塾長です。
先日、とある塾長さんから電話でご相談を受けました。
プログラミングできる高校に進学したい!
「プログラミングできる高校を受験したい!
そうに言っている中学生がおります。
独学でプログラミングをしているそうで、もっと上を目指したいそうです。
どのように進路指導すればよいでしょうか?」
その中学生の気持ち、よくわかります。
何かを創り出すのって楽しいですから。
ところで、一言で「プログラミング」と言っても、内容は様々です。
「どんなプログラミングがしたいと言ってますか?」
「ゲームを作りたいそうです。」
なるほど。
すでに独学で始めていて、しかも「ゲーム」を作りたいと。
それで私の説明のしかたが決まりました。
そういう高校はありません
「おそらく、その生徒さんが望んでいるような授業をやってくれる高校は、愛知県には無いと思います。専門学校ですね。」
「え!そうなんですか? でも『情報』と名のつく学科やコースを設けている高校がありますよね。」
「確かにそうですね。でも、そういう所で学ぶプログラミングは、ちょっと違います。」
「そうなんですか。じゃぁ、どんなプログラミングをやるんですか?」
「統計の数学とか、機械を動かしてみるとか、データーベースの考え方とか、そういうものです。」
「ああ、要するに勉強ってことですね。」
「そうです。あくまでも勉強です。」
「パンフレットやホームページで『ゲームを作っている』と謳っている高校もありますよ。」
「皆さんがスマホやゲーム機でやっている『ゲーム』とは程遠いものですよ。」
「確かに一言で『ゲーム』と言っても、色々ありますもんね。」
「その生徒さんは、すでに趣味でゲームをつくり始めているのでしょう。高校の授業で作るゲームがそのレベルを超えることはないです。きっと期待外れになりますよ。」
「ゲームらしいゲームが授業の中で作れる! などと期待するのは違うんですね。」
「そういうのは専門学校になります。」
日本の高校で受けられる「授業」としてのプログラミングは、その生徒が思い描くものとは違うものでしょう。
- ゲームを作りたい
- 何かのシミュレーションをしたい
- CGをぐりぐり動かしたい
具体的に作りたいものが明確に決まっていればいるほど、期待を裏切られると思います。
ちなみに最近はN高校やS高校があります。
高校の勉強と実践的なプログラミングを両立して学ぶことができる数少ない高校です。
ただし愛知県の場合はオンライン授業がメインとなります。
高校の情報科で学べること
情報科の高校で教えてくれるのは、もっと普遍的な知識や技術です。
時代に左右されにくい基礎の部分です。
とても大切である反面、すぐに何かを作れるような知識というわけではありません。
試しに本屋さんに行って
「情報処理技術者試験」
という国家資格を取るための参考書を見てみてください。
ちょうど、そこに載っているようなことを学びます。
それが情報科の授業です。
専門用語や使われている数学は、けっこう難しいです。
ちゃんと勉強しないと理解できないことが多いでしょう。
コンピューターの使い方は色々あります。
その色々な使い方に通用する部分を基礎として学びます。
卒業後に生徒たちがどの方面に進んでも困らないように、基礎をまんべんなく学びます。
基礎だから簡単というワケではなく、むしろ難しいものもあります。
だからじっくりと時間をかけて基礎を固めます。
技術の流行り廃りが速いからこそ
コンピューターの世界は技術の入れ替わりが激しいです。
そのため長いあいだ変わらず通用し続けて残るのは、基礎の部分だけになります。
それ以外の知識は、5年くらいで変わったり使い捨てたりしていきます。
ですから長い目で見れば、基礎がとても大切です。
直ぐに何かを作れる技術ではないものの、
ずっと役立ち続ける基礎をしっかり学ぶ。
それが情報科で学べることです。
急がば回れ
ですね。
コンピューターの業界に長くいればいるほど、基礎が大切になってきます。
実は普通科でも多くを学べる!?
ちなみに今後は、その「基礎」の多くが普通科でも学べるようになります。
教育改革で「情報」という教科の内容が強化されるからです。
この件で全国の高校で先生が悲鳴を上げています。
「教えられる人、どれくらいいるの?」
そのくらい内容が濃くなります。
しかも、2025年から大学入試の試験科目にもなります。
これに連動するかのように、文系学部でも数学を入試の必須科目とする大学が増えてきています。
コンピューターが当たり前になる中で、文系・理系を問わず、情報処理が重要になります。
すると、情報処理に必要な数学も連動して重要になっていくからです。
こうした背景から、普通科でも学べることが多くなります。
ここからは塾長の推測ですが、おそらく推薦入試の試験形態も変わっていくでしょう。
今は小論文が主流ですね。
しかし「小論文」の代わりに「コンピューターを使った表現力」を見られるように変わるかもしれません。
自分の考えを論理的に表現する方法は、何も文章だけではないからです。
グラフやチャート、プログラムなど、色々あります。
コンピューターが当たり前になってくれば試験をコンピューターで受ける形式も増えるでしょう。
推薦入試の試験内容が、小論文からコンピューターによる表現形式に代わっても、何ら不思議はありません。
自由にやりたければ部活やサークルで
「それでは、どのように指導したらよいでしょうか?」
「プログラミングにこだわらず、しっかり勉強するために進路を選んでほしいと思います。普通科でも情報科でも、どちらもで構わないと思います。」
「それで納得しますかね?」
「これから3年間くらいのスパンで考えるなら、部活やサークルでゲームを作る生活の方が、きっと本人のイメージに合うと思います。」
「先ほどの、授業でゲームが作れるわけではない、ということですね。」
「そうです。」
高校は何科でも正解。しっかり学ぶことが大切!
「それならば、専門学校に行くのはありですか?」
「言い忘れましたが、ゲームクリエイターの専門学校には、中卒の人はむしろ少ないです。高卒や大卒、または大学中退の学生が多いです。高校までしっかり基礎を学んでおかないと、結局は通用しません。」
「そうなんですか。」
「例えば、最近はUnity(ユニティ)を学びたいという小学生が増えています。ゲームプログラマーを目指すお子さんは、そういう開発環境の知識をYouTubeなどを見て知っているんですよね。凄いでしょう。そのUnityでリアルな物体の動きを再現しようとします。そうすると、Unityのなかで物理学の公式に数字を設定していく作業が出てくるんです。そやって何か少しでも緻密なことをやろうとすると、とたんに高校の知識が出てくるんです。」
「ちょっと待ってください。今メモします。『ユニティ』ですね。」
「はい。その言葉が分かる子なら、なおさら高校の授業に期待してはいけませんよ。ですから高校までは『しっかり勉強する方がおすすめ。』とお伝えください。」
軽いゲームなら趣味でも作れます。
趣味のレベルでもプログラミングそのものは鍛えられます。
学校で教わるのを待つよりも、具体的に何かを作ながら、先輩や友達からアドバイスをもらいながら、
そうやって部活やサークルで、自由にプログラミングしていく方がイメージに合うでしょう。
そして本格的なゲームを作るともなれば、高校までの勉強も大切になってきます。
普通科でも情報科でも工業科でも、どちらへ進学しても良いですが、とにかく高校で学べることをしっかり学んでおくことが重要です。
ちなみに植田一本松校では昨年、商業科からプログラマーを輩出しました。
苦手や得意のデコボコがあっても全くかまいませんが、それでも高校までは最低限しっかり学んでおきたいところです。
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