語の本分が半角のカンマ「,」で、日本語の部分が全角カンマ「,」です。
やっぱり。
なんだか日本語訳が完成していないみたいな違和感を感じます(個人の感想です)。

国語の教科書でも全角カンマ問題が!

実はよく見ると、国語の教科書でも句読点がカンマ「,」とマル「。」になっている部分があります。
それは「横書きの資料」の部分です。

例えば中3教科書「国語3」光村図書で言えば、95ページや126ページなどです。裏表紙の注意書きなどもそうですね。

どうやら、

  • 縦書きなら点「、」とマル「。」
  • 横書きならカンマ「,」とマル「。」

という慣習?があるようですね。

でもカンマは英語の句読点ですよね。

やっぱり日本語に全角カンマ「,」はおかしい気がします(個人の感想です。休日なので。)

実は国からのお達しが発端だった!?

調べたら理由がありました。

昭和27年4月に当時の内閣官房長官が各省庁の事務次官に通達した「公用文作成の要領」が発端らしいです。これが省庁で公文書を記載するルールとなりました。

なんと英語の藏野先生が原文を教えてくれました。これです。

公用文改善の趣旨徹底について

当然、その影響は公務員はもちろん、法律を扱う仕業の人達のルールにも受け継がれます。

実際、法文や学会の論文なんかもカンマ「,」とマル「。」です。塾長が学生だった当時、卒論や学会論文の作成で、教授からそのように指導されました。

教科書検定でも同様のルールが受け継がれたのは想像しやすいです。

それにしても昭和27年。Googleで西暦に直したら1952年だそうです。68年前!
そろそろ変えようよ・・・と思っていたら、変えるみたいです。

「公文書の「,」なぜ? 半世紀以上、見直し検討」産経新聞 2019/11/18)

コンピューターの導入が進んでいる今となっては、このようなルールが無意味になりつつあるようです。
ちなみに弁護士の皆さんの対応や反応も興味深いです。

弁護士はなぜ文章に「、」ではなく「,」を使いたがる? 弁護士39人の見解割れる」(弁護士ドットコム 2016/10/20)

最後に

きっと、だんだん改善?されていくことでしょう。

こういう独特なルールで消耗したくないですね。

このルールが作られた時代は、文書を全て「手書き」していた時代でした。このような細かなルールが大切だった時代ですね。

コンピューターで文書を作成する現代は、あまり問題になりません。どちらに揃えるにしても「置換」の一発で解決してしまいます。

それならば本来の日本語に戻してみてはいかがでしょうか。

 


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【一次関数】覚えて欲しい教科書に載ってない2つの大原則!

中2数学の変な一次関数、変なグラフ y=k と y-h

塾長です。

中学2年生の一次関数。ちょうど9月下旬の今ごろ学習するのが「変なグラフ」です。$y=k$ と $x=h$ のグラフ。それぞれ「x軸に平行な直線」と「y軸に平行な直線」のグラフになります。

「なんで?」→「わからん?」→「とりあえず次の中間テストは暗記で」となる単元です。今回のテスト範囲にギリギリ入ると思います。

2つの数学の大原則を覚えてね

分からない原因は「2つの数学の大原則」が教科書に書いてないからです。ですから、ちゃんと説明します。文字列では無理なので、動画にしました。

【一次関数】100人に1人しか説明できない!?教科書に載ってない2つの大原則!変なグラフ y=k と x=h の根本的な理解

 

「とりあえず暗記」はド忘れのもと

理解しないまま「とりあえず暗記」すると、本番でド忘れするリスクが増えます。今回の場合で言えば、

  • $y=k$ は「x軸に平行な直線」
  • $x=h$ は「y軸に平行な直線」

と描くべきですが、ド忘れしてしまうと、$\frac{1}{2}$の確率で、それを逆に描いてしまう事故が発生します。

数学的にはとても大切な単元

2学期の中間テスト対策に限らず、今回の話しは、数学的にとっても重要です。

  • グラフで図形をとらえる
  • 図形を関数で描く

という発想には無くてはならない考え方だからです。

コンピューターグラフィックやプログラミングをする人達にとっては常識です。

そして、$y=k$ のグラフはニュースでも良く出てきます。

例えば、「賃金がここ数年の間、上昇せず横ばいです。」というニュースと共に賃金カーブのグラフが表示されたとしましょう。そのとき「ここ数年は横ばい」の部分が $y=k$ のグラフになっているはずです。

一次関数の一般式 $y=ax+b$ に比べて違和感のあるグラフですが、重要なんですね。

ぜひ理解して動画で説明している「2つの数学の大前提」も一緒に覚えて欲しいと思います。

 


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プログラミングと英数国のセンスが同時に身に着く勉強法

教科書を読む学生のイラスト

塾長です。

「勉強ができる」ということは、ズバリ「言葉の使い方が正確」だと言い換えることができます。そこで今日は「言葉を正確に使う」ための練習をします。あとで3つの例題を出しますから練習してみてください。

その前に、なぜ、こんな練習をするかについて、もう少し説明します。

勉強ができる子の最強な状態

成績が良い子が、どのような心づもりで教科書を読んでいるか、知っていますか?

少しでも曖昧な記憶があったら直ぐに修正する。教科書の内容くらいなら何も見ずに説明できるようにする。そういう心づもりです。

教科書に出て来た用語を正しく使って、教科書の内容がちゃんと説明できれば、勉強したことが良く身に着いている、と言えます。つまり「自分の力だけで教科書の執筆をどこまで再現できるかに日々チャレンジするのが勉強の基本です。このような生徒は、実に問題を1問解くたびに実力が上がっていきます。正に最強の状態です。チートではありません。基本ですが徹底すれば最強。勉強ってそういうもんです。

ただ、これだけでは精神論で終わってしまいますから、今日は具体的な練習まで踏み込みます。

「何て言ったらよいか分からない」=「理解できてない」

こういうセリフをよく聞きます。

「あー、分かってはいるけど、何て書いたらよいか分からない。」

これは実のところ「解ってない」ということです。言葉の使い方、受け取り方が雑だから、それだけ記憶が雑になっている状態です。教科書や参考書に書いていあることを大雑把にとらえれば、大雑把であいまいな記憶しか残りません。その状態は「解っているつもり」であって、解っていないのです。伸び悩む子は、こうした「解っているつもり」にはまり込んでいます。

つまり、そこを改善すれば、もっと成績が上がるわけです。それなら「用語を使って正確に説明できる」を「解った」の基準に変えれば良いわけです。これを決意して日々実行するようにすれば、その時点で、あなたの成績はさらに上がり始めます。

他の教科も勉強するから国語力が上がる

ここで注意が1つあります。このような話をすると、

「国語力を鍛えれば、他の教科もできるようになるはずだ。」

という極論に走ってしまう人がいます。教育者の中にも、こういう人がいるので驚きです。もちろん、これは間違いです。国語力は国語だけ勉強しても身につきません。そもそも言語というのは、色々な知識体系の中で使われて、初めて深く使いこなせるようになるのです。

そこで、今回は、英語、国語、数学、プログラミングの4分野を横断して、言葉の使い方についてレクチャーします。同じことを言うのに、英語、国語、数学、プログラミングのそれぞれで書き方が変わります。同時に、それぞれの書き方の性格が深く理解できます。

今回は時間の都合で例題が3つだけですが、考え方の雰囲気をぜひ掴んでください。

例題1.その1文字が重要です!

次の2つの文について意味の違いを説明してください。

  1. 私は金ダイヤモンドを探しています。見つかるまで帰れません。
  2. 私は金ダイヤモンドを探しています。見つかるまで帰れません。

2つの意味の違いは、英語にすれば明確になります。英語なら次のようになります。

  1. I’m looking for gold or diamond. I can’t go home until I found it.
  2. I’m looking for gold and diamond. I can’t go home until I found them.

同じ日本語でも数学的な表現を導入すれば、もっと明確な日本語になります。

  1. 私は金またはダイヤモンドを探しています。少なくともどちらか一方を見つけたら帰ります。
  2. 私は金かつダイヤモンドを探しています。金とダイヤモンドの両方を見つけたら帰ります。

ちなみにプログラミング的な思考で言えば、次のようになります。

  1. {{金またはダイヤモンド}が見つかるまで探し続けろ。帰れ。}を私が実行している状態。
  2. {{金が見つかった状態、かつ、ダイヤモンドが見つかった状態}になるまで探し続けろ。帰れ。}を私が実行している状態。

解説

この例題では、たった1文字の違いで意味が大きく異なる例を考えました。日本語の助詞の「や」を「と」に変えるだけで、お家に帰れる条件が大きく変わってしまいました。英語やプログラミング言語では、”and” と “or” の違いに相当します。

数学やプログラミングは表現が厳密です。曖昧を許しません。「分かったつもりだった。でも、わかってなかった」というのを見抜くには、このように数学的な表現で言い換えてみるのが一番です。

例題2.時間の流れを正確につかもう!

次の2つの文について意味の違いを説明してください。

  1. 私は釣りに行は鳥を観察している
  2. 私は今朝釣りに行き、昼に鳥を観察し

2つの意味の違いは、英語にすれば明確になります。英語なら次のようになります。

  1. I go fishing in the morning. I am watching birds now. (*)
  2. I went fishing this morning and watched birds this noon.

(*)  文脈によっては次の解釈もあり得る。今回は上の意味とします。
I will go fishing tomorrow morning. But now I am watching birds.

同じ日本語でも数学的な表現を導入すると、もっと明確な日本語になります。

  1. 私は一般の人よりも高い確率で朝よく釣りに行く。今の時刻は鳥を観察しているが、次の瞬間も鳥を観察している確率は不明である。
  2. 私は今朝は釣りに行き、なおかつ昼には鳥を観察した。

ちなみにプログラミング的な思考で言えば、次のようになります。

  1. {{朝になったら乱数で「やる」「やらない」を決め、もしも「やる」が出たら魚を釣れ}を毎日繰り返せ}を私が実行している状態。そしてちょうど今、それと平行して{鳥を観察しろ}も私が実行している状態。
  2. {魚を釣れ}を私が今朝実行した。「鳥を観察しろ」を私が今日の昼に実行した。

解説

この例題では、文章から「いつやったのか」という時間の概念を読み取ることを考えました。

時間の概念を正しく読み取れるか否かは、「現在形」を正しく理解しているか否かにかかっています。

現在形は現在のことではない!

現在形、過去形、未来形、進行形など色々な時制がありますが、おそらく、もっとも難しい時制が「現在形」だと思います。なぜなら現在形は「時制がない」というのが本質だからです。不思議なことに英語も日本語も、現在形だけは時間の概念が曖昧です。

例文の現在形「私は朝釣りに行く」を、「日々の習慣」として読み取ってくれた人は何割いたでしょうか。おそらく「(今は鳥を見ているが、明日の)朝は釣りに行く(つもりだ)。」と解釈した人もいたと思います。英語の現在形で書かれて初めて「習慣」のことだと納得できたのではないでしょうか。

英語と比較して初めて理解が深まる日本語の時制

詳しい参考書を見れば、英語の「現在形」は次のように解説されていると思います。このことは、中学2年生は知っていなければいけません。

英語の現在形が表わす意味の範囲

○ いつものこと、習慣
○ あたりまえのこと、真理
× 意思(やるつもり)
× 今のこと(現在だけのこと)

日本語でも語尾「します」を「しました」に変えれば過去形です。しかし反対に「します」が現在形なのかと言えば、そうとも限りません。強い意志で言い切る時も「します!」と言いますから、この場合は未来形になってしまいます。そのため、誤解を避けるために日本語では「よく」「しばしば」などを添えて現在形を表現します。

じゃあ、現在のことはどう表現するの?

現在だけのことを表現するのは、現在進行形です。進行形は注目した瞬間の様子を写真のように切り取って来て、臨場感と共に表現する言い方です。現在進行形は「今この瞬間のこと」を表現します。過去進行形なら「過去のある時点での瞬間のこと」を表現します。

時制の種類は歴史とともに増える

実は、人間の文化が発展するのに伴って、言葉で使われる時制の種類も増えてきた、という歴史があります。

実際、漢文(中国語の古文)には時制がありません。それより1,000年以上も新しい時代に開発された日本語の古文でさえ、現在・過去・未来の3種類くらいしか時制がありませんでした。

それに対して、現代の日本語や英語には、その倍以上の時制があります。進行形や完了形、仮定法があり、それぞれに現在、過去、未来の組み合わせがあります。

おそらく原始時代、人類が話し始めたころには、言葉に時制などは無かったのだと思います。その時々のことを話していただけだと思います。きっと、それが今でいう現在形なのでしょう。その後、過去形や未来形など追加され、表現の幅が増えて来て、現在の文法に至ったのだと思います。

このように時間の概念は、歴史と共に複雑になってきています。ちゃんと意識すればするほど、時間の感覚を正確に言葉にするのは難しいことだと分かります。それだけに、ちゃんと勉強しなければ正しく読み書きができません。

例題3.話しが切り替わるポイントを正確につかもう!

次の文を読んで「私」が持っているものを正確に説明してください。

  • 私はお金を持っていないし、その他財宝の類も全く持っていないが、リンゴ1つは持っている。

英語なら次のようになります。

  • I do not have money and any other kinds of treasure but an apple.

同じ日本語でも数学的な表現を使えば、もっと明確な日本語になります。

  • 私が持っているものには、少なくともリンゴ1つが含まれるが、お金以外の財宝の類は1つも含まれない。お金は含まれないか、または含まれたとしても概算すると約0円である。

ちなみにプログラミング的な思考で言えば、次のようになります。

  • 「私の所持品」情報が「リンゴ=1つ」と「お金=(概算結果の)0円」に設定されている状態。かつ「カテゴリ=財宝」にあてはまるその他全ての情報が0個に設定されている状態。

解説

人が口論するとき「そこまでは否定していない。」という誤解が良く起こります。使っている言葉が、自分の言いたい事とズレていたり、相手が解釈を間違ったりするからです。

何が否定で、何が肯定なのか。

表現のルールを正しく知らないと、こうした誤解を招きます。受験生は点数を落とします。

not と but はオセロゲーム

ご存知、not は後続の文脈を全て否定しますが、but があると、それ以降は肯定に戻ります。つまり not の否定を but でキャンセルします。オセロのように、not の後ろは黒一色だけど but 以降からは白一色になる、と考えればわかり易いでしょう。従って、例文をわかり易くすれば、

I don’t have money. I don’t have any other kinds of treasure. I have an apple.

となります。すると、お金は「全否定」ではないことにも気が付くでしょう。お金が0とは明言していません。お金に関しては「事実上は持ってない」くらいの意味になります。

おわりに

今回は私の時間や体力の関係で、例題が3つだけでした。この種の例題は考え始めればきりがありません。要は、一字一句に込められた意味を、1つ1つ確認しながら漏らさず拾っていく、そういう読み方をしましょう、ということです。

逆に、そのような読み方ができるように、文法や単元のポイントを覚えていきましょう。

今後どんな教科のどんな文章でも、ここで考えて来たように、一字一句の細部に注意して読むおようにしてください。教科書を読むとき、黒板を見る時、参考書を読むとき、すべてこのように一字一句を正確にとらえるようにしましょう。

ぜひ、この姿勢を身に着けて欲しいと思います。

例えば、数学で「平行四辺形」について理解を深めようと思ったら、まず平行四辺形の「定義」と「性質」を、それぞれ正確に確認し、言えるようにすることです。

「平行四辺形」の定義を答えてみてください。

○ 2組の辺が平行な四角形
× 平行が2つある(用語「辺」、「四角形」がない)
× 対角線が中点で交わる(これは定義ではなく性質)
× 体格の和は180度(これは定義ではなく性質)
など

もちろん、理科でも社会でも一緒です。

社会人になって、会議に出たりお客さんと話しをする時も一緒です。

教科書に10のことが書いてあったら10のことを覚えて使えるようにしましょう。相手が10のことを言ったら、10のことをメモしましょう。もしも7や8になったら、読み返して、質問して、必ず10にするのです。

それが勉強の神髄といっても過言ではないです。頑張ってね。

余談

私たち人間が、日常の会話で使っている日本語や英語は「自然言語」と呼ばれます。みんなが使っているなかで、単語や言葉の使い方が、自然に生まれたり変化したりしているからです。

自然言語では、説明不足が良く起こります。文脈の細かいことは説明しないで、相手の想像にだいたい任せてしまいます。話し手や聞き手にとって何らかの不便が生じない限り、説明不足でも会話が成り立っていることになります。例えば、

「今日は良い天気ですね。どこかへ出かけるんですか?」
「ええ、良い天気ですね。ちょっとそこまで買い物に行くだけです。」

こんな会話はよくあります。
しかし冷静に考えれば、この会話は全く意味が不明です。まず「良い天気」とは、どの程度の天気なのでしょうか。その人がその日に望んでいた天気なんて知りません。もっと言えば、雲の割合は?、日照時間は?、降水量は?、気温?は、湿度は?、など一切情報がありません。また「ちょっとそこまで」って、どこまでなんでしょうか。これも答えが得られていません。

しかしお互いに声を掛け合って挨拶がしたいだけなら、このような情報の欠落した会話でも、ちゃんと成立したことになります。

これが自然言語というものです。

挨拶には良いかもしれませんが、何かを正確に表現しようとすればするほど、むしろ誤解を招くリスクが増大します。そういうものだということを皆が良く知っておく必要があります。

ですから勉強で知識を正確に使ったり、考えを正確に整理したりするときには、自然言語を無理にでも正確に使う必要があります。これには訓練が必要で、5教科をちゃんと勉強していく中で熟練度が上がります。ただし1教科だけ、3教科だけ、理系科目だけ、など勉強の幅を狭めてしまうと、このような訓練が十分にできなくなります。

実際、社会人になったら「5W1Hを確認しろ!」などという研修を受けます。あるいは入社試験で読解力が無いと判断されれば、そもそも採用されません。仕事では「いつ」「どこ」「だれ」「なに」「どのように/いくらで」を確認しながら会話するように訓練します。情報のヌケモレが無いようにするためです。

自然言語は、ものごとを正確に表現するのに、とても苦労します。表現の仕方も人によってバラバラになりやすい、そういう性質があるのです。

一方、数学やコンピューター言語はまったく逆です。最初から、物事を正確に記述するために生まれた技法だからです。

数学は自然界の法則を正確に記述できるように、記号や式の書き方が決まっています。プログラミング言語はコンピューターへ正確に命令を伝えるために記号や文法が決まっています。どちらも人間が論理的に考え出した「言語」です。

ですから、もしも自分が何か説明しようとした時、その説明が十分に正確なのか否かをチェックするのに、数学やプログラミング言語が使えます。数学やプログラミング言語を使って説明し直してみると、説明不足があるかないかをチェックする事ができるでしょう。

ちなみに、プログラミング言語でも、まだまだ曖昧な記述ができてしまいます。曖昧な記述は、あとあとコンピューターの誤作動を引き起こし、時には社会問題にさえなります。そのため曖昧な記述を排除すべく、プログラミング言語も進化してきました。昔からあるプログラミング言語(C言語やBASICなど)よりも、近年に登場してきたプログラミング言語(JavaやPythonなど)の方が、曖昧な記述が排除されやすく、より高機能になっています。

今後もプログラミング言語はどんどん進化して、新しい言語が出て来るでしょう。ですから学生の皆さんが、もしもプログラミングを勉強するなら、その時代に合ったプログラミング言語で学習するのが良いです。

逆に小学生や中学生が、今から特定のプログラミング言語に精通したとしても、大人になるころには違うプログラミング言語を使うことになるでしょう。

来年度からプログラミング教育が必須化されますが、これは特定のプログラミング言語をマスターする活動ではありません。プログラミング的な考え方を体験する活動です。例えば、学校の授業としてC++言語やJavaでゲームをつくる、なんてことには決してならないので注意しましょう。プログラミングの文法を子供たちに細かく教えても、将来はその文法が変わるでしょう。

そんなことよりも、より普遍的な「論理的な思考力」の方をしっかり磨いてほしいと思います。そのために、多くの教科を学んで欲しいと思います。

 


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簡単な計算式なのに答えが出ない! 8÷2(2+2)=?

黒板に数式8÷2(2+2)=?が書かれたイラスト

塾長です。

8÷2(2+2) の答えは何なのか?

みなさんの計算結果はいくつでしたか。なんでも、アメリカでは1になって、イギリスは16になるそうです。ネットの一部で論争中だそうですよ。私はこのページで見つけました。

単純な数式がインターネットで大論争を呼ぶ」(fabcrossエンジニア より)

ということで、生徒指導をしている立場で、なおかつ数学科出身の塾長が、それなりに決着をつけたいと思います。

続きを読む

数学ってそうだったの!? だから暗算が数学を苦手にする!

勉強が好調な女の子のイラスト

塾長です。

今回の定期テストの個表が返って来ています。

中2から通っている高校2年生が、ついに学年1位を達成しました。おめでとうございます!
ある中3男子が総合点で自己最高点をマークした一方、前回自己最高点だった中3女子は、前回ほどではないものの目標点+7点をマークしました。
また、詳細は伏せますが、数学が12点から67点にハイジャンプした生徒もいました。

これからスパイラル学習法で学んでいく新入生たちは、先輩たちの姿を見て、しっかり着いて来てください。

常識の中にあるウソ!?

さて、生徒を指導していると「教育の間違った常識」というものに遭遇することがあります。例えば前回のブログ「できる子は、教科書に線を引かない、ノートをまとめない」もそうでした。教科書に線を引いたりノートをキレイにまとめた方が成績が上がりそうな気がします。しかし現実は反対で、テスト期間にそういう作業をしている生徒ほど点数が伸び悩むものです。

今回は「暗算」についてぶった切ります!

「算数」の計算は得意。でも「数学」は苦手。

例えば、数学で次のような悩みがある場合。きっと、あることが原因です。いったい何だと思いますか?

  • 計算は速いけどミスが多い
  • 関数、図形、文章問題が苦手
  • 中学校の数学から苦手になった
  • 数学は意味が分からない
  • 小学校の時に公文で中学まで予習したけど全部忘れた

算数や数学がいつから苦手になるのかは人によります。小学校5年生くらいから、あるいは中学1年生になってから。人それぞれですが、苦手になりやすい人の共通点は、およそ決まっています。それは、

  • 途中の式を書かない
  • 図表を自分で書かない

という習慣です。こんな状態も同じです。

  • 途中の計算過程を書かない
  • ノートに答えしか書いてない
  • わざわざ途中の計算を消しゴムで消す
  • 間違った過程を残さない

こうした習慣があると「算数」から「数学」へ発展しません。中学生になっても算数しかやっていないので、数学が苦手になってしまうのです。逆に言えば、その習慣を改善すれば数学を克服する道が開けます。

「算数」と「数学」の違いとは!?

『いつまでも「算数」しかやっていない』と書きました。そもそも算数と数学は何が違うのでしょうか。

算数とは!?

小学校までの算数は、主に、整数、小数、分数を使った「算術」について学びます。要は、目に見える物を数で表し、計算を通じて色々な視点で物の個数や量を測れるようにする訓練です。

基本的に、数には「個」「匹」「リットル」「円」などの単位が必ず付きます。具体的な「経験」を通じて「数」の基本概念を抽象化していく「過程」にいるからです。したがって教科書の構成は、

  • 基礎(大部分): 物の数や量、単位などの具体的な内容
  • 発展(部分的): 数の性質やグラフなどの抽象的な内容

となっています。

例えば小学1年生の初期では、まだ「ペン1本」の1本と「パイナップル1個」の1個は、別のものだと認識しています。それを「合わせていくつ買いましたか?」という計算を経験させると、単位を外して抽象的に考えるようになります。つまり「ペン1本だろうがパイナップル1個だろうが、数が1であることに変わりはない!」と考えて「合わせて2つ」と答えられるわけです。

このように、

具体的な経験 → 整数、小数、分数への抽象化

を繰り返しながら学びます。とても大変な経験時間を要するので、小学校の算数では、これ以上の数の拡張をしません。ちなみに余談ですが、この抽象化に失敗すると、例えば「ウン、と合わせて、ペン・パイナップルが1つ」と答えてしまうわけです。

したがって、算数の世界では「数」と言えば、整数、小数、分数でしかなく、その範囲に限って加減乗除を学ぶだけです。そのため数の「性質」や「法則」の種類が少なく、計算が単純なだけに、暗算がし易いです。

数学とは!?

中学生以降の数学は、数の概念に「負の数」「文字式」「多項式」「無理数」が仲間入りします。単位のないものばかりです。そして数と数を足したり掛けたりしたように、例えば、式と式を足したり掛けたりします。

  • 負の数の導入と、その加減乗除、指数の導入
  • 文字式の加減乗除(単項式の計算)、方程式
  • 定数、変数、関数、座標
  • 多項式の加減乗除(中学は因数分解まで、除算一般は高校)、連立方程式
  • 無理数の導入と指数の拡張
  • 座標とベクトル、虚数と複素数、合成関数や微分方程式、集合など

このように、数と同じように計算できるものが学年と共に増えていきます。整数、小数、分数に限られていた算数の世界とは違い、数の概念がどんどん広がります。正に「数」の広がりを「学ぶ」ので「数学」と呼ぶわけです。それゆえ、何のどこが「数としての性質」なのかという「法則」や「定理」が重要になってきます。

したがって教科書の構成は、

  • 基礎(大部分): 数の性質や定理の説明や証明
  • 発展(部分的): 実社会にあてはめた利用問題

となっています。例えば中1なら最初に「方程式」という単元で、定理を使って「移項する」「分母を払う」などの抽象的な計算練習をします。その後「方程式に利用」という単元で、買い物や速さを扱う具体的な問題を解きます。

定理を使った抽象的な訓練 → 具体的な問題にあてはめる

これは算数とは真逆の構成です。

したがって、式の変形(計算)には必ず定理(理由)が当てはまります。そして1行の式変形に複数の定理が複雑に当てはまることさえあります。逆に定理に当てはまらないた式変形は、たまたま数字があっていたとしても間違いです。これを放っておくと計算ミスが多発するようになります。

つまり、算数の計算に比べたら「なぜそうできるのか」の理由付けが複雑なんです。それゆえ計算が速いことよりも、論理的に正しいかどうかを確認する方が、よっぽど重要になってきます。むしろ暗算はミスを生むリスクでしかありません。

中1の数学で最初にやるべき「脱!暗算」

このように算数と数学は、まったく視点の異なる学問です。中学から学ぶ数学は「数の性質」に注目し、その性質をあてはめる対象を「負の数」や「式」にまで拡張していくわけです。

1つ1つの計算(式変形)には、それぞれ理由があります。その理由は教科書に「定理」や「法則」としてすべて書いてあります。数はそれほど多くありませんが、組み合わせて使ったり、直ぐに思いつけるようにする訓練が必要です。

そして、もしも計算が間違っていたら、その理由を必ず言えるようになっています。ですから数学では丁寧に「なぜ、どうして」と確認していくことが大切です。

そうやって注意深く計算していれば、自然と「途中の式を書いて確かる」という手順の繰り返しになるはずです。

逆に「なぜ、どうして」を確認せず、とにかく速く答えを出すことにこだわり過ぎると、計算の「理由」を無視することが多くなり、分からないことがどんどん増えてしまいます。そうすると、暗算でできるような単純な計算だけを好むようになり、新しい定理を取り入れた数の拡張ができません。

これが数学が苦手になる理由です。つまり、

暗算にこだわる → 理由を無視する/暗算ができる簡単な問題だけ好む → 数の拡張ができない → 数学が苦手になる

というメカニズムです。

速くたくさん計算できれば良いとは限らない

数学の計算には全て理由がありますが、実際には、いちいち理由を確かめるのもしんどいです。そこで色々な計算パターンを網羅した問題集を何周かした方が、手っ取り早く計算力が身に着きます。これはアウトプット型の勉強なので、私も大部分は賛成です。ただし注意点があります。それは必ず次のことを守る、ということです。

  • 少なくとも間違えたところだけは理由(教科書)を確認すべし!
  • 確認できるように途中の計算式や図表はできるだけ書くべし!

この注意点を守らないと、ある日、全て忘れてしまいます。理由のないものは頭に残らないんです。

とにかく問題集を何百ページ、プリントを何十枚もこなし、数多くの暗算パターンを覚えてスピーディに計算をしていく生徒。一見、数学が得意のように見えますが、そうとも限りません。中には少しでも応用問題になると、ポキッと折れたようにできなくなってしまう生徒が出てきます。

もちろん本当に計算もできないほど苦手な生徒からしたら、こうした生徒は「数学できるじゃん」と思うかもしれません。しかし数学は「数」の概念を広げていく学問です。基本定理を自覚せず、パターン認識だけで計算ができるようになったとしても、それはいつか破綻してしまいます。

進学校でも高校から数学が苦手になる理由とは?

高校で「数学が苦手」というレベルはまちまちですが、それでも赤点や赤点ギリギリならば、かなり苦手と言えるでしょう。

「数学を何とかしたい!」

そう言って高校コースから入塾して来る生徒たちの多くは、実は数学が苦手なわけではありません。ちゃんと教えると、意外とすんなり理解してくれます。点数からは想像できないくらい早く解けるようになってしまいます。ほんと、そんな子が多いんです。ただ、

自分でどう勉強したらよいか分からない!

そう悩んで入塾して来るのです。

そういう生徒たちは、とにかく大量の問題集や大量のプリントで中学の数学を乗り切ってきたタイプの生徒たちばかりです。公式の暗記やパターンの認識はとても速いです。しかし教科書の読み方を知りません。

高校の数学では定理の数が増えます。しかし何十枚もプリントを出してくれるわけではありません。学校で配られる問題集の解説は簡素なものが多いです。それで、自分で何をしたら良いのか分からなくなってしまい、数学ができなくなってしまうのです。

例題のパターンごとに解き方を教えれば、直ぐ解けるようになってくれますが、それだけでは根本解決にはなりません。定期テストはしのげても、模試や入試では歯が立ちません。それじゃ不十分だという事を私は高校生の時に思い知らされています。浪人してから気が付かされました。

だから、そういう生徒たちに指導することだって同じです。

  • 途中の計算式をちゃんと書こう
  • 計算過程は消しゴムで消さず全て残しておこう
  • プリントや問題集だけで勉強しない(教科書を大切に)!

数学が得意な生徒は、ゆっくり計算するけど結果的に速い

高校生になっても数学が得意な生徒は、むしろ、ゆっくり取り組みます。取り組む問題集も限られています。その代わり、1つ1つ、自分の頭で考え、手を動かし、納得するまでじっくり取り組むのです。

中学生でも、数学で80点以上をコンスタントに取ってくる生徒は、やっていることが意外に多くありません。忙しい部活と勉強を両立してしまう生徒は、取り組む内容を絞ることができています。その代わり、細かいところの隅々まで納得いくまで、じっくり取り組んでいます。

ノートを見ると、途中の計算式や、考えに必要な数直線や表などが、ちゃんと書かれています。

それでは計算が遅いかというと、そんなことはありません。定理が良く身に着いているので、無駄な計算が少なく、ミスも少なく、消しゴムをほとんど使わないので、結果的に暗算が得意な生徒よりも早く終わります。これは学年が上がるほど、そうなります。

ですから数学を始める中1の段階で、できるだけ暗算を捨てる方が良いのです。

何度も書きますが、数学は数の性質が大切です。計算の根拠となる「数の性質」を正しく使わないと答えも間違えます。つまり論理が正しくないと答えが間違うようになっています。論理を確かめるには途中の式を書くしかありません。暗算はミスを生むリスクでしかありません。

「最終的な答えさえ合っていればいいや」

という短絡的な考え方では、あっという間に限界がきてしまいます。

競争相手は電卓ですか?

さて、ここであらためて問いたいのです。

人より速く計算できることが、そんなに大切な事ですか?

江戸時代は速く計算できる人が希少だったでしょう。昭和時代もそうだったかもしれません。でも今はどうでしょうか。電卓が100円ショップで買えたり、スマフォの電卓アプリが使えたりする時代です。人の手で計算するスピードに、それほど大きな価値はないと思います。

そしてコンピューターが安くなり、これから人工知能が身近になっていくことを考えれば、複雑な計算もコンピューターに任せればよくなるでしょう。

ですから、私たち人間のやることは、数の性質を良く知り、その性質を応用した命令をコンピューターに与えることです。電卓と競争するのではなく、コンピューターと会話できるような数学的な素養を養ってほしいと思います。

もちろん、数の性質や多様性を多く知っていて、その結果として計算が速くなるのは、積極的に良いことだと思います。教育的な意味として良いと思います。そしてコンピューターを使いこなせる、という意味でも良いことです。

まとめ

数の概念を狭い範囲に限定して「計算の速さを競う」ような価値観は、間違っていると思います。「暗算が速い方が優れている」と子供たちに思わせることは、むしろその後の数の広がりを邪魔してしまう危険性があるので要注意です。

子供たちを電卓と競争させてはいけません。算数から数学へステップアップできるように、

「途中の式をちゃんと書きましょう。」
「計算に使った数の性質を確認しましょう」

と、正しく子供たちに教えるべきだと思います。

 


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愛知県 公立高校入試 2019年の問題を解いてみた塾長の所感

2019年度愛知県公立高校入試問題の写真

こんばんは、塾長です。

公立高校の入試が終わりました。来週はいよいよ合格発表です。

今年は理科が難しかったと聞きますが、どんな入試問題だったのでしょうか?

さっそく分析しました!

と、本当は言いたかったのですが、こんなに日が過ぎてしまいました。
実はここ2週間、プログラミング教室の問い合わせや体験授業がとても多くて大変だったのです・・・という言い訳はともかく、とりあえず今年の出題はこんな感じでした・・・

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なぜ小学生のプログラミングはスクラッチが主流なのか?

小学生にはスクラッチが良い理由

こんばんは!塾長の松下です。

プログラミング教室の認知度が高まってきました。
あと1年ですからね、小学校でプログラミング教育が必須化されるまで。

ところでお母さん、お父さん、「プログラミング教育」と聞いて、どんなイメージが思い浮かびますか?

もしも次のようなイメージだったら大きな誤解です。
それは10年以上も前の話しで、今は違います。

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