塾長です。
納税にコロナ対応の臨時休校の作業、オンライン授業の手配などの作業がひと段落して、21時ごろに力が抜けた。
さて、思い出の1つでも綴ろう。
もう1年近く前になってしまった。ちょうどこのくらいの時間だった。その日の仕事がちょうど終わる時刻。
「塾が終わる時間、ちゃんと分かってますよ!」
そんな感じの絶妙なタイミング。
大学生になった卒業生が、ふらっと遊びに来てくれたのだ。
天白高校から滋賀大学へ進学した努力家である。
この世代の生徒たちは、よく遊びに来てくれる。
同学年の女子大生たちも成人式の帰りにわざわざ寄ってくれた。
「おお!よく来たね。あれ、いま何年生になったっけ?」
「もう来年は就職活動ですよ。」
そう言いながら、まるで何の違和感もなくスリッパに履き替えて、すっとイスを引いて面談机に座り込んだ。
「え、もうそんなん? 早いねー。」
「まだぜんぜん大学生を満喫した気がしないっす。」
「え、そうなの?」
「大学の講義がもう、興味が持てなくて。」
「講義なんかに期待しちゃいかんよ。サークルとか、セミナーとかは楽しくないの? あるいは充実してます、とか。」
「特に何も。友達に誘われて応援にはいきますけど、自分では。」
私はそんな彼に「勿体ない。」と返した。大学生なんだから、もっと好き勝手にやれば良いと、そんな話をした。
「塾長は大学生のとき、何してましたか?」
「僕はもう『好きな勉強しかしたくない!』って決めて行動してたかな。浪人して大学に行った反動もあったと思う。」
「大学の成績は気にしなかったんですか?」
「成績なんて全く気にしなかったよ。だって大学に合格したとき、『これでやっと偏差値とか成績とかから解放される。ついでにマラソン大会もない!』って本当に思ったから。何か制度のために我慢して勉強するのは、もう受験でコリゴリだったよ。だから成績とか評価とか、本当にどうでもよかった。重要なのは留年しないことと、興味のない講義をいかに回避するかってことだった。留年しそうでヤバかった時期もあったけど。」
そんな話をしながら、最近の大学生はマジメすぎるんじゃないかと心配もした。
あるいは、大学が余計な細かい制度を発展させて、つまらないスコアで学生の創造性を縛り付けてやしないかと危惧もした。
「それで、好きな勉強って、何をしたんですか?」
「物理学科志望だったから、物理関係のセミナーを3つかけ持ちしてたよ。有志で集まって専門書を輪読するみたいな活動。古典力学と解析力学と、それから量子力学。途中で辛くなって2つになったけど。そんだけ物理やってたのに、なぜが数学科に進んじゃったんだけどね。それからプログラミングも独学したよ。これは趣味だったけど、何学科に行っても何かシミュレーションしたいと思ってたから。」
信じられないという顔をした。
「サークルで充実したとかじゃないんですか?」
「もちろんサークルも楽しかった。3月末に下宿を始めたんだけど、4月の入学式まで1週間くらい暇だった。下宿にいても何もないし1人じゃ寂しかったから、4月になる前にサークル室に遊びに行って、それで先に入部しちゃった。凄く歓迎されて、先輩に夕飯とかおごってもらったよ。」
あー、いいなー。そういう経験したかったなー。
という表情で聞いていた。
別に思い出を自慢したくて語ったわけではない。単なる事実だ。
どちらかと言えば、貧乏学生だったし、むしろ不便の方が多かったと思う。
先輩が飯をおごってくれる習慣はマジでありがたかった。
逆に聴いてみた。
「そろそろ興味のあることも出てきたんじゃない?」
「まぁ、面白そうな勉強も少しはあります。研究室も決めなきゃだし。」
良い傾向だ。
大学は研究するところ。
もちろん、大学に行く目的はそれだけではないし、人によって色々だとは思う。
しかし、大学生である恩恵を最大限に受けるためには「研究する」という姿勢が必要なのだ。
サークル活動なんて、ぶっちゃけ社会人になってからでも似たようなことはできる。
しかし勉強に没頭したり研究したりすることは、大学生の時しかできない。
真面目に講義に出て点数を稼ぐなんて、そんな高校生みたいな生活をしてたのでは、大学生である意味がない。
興味のある研究分野が出てきたのであれば、その分野の教授にアポを取って、話を聞きに行ってみたらよい。
教授が無るなら、その研究室にいる博士課程とか修士課程の先輩方に話を聞いてきたらよい。
それで気に入ったら、研究室配属の後で後悔することもないし、配属が有利になるかもしれないし、一石二鳥だ。
そういうことを話した。
「塾長はプログラミングを独学で学んだんですよね。」
「うん、そうだよ。規模の大きな開発とか品質管理とか、そういう生産技術を学んだのは社会人になってからだけど。でも基礎は自分で勉強したよ。プログラミング言語の文法とかオブジェクト指向とか、そういう基本は本を買って読めば誰でも勉強できるからね。大学は本屋さんが充実してるから、いくらでも手に入るでしょう。たとえ社会人になってからも、そういう基礎部分は独学でやるもんだよ。今はインターネットがあるから便利だね。」
「本を買って読めば、できるようになるんですか?」
「1冊目はアホみたいに優しい本がいいと思う。それから、何でもいいからプログラミングして作った方が早いよ。ショボいプログラムでも何でもいいから、とにかく作りながら学んだ方が身に着くのが速いから。僕は学費や生活費を自分で稼ぐ必要があったから、プログラミングのアルバイトをしたよ。小さな会社から派遣されて大きな会社の職場を手伝ったりね。慣れてきたら持ち帰って自宅でプログラミングして、みたいな。1つソフトを完成させたら10万円とか20万円とか、そういう仕事もあったから。」
「まじっすか。でもほんと、今ってプログラミングとか情報解析とかできると、すごく就職いいじゃないですか。うちの大学のデータサイエンス学部、すごい人気らしいです。後輩たちにお勧めです。自分が興味ある研究分野もコンピューターで統計処理するみたいだし、関係あると思うんですよ。何を勉強したらいいですかね。」
お、だいぶ乗ってきたようだ。
「うん、その統計学で良いと思う。プログラミング言語は、行きたい研究室で何を使っているか聞いてみて、それで決めればいいと思うよ。1つの言語をちゃんと勉強すれば、あとは何語でもだいたい一緒だから。もしも研究室で特に何もなくて、それで独学というのなら、パイソンというプログラム言語がいいと思う。無料で環境を作れるし、文法も分かりやすい。それに高機能。統計処理や人工知能、数学や科学技術計算に使う関数や、グラフを描いたりレポートをつくったりする機能が豊富だから。」
「そういうことが分かっていて、なんで塾をやってるんですか?」
「僕らの時代はIT系の仕事と言えば、ブラックだったんだよ。だいたい4年くらい働くと1回廃人になる。それで転職して・・・みたいな感じ。もっと人間らしい仕事というか、人と触れ合う仕事がしたいってね。それで。」
「激しいっすね。」
「今は大丈夫だと思う。法律がかなり厳しいから。まぁ、楽な仕事とか安定した仕事なんてないからね。没頭できれば幸せなんじゃない? プログラミングとか開発は今でも好きだよ。実際プログラミング教室は自分で作っちゃったし。もしもこの先、学習塾が人工知能に置き換わって仕事が無くなったら、またプログラミングで飯でも食おうかな、とかね。まさかね。」
「うわっ、そういうの俺も言ってみたい。なんか、いざとなったらこれがある的なスキル、俺も欲しいっす。」
「でもね、ゲームとか業務アプリとかは、いくら作れるようになっても、ぶっちゃけそんなに儲からない。安い人件費で優秀な人材が世界に五万といる分野だから、もう消耗戦。レッドオーシャン。それに技術の流行り廃りが激しいから、学生のうちに勉強しても無駄になると思う。結局のところ、大学レベルの知識を応用するようなプログラミングができないと、年収は高くはならないよ。」
「あー、うん、あ、はい。もっと早く話していれば・・・でも分かりました。おれ勉強します。ほんと勉強しよ。」
とまぁ、そんな会話をした記憶が何故か思い出された。
コロナ騒ぎで就職活動はどうなってしまうのだろうか。
緊急事態宣言を受けて教室を閉鎖して2日目。
早くも生徒たちのいない教室に哀愁が漂う。
この場に子供たちの姿が早く戻ってきて欲しいと願う。
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